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Race Report - 第3戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(2017年7月8日・晴・曇/ドライ)

予選レポート

今シーズンの中盤戦に突入した全日本スーパーフォーミュラ選手権。第3戦は富士スピードウェイがその舞台となる。予選が行われた7月8日は、朝から青空が広がり爽やかな一日に恵まれたが、その中で、KONDO Racingの3号車ニック・キャシディ選手、そして4号車山下健太選手は、それぞれノックアウト予選で奮闘。ともにQ3まで残り、グリッド争いに挑んだ。
まず、Q1で山下選手が5位、キャシディ選手が12位で通過。続くQ2では、セッション終盤に赤旗が出て走行が中断。残り3分での再開を前にキャシディ選手は暫定6番手、一方の山下選手は9番手に留まっていた。そこで、チームではQ2突破を目指し、再び山下選手をコースへと送り込む。山下選手は懸命のアタックにより、自己ベストタイムを更新する走りを見せ8位でセッションを終了。土壇場でQ3進出の資格を手にした。
そして迎えたQ3。上位8人によるタイムアタックだったが、両者とも大きなミスもなく、ベストラップを更新してポジションアップにも成功。結果、山下選手が6位、キャシディ選手が7位で予選を終えることになった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'23.855 1'23.352 1'23.044
2 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 1'23.861 1'23.847 1'23.107
3 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 1'24.293 1'23.539 1'23.193
6 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 1'24.007 1'24.049 1'23.516
7 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 1'24.396 1'23.960 1'23.785

近藤監督のコメント

ふたりともルーキーはルーキーですが、他のドライバーと違い、もう何年も日本のサーキットで走り、F3でチャンピオンを獲っていることもあり、そのポテンシャルをしっかりと出せていると思います。このアドバンテージをしっかりと活かしてもらいたいですね。こちらからもルーキーだからと特別注文することもないし、エンジニアとのコミュニケーションも良くなっているので、安心しています。
確かにレースに向けての戦略面では、まだまだ経験が必要だし、レース中のタイヤの使い方、内圧など、都度変化するものに関してはドライバーとエンジニアに任せています。今年は、このレースそのものが本当にタフで難しい展開になっているので、その中からチャンスを掴んでほしいですね。それからあとはスタートを決めて欲しい。他のサーキットよりも富士は抜きどころもあるので、粘りを見せてくれればいいですね。

ニック・キャシディ選手のコメント

今日の結果にはとても満足しています。富士でのQ3でこの走りができたのは良かったと思います。セッションごとに色んな部分が改善されて進歩しているし、自信もあります。Q2では僕の前で別の車両がスピンし、その時点で僕はQ3へ進出できないんじゃないかと思ったんです。なので、Q2通過がわかってうれしかったですね。思わずクルマの中で自分に拍手していました。
今、僕らはトップ3のチームを追いかけている状態です。とはいえ、彼らとの差はとても大きい。でも、毎セッションごとに少しずつではありますが、進歩し、その差を詰める努力をしています。決勝では着実にポイントを計上できるよう、いい戦いをしたいと思います。タフな戦いになるでしょうが、それができれば素晴らしいし、今回できなければ、また次に挑むだけ。スタートも今の時点ではまだ苦手なので、得意なドライバーにでも教えてもらうのがいいのかもしれません(笑)。

山下 健太選手のコメント

Q3では、後方からハイペースで石浦宏明選手が来ていたので、ペースアップしなきゃ、と最終コーナーでアクセルを開けたところ、スピンしそうになったのでびっくりしましたが、あとは無事にアタックできました。一方で、Q2では赤旗が出たときにはまだアタックが出来ておらず、Q2を通過できるかどうかとても心配でした。タイミングとしては最悪のものだったし、アタック中だったのでタイヤのおいしいところも使ってしまっていたのですが、再開後になんとか決めないと、と思ってました。ギリギリ通りましたね。良かったです。
クルマのセットは決まっていたので、Q2はニュータイヤでのアタックができていれば、ポジションももっと上だったと思います。一方、決勝の250kmという距離は初めてになります。また、決勝ではレースペースを上げていきたいですね。よく考えて速く走れるようにしたいし、あとはピットイン含む戦略も大事になると思います。決勝は表彰台を狙っていけると思うので、しっかりがんばります!

エンジニアのコメント

【3号車】

岡山戦のあと、6月中旬にスポーツランドSUGOで行われたメーカーテストに参加することができたので、そこで色々と試して勉強する機会に恵まれました。結果、方向性として正しいことが確認できたので、それを踏まえたセットアップをして富士に持ち込みました。
金曜日の専有走行では持ち越しタイヤでコンディションのいいものがあまりなかったのですが、最後にいいものを着けたところ、いいタイムが出たので、基本的なセッティングを確認することはできました。加えて試したいアイテムがあったので、今朝のフリー走行でテストし、最終的にニュータイヤで確認もできました。予選では、赤旗も出てドッキリしましたが、まずはいい位置からレースを迎えることができて良かったと思います。一方で、決勝は決勝でなにが起こるかわかりませんし、天候次第で難しくなることもあるでしょう。チームとしての総合力が問われる一戦になると思いますが、楽しみです。

【4号車】

今日は、正直予選で走り出すまでは、どこまで行けるのか未知数の部分がありました。朝のフリー走行では、最後にニュータイヤを装着したチームとそうでないチームとに分かれたこともあり、見極めが難しかったですね。ウチもニュータイヤをつけて確認したものの、ちゃんとアタックができなかったし。とはいえ、微調整を重ね、方向性を導くことができたと思います。
いいポジションで決勝スタートを切ることができるので、いい結果を期待していますが、今日の走行で見えてきた気になる部分をどこまで改善できるか、引き続き作業をしていく予定です。

二日目 決勝(2017年7月9日・晴/ドライ)

決勝レポート

好位置からスタートもまさかのトラブル。次戦もてぎでの躍進を誓う

決勝を迎えた富士スピードウェイ。この日がレースウィーク中の一番の暑さになった。KONDO Racingでは、前日の予選でNo.3 ニック・キャシディ、No.4 山下健太両選手が揃ってノックアウト予選のQ3まで進出。中盤戦に入り上昇気流に乗っているだけに、ここでぜひとも好成績を残したいところだ。
決勝は、午後2時10分、250km・55周の戦いとしてスタート。気温、路面温度ともに午後から急激に上昇し、タフな戦いになることが予想された。そして、KONDO Racingにとっては厳しい戦いが待ち受けた。
山下、キャシディ両選手とも好スタートを切ることができず、オープニングラップでポジションを落とすことに。また、キャシディ選手においては1コーナーでの混戦で多重接触があり、さらに最終コーナーでの接触でフロントウィングを破損。結果、手負いの車両はダンロップコーナーでストップ。キャシディ選手はその場でクルマを離れ、戦いを終えている。
一方の山下選手。オープニングラップを8番手で終えると、混戦の中で攻防戦を開始。上位チームが10周前後でのピットインを始めるなど慌ただしい流れとなったが、安定したペースで周回しながら前を走るローゼンクヴィスト選手を追う展開となった。だが、29周目の1コーナーへと向かう中、左リアタイヤが突然のバースト。なんとかコントロールし、幸いピットへクルマを戻すことができたが、上位フィニッシュのチャンスを失うことに。しかし、タイヤ4本を交換してコースに復帰した山下選手は、自己ベストラップタイムの更新を目指して果敢な攻めの走りを披露する。ところが46周を終えて突然のピットイン。数周前からギアの電気制御関係にトラブルが発生し、クルマはドライビングが極めて難しい状態となっていたことから、チームではこれ以上の走行は危険と判断し、レースを終えることとなった。
2台揃って好位置からのスタートを切ることができた富士戦。だが、惜しくもそれに見合う結果は残せず戦場を離れたKONDO Racing。次のもてぎはまさにリベンジ戦となるが、上昇気流に乗るドライバーとチームの総合力をフル活用し、躍進を果たしたいところだ。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 55 1:20'09.046 187.642km/h 1'25.663
2 7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 フェリックス・ローゼンクヴィスト 55 1:20'16.315 7.269 1'25.581
3 36 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 アンドレ・ロッテラー 55 1:20'31.888 22.842 1'26.156
4 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 55 1:20'50.832 41.786 1'26.625
5 15 TEAM MUGEN SF14 ピエール・ガスリー 55 1:20'50.867 41.821 1'26.252
6 41 DOCOMO DANDELION M41Y SF14 伊沢 拓也 55 1:20'52.430 43.384 1'26.481
7 37 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 中嶋 一貴 55 1:20'53.113 44.067 1'26.737
8 41 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 ヤン・マーデンボロー 55 1:20'53.407 44.361 1'26.552
9 10 REAL SF14 塚越 広大 55 1:20'53.956 44.910 1'26.790
10 40 DOCOMO DANDELION M40S SF14 野尻 智紀 55 1:20'55.238 46.192 1'26.843
- 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 46 1:08'46.143 9Laps 1'26.669
- 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 1 1'35.160 54Laps -

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 1'25.581 46/55 191.944km/h

近藤監督のコメント

笑うしかない結果ですね。悔しいですよ。でも予選での速さをアピールできたし、山下は決勝でもいいペースで走ることができていたので、いい材料もありました。ただやはりクルマのトラブルもあって結果にはつながりませんでした。しょうがないですね。ニックは接触が多くて残念でしたが、いずれもふたりはスタートを決めることができなかったというルーキーの弱みが出たようにも思いました。今後の課題ですね。

ニック・キャシディ選手のコメント

いつもスタート練習のときはうまくいくんですが、今回もレースでのスタートを決めることができませんでした。レースウィーク中、速いクルマを手にすることができていたのに、肝心のレースではクリアスタートを切れず、戦うこともできませんでした。本当に残念です。

山下 健太選手のコメント

スタート自体は良かったのですが、そのあとが悪かったですね。クルマは満タンの状態で走り出し、状況に合わせてピットインし、タイヤ交換もそのときの状態を見て考える予定でした。無交換という考えもあったんです。ところが、セクター3からリアがオーバーステアっぽくなり、1コーナーで突然バーストしました。レースでは、(2位入賞を果たした)ローゼンクヴィスト選手の6秒くらい後ろを走っていたので、あのままうまく走れていれば…という思いがありますね。パンクチャーの後、またピットに戻ったのは、ギアが落ちなくなってしまったから。Bコーナーでシフトダウンできなくなるという症状が毎周出ていました。そしたら最終コーナーでもおかしな感じになってしまったので、ピットインしました。今回も予選でいい流れを作れたのですが、決勝日の朝の走行でうまく走れない状況になったので、スタートに向けて急きょセット変更をしてもらいました。それが良かったので、決勝にも自信を持って挑んだだけに悔しい展開になってしまいました。次のもてぎではなんとかしたいですね。

エンジニアのコメント

【3号車】

スタートで出遅れ、大渋滞の中、あちこち接触したとニックが言ってました。スタート直後、コーナー進入時、さらにBコーナーでも接触があったようですね。スタート位置が良かっただけに、このようなことになってもったいなかったですね。でも自身のミスですから、しょうがないでしょう。うまくスタートを切れていたら、引っ張るだけ引っ張ってピットインし、前に出られるチャンスがあるならタイヤ無交換という考えもあったのですが…。調子が良かっただけに、もっといい走りを見せてもらいたかったですね。

【4号車】

朝のフリー走行でクルマの状況が大きく変わってしまいました。なぜそのようになったのかわからなかったのですが、このままでは決勝で走れないので、インターバルの間にセットを変えました。それが良かったようです。タイヤパンクチャーが出たのも残念ですが、その後、電気系トラブルでコントロールできなくなってしまい、ピットに戻すことになりました。本当に残念です。

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