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Race Report - 第6戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(2017年9月23日・曇/ドライ)

予選レポート

いよいよ今シーズンも残すところ2戦となった全日本スーパーフォーミュラ選手権。第6戦の舞台となるのは宮城県・スポーツランドSUGO。テクニカルなコースレイアウトを持ち、チャレンジングなサーキットとして知られる。予選日は、朝早くに降った雨がフリー走行前まで残ったため、ウエットコンディションでスタート。だが、午後の予選はドライコンディションでのタイムアタックが行われた。
前日に行われた専有走行。KONDO Racingの、ニック・キャシディ・山下健太両選手はセットアップを続けたが、今ひとつタイムを伸ばせず、予選に向けて見直しを図ることになる。そして迎えた予選日朝のフリー走行。キャシディ選手は前夜に見つかった改善策が奏功し、ユーズドタイヤで2番手のタイムをマーク。徐々に手応えを掴んでいった。結果、午後からのノックアウト予選に入るとQ1、Q2と順調に駒を進め、Q3に向けてセットを変更。これが起爆剤となりラストアタックで1分04秒910という最速ラップタイムをマーク。SUGOのコースレコードを更新する活躍で、自身初となるポールポジションを手にした。
一方、山下選手は朝のフリー走行を終えてもなお、改善策を模索し続けている状態。別段不具合があるわけでもなく、総体的なスピード不足に悩んでいた。残念ながらその流れは予選に入っても変わることはなく、Q1でマークした自己ベストタイム、1分06秒439はトップから僅か0.9秒差ながら、ポジションは17位どまり。Q2進出を果たせず、予選セッションを終えた。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 1'05.891 1'05.551 R1'04.910
2 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 1'05.530 1'05.384 R1'04.988
3 15 TEAM MUGEN SF14 ピエール・ガスリー 1'06.074 1'05.550 1'05.080
17 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 1'06.439 - -

R=コースレコード(従来のコースレコード 1'05.005)

近藤監督のコメント

今日のニックは良い仕事をしました。予選では、Q2でちょっと失敗していたんです。一旦アタックを止めて次の周にベストタイムを出しているので、タイヤのおいしいところは使ってしまっていたんです。なので、Q3でもタイムが出るだろうと期待はしていたのですが、まさかコースレコードを更新するとはね。頑張ったと思います。逆に、山下はどこかが悪いということではなかったんです。それなのに、タイムが出ないという難しい状況になっています。悪いところが見つからない分、余計に厳しい結果になってしまいました。
ドライバーふたりはともにルーキー。速さはあるけれど、良いセッティングを見つけるタイミングでライバルに遅れを取ったり、何が良いのかを見極める力がまだ足りません。F3だけの経験ではなかなか大変なことだと思うんです。チームとしてうまくお膳立てをしてあげないといけないことも多いと感じています。一発の速さは出せるようになりましたが、一方でレース戦略をきちんと決めてあげることは僕らチーム側の仕事。なので、決勝でうまくレースできるよう、速さあるドライバーふたりにしっかりと準備してあげたいですね。

ニック・キャシディ選手のコメント

ルーキーだし、チームメイトがもてぎ戦でポールポジションを獲っていたプレッシャーもある中で獲れたのだから、今回ポールを獲ることができて、信じられないほど嬉しいです。
昨日、クルマの調子があまり良くなかったのですが、そんな状況はオートポリスからずっと続いていました。今回これを改善しようとしていたのですが、昨夜その策が見つかり、朝のフリー走行で普通に走ることができたんです。いつもはあまり予選中にセット変更をしないのですが、今回はQ2で様子を見て、Q3で思い切って変更したところ、良いアタックができました。明日はしっかりとレースに集中し、まずは良いスタートを決められるように頑張ります。

山下 健太選手のコメント

前日の専有走行、そして朝のフリー走行でも最後尾だったので、予選に向けて厳しい状況であったのは確かです。ただ、いつも一発の予選だけは悪くないアタックができていたので、今回も同じように頑張ろうと思っていました。でも、全然ダメでした。スピードが全体的に足りませんでした。(チームメイトの)ニックと比べてもすべてが遅かったですね。少しずつ各コーナーで遅れていました。グリップが足りませんでしたね。
明日の決勝では、開き直って走りたいのですが、あまりにもポジションが後方すぎて…。みんな同じような作戦になって、序盤にピットインすると思われるので、抜きようがないし、速さがあればまだなんとかなるのですが、それがない分厳しい戦いになると思いますが、良い走りができるように頑張ります。

エンジニアのコメント

【3号車】

やりましたね。今日の予選では、Q1でクルマの状況を聞いたときにその原因を推測することができました。Q2に向けてどうするかニックに聞いたのですが、そのままで行くという返事だったんです。僕も、彼がミスをしなければQ3に行けるという確信があったので、そのままのセットで頑張れ、と送り出しました。Q3は残り8台なので、ミスしても8番手。だから勝負しようと彼に言いました。そこで何周でタイムを出すかをしっかり意識して走るように伝え、セットを変更したんです。それがうまく行きました。準備された状態の中で、彼が良い仕事をしたということですね。彼にとって良い経験になったと思います。

【4号車】

まず、全体的にクルマのスピードが足りない状態でした。明日の決勝に向けてじっくりとひと晩考えるようにします。前日の専有走行では、試したいメニューがあったのでそれを色々とやっていたので、今日の予選ではもう少し行けるかと思っていたのですが…。朝、ウエットタイヤでの走行が続いたことで流れが変わってしまい、うまくいかなかったのが残念です。

二日目 決勝(2017年9月24日・晴/ドライ)

決勝レポート

今シーズン、チームドライバーを刷新し、ニック・キャシディ選手、そして山下健太選手を迎え入れたKONDO Racing。ふたりはスーパーフォーミュラにおけるルーキードライバーながら、山下選手が第4戦もてぎで、そしてキャシディ選手が今大会の第6戦SUGOでポールポジションを獲得するという活躍を見せている。だが、僅差の激戦が続くこのレースの決戦で好成績を残すのは容易なことではなく、今大会も厳しい洗礼を受けることになった。
トップから好スタートを狙ったキャシディ選手だが、クラッチミートに失敗して後続車に飲み込まれることに。結果、5位からの追い上げを開始したキャシディ選手だったが、17周を終えた時点でドライブスルーペナルティを科せられてしまう。これは、スタート3分前までに車両のステアリングが取り付けられていなかったことが、スタート手順違反と判断されたため。2周後、理由が把握できないままキャシディ選手がペナルティを消化。気を取り直してコースでの戦いに復帰し、その後、自己ベストタイムを何度も更新しながらレース終盤を迎えた。そして54周終了時点でピットイン。ガソリン補給を行い、コースに戻るとその後も攻めの走りに徹していたが、セミファイナルラップで勢い余ってスピン。コースアウトを喫して万事休すとなり、19位で戦いを終えている。
一方、予選でタイムが伸びず17位スタートに甘んじた山下選手。SUGOは抜きどころが少なく、難しい展開になることが予測された。実際、スタートをうまく決められなかった山下選手はひとつポジションを落とし、18位からの追い上げを強いられた。また、チーム戦略として、山下選手のピットインはキャシディ選手がピットインを終えた後に行うことを予定していたが、キャシディ選手が予定外のペナルティを受けたことから、変更を迫られることに。結果、タイミングを終盤に変更、59周を終えてピットインした。レース中はノーピットを敢行する2台が山下選手の前を走行していたことからペースを抑えられることにもなってしまい、14位でコースに復帰する。その後、残り少ない周回数の中でも最後まで諦めることなくプッシュし続けた山下選手。66周目の自己ベストタイム更新やライバル勢の脱落もあり、11位までポジションアップをしてフィニッシュすることとなった。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 68 1:19'00.439 191.291km/h 1'08.252
2 15 TEAM MUGEN SF14 ピエール・ガスリー 68 1:19'00.682 0.243 1'08.304
3 37 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 中嶋 一貴 68 1:19'01.613 1.174 1'08.314
4 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 68 1:19'07.193 6.754 1'08.402
5 7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 フェリックス・ローゼンクヴィスト 68 1:19'11.911 11.472 1'08.757
6 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 68 1:19'13.085 12.646 1'07.697
7 18 KCMG Elyse SF14 小林 可夢偉 68 1:19'19.891 19.452 1'08.797
8 41 DOCOMO DANDELION M41Y SF14 伊沢 拓也 68 1:19'21.180 20.741 1'08.606
9 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 ヤン・マーデンボロー 68 1:19'21.898 21.459 1'08.355
10 36 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 アンドレ・ロッテラー 68 1:19'29.410 28.971 1'08.052
11 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 68 1:19'37.133 36.694 1'08.320
19 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 65 1:16'24.801 3Laps 1'07.875

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 1'07.697 66/68 196.985km/h

ペナルティ
※No.3の車両は、2017全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第31条4.2)(スタート手順)違反により、ドライビングスルーのペナルティが科された。
※No.36の車両は、2017全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第26条9.(ピットレーン速度)違反により、ドライビングスルーのペナルティが科された。

近藤監督のコメント

ニックはポールポジションからのスタートに、かなりナーバスになっていたように見えました。どうスタートするのが良いのか、色々と悩んでたようですね。すべてはスタートの失敗にあったと思います。加えてスタートでのペナルティ(スタート手順違反)があったので、彼にとっては良い日ではなかったですね。一方、山下のほうはあと2、3番手ポジションを上げてフィニッシュして欲しかったですね。とは言うものの、タイム的にも悪いものではなかったし、うまく走っていたと思います。今シーズンは、山下、ニックのふたりとも速さを見せてポールポジションを獲ることができているので、最後の鈴鹿ではその速さを決勝でしっかりと見せられたら良いと思います。結果がすべてのレースなので、今回はそれができずに残念でしたが、これを経験にさらに頑張ってもらいたいですね。

ニック・キャシディ選手のコメント

今週末、スタートでいつも電気系トラブルに悩まされました。結局、そのトラブルが決勝でも出てしまいました。朝のフリー走行でもスタート練習のときにそのトラブルで何度もエンジンストールしていたので、決勝でも同じようになってしまい本当に残念です。決勝前にトラブルのことは把握していたので、うまくスタートが切れるかという不安ではなく、問題を抱えながらスタートしなければならないというのが辛かったですね。
スタート手順に対してのペナルティが取られたようですが、ドライブスルーの指示が出たときは、訳が分からずびっくりしました。なので、今日は何も言うことがないような感じです。一方で、結果は残りませんでしたが、今回予選でポールポジションを獲って、改めて自信はつきました。最後のスピンは、ファステストラップを取ろうとプッシュしすぎましたね。これまで結果にはつながっていませんが、常に速さを見せることができているので、最終戦の鈴鹿でまたしっかり頑張ります。

山下 健太選手のコメント

スタートはミスしてしまいました。1コーナーでバックミラーを見たら、誰もいませんでした。予想していたよりもダメなスタートでしたね。この問題解決に対し、しっかりと取り組まないといけないですね。チーム2台とも失敗しているので、対策しないと。一方、ペースアップできるよう、セットを大幅に変えるなど、色々と試してみたのですが、残念ながら手応えを得ることはできませんでした。変化はなかったですね。(ポールポジションを獲った)ニックさんのデータも参考にしたのですが、ダメでした。ただ、決勝はペースが少し改善されたように感じたので、それをうまく鈴鹿に向けて活かせることができれば良いと思うし、足りない何かを見つけていきたいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

決まった時間までにクルマへステアリングを取り付けることができなかったので、そのペナルティを取られてしまいました。また、スタートでの失敗もあったので、結果が出ませんでした。最後のスピンはファステストを狙うべく、アタックしていたのでしょう。今回はポールを獲っていいところを見せてくれましたが、レースでは逆に悪いところも出てしまったということです。今日の失敗を乗り越えて、最終戦ではこれまで学習したことをすべて出して戦ってもらいたいですね。

【4号車】

スタートでのミスが響きました。クルマの調子も最後まで上がりませんでした。今回、ピットインのタイミングは(ポールポジションを獲得した)3号車に合わせて行う予定だったのですが、(3号車が)ペナルティを受けたことで予定を変更せざるを得なくなり、結局、ピットインのタイミングを引っ張ることになりました。クルマとしては、オートポリスから同じようなフィーリングが続くので、次の鈴鹿は(2レースなので)Q1でしっかりタイムを出せるように準備しなければいけませんね。

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