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Race Report - 第6戦 岡山国際サーキット

一日目 予選(2019年9月28日・晴れ~曇り/ドライ)

予選レポート

渾身のアタックを見せ、山下が2位、国本が3位を獲得

いよいよ今シーズンも大詰めを迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。第6戦は、舞台を岡山県・岡山国際サーキットへと移し、終盤での戦いが繰り広げられる。KONDO RACINGもまた、さらなる躍進を目指して周到な準備を推進。ここしばらくの懸念材料だった「予選での好位置獲得」を目指した結果、山下健太選手が2位、国本雄資選手が3位とふたり揃って上位スタートのチャンスを手にした。

走行初日の金曜日、1時間の専有走行でまず持ち込みのセットを確認したKONDO RACINGの2台。課題のミディアムタイヤでの走行に特化し、周回を重ねつつ、セッティングの変更など様々なメニューを順調に消化する。結果、山下選手が9番手、国本選手が10番手でセッションを終えることにはなったが、両選手ともしっかりと手応えを得る走行をしたことで、予選に向けてより綿密な準備が進められるようになった。

迎えた予選日。心配された天気の崩れはなく、終日ドライコンディションでの走行が可能となる。チームは、朝のフリー走行で2台にそれぞれ異なるメニューを準備。ベースとなるセットは同じものながら、Q1でのアタックにふさわしい方向性を見出すための最終確認を行った。

ノックアウト予選Q1は午後2時25分にスタート。今大会ではQ1を2組に分け、各10台・10分間のアタックで実施するという規則がとられた。KONDO RACINGでは、A組に山下選手、B組に国本選手が出走することとなった。
気温30度、路面温度34度と前日からのセッションで一番の暑さとなる中、早々からコースに向かってアタックに挑んだ山下選手。周回ごとにタイムを削り取り、ラストアタックで1分15秒481をマーク。3番手でQ1通過を果たした。続くB組に出走した国本選手も着実にタイムアップ。一時は3番手に着けつつも、1分14秒842をマークし、5番手でセッションを終了。結果、2台揃ってQ2進出を果たすこととなった。

ソフトタイヤを装着して出走したQ2。このセッションでは国本選手が1分12秒971のタイムで2番手、また山下選手は1分13秒077をマークし、5番手を獲得。ともにQ3進出を決める走りを見せた。そして迎えたラストアタックのQ3。真っ先にコースインした2台はそれぞれ存分にタイヤに熱を入れ、タイミングを見計らってアタックへと向かった。ライバルたちが続々とタイムアップする中、両選手も負けじと各ベストラップを更新。ひと足先に山下選手が1分12秒780の好タイムでトップへと躍り出る。すると、続いて国本選手が2番手となる1分12秒880をマーク。暫定ながら、KONDO RACINGのふたりがフロントローにつけた。惜しくもその直後、他車がトップタイムをマークしたことでそれぞれひとつずつポジションを下げてしまったが、山下選手は今季自己ベストとなる2位を、そして国本選手が3位を獲得。ドライバーはもちろんのこと、チームとして決勝に向けて申し分のない結果を手にした。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川 亮 1’14.761 1’12.951 1’12.700
2 3 KONDO RACING 山下 健太 1’15.481 1’13.077 1’12.780
3 4 KONDO RACING 国本 雄資 1’14.842 1’12.971 1’12.880
4 36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋 一貴 1’14.540 1’13.136 1’12.884
5 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 福住 仁嶺 1’14.743 1’13.033 1’12.890
6 38 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦 宏明 1’14.830 1’12.977 1’12.969
7 65 TCS NAKAJIMA RACING 牧野 任祐 1’14.846 1’13.135 1’13.004
8 64 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウ 1’15.489 1’13.293 1’13.382
9 18 carrozzeria Team KCMG 小林 可夢偉 1’15.610 1’13.325
10 37 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ 1’14.972 1’13.382
11 15 TEAM MUGEN パトリシオ・オワード 1’15.722 1’13.519
12 51 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイ 1’15.405 1’13.557
13 16 TEAM MUGEN 野尻 智紀 1’14.886
14 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口 雄飛 1’15.767
15 50 B-Max Racing with motopark ルーカス・アウアー 1’14.919
16 1 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本 尚貴 1’15.842
17 17 REAL RACING 塚越 広大 1’15.118
18 39 JMS P.MU/CERUMO・INGING 坪井 翔 1’16.057
19 7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 中山 雄一 1’15.147
20 8 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋 和也 1’16.179

近藤監督のコメント

嬉しい結果であり、悔しい結果でもあります。ポールポジションはその日、一番速いドライバーが手にするものであり、レーシングチームとしては一番のご褒美なので、冷静に考えるとそれを逃したことはすごく悔しいですね。でも仮に1台がポール、もう1台がQ1止まりという結果より、上位に2台が揃って並んでいた方がチーム力としての評価はできるので、その両方を考えると微妙な気持ちにもなります。とはいえ、僕自身としては、ドライバーにはその日一番の速さをマークして欲しかったですね。

一方で、今回、速さをしっかりと見せられるクルマを、チームが2台揃って準備してきたことは良かったと思います。これがもう少し早いタイミングで用意できていれば、今シーズンの選手権もまた違った形にできたのですが…。でもアタック中のふたりの無線でのコメントを聞いていても、両者が同じようなことを言っていたので、クルマの方向性も合ってきて、しっかりと走れていたことがよくわかりました。
チームとしての力量が久々に発揮できて良かったと思います。

岡山のコースは抜きどころがないだけに、いい位置から決勝を迎えられることが嬉しいです。明日はしっかりと戦ってもらい、いい結果を手にしてもらいたいですね。楽しみにしています。

山下 健太選手のコメント

これまでずっとQ1で苦労をしてきました。Q1通過は、開幕戦の鈴鹿以来です。本当に長い間ミディアムタイヤに苦労していました。一方で、今回の岡山戦に向けてチームがものすごく色々とやってくれました。セットも色々変えて、ミディアムタイヤでQ1を通過できるようなクルマに仕上げてもらいました。Q1通過が目標だったので、本当に良かったと思います。

今までミディアムタイヤでの走行では、正直何も分からないような状態だったのですが、岡山に来て走り出したら、クルマの状況がわかるし、自分たちでコントロールできる状態まできました。この先あと1回しかレースはないのですが、岡山はもちろんのこと、(最終戦)鈴鹿ではいいレースができるのではないかと思うし、来年以降にも繋がるようなことをチームにやってもらえて感謝しています。

今日は、ポールポジション争いまでできると思っていませんでしたが、ただ今までもソフトタイヤを装着すれば予選で上位の順位に行けるというのはなんとなく分かっていました。Q3のアタックはすごくうまく決まったので、"もしかしたらトップを獲れるのでは"と思っていました。少しでも直線を速く行けるよう、コース左端を走ろうと思い、最終コーナーを立ち上がって、ずっとステアリング(に表示される)のタイムをずっと見ていたら、知らない間にコースを逸れて芝生を走ってしまっていました。

明日のレースは作戦が限られていると思います。ただセーフティカーが入ると面倒なことになると思うので、それをよく考えて走りたいですね。

国本 雄資選手のコメント

僕たちはこれまでずっとミディアムタイヤにすごく苦労していました。ただ、今週末のレースに入る前にかなりいい準備ができたので、これはいい週末を送れるのでは、と思っていました。金曜に行われた専有走行から、しばらくずっと下位に沈んではいたのですが、これまでに出来なかったようなテストメニューを淡々とこなしてきました。今朝のフリー走行でも僕はソフトタイヤを履かずにミディアムを着けて、どちらかというとテストメニューをこなす形で準備を進めました。

予選の中では、Q1を通ったことが一番嬉しかったです。ソフトはなんとなく履けば速いと感じていたので、Q1を突破した後、今週末初めていい状態でソフトタイヤを着けることができたし、Q2ではかなりグリップもあり、もうちょっと自分なりにドライビングを詰めればトップも狙えるかなというフィーリングでした。なので、Q3に向けて自分のドライビングをアジャストして行ったのですが、ちょっと行き過ぎてしまい、3番手になりました。すごく悔しい3位だったのですが、やっと走る前に"戦う"という熱い気持ちになれたし、"悔しい"という気持ちになれたのも久々だったので、すごく楽しい予選でした。

今回のミディアムタイヤでの走りは今まで走っていたものと違うフィーリングでした。今までの理解度とは違いました。いきなり結果が出るとは正直思ってはいませんでしたが、今週やったことは(最終戦の)鈴鹿に必ず活かせると思うし、鈴鹿ではもっとQ1はもちろんミディアムタイヤでのパフォーマンスを上げて、レースを強く戦えるのではないかと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

今回、ミディアムタイヤでの走行を大きく見直してきました。事前の準備が実を結んだということです。これまでの不調の事情がわかり、ダメな理由というかどういう風にすればいい、というものが明確になりました。

準備した内容を金曜日の専有走行で確認することになったのですが、その時点でミディアムタイヤでのグリップもしっかりと得ることができて、ドライバーからのフィードバックも増えました。それを踏まえた上で、朝のフリー走行では2人のドライバーにベースは同じセットながら、異なる味付けのメニューを試してもらうことで、しっかりと準備しました。

予選中はセットもほとんど変えず、Q1からQ2、Q3へと進み、理想のアタックができたと思います。ただ、Q3ではちょっと集中しすぎてしまったようですね。


【4号車】

セットアップなど、今回は事前の見直しに相当の時間をかけました。最終戦が近づく中ではありましたが、今後のことも考えてかなり色々なことに着手して準備に取り組みました。

これまでも、ソフトタイヤでのアタックにはドライバーも自信を持っていましたが、それ以前にミディアムタイヤの使い方がずっと課題として残っていました。これがうまくいかず、Q1突破に苦しんできました。今回、悩んでいたことがクリアになったことで無事Q1を通過し、Q2、Q3へと駒を進めることができて本当に良かったです。大きく一歩前進することができました。明日の決勝でもしっかりと結果を残したいですね。

二日目 決勝(2019年9月29日・曇り~晴れ/ドライ)

決勝レポート

KONDO RACING 山下健太選手、待望の初勝利!

今シーズンのセミファイナル戦として迎えた第6戦岡山。レースウィーク中、心配され続けた雨にはならず、逆に強い日差しと高い湿度に見舞われたコース上は、セーフティカー導入など波乱含みの展開となった。その中で、予選2番手からスタートを切ったKONDO RACINGの3号車山下健太選手が、戦略を味方に着けてトップチェッカー! チームとして昨シーズン第4戦目以来の美酒に酔うこととなった。

決勝日を迎えた岡山国際サーキットは、朝から青空が広がる晴模様。その中で午前9時10分からフリー走行が行われ、3号車山下健太選手、4号車国本雄資選手の両名は、午後からの決戦に向けて戦略の確認やタイヤのコンディションチェック等、入念な最終調整を進めた。

午後に入ると雲が広がり、強い日差しもすっかりその中に飲み込まれてしまったが、気温30度、路面温度37度と暑さの残る中、午後3時5分に68周の戦いの幕が切られ、全20台がグリッドを離れる。予選2番手スタートの山下選手はミディアムタイヤを、一方予選3番手の国本選手はソフトタイヤを装着し、スタート。ソフトタイヤを選択したポールシッターの車両に食らいつき、2番手で1コーナーへと進入した山下選手だったが、ソフトで追随する車両に逆転を許し、3番手に。また、国本選手はスタートでクラッチトラブルが発生。1コーナー進入まではなんとか堪えたが、攻防戦の中で後続車両との接触もあり、9位でオープニングラップを終えた。

スタート時にソフトを選択した車両が続々とポジションアップ。結果、上位5台がソフト装着車となり、山下選手はその後6番手まで後退したが、ミディアムでの最高位で周回を続ける。そんな中、8周目のアトウッドカーブで1台の車両がコースアウト。これを受け、コースにはセーフティカー(SC)が導入された。

加えて、車両回収作業に時間を要したことを受け、チームはSCラン中のピット作業を敢行。10周終わりで山下選手をピットイン、ソフトへと交換する。なおこれは、今大会で採用されたタイヤ交換の特別ルール(レース開始10周回目以降にタイヤ交換義務を果たさなければならない)を受けてのこと。さらに11周終わりで国本選手がピットイン。ミディアムへと交換し、翌周再びピットイン。1周のみミディアムで走行し、再びソフトを装着してコースへと復帰する。山下選手とは異なる戦略でタイヤ交換義務を果たし、ポジションアップを狙った国本選手。SCランがまだ継続していれば、ジャンプアップのチャンスに繋がったものの、レースは12周目を終えてリスタート。惜しくも国本選手はSCランを有効に使うことができず、結果的に後方から追い上げを強いられることになった。

リスタート後、タイヤ交換義務を済ませていない7台に次いで8番手を走行する山下選手。この先のレースをソフトで周回するため、ペースをややセーブしつつも、前を走る7台との"見えないタイムギャップ"を意識しての走行を続ける。レースは折り返しを過ぎ、ピットインを済ませていない上位陣同士の攻防戦が激しくなったが、その後方で山下選手は着実な走りを披露。折しも、序盤のSCランの影響でレースは周回数ではなく90分間の時間レース制が採択される。この後、タイヤ交換を行う車両が1台、また1台とピットイン。ついに残り時間2分強、64周の時点で山下選手がトップに立った。その後、山下選手は2周を難なく走り切り、トップチェッカー! 自身スーパーフォーミュラ参戦3年目にして初めての優勝を手にすることとなった。一方、国本選手はタイヤ交換を機に、終始ガマンの走行に。抜きどころのないコースで周回を重ね、16位で戦いを終えている。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME GAP
1 3 KONDO RACING 山下 健太 66 1h30’52.967
2 36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋 一貴 66 1h30’55.307 2.340
3 51 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイ 66 1h30’57.012 4.045
4 64 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウ 66 1h30’58.278 5.311
5 50 B-Max Racing with motopark ルーカス・アウアー 66 1h31’04.141 11.174
6 15 TEAM MUGEN パトリシオ・オワード 66 1h31’05.499 12.532
7 1 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本 尚貴 66 1h31’08.669 15.702
8 8 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋 和也 66 1h31’10.730 17.763
9 16 TEAM MUGEN 野尻 智紀 66 1h31’17.428 24.461
10 37 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ 66 1h31’25.863 32.896
11 39 JMS P.MU/CERUMO・INGING 坪井 翔 66 1h31’31.868 38.901
12 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川 亮 66 1h31’34.247 41.280
13 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口 雄飛 66 1h31’34.627 41.660
14 17 REAL RACING 塚越 広大 66 1h31’35.825 42.858
15 7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 中山 雄一 66 1h31’36.431 43.464
16 4 KONDO RACING 国本 雄資 66 1h31’37.630 44.663
17 65 TCS NAKAJIMA RACING 牧野 任祐 66 1h31’39.010 46.043
18 18 carrozzeria Team KCMG 小林 可夢偉 65 1h29’40.305 1 Lap
以上完走
19 38 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦 宏明 35 52’20.855 31 Laps
20 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 福住 仁嶺 7 9’05.621 59 Laps

本決勝レースは、8周目にSC導入し 12周目に離脱した。
本決勝レースは、2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手第6戦 特別規則書 第27条を適用し、1時間30分の時間レースとした。
ゼッケンNo.65は、2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第21条12.(ピットロードでの接触)によりドライブスルーペナルティを科した。


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
18 carrozzeria Team KCMG 1’15.809 64/65 175.847km/h

近藤監督のコメント

おかげ様で一勝を挙げることができました。(山下)健太を預かって3年目、本当にいつでも勝てる速さはあるので勝たせてあげたいと思っていました。ただなかなかいいクルマに仕上げられず、苦労させてしまいました。やっとトップに立ち、優勝させてあげられてホッとしています。

(優勝できて)"やった!嬉しい!"というよりも、ホッとした気持ちのほうが大きいですね。やっと一流のドライバーにしてあげられたかなと思います。彼が速さのあるドライバーであるということはもうご存知でしょうが、チームとしてこれからも一緒に仕事ができるのであれば、もっと速さを磨いて、どんどん速くなって、日本を代表するドライバーになってもらえるように、チームも努力していきたいですね。

今のスーパーフォーミュラでは、Q1を突破するというのがどのチームにとってもテーマだと思います。今回はそこに照準を置いて準備をしてきました。そこを改善すれば、あとはソフトタイヤでの速さはあるので、まずQ1突破を果たさなければ、このレースはどうにもならないと考えていました。最終戦の鈴鹿も苦手ではないので、次もQ1を突破し、両ドライバーともいい成績でゴールさせてあげたいと思います。

山下 健太選手のコメント

これまで3年参戦してきて今年勝たないと、ずっと迷宮入りするような気がしていたので勝ててホッとしています。今年からクルマが新しくなって、僕らはQ1を通るのにすごく苦労していたのですが、チームがすごく頑張って色々解析もしてくれて、今回の大会で一段階クルマが良くなり、普通に走っていても上位争いができるクルマにしてもらえたので、あとは自分がうまく走るということが必要でした。また、今のスーパーフォーミュラでは戦略がすごく重要ということもあって、今回はスタート時のタイヤ選択をすごく迷いましたが、ミディアムを選択して正解だったし、運が良かったと思いました。

チームには感謝しかありません。スーパーフォーミュラでは初年度にポール(ポジション)を獲れたので、すぐに勝てるだろうなんて思っていましたが、そんなに甘くなく、どんどん時が経ってしまいました。でも本当にここで勝ててようやく次のステップに行けるような気がします。

スタートでミディアムタイヤを装着することはもう早い時点から決めていました。この時点ではチャンピオンの可能性もなかったので、守りに入る立場でもなかったし、一発逆転を狙いに行くのであればトップと違うことをやらないといけないと考えていました。セーフティカーが入ったときは"来たな"と思いました。正直、"スーパーいいタイミング"で入ったので、"今日は持ってる(ツキがある)"と思いました。

国本 雄資選手のコメント

チームとして2台が同じタイヤでスタートするのはリスクが高かったので、僕はソフトでスタートすることを決めました。目標である優勝のためにはスタートでトップに出ることが重要だったのですが、今シーズンはスタートをうまく決めていたし、朝のフリー走行後の練習でもうまく行ったので、自信をもって挑みました。ところが、肝心のスタートでクラッチトラブルが出てしまい、これを避けるために事前に対策していたつもりですが、それでもトラブルになって、もう自分自身ではどうすることもできない状況でした。結果、スタートで1台に先行され、オープニングラップで9番手になりました。うまくスタートを決めていたら、燃費走行でトップ争いを続けられると思っていたのですが、スタートの一件ですべて悪い方へと向いてしまいました。

僕らは(1周だけミディアムタイヤで周回する)2ピット作戦を採っていたので、(タイムロスが少ない)セーフティカーラン中にピット作業をしたかったのですが、10周終了での山下選手のピットインを待ってからになったので、走行しながら(SC中のピットインは)もう難しいなとなんとなく感じていました。結果、戦略的にはいい流れに乗れず、悔しい結果になりました。

今回の予選に向けてミディアムタイヤの使い方が改善されましたが、最終戦に向けてもまだまだやりたいことがあります。そこでいい結果を残し、優勝を狙えるように引き続き頑張ります。

エンジニアのコメント

【3号車】

今回、予選でチームが2、3番手グリッドの結果になったことで、タイヤ選択を分けることになりました。ピットインのタイミングがどうしても重複する可能性が極めて高く、リスクを伴うため、異なる戦略を採ることになりました。スタート直後、ミディアムスタートの山下選手は周りがソフトばかりの中よく踏ん張りました。そこにセーフティカーがコースインしたことでいい風を吹かせることができました。

レース後半に入り、優勝できそうだという時点で、無線を通じて後続とのタイム差を伝えることもしていましたが、冷静に受け止めコントロールしながらの走行もできていました。よく頑張ったと思います。彼には100点をあげたいですね。


【4号車】

予選ポジションが近かったため、国本選手は結果的にソフトタイヤでのスタートとなりました。2ピットストップでミディアムタイヤでの走行を最小限に留める戦略だったので、セーフティカー導入時、10周を終えた時点ですぐ3号車に続いてピットに入れたかったのですが、チームとして1周遅らせる判断を下しました。その結果、レースリスタートのタイミングと重なり、戦略を活かすことができませんでした。

今回、ミディアムでのペースが良く、予選でいい走りを見せてくれたのですが、それを決勝につなげることができず、残念でした。

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