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Race Report - 第4戦 ツインリンクもてぎ

一日目 予選(2016年8月20日・晴/曇/ドライ)

予選レポート

セットアップを進め、手応えあるアタックを終える

第4戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。今回のツインリンクもてぎ戦をもってシーズン折り返しを迎えるが、その一戦は夏の厳しい暑さと不安定な大気の中、ときに雨がらみの走行を強いられた。まず、朝のフリー走行はウェットコンディションからスタート。全車水煙を上げて周回を開始した。
今大会では、ドライタイヤが2スペック用意され、それぞれ2セットずつ予選、決勝で使用することが可能となっている。朝のフリー走行では、予選セットの確認等、タイミングよく的確なタイヤを装着してアタックができるよう、スムーズに作業を進めていくこととなった。ジェームス・ロシター選手は午前のセッションでトップタイムをマーク。午後からの予選に向けて勢いをつけた。また、ウィリアム・ブラー選手も得意とするもてぎのコースでQ3までアタックすることを目標に、セットアップに取り組んだ。
午後に入り、天候が回復。Q1からスリックタイヤでのアタックが可能となった。KONDO Racingでは、2台揃ってミディアムタイヤを装着してセッションをスタート。しばらくしてピットにクルマを戻し、最終確認を済ませてニュータイヤを装着。2台とも今大会で使用できる新品のソフトタイヤを選択し、アタックを行なった。結果、ロシター選手は6番手、そしてブラー選手は12番手のタイムをマーク。揃ってQ2進出を決めた。続くQ2でも、引き続き新しいスリックタイヤのうち、ソフトタイヤを装着。Q1時のコンディションに比べ、気温は33度から34度、路面温度38度から40度へと上昇したが、その中でロシター選手が7番手となる1分33秒513をマークしQ3進出を決めた。そしてQ3は、新品のミディアムタイヤでアタックし、ポジションアップを狙ったが、1分33秒908で7番手となった。一方、ブラー選手は、セクター3のセクションで挙動を崩してタイムロスしたこともあり、惜しくもQ3進出とはならず、13番手に。決勝では、ソフト、ミディアムタイヤの双方を装着することが義務付けられているため、ピット戦略などを含むチーム総合力が問われることになる。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 1'33.468 1'33.214 1'33.002
2 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 1'33.522 1'33.490 1'33.417
3 19 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 1'33.851 1'33.380 1'33.677
7 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'33.702 1'33.513 1'33.908
13 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'34.290 1'34.548 -

近藤監督のコメント

予選は今回、いい流れの中でアタックはできたと思います。ただ、今の他チームとの勢力図と照らし合わせると、ある程度のポジションというものが見えるので、これからはそこから一歩ずつ前進していくことが必要になると思いました。

ジェームス・ロシター選手のコメント

ソフトタイヤでのQ1アタックには自信を持って挑むことができました。Q2でもソフトを着けたのですが、ここでもいいペースを刻むことができて良かったです。最後のQ3では、ユーズドのソフトタイヤにすべきか、新品のミディアムを使うかの選択となり、僕はミディアムのほうがいいと思ってチョイスしました。ただアタックラップでトラフィックにあって、ベストラップを刻めなかったのが残念です。ただ、順調にステップアップできているので、レースでは表彰台を目指していい戦いができると確信しています。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

僕自身、いい感じでのアタックができました。Q1を12位で終えて、少しセットを変えてQ2に挑みました。フィーリングは良かったのですが、ベストラップを刻んでいたアタック中に、セクター3で挙動を乱してしまいました。これで0.6秒は遅れたと感じましたね。残念ながらQ3への進出は果たせませんでした。一方で、クルマはすごく良くなってきているし、いい流れをキープできています。明日はピット作業を伴うレースになるので、ここでミスが出ないようチームみんなで一生懸命準備をして挑みたい。タイヤの選択などの戦略を含め、大事な戦いになると思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

Q1、Q2はソフトを装着しました。Q3ではソフトの中古でもいいのかと思ったのですが、新しいミディアムをつける、とドライバーからのリクエストがあったので、そうしました。いいアタックができるという自信があったのだと思いますし、ユーズドのソフトのタイムが伸びないだろうという読みもあったのでしょう。ただ思いの外、中古のソフトのタイムが落ちなかったですね。
決勝はまずソフトで引っ張るか、逆にミディアムを選んで最少ラップでピットインするか…。ユーズドのソフトがどこまでもつか、まだよくわかりません。特に、ジェームスのポジション(7位)では非常に迷うところです。表彰台を狙えるポジションなので、決勝に向けてしっかり準備していきます。

【4号車】

Q2での挙動を乱してしまいましたね。今回はQ3を視野にいれていただけに残念です。クルマのセットアップに関しては、別段問題もなく、順調に作業を進めているので、明日の決勝に向けて、日曜日朝のフリー走行では、まずソフトタイヤのロングランを行い、タイヤの持ちなどの確認をしたいと考えています。タイヤ交換の時期も大事になってくるでしょう。

二日目 決勝(2016年8月21日・晴/ドライ)

決勝レポート

タフなコンディション下で両ドライバーが好走

全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝を迎えたツインリンクもてぎ。前日は時折不意をついたような雨が降るなど、極めて不安定な天候となったが、決勝日は終日厳しい暑さのドライコンディションとなった。
まず午前9時00分からスタートしたフリー走行。ここでは、決勝のスタート時に装着する可能性が比較的高いソフトコンパウンドのスリックタイヤを装着し、ロングランを行なうチームが多く見られた。KONDO Racingのジェームス・ロシター、ウィリアム・ブラー両選手もまずはソフトタイヤでの走行を繰り返したが、ロシター選手はセッション終了間際にミディアムへとチェンジ。決勝スタート時のタイヤ選択に幅を持たそうと、タイヤの皮むきを行ない、30分間のセッションを終了した。午後2時15分、スタート進行の時間を迎え、まずは8分間のウォームアップ走行へと向った各車。その後、ダミーグリッドに整列したロシター、ブラー両選手の車両には、ミディアムタイヤが装着されていたが、予選7番手のロシター選手は、上位6台がソフトタイヤ、またロシター選手の後方の2台もソフトタイヤを選択していたことから、同じ条件で戦うためにソフトタイヤでのスタートを英断することとなった。一方、ブラー選手は当初の予定どおり、ミディアムタイヤを選択した。午後3時、気温33度、路面温度40度の中、52周に渡る決勝レースがスタート。ロシター選手はオープニングラップで1台パスして6位に浮上。さらに先行する1台がマシントラブルによりピットインしたことで、しばし5番手での走行を重ねた。一方、ブラー選手はタイヤの内圧において問題を抱えながらも、後続の猛追をシャットアウトする好走を見せた。レースは折り返しを迎え、ルーティン作業のためにピットへと戻ってくるクルマが続出。チームでは、まずブラー選手が29周を終えてピットイン。タイヤ交換の規則に則り、ミディアムからソフトへと交換。13.8秒という好タイムで作業を終えてコースへと送り出すことに成功した。続くロシター選手のピットインは36周終わり。ソフトからミディアムへの交換作業に取り掛かったのだが、左リアタイヤ交換に手間取り、タイムロス。コース復帰を果たすと事実上ポジションをひとつ落とすことになった。だが、勢いに乗るロシター選手は前を走るストフェル・バンドーン選手へ果敢にアタック。自己ベストタイム更新を果たすだけでなく、タイヤに熱が入った40周目の1~2コーナーでバンドーン選手を逆転、5番手を奪還した。その後も、ポジションアップを目指して力走を続けたが、惜しくも前方との差は縮まらず。結果、今季の自己ベストタイとなる5位でチェッカーを受けている。一方、ソフトタイヤで終盤の戦いに挑んだブラー選手。安定したペースを刻むことに成功し、13位で戦いを終えた。次の第5戦からシーズン後半戦へと突入するスーパーフォーミュラ。その舞台は本来、大分・オートポリスを予定していたが、先の熊本地震の影響を受けて中止に。代わって岡山国際サーキットで開催される。岡山は今季2度目の戦いとなるだけに、ドライバーはもとよりチームとしての進化を披露する絶好の機会。さらなる躍進を目指す。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 52 1:25'17.584 - 1'36.496
2 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 中嶋 一貴 52 1:25'23.711 6.127 1'36.713
3 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 52 1:25'24.292 6.708 1'36.461
4 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 52 1:25'38.910 21.326 1'37.103
5 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 52 1:25'49.580 31.996 1'37.030
6 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 52 1:25'53.345 35.761 1'37.142
7 37 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 中嶋 一貴 52 1:25'53.918 36.334 1'36.824
8 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 52 1:26'01.781 44.197 1'37.479
9 8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 小林 可夢偉 52 1:26'02.177 44.593 1'36.444
10 64 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 小林 可夢偉 52 1:26'24.359 1'06.775 1'37.773
13 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 52 1:26'39.250 1'21.666 1'37.707

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 1'36.444 33/52 179.22km/h

近藤監督のコメント

もてぎでは、やはり予選の順位が決勝にも大きな影響を与える結果になりました。今回はスリックタイヤがソフト、ミディアムと2種類が用意されましたが、それをうまく使いこなすためにも、抜きどころが少ないもてぎでは、どうしても予選順位が関係してきます。今回のソフトではタイムが落ちなかったし、正直レース展開が読みにくかったと思います。そんな中、ウィリアムは、“レースで戦う”という走りを見せてくれました。粘りもあったし、健闘してくれたと思います。また、ジェームスはここのところ、安定していい流れが見えているので、次の岡山あたりではさらにいいところを狙っていけるのではないでしょうか。期待しています。

ジェームス・ロシター選手のコメント

決勝時のクルマのコンディションは良かったのですが、その一方でもう少しスピードがあれば、と感じました。ただ、これは今の僕らの課題であり、一戦ずつ改善しているものでもあるので、引き続き努力を重ねていくだけのことです。レースでいい戦いをするためには、今回のようなピットストップでのミスをなくすことも必要になってくるでしょう。リアのタイヤが思うように外れず、作業に余分な時間がかかってしまいました。ただその後、コースで5番手を取り戻す走りができて良かったです。とにかく今はチームのみんなと一緒に一生懸命クルマを作っているところです。今回もポイントを積み重ねることができたし、レースをうまくまとめ上げることができたと思います。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

今日の天候は、ドライブするにもタフなコンディションでした。その中でしっかりと戦えたのは良かったと思います。一方で、ミディアムタイヤでスタートした直後、5周くらいはいいペースが刻めず、ちょっと苦戦しました。どうやらタイヤの内圧に問題があったようです。ただ、周回を重ね、ピット交換のあとのソフトタイヤはうまくコントロールできたし、ライバルとも粘り強くバトルをすることができたので、次の岡山に向けていい戦いになったと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

今回はソフトタイヤの使用というオプションがあったため、いつもと異なるレース展開でしたが、総体的には次の岡山に向けて希望を持てる戦いができたと思います。クルマ自体もまだ見直すところが見えてきたし、ワンステップ上がったところでクルマ作りの作業ができると思います。加えて、ドライバーのモチベーションも上がっているし、それを受け止めて僕らも準備を進めることができるでしょう。今回もしっかりと走り切ってポイントを獲る事ができました。今後も着実に仕事を進めていきたいですね。

【4号車】

やれることをすべてやったというレースウィークだったと思います。ウィリアムはこのカテゴリー2年目ですが、チームメイトのジェームスとは異なり、フォーミュラレースだけをやっているので、コースの慣熟をはじめ、思うように作業を進めるのが難しいときもあります。まずは彼自身にピタリと合うクルマのセットを見つけることに力を尽くしたいですね。幸い、次の岡山はシーズン2度目のレースになるし、彼も好きなコースなので、今回、予選でいい走りを見せていたので、岡山ではさらに上を目指していきたいと思います。

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