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Race Report - 第7戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(2016年10月29日・晴/ドライ)

セットアップに苦戦する予選に

ついに2016年シーズンの最終戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。その舞台は今季2度目となる三重・鈴鹿サーキット。土曜日の予選は、前日の雨も去り、すっきりとした秋晴れの天気に恵まれた。

最終戦の鈴鹿は2レース制で実施。また、予選は通常とは違ってQ1の結果がレース1に、そしてQ3の結果がレース2に採用されることになっている。朝のフリー走行で、KONDO Racingの2台、ジェームス・ロシター、そしてウィリアム・ブラー両選手は午後からの予選に向けて、まずはセットアップの確認作業を始めた。微調整を繰り返す中、タイムアップを果たしたいところだったが、その作業が思うように進まない。結果、このセッションはロシター選手が16位、ブラー選手は19位で終えることになった。

現状のままでは好位置からのレースが迎えられないと、セッション終了後も引き続きミーティングを行ない、作業を続けたKONDO Racing。まずは確認を兼ねてQ1のアタックに挑んだが…。ロシター選手はセットアップの方向性が定まらず、苦戦。結局、アタックらしいアタックもできぬまま1分39秒076のタイムに留まり、18番手でセッションを終了した。また、ブラー選手は自己ベストタイム更新しながら最後のアタックラップに向かおうとしたが、僅かの差でラスト1周のアタックチャンスを喪失。1分39秒006のタイムは17番手どまり。残念ながら、KONDO Racingのふたりは、ともにQ1で予選セッションを終えている。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 1'37.453 1'37.589 1'37.026
2 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 1'38.153 1'37.673 1'37.031
3 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'37.801 1'37.364 1'37.224
17 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'39.006 - -
18 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'39.076 - -

ジェームス・ロシター選手のコメント

朝のフリー走行で色々とセットアップを変更して確認作業をしたのですが、フィーリング的にもあまりいいものがありませんでした。まだその原因がはっきりしていないのですが、予選を迎えるにあたり、いずれにせよ何か策を講じなければなりませんでした。しかしながら、そのときの方向性が間違っており、結果的にQ1だけに留まることになりました。僕自身ではどうしようもなかったです。もちろん、決勝では出来る限りプッシュしますが、ポジション的に逆転するのはかなり難しいでしょうね。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

状況次第でいい予選アタックが出来るチャンスがあったので、今日の結果としてはとても残念に思います。クルマはグリップ不足だったので、それを改善するために色々と試していたのですが、予選のタイミングを含め、うまくいかないことが重なりました。とても残念ですね。僕としてもシーズン最後の予選でぜひQ2進出を果たしたかったのですが…。でも、決勝でのセットアップには期待しています。タイヤのマネージメントにも不安はありません。

エンジニアのコメント

【3号車】

持ち込みの時点で足りない部分があり、最後まで修正しきれなかったですね。セッティングの方向性を正しく導くことができませんでした。前回のレースで出ていたクルマのトラブルは解消できているのですが、解消したあとからまた別の症状が出るなどして、作業に時間を取られました。

【4号車】

正直言うと少し残念な予選でした。0.3秒差でQ2への進出を逃しましたが、実はQ1の最後にまだアタックに入っていたんです。でもあと少し時間が足らず、計測できませんでした。それができていれば、Q2への進出も可能だったと思います。一方で、朝の専有走行で色々と調整を重ねる中、サファリの間もセットアップを続けた結果、いい方向性を見つけることができて、ウィルにとっては、また新たなクルマを手にしたくらいの変化があったはずです。彼も喜んでいました。その流れを明日のレースでしっかり活かしたいですね。

二日目 決勝(2016年10月30日・晴/ドライ)

KONDO Racing、厳しさと悔しさを味わったシーズンを終える

今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権・最終戦を迎えた鈴鹿サーキットは連日秋晴れの好天気に恵まれ、日曜日には、午前、午後とそれぞれレースが行なわれた。KONDO Racingでは、ジェームス・ロシター、ウィリアム・ブラーの両選手がベストレースをすべく、それぞれベストを尽くしたが、激戦の中でのアクシデントなどもあって、ハードな戦いを強いられることとなった。

2レース制が導入された最終戦。土曜日に行われたノックアウト予選ですでにレース1、レース2のグリッドが決定している。レース1はピットストップ不要の19周による戦い。気温17度、路面温度19度という肌寒いコンディションの中、クリアスタートが切られた。18番手スタートのロシター選手。オープニングラップ、1~2コーナーでの混乱をくぐり抜けてポジションアップに成功。16位からの周回を開始する。その後も数少ないチャンスをモノにし、1台、また1台と逆転。6周目には14位まで浮上した。ペースもよく、前のクルマに追いつくものの、その分、ダウンフォースを失うことから逆転のチャンスは少なく、それと同時に前方では激しい攻防戦を繰り広げていたこともあり、次第に膠着状態となる。だが、14周目に中盤争いをしていた2台が接触するアクシデントで13位へと浮上。このままチェッカーを迎えた。この後、アクシデントを起こした1台にペナルティが科されたことで、最終的には12位チェッカーの扱いとなった。

また、ブラー選手は17番手からスタート。タイミングを決めた好スタートで14位へジャンプアップ。その後はチームメイトのロシター選手と攻防戦を展開、安定したレースペースで周回を重ねていく。中盤にはロシター選手同様、他車のアクシデントで14位へポジションアップし、チェッカー。だが、他車のペナルティによって13位の結果を手にしている。

レース1を終えて、チームは午後からのレース2に向けての最終セットアップを検討。35周、タイヤ交換の義務を伴うレースゆえ、チームとしての戦略も見どころのひとつ。それだけに、時間の許す限り準備を重ねることとなった。

午後に入り、冷たい風は変わらないものの、強い日差しが射し込んだサーキット。気温22度、路面温度28度というコンディションの中、午後2時45分、ついに今シーズン最終レースの幕が切って落とされた。ロシター、ブラーの両選手は、ともにレース1と同じポジションからスタート。ペースアップのチャンスを広げようと、チームはまず2周を終えた時点でブラー選手をピットインさせる。コースに復帰したブラー選手はペースアップを狙ったが、15位での走行が続く。そんな中、23周目のスプーンカーブで後続のクルマがクラッシュ。セーフティカーがコースインする事態となる。レースはその後、28周目に2度目のセーフティカーがコースイン。慌ただしく、荒れた終盤を凌いだブラー選手は結局13位でチェッカーを受け、今シーズンの戦いを終えた。

一方のロシター選手。多くの選手が序盤でのピットインを行なうと読んで、自身は終盤での作業を戦略に、スタートを切った。実際、多くが序盤にピットインしたことから、ロシター選手は9番手までポジションアップし、周回を重ねていく。18周を終え、ピットインを済ませていないのは、ロシター選手を含めて2台のみ。どのタイミングでピットインするのか、そして作業終了後はどこまでポジションアップできるのか、多くの期待をもって周回を続けるロシター選手。ところが思わぬハプニングが発生する。それが、23周目のクラッシュだった。セーフティカーがコースインすることになり、このタイミングでのピットインを決行したKONDO Racing。ロシター選手は8位でコースに復帰、2度目のSCラン後のスタートも無難に決めて、入賞圏内での走行を続けた。ところが32周目、4位争いをしていた2台が2コーナーでサイド・バイ・サイドとなり、ライン取りを乱す。その後方を走っていたロシター選手は思わぬ形で走行ラインを塞がれ、接触。フロントウィングにダメージを受け、ピットインを強いられてしまった。結果、チェッカー目前のハプニングにより、ロシター選手は15位でチェッカーを受けている。

決勝 第1レース結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 19 31'58.809 - 1'40.387
2 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 19 32'00.581 1.772 1'40.221
3 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 19 32'11.896 13.087 1'40.951
4 40 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 19 32'20.949 22.140 1'40.867
5 37 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 中嶋 一貴 19 32'22.952 24.143 1'41.066
6 65 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 ベルトラン・バゲット 19 32'23.760 24.951 1'41.216
7 34 DRAGO CORSE SF14 小暮 卓史 19 32'25.896 27.087 1'41.081
8 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 19 32'35.080 36.271 1'41.841
9 8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 小林 可夢偉 19 32'35.348 36.539 1'42.084
10 64 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 中嶋 大祐 19 32'35.620 36.811 1'41.910
12 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 19 32'36.713 37.904 1'41.465
13 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 19 32'41.570 42.761 1'41.937

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
36 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 1'40.221 4/19 208.59km/h

ペナルティ:
No.20 競技結果に30秒加算した。(全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第15条1. (危険なドライブ行為))


決勝 第2レース結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 35 1:08'32.427 - 1'41.108
2 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 35 1:08'33.153 0.726 1'41.069
3 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 35 1:08'36.415 3.988 1'40.943
4 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 35 1:08'38.898 6.471 1'41.612
5 65 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 ベルトラン・バゲット 35 1:08'40.927 8.500 1'41.289
6 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 35 1:08'45.439 13.012 1'41.953
7 8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 小林 可夢偉 35 1:08'46.523 14.096 1'42.021
8 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 35 1:08'47.783 15.356 1'41.812
9 34 DRAGO CORSE SF14 小暮 卓史 35 1:08'50.780 18.353 1'42.445
10 64 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 中嶋 大祐 35 1:08'51.607 19.180 1'41.531
13 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 35 1:08'57.744 25.317 1'42.695
15 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 35 1:09'51.541 1'19.114 1'40.777

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 1'39.712 35/35 209.66km/h

近藤監督のコメント

今シーズンの悪い傾向がこの最終戦ですべて表に出てしまったようなレースウィークとなりました。今のチームの実力は、レースに「出ている」状態であり、レースで「戦っている」とは言いにくいものです。やはり強いレースをお見せするためには、「戦う」状況を作っていかなければなりません。もう来シーズンに向けて何をすべきかは見えているし、そのための準備も進めています。来シーズンこそ、しっかり「戦う」コンディションを作って、いいレースをしたいですね。

ジェームス・ロシター選手のコメント

レース1でのクルマのペースはものすごく良かったんです。スタートでジャンプアップし、あとも攻めの走りをしていたのですが、抜くことが難しい状態で、結局最後まで前のクルマに押えられることになってしまいました。一方、レース2では、周りのクルマが早くピットインしてくるだろうから、僕は最後までピットインせずに周回する作戦で戦っていました。その流れは良かったのですが、前方でポジション争いをしている2台のうちの1台がラインを左右に振って走行していたので、それに絡んでしまったんです。結果、フロントウィングを傷めてしまい、ピットインせざるを得ない状態になりました。あれがなければ入賞が可能だっただけに、本当に悔しいですね。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

レース1、レース2ともに、決勝ではいいペースのクルマで周回を重ねることができました。そう思うと残念なのは、やはり予選でいいフィーリングのクルマを手にするタイミングが遅かったということです。走りはじめで出遅れたぶんを取り戻せなかったですね。今シーズンは去年からの経験値をもとに、しっかりとレースをしてきました。ただ、まだまだ難しい部分もありましたが、その中でも多くの成長はできたと思います。支えてくれたチームやスタッフには感謝しています。

エンジニアのコメント

【3号車】

厳しいレースウィークになりました。やはり最初の走り出しの時点というか、持ち込みの時点から方向性をうまく導くことができず、それが最後まで響きました。

【4号車】

タフな戦いになりました。いいセットアップが見つかったのが、土曜日のサファリ走行中だったので、それをすぐにレースに活かすことはなかなか難しかったですね。そんな中、ウィルはいいレースペースで走れたとは思いますが、ただ、周りの速いドライバーとの駆け引きを考えると、まだまだ難しい状態だったと思います。

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