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Race Report - 第2戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(2017年5月3日・曇/ドライ)

予選レポート

長丁場の決勝を見据えて、準備を進める

ニューマシンでの2戦目を迎えた今シーズンのSUPER GT。KONDO Racingでは、舞台となる富士での500kmレースをいかに戦うか、そのアプローチを強く意識し、予選日の準備を進めることになった。一方、GT-R勢は開幕の岡山戦で厳しい戦いを強いられたこともあり、今回の富士ではさまざまな角度から仕様の見直しが進められた。だがそれは同時に、変更箇所をどのように合わせ込んでいくのか、限られた時間をフル活用し、戦いに挑むことが求められることでもあった。
まず、朝の公式練習は雲ひとつない爽やかな青空が広がる中でスタート。午前9時からGT300クラスとの混走を経て、GT500クラスの専有走行が行われた。その中で、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rはセットの確認作業に時間をかけるも、思うように方向性が定まらず。8番手で走行を終えたが、セッション終了後には予選でのQ1突破を目指し、大幅なセッティングの見直しを行う決断を下した。
迎えたノックアウト予選。Q1に出走したのは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。朝のセッションとは異なり、薄曇りの中、各車コースインし、アタック合戦が始まった。タイヤのウォームアップにやや時間がかかる中、オリベイラ選手は、まず1分29秒458をマークして暫定4番手につける。引き続きアタックラップに入ったが、リアタイヤの挙動が激しく、万全のアタックとはいかずにヘアピンでスピン。惜しくも自己ベストタイム更新を果たせず、14番手でアタックを終了している。
決勝日は500kmの長丁場での一戦。ルーティンのピットインも最低2回必要となる。気温や路面コンディションとクルマとの兼ね合いはもちろんのこと、作業中、ドライブ中のノーミスも重要ポイントとなる。手堅く、且つ攻めの姿勢を貫き、上位フィニッシュを狙う。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1'28.089 1'27.825 16
2 23 MOTUL AUTECH GT-R/td> 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'28.651 1'28.168 8
3 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/A.カルダレッリ 1'28.241 1'28.217 30
14 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 1'29.458 - 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

近藤監督のコメント

予定よりも1分早めにコースインさせたので、タイヤも十分に温まったし、その点は問題なかったですね。ただ、JP(デ・オリベイラ)がアタックラップのヘアピンでスピンしたんです。でもスピンしたにも関わらず、タイヤにフラットスポットもできてなかった。決勝向きのタイヤを選択したのが、決勝でいい走りにつながるんじゃないかと思います。
一方で、開幕戦から(佐々木)大樹がアタックする機会に恵まれていないので、今後はアタック担当を考えなきゃいけないですね。正直、今回の予選では8番手前後くらいか、という予測もしていました。決勝では後方からの追い上げになりますが、ノーミスでしっかりと走り切れば結果もついてくるのではないでしょうか。しっかりポイントを獲りたいですね。

佐々木 大樹選手のコメント

今回は、さほど公式練習の時点から調子が良かったわけではないんです。合わせ込みがもっと必要かなと思いました。予選は残念ながらアタックするチャンスはありませんでしたが、Q1の時点ですでに厳しい状況だったと思います。合わせ込みという部分で、まだ行ったり来たりという感じがしますね。ただ、今回の富士戦でしっかり合わせ込みをしていくことで、レース中に上手くバランスが取れれば、いい結果を出せるのではないかと思います。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

思うようにうまくいかない予選日でした。朝の公式練習では、まずまずの状態だったんです。ところが午後からの予選になってから、気温も路面温度も低くなり、さらにリアグリップの問題を抱えることになりました。パワー不足でとくにトラクションの問題が出てしまいました。計測2周目のアタックでプッシュしたところ、リアタイヤがひどくバウンドして、ヘアピンでスピンしてしまいました。幸い、タイヤへのダメージはなかったです。まず、オーバーステアなどの気になる問題点を解消し、決勝に挑みたいですね。長距離のレースなので、タフにはなるでしょうが、しっかりと戦えばいい結果も狙っていけると思います。

エンジニアのコメント

朝の公式練習が終わってから、予選に向けて大幅にセットを変更しました。クルマは、リアが跳ねる状態が思うように改善せず、結果的に予選でもそれが解消できませんでした。アタックを担当したJPもコントロールが難しかったと思います。ただ、クルマとしては、コンディション、タイヤは決勝にマッチしているので、決勝前のウォームアップでしっかり確認して、戦いに挑みたいと思います。

二日目 決勝(2017年5月4日・晴/ドライ)

決勝レポート

入賞目指し、着実に歩みを進めるもあと一歩及ばず

五月晴れの好天気に恵まれた決勝日。この日、富士スピードウェイには、5万8千人の観客が訪れ、500kmに渡るSUPER GTの熱戦の舞台を堪能することとなった。
決勝を前に、チームでは長距離レースを戦う上でまず着実なレース運びをしようと再確認を行い、ドライバーはもとより、チームスタッフが一丸となってノーミスで決戦に挑む決意を新たにした。一方、スタートで装着するタイヤは前日の予選Q1で使用したものを装着することになっており、チームとしては、持ちの良いタイヤをフルに活用し、序盤からポジションアップのチャンスを掴んでいけるという期待を込め、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを戦いの舞台へと送り出した。
500kmを戦うにあたり、2度のピットインが必須条件。スタートドライバーを務めるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手には出来る限りスティントを伸ばしてもらい、ライバルたちとピットインのタイミングをずらすことでポジションアップのチャンスを広げようという目論見があった。また予測通りタイヤの持ちは良く、コンスタントにラップタイムを刻んで周回を重ね、14位から12位、さらに9位までポジションを上げることに成功した。35周を終えてオリベイラ選手がピットイン。タイヤ交換、燃料補給、ドライバー交代をスムーズに行い、佐々木大樹選手がコースに復帰した。その後も入賞圏内につけてペースアップを狙っていたが、逆転までには至らず。結果、77周終わりで2度目のピットインを実施した。
スタート時よりも気温、路面温度が下がり始める中、再びステアリングを握ったオリベイラ選手。粘りの走りを見せるもなかなかタイムが伸びず、さらにはトップ争いの車両に対してラップダウンされてしまう。またこの厳しい状況での走行に対し、青旗無視の裁定が下されることになり、ドライブスルーペナルティが課せられてしまう。
加えて、ピットインの際にピットレーン速度違反があったとされ、2度目のドライブスルーペナルティを受けることに。結果、大きくポジションダウンを強いられ、入賞圏内から遠ざかることになった。
12位で第2戦を終えたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。決勝では、与えられた条件の中で着実にレースを進めることができていただけに、連続ペナルティは大きな痛手であり、残念な結果となったが、次回、オートポリスに向けてクルマのセットアップを見直し、安定して速いラップを刻めるよう、引き続き改善を目指す。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 2:52'28.925 110 16
2 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/A.カルダレッリ 4.797 110 30
3 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 25.196 110 30
4 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 31.792 110 8
5 36 au TOM'S LC500 伊藤 大輔/ジェームス・ロシター 33.567 110 12
6 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/伊沢 拓也 35.071 110  
7 1 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 51.376 110 22
8 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/小暮 卓史 55.931 110
9 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/小林 崇志 1'11.115 110 2
10 19 WedsSport ADVAN LC500 関口 雄飛/山下 健太 1Lap 109 10
12 24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 51.691 108 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※No.46 千代勝正 H項2-2.4.5.1b(黄旗中の追い越し)によりドライビングスルーペナルティ

※No.36 伊藤大輔 2017 SGT-SpR 第13条1.a.b.(危険なドライブ行為)によりドライビングスルーペナルティ

※No.24 J.P.デ・オリベイラ H項2-2.4.5.1d(青旗無視)によりドライビングスルーペナルティ

※No.24 J.P.デ・オリベイラ 2017 SGT-SpR 第26条11.(ピットレーン速度違反)によりドライビングスルーペナルティ


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
36 TOM'S LC500 1'30.480

近藤監督のコメント

青旗が提示されたのを受け、無線で何度もJP(オリベイラ)にはコンタクトしたのですが、あの青旗は微妙な判断だったような気もします。後続車はさほど速くなかったんじゃないかという感じがしました。とはいえ、ルールはルール。ポイント圏内で戦っていたことを考えれば、実にもったいないことをしたと思います。ドライバーには反省すべきことを反省してもらい、この悔しさを次で払拭してもらいたいですね。一方、クルマやタイヤは、今後のオートポリス・SUGOと相性が良いので、レースウィーク中の気温や路面温度が好条件になればさらにいいところを狙っていけるという希望をもっています。まだまだレクサス勢に負けているところはありますが、今後の改善次第で進化する兆しを感じています。すべての条件が揃えばいい戦いができるし、それができるドライバーがうちには揃っている。チームとしてのシーズンはこれから! と前向きにとらえて頑張っていきます。

佐々木 大樹選手のコメント

予選日から合わせ込みが十分とは言えず、決勝日もクルマの状態はあまり良いものではありませんでした。グリップ不足が最後まで響きました。オートポリスに向け、いろいろ改善していきたいと思います。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

最初のスティントはいい流れで進みました。まず最初から2台を抜き、前の集団についていく走りを見せることができました。しかし、タイヤのグリップレベルが下がり、ポジションキープが難しくなりました。しかし、レース終盤にはいいペースが出せるようになり、このまま走り切れば、10位入賞で1ポイント確保も叶うと思っていたのですが…。この時点でペナルティを出されてしまい、せっかくいい走りができていただけに、本当に悔しい。入賞するチャンスがなくなり、残念ですが、今後もまた力強い戦いができるよう、引き続きがんばっていきたいと思います。

エンジニアのコメント

今回の予選ポジションを考えると、決勝ではまずできることを確実にやって、ミスなく戦い、ポイント獲得を目指そうという狙いをもって挑みました。ただ、スティント後半にペナルティを科せられることになり、厳しい結果となりました。レース戦略としては、序盤から周りとの兼ね合いや自分たちのペースを見ながらピットインを決めようと思っていました。基本的には、(タイミング)伸ばせるだけ伸ばして…という考えでした。それはできたのですが、残り15周ほどで思わぬペナルティが出てしまい、結果を残せず残念です。たとえ1ポイントであっても、取れるものは取りたかったですね。

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