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Race Report - 第5戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(2017年8月5日・曇/ドライ)

予選レポート

厳しい条件を跳ね返し、予選5番手につける

前回の第4戦SUGOでは、気まぐれな天候に左右され、思うようなレース展開ができず、悔しい結果に終わってしまったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。今回の富士ではその思いを払拭するような戦いがしたいところ。
その中で迎えた第5戦富士では、朝の公式練習でまず4番手につけ、幸先のいいスタートを切ることになった。一方、午後からのノックアウト予選に向け、決勝を意識したタイヤ選択に悩んだというが、まずQ1でアタックを行ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がトップタイムと僅か0.1秒程の差となる1分29秒667をマークし、4番手につけた。
続いてバトンを受け取った佐々木大樹選手。こちらはオリベイラ選手からの情報を元にアタックを開始。しかし変化する路面コンディションとの兼ね合いもあり、刻んだタイムは1分29秒851。結果5番手のポジションを手にしている。
予選後、チームでは決勝での強い走りを実現させるため、念入りなミーティングを実施。暑さ厳しい一戦での着実な結果を目指す。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/小林 崇志 1'29.758 1'29.104 20
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'29.423 1'29.475 52
3 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター 1'29.733 1'29.591 72
5 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 1'29.667 1'29.851 6

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

近藤監督のコメント

前回、SUGOの予選では6番手で今回が5番手でしょう!? だから別段タイヤが悪いわけじゃないということですよね。GT-R自体も開幕の頃は苦しんだけれど、次第に力もついてきました。結果、日産勢としてのパフォーマンスも向上しているし、僕らのチームのタイヤパフォーマンスとしても、一発も速いしロングも安定して速いと言えます。ただ前回は天候に恵まれなかったということなんです。なので、明日のレースに向けては何パターンか準備をし、ウォームアップ走行を終えて最終的な答えを出そうと思っています。引き出しはたくさんあります。タイヤとしても実績のあるものを選んでいるし。もちろん、レースですから決して甘くないのは承知しています。けれど5番手スタートは悪くないし、ギリギリまで何が最善の策なのかを考えて戦いに挑みます。

佐々木 大樹選手のコメント

Q1のアタックを終えたJPさんから、フィーリングは良いというインフォメーションがあったので、僕はタイヤの内圧を上げてアタックしました。ただ、それが上がりすぎたように思います。セクター1、2の部分は良かったのですが、セクター3でのグリップが足りず、タイムロスしました。その部分のアジャストが難しかったと思います。もったいなかったですね。一方で、クルマとしてのポテンシャルは向上してきているので、軽いウェイトハンディを活かして、いいレースができればと思います。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今回5番手の予選結果を得ることができましたが、トップとは差があり、特に最終セクターでタイムを縮めることができませんでした。ここで差がついたようです。コーナースピードが出せていないのが今のチームとしての課題ですね。セクター1、2ではほぼ最速の区間タイムをマークできているので、残るセクター3でタイムが出せれば、トータル的に改善が進むと思います。ただこれには多少タイヤの特性によって左右される部分もあるかと思います。一方で決勝がどのような展開になるか、期待もしています。

エンジニアのコメント

富士のコースとして低速コーナーとなるセクター3でのタイムが伸びなかったですね。グリップが足りませんでした。ただ、チームの現状を考えると決して悪いわけでもありません。明日の決勝に向けて何をどうするかの部分でギリギリまで悩むことになりそうです。策を講じて、決勝で淡々と走れるクルマを作るための方向性を見定めていこうと思っています。

二日目 決勝(2017年8月6日・曇/ドライ)

決勝レポート

追い上げに期待がかかる中、まさかの車両トラブル

決勝日を迎えた富士スピードウェイは、厳しい真夏の暑さに見舞われた。前日、今シーズンのチームベストの予選結果を手にしたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。今シーズン、まだ達成していない表彰台獲得を目指し、強い戦いをしようと意気込んだ。
決勝直前、20分のウォームアップ走行で決勝用のセットアップを確認したチームでは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手をスタートドライバーとして送り出す。気温29度、路面温度36度の中、静岡県警の先導によるパレードラップ、そしてフォーメーションラップを終え、66周の戦いがスタート。まず、オリベイラ選手は2周目、前方の17号車NSX-GTを1コーナーでキャッチ。4番手に浮上し、前を行く36号車LC500を僅差で追随した。
レース折り返しまでに、オリベイラ選手は前方の36号車LC500をプッシュし続けるが、逆転までには至らず、逆に後方車両の逆転を許してしまう。
一方、20周を過ぎ、ルーティンのピットインがスタート。暫定的にポジションが変動する中、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは31周を終えてピットイン。佐々木大樹選手へと交代を果たした。
だが、ほどなくして佐々木選手のペースが乱れ始め、さらにはポジションをも下げるなど、不調に。実のところ、佐々木選手のコースイン直後からパワーステアリングに問題が発生。ステアリングコントロールができない状態のクルマをドライブしていた。この状況ではマシンコントロールはもとより、ひどいトラフィックでの走行は極めて難しい。最終的にはオイル漏れも見られ、走行に危険を伴うことから、佐々木選手はピットインを断行。悔しさあふれる中でクルマを離れた。
思わぬハプニングで13位フィニッシュとなったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。夏の三連戦の最後を飾る次戦、鈴鹿1000kmでは、長距離ならではの戦略を活かした戦いに期待がかかる。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/小林 崇志 1:44'39.955 66 20
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1.530 66 52
3 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 2.203 66 60
4 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター 13.300 66 72
5 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田 裕信/ヤン・マーデンボロー 14.938 66 14
6 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 15.244 66 74
7 19 WedsSport ADVAN LC500 関口 雄飛/国本 雄資 19.525 66 18
8 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/伊沢 拓也 19.603 66 38
9 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/A.カルダレッリ 19.666 66 82
10 1 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 22.480 66 70
13 24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 14Laps 52 6

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※白黒旗提示 No.17 塚越広大、No.36 中嶋一貴


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 ARTA NSX-GT 1'31.851

近藤監督のコメント

なぜこのタイミングでパワステのトラブルが出たのか、その原因は解明中です。その一方で、今回はセクター3をいかに攻略するかがポイントになっていたのですが、ウチが準備したクルマのセットとタイヤではうまく対応させることができませんでした。シーズン最高位の5位からスタートしたので、悪くても同じポジションでフィニッシュできると思っていたのですが、甘かったですね。終盤に向けて、まず鈴鹿1000kmそしてタイ戦と続きますが、確実にポイントが獲れるよう、努力していきたいと思います。

佐々木 大樹選手のコメント

JPさんから交代して、コースインしてすぐにパワーステアリングのトラブルが出始めました。そのまま走っていたのですがだんだん調子が悪くなり、危険だと判断してピットに戻ることにしました。鈴鹿に向けて、セットアップ等の見直しをして準備したいと思います。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

レース序盤、クルマは強かったんですが、課題となっていたセクター3ではやはり十分なグリップを得ることが難しい状態でした。なので、36号車を逆転することができませんでした。一方で、17号車や38号車とはいい攻防戦を繰り広げることができたので良かったです。交代後、12号車との接触が100Rであり、それでポジションを下げることになったのですが、パワステのトラブルも残念でした。いい結果を期待していただけに悔しいですが、この思いを次の鈴鹿にぶつけたいし、モチベーションをキープした状態で鈴鹿に挑みたいと思います。

エンジニアのコメント

スタートドライバーのJPのパフォーマンスは、クルマのパッケージとしての実力を引き出す走りだったと思います。一方で、クルマとしてのバランスは良いとは言えませんでした。ピットストップ時にポジションは6番手まで落ちたのですが、そのあと、佐々木選手に変わってからパワステのトラブルが発生し、さらにポジションを落とすことになりました。トラブルでステアリングが重くなり、操作が難しい状態でした。トラフィックの車両処理もままならない状態で、最後は走ることさえ難しくなり、ピットインすることになりました。タラレバではありますが、今日のペースはトップとほぼ同じものだったので、序盤のポジションキープのままフィニッシュできたと思います。鈴鹿ではウェイトが軽いことを活かし、いいレース運びをしたいと思います。

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