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Race Report - 第6戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(2017年8月26日・曇/ドライ)

予選レポート

待望のチーム初ポールポジションを獲得!

第6戦鈴鹿の戦いはシリーズ最長の1000kmレース。そして今年は、「鈴鹿1000kmレース」としてのラストイベントを迎える。そんな中、まず朝の公式練習でチームは事前に用意した様々なメニューに取り組むことに。早朝に雨が降ったことからウエットタイヤの準備がメニューに組み入れられたため、タイトなスケジュールとなったが、最終的に2番手につける快調な滑り出しを見せた。
午後からのノックアウト予選を前に天候が回復。気温・路面温度が上昇する。まずQ1でステアリングを握ったのは佐々木大樹選手。ライバルに先んじてコースへと向かったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの足下には硬めのタイヤが。佐々木選手は丁寧に熱を入れてアタックを開始、1分48秒191をマークして4番手でQ1を通過した。
佐々木選手からバトンを受け継いだジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。12分間のQ2セッションながら、しばしピットで待機してコースイン。満を持してのアタック開始となった。ライバルたちがセクター毎にタイムアップを図る中、オリベイラ選手はこれを上回る速さを披露。そして、計測3周目には1分47秒074をマーク。鈴鹿のコースレコードを更新し、トップへと躍り出た。その直後、ライバルたちも自己ベストタイムの更新を図ったが、オリベイラ選手のタイムを上回ることはなく、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがトップタイムを死守。これにより、KONDO RacingにとってSUPER GT参戦以来初となるポールポジション獲得を果たした。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 1'48.191 R1'47.074 6
2 19 WedsSport ADVAN LC500 関口 雄飛/国本 雄資 1'47.582 R1'47.269 26
3 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/小暮 卓史 1'48.407 1'47.648 36

R:コースレコード(従来のレコード 1'47.456)

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

近藤監督のコメント

朝の不安定なコンディションから変化する中で、ドライバー二人がいい仕事をしてくれました。最後の鈴鹿1000kmでポールポジションを獲得出来たのは、チームにとっても良いモチベーションになると思います。 今日の予選では、チームドライバーのどちらがQ2アタックに行ってもポールポジションが獲れる状態で、二人ともそのくらい乗れていました。加えて周りの環境がウチのチームに追い風になったと思います。
朝はバタバタしました。実は、僕がチームの当初のスケジュールを全部チェンジしたんです。朝から装着するタイヤだけでなく、どっちにQ1を走らせるかで、結構あっちへいったりこっちへいったりと悩んだんです。ギリギリまで迷ったこともあり、ドライバー二人をピリピリさせてしまいました。でも、そこは監督としての意思を貫きました。結果、ポールポジションを獲れたので良かったですが、そうでなければ何を言われたか分からないですね(苦笑)。なので、今はホッとした部分とうまく行った喜びが混在しています。明日のことを考えると気を引き締めなきゃいけないですね。まぁでも、(ポールポジション獲得の)お祭り騒ぎはもう終わりにして、明日に向けて気持ちを切り替えます。

佐々木 大樹選手のコメント

本当に自分も色々あった中で、Q1をしっかりと突破するという思いを持って走りました。結果、良いアタックができました。それが繋がって、Q2出走、ポールポジション獲得ということになりました。チームみんなでしっかり悩んで、監督も悩んだのですが、結果としてポールを獲得したので、それが正解だったということですね。いい日だったと思います。この勢いで明日も頑張ります。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今朝の雨には驚きました。まさか雨になるとは思っていなかったので、朝の公式練習で予定していたメニューへの取り組みが遅れることになってしまいました。朝の時点でタイヤの比較チェックがしたかったのですがそれができなかったし、結果、戦略の変更を強いられました。タイヤ選択でリスクを負う形で予選に挑んだんです。どちらのドライバーが先にアタックするかも話し合いました。結果としてはいい選択だったと思うし、決勝はフロントローからのスタートに加え、(ポールポジションに与えられる)ボーナスポイントも追加することができました。決勝は予選日よりもさらにいい天気になるようだし、クルマはいいバランスの状態なので、願わくばタイヤがうまく作動していいレース運びができればと思います。

エンジニアのコメント

早朝の雨の影響で、朝の公式練習でやるべきことが多少後手に回ってしまったのも事実ですが、メニューとしてはタイヤ選択、ドライバー二人によるチェック、クルマのセットアップ、という内容は同じなので、結果としてセットアップを端折るしかありませんでした。まずタイヤを選び、ドライバーにチェックしてもらう。それをやった上で方向性は見つかっていました。最初からクルマのバランスが良く、タイヤ選択ができる状態でしたが、これが却って悩みのタネとなったようです。アタックに向けて、Q1担当の佐々木が硬いほうで走り、Q2のJPが柔らかいほうで走ったんですが、彼らは難しい仕事をこなしてくれたと思います。決勝では、ドライバーもチームスタッフもみんなノーミスできちんと仕事をこなし、あとは天候等周りのコンディションの変化に対応できればいいと思います。

二日目 決勝(2017年8月27日・晴/ドライ)

決勝レポート

厳しい状況を乗り越え、5位入賞を果たす

今回で最後となる鈴鹿1000kmの決勝日を迎えたサーキット。厳しい暑さの下多くの観客が集う中、多くのドラマが繰り広げられた。前日の予選でチーム初となるポールポジションを手にしたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは、タイヤマネージメントに尽力しつつタフな攻防戦に挑むこととなった。
1000km、173周の戦いは、5回のピットストップを伴うだけに、ドライバーだけでなくチームとしての総合力がいつも以上に問われる。ライバルとの駆け引きはもちろん、適宜最善の戦略を執ることも重要。気温30度・路面温度47度と夏らしいコンディションとなった決戦では、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rに乗り込んだジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がポールからクリアスタートを切り、早々から後続との差を築く走りを見せた。
だが10周目、いきなりのペースダウン。それまで3秒近くあった2位との差が約0.6秒まで縮まり、13周目には逆転を許してしまう。タイヤトラブルに見舞われたオリベイラ選手はドライバー交代を含むルーティンのタイミングを意識しピットインを避け、しばしガマンの走行。16周を終えてピットインした。フルサービスを行い、コースへ向かったのは佐々木大樹選手。上位陣を上回るペースでの走りを続け、逆転のチャンスを伺うも、混走による激しいトラフィックもあり、なかなかポジションアップの機会に恵まれない。だが途中、他車のクラッシュによるセーフティカー導入により、タイム差が消失。逆転の可能性が広がる中、49周目にピットインし、オリベイラ選手へと交代した。最初のスティントで思うようなパフォーマンスを見せられなかったオリベイラ選手は、そのリベンジとばかり力走を見せ、8位まで浮上。その勢いで5番手争いへと加わり、82周目終わりで佐々木選手に5位でバトンを繋いだ。
その後レースは折り返しを迎え、順調に周回を重ねていったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。開始から3時間を過ぎ、2度目のセーフティカーがコースインしたが、今度はリスタート後に後続車の逆襲に遭って逆転を許してしまう。とはいえ、依然として上位争いに踏みとどまり、その後も緊迫した攻防戦を繰り広げていった。4度目のピットインは113周終わり。復帰後のオリベイラ選手は5〜6位争いに挑む一方、後方からの追い上げをシャットアウトするという難しい状況でも集中力を切らすことなく走行を続けた。
そして迎えた最後のピットイン。145周を終えてピットに戻り、オリベイラ選手が佐々木選手へとバトンを繋ぐ。6位から追い上げを開始した佐々木選手は時に間隙を突く走りを見せるなどバトルを繰り広げつつ、チェッカーを目指す。一方、3位争い中だった1台の車両がコースアウト、これによってNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは5位へと浮上。また、レースはセーフティカーランが2度に及んだこともあり、時間優先の18時28分過ぎのチェッカーフラッグ提示に。残念ながら1000km、173周ではなく171周のフィニッシュではあったが、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rはチームにとって今季ベストリザルトとなる5位で長く厳しい鈴鹿の戦いを終えている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦 孝亮 5:51'16.244 171 6
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 12.150 171 82
3 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/伊沢 拓也 15.737 171 44
4 19 WedsSport ADVAN LC500 関口 雄飛/国本 雄資/小林 可夢偉 32.852 171 26
5 24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ 34.089 171 6
6 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 36.330 171 84
7 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/A.カルダレッリ 37.012 171 86
8 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/小林 崇志 19.603 171 38
9 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター 1Lap 170 88
10 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 2Laps 169 82

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※白黒旗提示 No.17 塚越広大、No.36 中嶋一貴


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R 1'51.524

黒白旗提示 No.100 山本尚貴

No.16
ジェンソン・バトン ドライブスルーペナルティ (SpR.27-14「ファストレーン優先権違反」)
No.38
ドライブスルーペナルティ (SpR.27-1.3「ピット作業違反」)
No.16
ジェンソン・バトン ドライブスルーペナルティ (H項2.9.10「SC活動中の追い越し」)
No.36
ジェームス・ロシター ドライブスルーペナルティ (SpR.13-1.b「危険なドライブ行為」)
No.23
松田 次生 ドライブスルーペナルティ (SpR.27-14「ファストレーン優先権違反」)
No.12
ヤン・マーデンボロー ドライブスルーペナルティ (SpR.13-1.a「危険なドライブ行為」)

近藤監督のコメント

そんなにうまくいくとは思っていなかったので、今日の5位という結果は悔しいですが、19号車と16号車のヨコハマ勢にとっては、僕らも含めてちょっとツラい戦いとなりました。でも、持ちうる力をフルに発揮して出した結果がこれなので、もっとこれから開発を続けていかないといけないでしょう。クルマにもパワステトラブルが出て、後半厳しい状態でした。表彰台まで、もうあとちょっとのところでしたね。まだ残り2戦、チャンスのあるところでしっかり仕事をしたいと思います。

佐々木 大樹選手のコメント

今回、一番の問題はタイヤだったと思います。終盤、パワステの問題も出てしまい、思うような走りができませんでした。タイムへの影響が大きかったですね。ピット作業も時間を詰められるようにしたかったですね。「たら・れば」があるレースでした。僕自身は、1000kmの決勝レースでトップから周回遅れにならずチェッカーを受けたのは初めてなんです。速さは証明できているので、この勢いはタイでも続けられたらと思います。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今日の僕らには勝てるだけの速さとクルマがありました。ですが、スタート時の装着タイヤが10〜12周で終わってしまったんです。ブローアップです。これで予定を前倒ししてピットインし、結果として戦略も変更せざるを得なくなりました。その中でも常に冷静に、そして戦略を信じて走り続けました。これはやる価値があったのですが、一方でピットストップでのタイムロスが多すぎましたね。結果としてこれでライバルとの差が広がることになりました。懸命の走りをしても帳消しになってしまっては意味がないですね。予選でコースレコードを更新し、レースではファステストラップをマーク。でも結果には繋がらなかった。後半に起こったパワステのトラブルも残念でした。ある意味、このような状況で5位という結果を残せたのはすごいとも思いますね。

エンジニアのコメント

スタート時の装着タイヤにトラブルがあり、想定よりも早いピットインを強いられてしまいました。結果的にルーティンのタイミングをはじめとする戦略の変更を余儀なくされました。その後は手持ちのタイヤを繋いで周回を重ねつつ、一方ではセーフティカーの導入で少し助けられた部分もあったと思います。レース後半は攻防戦も多く、その中でパワステのトラブルに見舞われ、とても厳しい走行環境だったのですが、ドライバー二人がとにかく踏ん張って周回を重ねてくれました。5位の結果を残すことができたわけですが、今日はドライバーがいい仕事をしてくれたと思います。

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