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Race Report - 第8戦 ツインリンクもてぎ

一日目 予選(11月10日・曇り/ドライ)

予選レポート

シーズン最後の戦いは、11番手からのスタートに

ついに2018年シーズン最後の一戦を迎えることとなったSUPER GT。 その舞台となる栃木・ツインリンクもてぎの予選日は穏やかな日差しに恵まれ、絶好のレース日和となった。そんな中、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは予選でベストを尽くし、11番手のポジションを手に入れている。

前日、夜遅くから降った雨の影響を受け、午前8時50分から始まった公式練習はウエットコンディションで幕を開けた。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは、まずレインタイヤの走行で周回を続け、路面とのマッチングをテスト。次第に路面が乾き始めると、今度はスリックタイヤにスイッチし、予選に向けてタイヤ選択を意識した走りに取り掛かった。本来ならばドライコンディションで精力的に走り込みを行い、納得のいく予選のアタックシミュレーションを実施したいところだが、刻々と変化する路面にチームの願いは惜しくも叶わず。予選では、文字通り”一発勝負”のアタックに挑むこととなった。

午後2時20分、GT500クラスのノックアウト予選Q1がスタート。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rに乗り込んだのは、高星選手だった。多くの車両がコースインのタイミングを見計らってなかなかコースインすることはなかったが、高星選手は残り7分半の時点でピットを離れてアタックを開始する。じっくりとタイヤに熱を入れ、いよいよアタックラップへ。1分37秒185のタイムを刻み、暫定4番手に躍り出た。だがその後、ライバル達が続々とタイムアップ。結果、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは11番手でセッションを終了。残念ながらQ2へと駒を進めることができなかった。

今回、予選におけるアタックラップではライバルに先行されてしまったが、決勝では安定した速さ、そしてタフな総合力をフルに活用し、今シーズンの有終の美を飾るべく、ベストを尽くすのは言うまでもない。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'36.610 1'35.550 R -
2 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'36.344 1'35.739 R -
3 64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦 孝亮 1'36.377 1'36.062 R -
11 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 1'37.185 - -

R:コースレコード(従来のレコード 1'36.316)

Q1
Start Time 14:20'00 Finish Time 14:35'00

Q2
Start Time 15:03'00 Finish Time 15:13'00

近藤監督のコメント

今日のセッションにおいて、僕らができることは全部やったと思います。Q1での高星のアタックも、何か失敗があったわけでもないし、ギリギリまで攻めたと思います。ただ、アタックのタイミングやタイヤの温め方など、アプローチはまだ勉強していかないと。今日のコンディションに関して言うと、確かに僕らにとってはネガティブな要素が先行した感じでした。”タラレバ”になりますが、朝のセッションで最初から完全なドライコンディションで走ることができていたら…という思いはあります。でもそれを言ったらきりがないですからね。

今回は、ホンダ勢がやはり速くて、そこにレクサス勢が入っていくという形になってしまったので、それを考えてもQ1突破は本当に厳しかったと思います。なので、僕らなりに頑張った予選だったことに違いはありません。

明日は今シーズン最後のレースになるので、決勝ではベストリザルトを目指すというモチベーションで戦うのみです。1ポイントでも多く獲得して、少しでも上のランキングでシーズンを終えることができるよう、頑張りたいですね。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

朝の公式練習中はタイヤテストをして、ハーフウエットとフルウエットのタイヤ確認を主に行いました。それから、トラックコンディションが改善してきたあとは、スリックに変更して色々と確認を行いました。タイヤ比較をしたんですが、予選に向けてどちらのタイヤを使うかを明確に決断することができました。

予選ではホンダ勢が上位に来るということは明らかでした。でも、レースは予選と違った展開になると思っています。イーブンの戦いができるというか、つまり、予選とは違って決勝では僕らにも十分チャンスがあるという意味です。タイヤパフォーマンスにおいてもライバル達と大きな差がなくなると思っています。予選結果は今日までのこと! 明日は明日でいい展開になるよう期待しています。

高星 明誠選手のコメント

クルマ自体に関して言うと、(セッティングが)そんなに外れたところにあったわけではありませんし、むしろいいところにあったと思っています。一方で、タイヤに関しての色々な問題が残ってしまったと思います。この点は、来年の課題として取り組んでいかなければいけないのかなという感じですね。とはいえ、決勝での展開は大丈夫だと思うので、頑張って追い上げていきたいと思っています。

エンジニアのコメント

正直、厳しい予選結果になったと思います。ホンダ勢の速さやそことチャンピオン争いをしているレクサス勢に比べて、GT-R勢として速さを引き出すことが難い状況でした。決勝に向けて、出来うる限りのことを考え、準備して決勝に挑みたいと思います。

二日目 決勝(11月11日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

タフな状況で粘りの走り。ポイント獲得に成功

2018年シーズン最後の一戦となるツインリンクもてぎでの決戦。例年よりもはるかに暖かく、小春日和の一日となった。また、サーキットには連日数多くの観客が来場。決勝日にはおよそ3万7千人が詰めかけ、レースの行方を見守った。その中でKONDO RACINGのNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは厳しい条件下からのスタートとなったが、持ち前の粘りと冷静な判断でレースを進めて10位でフィニッシュ。ポイント獲得を果たしている。

気温24度、路面温度30度のコンディションの中、250キロ、53周の戦いが幕を開ける。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのスタートドライバーは高星明誠選手。オープニングラップで11位のスタートポジションから14位までドロップ。タイヤマネージメントが厳しい中でしばし我慢の走行を強いられた。2周目からは13番手で周回。次第にペースアップして前方の車両とのギャップを埋めようと、高星選手は懸命の走りを続けた。13周目には、同じGT-Rの12号車に0.3秒差まで迫ったが、ストップ&ゴーのレイアウトを持ち、パッシングポイントの少ないレイアウトを持つもてぎでは、なかなか逆転のチャンスへと繋がらない。さらには周回遅れのGT300クラスの車両が絡むトラフィックもひどく、ひたすら耐える状況が長く続いた。

そこでチームでは、現状を打破しようとルーティンのピットインを決断。高星選手は19周目を終えてピットに戻り、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手へとスイッチする。また、ピットではメカニックがノーミスでタイヤ交換を行いNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rをコースへ送り出し、後半の戦いを見守ることとなった。オリベイラ選手はタイヤがグリップし始めると、徐々にペースアップ。23周目にはチームベストとなる1分40秒168をマークし、終盤への追い上げに期待がかかった。

コース上は引き続き混戦模様で厳しいコンディションに変わりはなかったが、33周目には僅差に迫った1台をパス。13番手に浮上すると、今度は3号車のGT-Rにターゲットを絞って猛追を開始した。その後、前方車両同士の接触等の関係でNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rはレース終盤に11番手へ。さらに、迎えたファイナルラップでポジションアップのチャンスを掴むこととなり、10位でチェッカー。難しいコンディションでの戦いを凌ぎ切り、今シーズン最後のレースを終えることとなった。

思うような結果がなかなか残せず、厳しい戦いが続いた今シーズン。味わった悔しさをバネに、来シーズンはよりいっそう躍進を目指していく。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1:31'09.252 53 -
2 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1.806 53 -
3 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 8.096 53 -
10 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 44.458 53 -

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Start Time : 13:37'37
Finish Time : 15:08'46


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 ARTA NSX-GT 1'38.512

近藤監督のコメント

最終戦のレースは、僕らに限らずGT-R勢全体が厳しい内容になってしまいました。ただ、クルマの仕上がりは良く、ラップタイムのアベレージも決して悪いものではありませんでした。チームとして、ドライバーやスタッフが持っている力をすべて出し切ったのですが、それを形として残せなかったことが残念でなりません。今シーズンは、他メーカーのライバルに追いつけず、大きな課題が残ってしまいましたね。

一方で、僕らのチームはスーパーフォーミュラで結果を残すことができました。チームとしての成長には成果が出てきているので、それを強みにして、SUPER GTでもさらに強いチームにならなくては、と思っています。レース自体では、いい戦いをしながら取りこぼした展開もありました。なので、まずは自分たちができることから取り組み、さらには日産勢としてやれることをやっていけたらと思います。ヨコハマタイヤとのコンビネーションもさらに強化し、ともに努力を重ね、KONDO RACINGならではの強みをもっと発揮できるよう頑張ります。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今回の戦いでも、これまで同様に僕らのクルマには戦う上での十分なスピードがなかった。厳しいレースになりました。そういう状況が終始続きました。ルーティンでミツ(高星明誠)とドライバー交代したあと、前を走るクルマとの差が大きかったものの、なんとかギャップを詰めることはできましたが、それを逆転するまでには至りませんでした。ただ、今回もチームとしてやれることはやったと思います。

高星 明誠選手のコメント

厳しいレースになりました。正直なところ、最後の2レースくらいから、僕らが選んだタイヤがクルマに合ってなかったと思いますね。そういう状況であるということを、もっと早いタイミングで認知しておく必要があったと思うので、こういう点を改善していかないと。ただ、そういうレースの中で明確になったところもあるので、来シーズンに向けて早速取り組んでいけたらいいなと思います。

今シーズン、僕にとっては”悔しい”のひと言しかないです。勝ちたいという気持ちもありますが、そのために、まずは表彰台に上がりたかったですね。”結果を残す”という意味で、なにも形にすることができず、不本意な一年になりました。そういう意味でも来シーズンはその悔しさをバネに、開発を含めていろいろとやっていきたいと思います。

エンジニアのコメント

今日のレースでは、スピードとしてはライバルよりも及ばないものの、タイヤの持ちの部分でいい走りができるという想定をしていました。ルーティンのタイミングに関しては、ポジションがポジションなので、前後の車両とのギャップを考えて決めようと思っていました。だいたい周回数の真ん中くらいでピットインを考えていましたが、状況次第ではオーバーカットやアンダーカットでの逆転に期待していたものの、思うようにはいかなかったですね。今シーズンは厳しい戦いが続いたので、来シーズンに向けてオフの間からしっかりとタイヤ開発に関わり、準備をしていけたらと思っています。

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