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Race Report - 第2戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(8月8日・晴れ/ドライ)

予選レポート

改善の模索が続いた予選日に

待ちわびたシーズン開幕戦からわずか3週間。再び静岡・富士スピードウェイにて第2戦が行われ、今大会から従来どおり2デーでの開催となった。初戦同様に無観客での一戦に変わりはなく、リモート観戦で声援を送るファンからの思いを感じつつ、戦いを繰り広げることになった。

土曜日の午前中に行われた公式練習で、予選を意識したセットアップを進めたKONDO Racing。しかしながら確固たる方向性がなかなか定まらず、時間を費やしてしまう。セッション終盤、ラストアタックでヤン・マーデンボロー選手がチームベストタイムをマークしたが、ポジションは15番手に留まった。

予選日は朝から気温、路面温度ともに高い数値を示していたが、午後3時過ぎにスタートしたノックアウト予選のQ1は、気温27度、路面温度37度と午前よりも落ち着いたコンディションでスタートする。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、マーデンボロー選手。しっかりと時間をかけてアウトラップを行い、タイヤを十分に温めてからアタックラップへと挑んだ。結果、最終アタックで1分29秒073をマーク。しかしライバルとのタイム差は大きく、午前のセッション同様15番手に終わり、予選を終えている。

決勝では後方からの追い上げを強いられるレースになるが、粘りある戦いをすることで、開幕戦に続く入賞を目指すのは言うまでもない。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/福住 仁嶺 1'27.991 1'27.300 6
2 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 1'27.952 1'27.459
3 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 中山 雄一/阪口 晴南 1'27.602 1'27.729 12
15 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'29.073 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Q1  開始 : 15:03'00 終了 : 15:13'00

Q2  開始 : 15:41'00 終了 : 15:51'00

近藤監督のコメント

今日は想定内といえばそうですが、朝の公式練習の時点で考えられたのは、Q1突破が難しいのではということでした。想定していた気温、路面温度よりも低かったんです。もう少し暑くなると読んでいました。そういう事情もあり、決勝を見据えてタイヤ選択をし、予選に挑むことになりました。柔らかめのタイヤを選択し、10番手以降からのスタートになるか。あるいは、硬めを選んで15番手スタートをするか。結果、チームとして15番手スタートを選んだというわけです。

結果的にドライバーには辛い思いをさせてしまうことになりました。ただ、明日の決勝に向けてしっかり仕事はできると思います。今季はコロナ禍で開発も従来のようにはいかないのですが、ヨコハマタイヤさんも尽力してくださっています。またチームは初戦でも厳しい戦いの中でポイントを獲得しました。今回も初戦より上の結果を目指し、やるだけです。まだまだ不安定な状況が続くことを考えたら、レースもどうなるか分かりません。それだけに毎レース確実にミスのない戦いをして、ポイント獲得をしていかないと。それしかないと考えています。しっかり勝負にこだわって戦います。

無観客開催なので、ファンの皆さんに映像を通してしか見ていただけないのは本当に残念ですが、早く終息し、SUPER GTならではの音、匂いを肌で感じてもらえるようにと願っています。

高星 明誠選手のコメント

正直、開幕戦からの変化をいい方向で感じ取ることができませんでした。結果として、予選では決勝を重視したアプローチを選択することになりました。今の僕たちは、もっと改善すべきことがたくさんあると思います。決勝では、暑くなったほうがいい戦いができるので、その辺にも期待したいですね。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今回、一番難しい状況に置かれたのは、クルマのコンディションでした。タイヤに関しては開幕戦よりもいいフィーリングを得ることができたと思います。朝の公式練習からかなり色々なアプローチを試してみました。しかし残念なことに、パッケージとしてのポテンシャルを最大限引き出すことが厳しかったということですね。データを元に、セットアップを根本的な部分から見直していくことが課題だと思います。

エンジニアのコメント

開幕戦から第2戦に向け、セットアップ等、さまざまな準備を進めてきましたが、その内容をうまく反映させることが難しかったですね。タイヤは開幕戦から今大会に向け、改善された部分がありましたし、セットアップもいいと思われる策を用意したのですが、クルマというパッケージとして、それぞれのポテンシャルを引き出すことができなかったという感じでした。

もちろん、対策として朝の練習走行でセッション中にいろいろ試してはみたのですが、最適解が見つかりませんでした。そこで今回は決勝に重点を置く形で予選に挑むことにしました。いい流れを構築することができず、残念です。

二日目 決勝(8月9日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

厳しい戦いを強いられ、12位チェッカー

前日の予選日同様、薄曇りの空に覆われた富士スピードウェイ。無観客開催のSUPER GT第2戦決勝レース、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、66周の攻防戦に挑んだ。15番手スタートからの追い上げを目指し、粘りある走りを見せたがポジションアップへつながる好機は訪れず。結果、12位で戦いを終えている。

今大会の決勝スタートは午後1時。1デーレースだった初戦よりも2時間早いスケジュールで実施されることから、午前11時40分には20分間のウォームアップ走行が行われた。このセッションでもNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは決勝に向けて入念な確認作業を行い、決戦への準備に勤しんだ。

午後1時、気温30度、路面温度40度のコンディションでレースはスタート。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rには高星明誠選手が乗り込み、15番手からのポジションアップを目指した。当初、チームとしてはもう少し暑さが厳しくなると想定して高星選手を送り出すも、実際は思うほど路面温度は上昇せず。その影響で、高星選手もペースアップすることが難しい状態となる。また、ピットインのタイミングはライバル勢よりも遅れて行う戦略であったため、結果としてガマンの走行を重ねることに。

そんな中、35周を走行中にGT300車両の一台がトラブルに見舞われてペースダウンする。状況によってはセーフティカー導入の可能性もあったことから、高星選手の好判断でピットインを敢行。タイヤ交換とガソリン補給を行い、ヤン・マーデンボロー選手へとスイッチした。

レース終盤には、前を行く64号車のNSX-GTとサイド・バイ・サイドを展開する。52周目、パナソニックコーナー立ち上がりで逆転に成功し、タフな状況でも最後の最後まで攻めの姿勢を貫いてチェッカー。初戦からの連続入賞は逃したが、12位で戦いを終えている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 1:41'37.698 66
2 36 au TOM'S GR Supra 関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ 15.762 66 30
3 14 WAKO'S 4CR GR Supra 大嶋 和也/坪井 翔 33.686 66 22
12 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1 Lap 66 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

開始 : 13:03'25 終了 : 14:45'02

No.12 佐々木大樹 競技結果に40秒加算 (Spr.13-1.a「危険なドライブ行為」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 ARTA NSX-GT 1'29.333

近藤監督のコメント

今回も日産GT-R勢全車にとって、まだまだ頑張らないといけない部分がたくさん残ったレースとなりました。加えて、チーム的には決勝タイヤがコンディションに合わず、厳しい戦いになってしまいましたね。今後、ヨコハマタイヤと日産・NISMOのエンジニアとこの先のレースに向けて色んなものを開発していく必要があると思います。

レース自体は自分たちの状況を踏まえ、確実にやれることを意識した戦いにしようと挑みました。ふたりのドライバーもめいっぱい攻めの走りをしてくれましたが、結果は厳しいものになりました。ただ、チームとして持ちうる力を出し切っての結果なので、この様子を見てくれているNISMO、そしてヨコハマのスタッフがどうやってこれからの戦いの"道具"を用意してくれるか、になっていくでしょう。

今シーズンはコロナ禍でレーススケジュールが変わり、第3戦鈴鹿までわずか2週間しかないので、まだまだハードな状況が続くと考えられますが、富士から鈴鹿に変わることで見えてくるものもあるのではという期待も持っています。一方で、2戦を終えて、他メーカーとの差は大きく、速さには全然ついていけていないことも事実です。そこがネックでもあるので、なんとか対策が見つかったらいいなと思います。

高星 明誠選手のコメント

今回のレースは厳しい展開になるという予測はありました。自分たちの実力が足りないという事実には変わりはありません。クルマのセッティング、タイヤの開発含め、もっと頑張らないといけないと思っています。
富士の2戦を終えて、次は鈴鹿へと戦う場所が変わります。特性の異なるサーキットなので、それをうまく味方につけることができればいいなと思うのですが、まずは事前にできることをきちんとこなさないと。それができないと結果にもつながらないと思います。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

決勝でも予選同様の問題に悩まされ、頑張ったものの結果につなげることができずに終わってしまい、とても残念です。次の鈴鹿までにやるべきことをしっかりと見据え、作業をしなければなりません。そうでなければ、鈴鹿でもライバルたちと戦える状況にはならないと思います。できることを見つけ、鈴鹿への準備を確実に行いたいですね。
タイヤの開発も進んでいるし、そこにクルマをしっかりと合わせこむことができれば、戦える状況にもなるはずです。周りとの比較というよりは、今の自分たちに何ができるか、何をしなければならないのかを見極め、そこに集中することが大事です。パッケージとしてのポテンシャル向上に取り組む必要があると思います。

エンジニアのコメント

今回は、他のチームとは異なる戦略を採りました。ピットインのタイミングを出来る限り引っ張ることで混戦を避け、レースラップを上げていこうという狙いがありました。

なので、レース中にチームとしてできること、やるべきことはできたと考えています。一方、昨日の時点で今日の決勝中の日照がもう少しあり、路面温度も上昇するであろうと予測していたのですが、実際はそうならなかった。その結果、(高星選手担当の)ファーストスティントがあまりよくなかったというわけです。周りのクルマのペースが思ったほど落ちてこず、逆に自分たちの持っているタイヤの特性を完全に引き出すことができませんでした。

ピットインのタイミングはほぼ予定どおり。まだ先延ばしすることも可能でしたが、35周走行中、GT300車両がトラブルで失速していたので場合によってはセーフティカーが導入される可能性も出てきたため、ピットインを行いました。ドライバーが適切な判断をしてくれたのは良かったと思います。

練習走行、予選、決勝のセッション中にも色々とトライしたので、それをベースに、次の鈴鹿戦に向けたクルマ作りをしたいと考えています。

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