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Race Report - 第3戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(8月22日・晴れ/ドライ)

予選レポート

着実にステップアップするも、Q2進出はならず

第2戦富士戦から2週間という短い期間で迎えることになった第3戦。戦いの舞台は三重・鈴鹿サーキットへと移ったが、今大会も無観客でのレース開催が続いている。

予選が行われた土曜日は朝から強い日差しが降り注ぎ、午前10時に始まった公式練習は、気温32度、路面温度42度からのスタートになった。前大会からセットアップの見直しを続けているKONDO Racingでは、鈴鹿でもその作業を継続。セッション中はピットインを重ねつつ、都度アジャストを行いながら改善策を見出すべく、トライを続けた。
GT300との混走時には主に高星明誠選手が、その後ヤン・マーデンボロー選手がドライブを担当。着々とタイムを削ることはできたのだが、ライバルに対してタイムアップの"伸び代"が少なく、GT500の専有走行でも思うようにポジションアップができないまま、セッションを終えることになった。
GT500クラスのノックアウト予選Q1は午後3時3分にスタート。気温は31度と公式練習時とほぼ変わらなかったが、路面温度は51度まで上昇。厳しい暑さの中、マーデンボロー選手がアタックを開始した。タイヤに熱を入れ、アタックラップに挑んだマーデンボロー選手は、きっちりタイムアップを果たして1分48秒052をマーク。だが、ポジションは13番手どまり。結果、Q2へと駒を進めることなく予選を終了している。
天気予報によると、決勝日は天候が崩れる可能性もあるとのこと。不確定要素が大きくなるとタフな戦いを強いられる一方、チームとしては粘りあるレース運びが得意なだけに、ポジションアップへの期待も膨らむ。いずれにせよ、最後まで諦めることなく戦いに挑むのみだ。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也/大津 弘樹 1'46.160 1'46.239
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'46.500 1'46.699 4
3 38 ZENT GR Supra 立川 祐路/石浦 宏明 1'46.631 1'46.769 24
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'48.052 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Q1  開始 : 15:03'00 終了 : 15:13'00

Q2  開始 : 15:41'00 終了 : 15:51'00

近藤監督のコメント

難しいですね。過去に、夏の暑さが厳しい時期のレースで良い結果を残すこともあったのですが、まだそういう結果を残せていませんね。今日の予選コンディションは、うちが割と得意としているものではあったのですが、結果としては上手くいきませんでした。

僅差でポジションが大きく変わるのが、今のSUPER GTの特徴でもありますが、チームとしてもみなそれぞれがしっかりと頑張っているので、その歯車が上手く噛み合えば結果に表れると信じています。チーム的に何が上手く行っていないのかが分かれば状況も改善できると思うし、明日もコンディションに惑わされることなく自分たちのレースができればしっかりとした戦いができるだろうし、結果にもつながるのではないでしょうか。ハード面での準備はもちろんですが、ソフト面としてエンジニア、ドライバーそれぞれの持つ力が上手く噛み合うよう、チームをまとめていけたらと思います。

高星 明誠選手のコメント

今回も残念ながら予選を走ることができませんでした。朝の公式練習でも色々セッティングを変えながら確認作業を続けましたが、徐々には良くなっているものの、タイムの伸び代が思うほど無く、良い形でタイムに反映させるまでには至りませんでした。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今回のレースに合わせ、セットアップを色々と試しました。その作業は朝の公式練習の時だけでなく、予選に向けてのインターバルでも続きました。ポジションを考えると厳しい状況だし、結果から見ればまだまだやるべきことは残ってはいるのですが、確実に改善はされていると感じています。もちろん、まだトップチームとのギャップがあるため、チームも、今どうすべきかをしっかり考えて作業をしてくれています。
明日のレースに向けて、新たな作業に取り掛かることになりますが、今戦に限らず、この先のラウンドに向けても必要なことなので、まずは速さあるクルマを準備できるように頑張りたいですね。

エンジニアのコメント

鈴鹿戦に向けてセットアップ等をしっかりと見直してきました。今日もセッション中にアジャストを繰り返し、それに対するクルマの反応を確認しつつ、予選への準備を進めることができました。現状としては、ステップアップするための階段を一歩ずつ登っているところだと言えます。
予選ではタイムアップはできたのですが、ライバル勢に比べて伸び代が少なかったため、結果としてポジションアップにつながらなかったのは残念です。ただ、方向性は見えてきているので、引き続き確認作業を進めつつ、決勝に向けての準備に取り組みたいと思います。

二日目 決勝(8月23日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

改善を重ねる中で粘りの戦いを繰り広げるも、11位に

コロナ禍で従来よりも3ヶ月遅れで幕を開けた2020年SUPER GTシリーズ。7月上旬の第1戦から6週間のうちに3戦を消化。決勝を迎えた鈴鹿は、前日同様、朝から強い日差しが照りつける中で52周の戦いを繰り広げた。予選13番手からの追い上げを誓ったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rだが、序盤のハプニングも影響し、思うようなポジションアップを果たせず。11位でチェッカーを受けることになった。

前回同様、決勝レースのスタート時間は午後1時。テクニカルコースの鈴鹿を52周に渡って競うことになる。セットアップを中心としての改善策に成果は見え始めているものの、順位に反映するまでには至らず、前日の予選でも厳しい戦いを強いられただけに、決勝ではチームが得意とする粘りある走りで結果につなげたいところである。
気温32度、路面温度49度と、前日の予選と似通ったコンディションの中、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは13番手からスタート。今回は、ヤン・マーデンボロー選手が先にステアリングを握り、スティントを担当した。
レースはGT500全車がクリアスタートを切ったものの、後方のGT300クラスでアクシデントが発生。オープニングラップからセーフティカー導入となり、波乱を予感させる幕開けとなった。幸い、レースは5周目にリスタート。そのタイミングで中団グループの1台にアクシデントが発生したことから、マーデンボロー選手は12番手で周回を重ねていくこととなった。
序盤から混戦模様の周回が続いていた16周目、前を追うNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rにハプニングが襲いかかる。なんとフロントボンネットが外れ落ちてしまうトラブルが発生。これが原因で17周目には今大会2度目のセーフティカーがコースイン。バックストレートのほぼ中央に落ちたボンネットはコースオフィシャルの手によって回収され、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R、そして他車へ接触するアクシデントが回避されたのは不幸中の幸いだったとも言える。思いもしないハプニングながら、マーデンボロー選手はその後も落ち着いて周回。リスタートとなった23周目にピットインを行った。
待ち構えていたメカニックの手によって新たなボンネットが装着され、再び"戦闘車"の姿に戻ったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。コースに向かった高星明誠選手は、ハプニングで失ったロスタイムを少しでも挽回しようと懸命の走りを見せた。そんな中、29周目には3度目のセーフティカーがコースイン。ポジションアップこそ厳しいものの、期せずして他車との差を縮める好機を手にした。
レースは34周目にリスタート。すると前方の車両同士の接触で1台がピットイン。これでNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは11位へと浮上、レース終盤に入賞のチャンスが巡ってくることになった。渾身の力で奮闘する高星選手。じわりじわりとタイムを削り取っていくが、逆転までには至らず。このままチェッカーを受け、暑く厳しい戦いを終えている。
無観客試合が続く今シーズンのSUPER GT。3週間後、栃木・ツインリンクもてぎで迎える第4戦も同じフォーマットでのイベントとなるが、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、なおもステップ・バイ・ステップで戦闘力アップに挑み続ける。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1:58'43.467 52 4
2 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 3.725 52 22
3 36 au TOM'S GR Supra 関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ 12.279 52 60
11 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 32.419 52 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
開始 : 13:04'03 終了 : 15:02'46
SC : 1) 13:05(0Laps) - 13:15(4Laps) 2) 13:39(17Laps) - 13:57(22Laps) 3) 14:11(29Laps) - 14:27(33Laps)

黒白旗提示 : No.38 立川祐路 No.23 R.クインタレッリ
No.16 罰金100,000円 (Spr.25-6「ホイールの脱落」)
No.8 福住仁嶺 ドライブスルー(保留) (Spr.13-1「危険なドライブ行為」)
No.8 ドライブスルー(保留) (Spr.27-3「ピット作業違反」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
64 Modulo NSX-GT 1'50.096

近藤監督のコメント

今、チームが持っている力を出し切った戦いだったことは確かです。しかしながら、その力自体がライバルに比べてまだ十分ではないですね。もちろん、そんな中でも新しいものを導入し、チャレンジも継続しています。結果として形にならず辛いのですが、クルマ自体のセットアップ、タイヤに合わせたクルマ作りなど、ありとあらゆる策を講じてはいます。とはいえ、どうしてもぶっつけ本番になってしまうため、時間が欲しいというのが本音ですね。
ただ、スタッフもドライバーも一生懸命頑張っています。第4戦もてぎに向けてミーティングを重ねることで、しっかりと改善策を見出していきたいと思います。

高星 明誠選手のコメント

今大会のレースウィークに限らず、レースに向けてのセットアップをもっとやれたのではという思いが強く残りました。もっと早い段階で気づいて試していくことができたのではないかと考えています。課題が後手に回るようなことにならないよう、チームとのミーティングを重ね、今後の戦いに向けてやるべきことをしっかりと決めていきたいですね。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

スタートドライバーを担当したのですが、序盤は前を走る2台のGR Supraと接戦になるものの、ダウンフォースの影響で逆転するのは難しい状態でした。走行を重ねるうちにフロントタイヤのコントロールが難しくなり、さらにはボンネットが外れるというハプニングもあって、難しい状況でした。パッケージとしてクルマを仕上げていく中で、僕らは都度問題点の解決を求められています。これからも改善を進め、強いクルマを作っていきたいですね。データを分析し、戦うクルマを準備して、もてぎに挑みたいです。

エンジニアのコメント

まさかのハプニングがありました。レース直後の時点で言えるのは、人為的ミスではないということ。接触や作業時のミスではないです。走行中に何かが起こったとしか今は言えないですね。幸いというか、ボンネットがきれいに外れてしまったため、ピットでのリペアは思いの外スムーズに済ませることができました。
順位は振るわなかったのですが、「クルマを作る」という意味では正しい方向に一歩一歩着実に進んでいるという確信はあります。あとはそれが結果として出てくれば…というところですね。ドライバーからはコーナリングでのクルマの仕上がりはいいとフィードバックを受けているので、これから不足している部分を補うことで戦闘力もアップしてくるでしょう。今回、GT-Rの1台が優勝したことは正直悔しい。この思いをバネにチームとしてさらに強くなっていかなければ、と思います。次のもてぎ戦までの3週間で色々なことを見直していきたいですね。

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