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Race Report - 第4戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(2016年7月23日・曇/ドライ)

予選レポート

第4戦SUGO、9番手からジャンプアップを目指す

およそ2ヶ月半ぶりのレースを迎えたSUPER GT。その戦いは宮城・スポーツランドSUGOが舞台となる。アップダウンに富み、またレース中には魔物が棲むとまで言われるコースだが、まず予選での上位進出が重要となる。
予選日前日は強い夏の日差しが出る天候だったが、土曜日の予選は終始薄曇り。気温も朝から20度前後に留まるなど、少し肩透かしを喰らったような形となった。そんな中、まず朝の練習走行で8番手のタイムをマークしたKONDO Racing。トップとのタイムは僅か0.4秒弱とフォーミュラさながらの戦いが予想された。
そして迎えた午後からの予選。まずQ1でNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、柳田真孝選手。Q2への進出を強く意識したアタックだったか、少し力みが見られることに。結果、刻んだタイム1分11秒702は9番手に。惜しくもあと一歩でQ2出走を逃すこととなった。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 6 WAKO'S 4CR RC F 大嶋 和也/A.カルダレッリ R1'11.129 R1'10.516 28
2 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大/小暮 卓史 R1'11.273 R1'10.705 -
3 38 ZENT CERUMO RC F 立川 祐路/石浦 宏明 R1'11.000 R1'10.936 10
9 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/柳田 真孝 1'11.702 - 4

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

R:コースレコード(従来のレコード 1'11.607)

近藤監督のコメント

悔しいですね。大樹なんてポールポジションを狙えるほどの勢いがありましたからね。チームとしては、まずQ1で柳田に賭けることにした上での決断でした。今回の予選は、まるでフォーミュラレースのような僅差で大きくポジションが違ってしまう状況でしたからね。コンマ1秒の差でQ2へのバトンを渡せなかったのは、残念です。SUGOは抜けないサーキットとは言うものの、レース中のハプニングも多いので、自分たちのクルマがしっかりと仕上がっていれば、逆転も可能だと思います。クルマもタイヤもいいものが見つかっているので、しっかりと決勝に向けての戦略をしっかりとおさらいして挑みます。今もっぱらの悩みは、決勝のスタートドライバーをどちらにするか。じっくり考えて準備します。

佐々木 大樹選手のコメント

朝の練習走行では調子が良かったので、すぐ決勝を見据えたロングランの作業に入りました。順調にテストができました。予選はQ1のクラッシュなどで波乱含みでしたが、仕方ないですね。Q2まであと一歩の9番手になりましたが、とにかく決勝で追い上げるだけです。個人的には、SUGOは縁起のいいサーキットなんです。GT-R勢としてトップに立っているし、僕らの前にいる車両はウェイトが重かったりするので、周回を重ねるうちに抜ける立場にあるのでポジションアップのチャンスもあると思います。表彰台を狙って戦います。

柳田 真孝選手のコメント

アタックのタイミングというよりも、計測3周目でマークしたベストタイムのセクター1が遅すぎました。シフトダウンがうまく行かず、タイムロスしちゃいました。それが大きく響きました。タラレバは言いたくないけれど、それがなければ、Q2へとつなげることができましたね。それが悔やまれます。幸い、朝の走行からフィーリングが良かったし、決勝での不安要素も少ないし、しっかり決勝朝のウォームアップで再確認して、いい戦いがしたいですね。

エンジニアのコメント

今回は流れもよく、アタックにつなげたのですが、Q1で柳田選手がちょっと力みすぎたのかもしれないですね。決勝を想定したロングランをする中で手応えも得ています。天候の変化が少し不安ですが、決勝でしっかりと戦える準備はできているので、日曜朝のフリー走行でしっかりと煮詰めていきたいと思います。

二日目 決勝(2016年7月24日・曇/ドライ)

決勝レポート

タイヤ無交換を敢行、今季初優勝へとつなげる

前夜遅くに降り始めた雨が残り、決勝朝のフリー走行はウェットコンディションによって幕を明けた。レースウィークを迎えてから初となるレインタイヤでの30分間のセッションを終えたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。ポジションは12番手どまりだったが、まだまだ先の読めない天候の中でどのような戦略で挑むのか、チームでも時間の許す限り、丁寧に準備作業を進めることとなった。しばらく降ったり止んだりの落ち着かない空模様だったが、次第に天候が回復。曇天模様ながら路面もドライコンディションへと快方に向ったことから、午後2時からの決勝レースはスリックタイヤによるスタートが切られた。気温20度、路面温度22度の中、81周先のチェッカーを目指し、まずスタートドライバーを務める柳田真孝選手がクリアスタート。その直後はまだ充分にタイヤも温まらないことで、ライバルの先行を許してしまい、一旦13番手まで後退した。だが6周を過ぎ、次第にタイヤのパフォーマンスが改善してくると、それに合わせたようにラップタイムが上昇。ライバルたちとの差は明確で、1周、また1周とジャンプアップに成功する。その一方で、コース上の柳田選手は、事前に計画のひとつとして予定しているタイヤ無交換を意識し、出来る限りタイヤへの負荷を減らす方向でマネージメントに尽力した。20周を過ぎると、ライバルたちを大きく上回るラップタイムを刻み始め、これに合わせて7位まで浮上した。そんな中、GT300の1台が最終コーナー立ち上がりでコースアウト。ここでセーフティカー(SC)の導入が始まった。26周、レースはSCランとなり、柳田選手は6位をキープ。そしてSCラン解除となった30周を終えてピットイン、ヨコハマタイヤのスタッフによって無交換可能であることが確認されると、チームはタイヤを変えず、ガソリン補給とドライバー交代のみを行い、新たにステアリングを握った佐々木大樹選手をコースへと送り込んだ。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが暫定トップに立ったのは、47周終了時。依然として安定したタイムを刻みつつ、ノーミスでの走りに留意して周回を重ねていく。一方で、終盤に入ると、気温が急激に上昇。さらに強い日差しがコースを照りつける。さらにはその背後に3台で攻防戦を繰り広げるレクサス勢が控えていたが、佐々木選手はこのコンディションの変化に戸惑いを感じつつも、周回遅れのGT300を巧みに利用しつつ戦いに集中して、渾身の走りを重ねていく。そんな中、またもGT300の車両が最終コーナーでコースアウト。佐々木選手が76周を過ぎたあと、その後方で起こったハプニングに対し、レースコントロールは赤旗を提示。レースは終盤に来て一旦中断となってしまった。だが、レースはその後、赤旗中断をもって終了が決定。規定により、74周終了時点での順位が決勝結果として採用されることから、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがトップでフィニッシュを受けることになり、チームは待ちわびた今シーズンの初優勝を達成。これにより、今シーズンの開幕戦から続くGT-R勢の連勝に貢献、さらにシリーズランキングも5位へと浮上。波乱続きの荒れた戦いを力強く戦い抜くという、実り多き一戦となった。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/柳田 真孝 1:42'08.887 74 4
2 39 DENSO KOBELCO SARD RC F ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 0.358 74 38
3 38 ZENT CERUMO RC F 立川 祐路/石浦 宏明 0.518 74 10
4 6 WAKO'S 4CR RC F 大嶋 和也/A.カルダレッリ 1.048 74 28
5 19 WedsSport ADVAN RC F 関口 雄飛/国本 雄資 2.152 74 10
6 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大/小暮 卓史 7.001 74 -
7 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 武藤 英紀/オリバー・ターベイ 26.109 74 -
8 37 KeePer TOM'S RC F ジェームス・ロシター/平川 亮 28.735 74 54
9 1 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 29.387 74 80
10 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 山本 尚貴/伊沢 拓也 30.204 74 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 1'12.818

※セーフティーカー: 14:38 - 14:50

※赤旗中断 15:50(Spr.37-2により赤旗中断後レースを終了した)

※No.36 ペナルティストップ10秒(Spr 22-3.3)「規制期間中のシャーシ交換」)

※No.36 訓戒(プルテンNo.027-S「エアージャッキによる路面ダメージ防止」)

※No.36 ニック・キャシディ 決勝結果に37秒加算(Spr 13-1.b.「危険なドライブ行為」)

近藤監督のコメント

今回のタイヤ無交換作戦は、一番やらないだろうな、という作戦のひとつでした。土曜日、朝の公式練習のセッションを終えた後、ドライバーやチームスタッフの頭の中で、すでに浮かんでいた作戦でもありました。ただ実際やるかどうかは微妙なものだったので、大事を取ってピットインのときにはタイヤの担当者にしっかり見てもらったんです。そうしたら「(無交換で)行けます」という返事をもらったので、行かせました。序盤もペースが良く、タイヤ、ドライバー、クルマがうまく噛み合うということを前提にして、そして運も呼べたと思うんですが、それが全部集まり、残せた結果だと思います。後半は2位以下、3台のレクサス勢の追い上げがすごかったけれど、大樹がしっかり耐えてくれました。本当に嬉しい勝利でした。

佐々木 大樹選手のコメント

今日、気温が下がっていたので、優勝が狙えるかもと思っていました。とはいえ、プランとしては最後の選択肢でした。ここは抜けないし、ピット(作業中)で逆転するしかないと思って、無交換に出ました。成功して良かったです。とはいえ、担当した後半のスティントはタイヤがズルズルの状態で、大変でした。日差しも出てきたし…。今週、雨模様だったのに、ここに来て太陽が出てくるだなんて。余計なことをしてくれるな、と思いました。去年1勝したので、今年は1勝するだけでなく、チャンピオン争いに食い込むという目標があるだけに、勝てて良かったです!

柳田 真孝選手のコメント

優勝できて、良かった!タイヤ無交換に関しては、もともと予選ポジションの順位も後ろなので、決勝で無交換をやろうという話が出ていました。なので、スタートドライバーの僕は、タイヤを使わないよう、かなり気を遣いました。かつ、ポジションアップもしなきゃいけないし…。僕よりも大樹が苦しくなるのもわかっていたので、マネージメントに注意しました。それがSCカーのタイミングもピットインに近いところであったし、今回は勝負に出るしかないなと感じました。僕ら二人のドライビングを考えれば、タイヤは絶対もつと思ったし、二人だからできた戦略でした。それが実現して良かったです。今回の優勝で、GT-Rとしても開幕戦から3連勝を飾ることができて嬉しいですね。

エンジニアのコメント

戦略としては、一番ハードなものを選択したわけですが、最後は赤旗終了にも助けられました。特にレース序盤、薄曇りの中で速さがありました。晴れた終盤、70周を超えた状態のタイヤでは大変厳しい戦いになりましたが、序盤に柳田がタイヤをセーブしながら走ってくれて助かりました。

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