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Race Report - 第7戦 チャン・インターナショナル・サーキット

一日目 予選(2016年10月8日・晴/ドライ)

予選レポート

公式練習の快走を活かせず、13番手どまりに

日本を離れ、戦いの舞台がタイへと移ったSUPER GT。第7戦はブリラム県にあるチャン・インターナショナル・サーキットでの一戦を迎えることになった。予選日は前夜遅くに降った雨の影響を受け、セミウェットの中で朝の公式練習がスタート。次第に回復するコンディションに合わせるかのように、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rも着実にタイムアップ。セッション終盤、佐々木大樹選手が出した1分24秒935のタイムがチームベストとなり、暫定でクラス2番手につけた。
迎えた午後の予選。Q1のノックアウトに出走したのは柳田真孝選手。まず、着実にQ1を突破し、Q2は佐々木選手によるさらなる躍進を狙う戦略だった。柳田選手は1分25秒339のベストタイムをマーク、午前中の自身のベストタイムを大きく上回るパフォーマンスを見せたが、順位は13番手どまり。惜しくもQ2へ駒を進めることはできなかった。
今年のタイ戦は例年になく気温が低く、また不安定な天候であることから、決勝時もタフな展開になることが予想される。この厳しい戦いをより優位に走り抜くため、明日のフリー走行で改めて戦略の方向性を探ることは言うまでもない。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 19 WedsSport ADVAN RC F 関口 雄飛/国本 雄資 1'24.789 R1'24.307 40
2 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 武藤 英紀/牧野 任祐 1'24.872 R1'24.340 10
3 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ 1'24.906 1'24.466 56
13 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/柳田 真孝 1'25.339 - 44

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

R=コースレコード(従来のレコード 1'24.704)

柳田 真孝選手のコメント

Q1は全然いけると思っていました。タイヤ自体は悪くなかったし、もっとタイムが伸びると思っていたのですが…。結果的にはQ2進出を果たすことができませんでした。思うようなタイムアップにはつながらなかったですね。決勝では天気がもっと暑くなれば、うまくクルマの力を引き出すことができると思うのですが、いずれにせよ、決勝ペースは悪くないので最後まで諦めずに戦います。

エンジニアのコメント

朝の公式練習で、柳田も佐々木も同じタイヤでアタック練習をしました。その中で、混走時間の後半に柳田が、そして佐々木はGT500の専有走行中にアタック練習をそれぞれしてもらいました。当初の予定では佐々木でQ1に挑む予定だったからです。セッション中のタイムも良かったので、それならば柳田にQ1を任し、Q2は佐々木でいいポジションを狙おう、ということになったわけです。
実際、Q1で柳田は朝のセッションから0.6秒のタイムアップを果たしているのですが、それ以上に周りのペースが上がったということです。残念ですが、仕方ないですね。明日は後方から追い上げなければいけないので、日曜日のフリー走行で最終チェックをする中で、戦略をまとめていこうと思います。

二日目 決勝(2016年10月9日・晴/ドライ)

決勝レポート

タイヤ無交換での奏功を狙うも、結実せず

レースウィーク中、一番の厳しい暑さとなったチャン・インターナショナル・サーキット。66周に渡って行われたSUPER GT第7戦の決勝レースは、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rにとって、タフかつ厳しい結果を突きつけられる戦いになった。
決勝日の朝に行われたフリー走行。前日の予選結果を受け、レースでの躍進を実現させるための最善策を模索していたKONDO Racing。厳しい暑さに安定したパフォーマンスを発揮するヨコハマタイヤの強みを引き出すべく、戦略のひとつにタイヤ無交換を挙げ、そのシミュレートを行なった。満タンから10周ほど走行し、ユーズドタイヤでの好タイムを刻んだNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは、佐々木大樹選手がセッション中のトップタイムをマーク。結果、タイヤ無交換だけに限らず、従来通りの追い上げも視野に入れ、戦いに向けての準備を進めることになった。
前日の予選日は薄曇り模様だったサーキットも、決勝日は終始太陽が照りつける蒸し暑さが続いた。午後3時からの決勝を前に、気温は33度、路面温度は44度と、レースウィークで一番のピークを迎える。そんな中、まず柳田真孝選手がNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングを握り、スタート。ポジションアップを目指したが、クルマのフィーリングが午前中から激変。思うようなペースアップが果たせず、苦戦することとなった。
一方、チームでは、レース中の状況に合せてピット戦略を決めようとしていたため、タイヤ無交換で粘り強くポジションアップすることを決断。23周を終えて柳田選手をピットインさせた。ドライバー交代、給油作業のみでコースに復帰したNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。バトンを受け継いだ佐々木選手が戦闘モードに入る。ところが、思いのほかタイヤマネージメントの必要性が大きく、肝心のペースアップが果たせない。さらに、我慢の走行を強いられた佐々木選手にアクシデントが発生。45周目の1コーナーで左リアタイヤがパンク。手負いの状態でコースをほぼ1周し、タイヤ交換を行なうことになった。結果、13位と大きく遅れを取ってしまったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。悔しさあふれる戦いになってしまったが、今シーズン後半から安定した速さは確保できているだけに、最終戦のもてぎでは、まず予選から上位を目指し、決勝での躍進を狙う。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 19 WedsSport ADVAN RC F 関口 雄飛/国本 雄資 1:37'58.745 66 40
2 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 武藤 英紀/牧野 任祐 2.917 66 10
3 6 WAKO'S 4CR RC F 大嶋 和也/A.カルダレッリ 17.583 66 70
4 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ 24.166 66 56
5 64 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット 26.506 66 2
6 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大/小暮 卓史 26.703 66 44
7 39 DENSO KOBELCO SARD RC F ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 35.763 66 82
8 8 ARTA NSX CONCEPT-GT 松浦 孝亮/野尻 智紀 42.193 66 26
9 37 KeePer TOM'S RC F ジェームス・ロシター/平川 亮 45.064 66 60
10 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 山本 尚貴/伊沢 拓也 45.182 66 36
13 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木 大樹/柳田 真孝 2Laps 64 44

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 1'25.833

近藤監督のコメント

タイでは勝つつもりで来たのですが、結果は13位になってしまいました。とにかく流れが来なかったですね。今回、決勝が始まってもなお、決め兼ねていたのが、ピットインでの作業内容でした。周回数真ん中あたりでピットインしてタイヤ交換するか、あるいはタイヤ無交換で走り抜くか、悩みに悩みましたね。というのも、僕らはどちらの戦略でもいけるという読みだったからです。予選順位から考えて、さらに上のポジションを狙う意味でも、タイヤ無交換を選びました。レース中の判断だったこともあり、多少のリスクがあることも覚悟の上です。ただそのリスクの内容も想定内だったので、決してギャンブルではありません。ただ、結果的には、データとして出ていたリスクを負うことになりました。監督として下した選択だったので、ドライバーはじめ、チームスタッフには悪いことをしました。ただ、今回の予選順位を考えると、このくらい(無交換)のことはしないと。チャレンジした結果だから、しょうがないと思います。最終戦は2レースあるので、そこでしっかりいい結果を残すために準備していこうと思います。

佐々木 大樹選手のコメント

厳しい戦いでした。午前のフリー走行を踏まえても、決勝の自分のスティント中、プッシュすれば確かにタイムは出たでしょうが、それではタイヤがもたなかったと思います。それを回避するためにタイヤマネージメントし、ペースも意識して走っていたにも関わらず、スティント中にタイヤが壊れてしまいました。今シーズン最後のもてぎでは、ここのところ安定して見せることができている、速さをしっかりと活かした戦いがしたいです。

柳田 真孝選手のコメント

タイヤ無交換、あるいはタイヤ交換を踏まえて攻めの走りをするか、どちらの戦略でも決勝は戦えるという手応えがあったのですが、フタを開けてみれば、決勝のクルマは、朝のフリー走行とは異なるフィーリングになっていました。一方で、タイヤのこと、クルマのこと、色んな条件の変化はあったとはいえ、それでももっと前に行って、戦える状態にしなければいけないと思いました。ドライバーとしてできる仕事がまだあったと思うだけに悔しいです。

エンジニアのコメント

戦略としてタイヤ無交換を行なわなければならない、というポジションからのスタートだったことをまず認識する必要がありますね。さらにタイムを上げることができない状況、つまり、ペースを落とさないとタイヤがもたないという可能性が高かったことも事実です。佐々木選手がドライブ中にタイヤバーストしたのですが、場所的に1コーナーだったこともチームにとって不運でした。仮に後半のセクターで発生したのであれば、ダメージも少なくて済みましたから。一方で、朝のフリー走行時と決勝でのクルマのコンディションが大きく変化したことも、決勝での厳しい条件として重なってしまったと思います。もてぎでは、スタンダードに攻める戦いができるようなクルマを準備して戦いたいです。

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