Super GT:第一日目予選

シリーズ初となるタイ戦で、今季チームベストの予選2位を獲得!

日付 2014年10月4日
天候 晴れ
気温 33℃
路面状況 ドライ

予選レポート

シーズンの終盤戦を迎えた今年のSUPER GT。第7戦は今年初の海外戦となり、場所も去年のマレーシアから新たにタイへ!
場所はタイ東北部ブリラム県にあるチャンインターナショナルサーキット。完成したばかりのサーキットが戦いの舞台となる。

いわゆる"こけら落とし"の一戦ゆえ、事前のデータはほぼ白紙に近い。F1サーキットのデザイナーで知られるティルケ氏デザインによるコースはストップ&ゴーの箇所と高速コーナーのインフィールドセクションが組み合わさった興味あるレイアウト。練習走行を終えたKONDO RACINGのミハエル・クルム、佐々木大樹両選手も、チャレンジングなコースでやり甲斐があるとレースに向けて志気を挙げていた。

前日は練習走行を前にコース歩行の時間も設けられ、ドライバーだけでなくチームスタッフも一緒になってコースに出てコンディションをチェック。予選に向けてできる限りの情報を得ようと精力的に動いていたようだった。

その思いが通じたのか、まず朝のフリー走行では佐々木選手がチームベストタイムをマーク、2番手につける活躍を見せた。そして迎えた午後からのノックアウト予選では、さらにチームが高き目標を目指してアタックに挑むことになった。

Q1のアタッカーを務めたのは、クルム選手。朝の勢いをそのままに、早速上位に名を刻み、周回を重ねていく。そして自己ベストを更新し続ける中で最終的に1分24秒926のタイムをマーク、Q1トップで走行を終えることになった。

一方の佐々木選手。クルム選手からトップの座でステアリングを渡されたルーキーは、緊張が最高潮となる中で落ち着いたアタックを披露。まずは1分25秒0で暫定トップに立った。しかし実力あるドライバーたちによるタイム合戦でもあるQ2ゆえ、次第にライバルチームのベテラン勢もタイムアップ。46号車GT-Rにトップの座を譲ってしまった。とは言うものの、その後も佐々木選手は自己ベストタイムを更新、1分24秒739までタイムを縮め、2番手を死守。トップとは100分の3秒という僅差まで詰め寄り、底力をしかとアピールすることになった。

完成したばかりのサーキットで迎える初のSUPER GTレース。チームとしては、過去にはセパンのようにGT初開催のサーキットに強い結果を残しているだけに、決勝での更なる飛躍に期待がかかる。

近藤監督のコメント

近藤監督

セットもタイヤもいい感じで、その相乗効果なのかな、ドライバーも普段の速さを発揮できたようです。トータルでいいところにいけたんじゃないかな。でも問題は明日。今回、予選で使ったのは決勝で合うであろうタイヤを選びました。予選の順位がどうなるかちょっと読めない部分もあったので、アタックでもどちらかというと決勝に強いタイヤを装着して挑んだんです。そうしたところが思いがけずいいパフォーマンスを見せてくれて、良い結果を手にすることができました。

ライバルが悩んでいる間にいいポジションを狙っていくという強みが活かせて良かったと思います。かつてセパンでも経験していますが、こういうときにチャンスを掴みたいですね。ドライバーはもとより、チームスタッフのモチベーションが上がっているので、決勝でもしっかりいい戦いをしますよ!

実は今日の予選に向けて、23号車の前に出れば、ポールポジションが獲れるから頑張れ! と(佐々木)大樹にハッパをかけたんです。その通りに23号車の前には出たものの、もう一台(46号車)いましたね(苦笑)。でも、いいアタックを見せてくれたので、ほっとしています。

ミハエル・クルム選手のコメント

ミハエル・クルム選手

予選まで、僕らは常に上位につけることができましたが、みんな知らないサーキットで戦うにあたり、アドバン(横浜ゴム)がとてもいい仕事をしてくれたと思います。サーキットのコンディションに合うタイヤを持ってきてくれました。

フリー走行でも時間がしっかりあったので、セットアップも進みました。結果的に完璧な状況に近づいています。トップ争いもできるクルマになりましたね。レースでのロングランもいい走りができそうです。一方で、初コースでのレースなのでハプニングも多くなりそう。いろんなことが起こる可能性もあるので気をつけたい。路面のサーフェイスもどんどん変化しているし、決勝ではさらにどうなることやら、と思います。場所によっては砂の上に乗る可能性も高いので、菅生みたいですね。抜くには無理するしかないんですよ。荒れるレースになるだろうから、運も必要。追い抜くのが難しいのでうまくコントロールしたい。渋滞の中でもタイミングを生かしたいと思います。

佐々木 大樹選手のコメント

佐々木 大樹選手

Q1を(ミハエル・)クルムさんがトップで通過してくれたので、(自身のQ2アタックは)プレッシャーを感じましたね。なんとか自分も一位で通過したいという思いがあったんです。ただやっぱりQ2に出る他のドライバーも速いし、トップを狙ってくるので、まずはクルムさん(のタイム)よりも速く走ろうと思いました。ポール(ポジション)を獲るためにはとにかくプッシュしかない、という感じでした。

しっかりいいアタックは出来たんですが、(トップとは)ほんのちょっとの差でしたね。でも自分がしっかりとまとめ切れれば(トップは)狙えたと思うんです。結局その部分の差ですね。コーナーでクルマを滑らせたりとか、完璧ではなかったですが、(トップとの)100分の3秒の差はすごく惜しかった。

コースはちょっとはみ出しただけでもグリップしなくなるので、予選で大きなミスなくアタックできたのは良かったかなと思います。明日はGT300もいるからちょっとのことで飛び出しかねないし、コースも埃っぽいので、まずはレースに集中していけば勝つチャンスはあるのかな、と思います。頑張ります!ここは高速コーナーが多く、すごく攻め甲斐のあるコーナーが多いですね。そういう意味では走っていても楽しいと感じました。

エンジニアのコメント

エンジニア

ポールポジションとは100分の3秒の差で2位でしたから、いい走りができたと思います。ポールは逃しましたが、最後のワンアタックでまたタイムを縮めてくれたし、悔しい気持ちもある反面、結果としては上出来だと思います。

鈴鹿1000kmから色々と試行錯誤し、パフォーマンスを向上させることができたし、新しいここのコースにも適応できるセットアップができて良かったです。コース歩行をドライバーと一緒に行って、クルマとしては苦手なサーキットかも、と思ったのですが、走ってみたら意外と良かったですね。タイヤ、クルマのセットアップ、ドライビングのすべてが24号車に合ってたということですね。

実のところ、今回は予選一発のタイムを狙うというよりも決勝でのセットアップ、タイヤの確認にまず取り組みました。結果、レースを見据えてタイヤを選ぶにあたり、決勝に強いタイヤが予選でも強いのではないかという判断を下しました。チームが取り組んできた成果が決勝でどのような形となって表れるのか、楽しみですね。

リザルト

公式予選記録

GT300
Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 46 S Road MOLA GT-R 本山 哲/柳田 真孝 1'25.125 1'24.704 25
2 24 D'station ADVAN GT-R ミハエル・クルム/佐々木 大樹 1'24.926 1'24.739 12
3 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'25.163 1'24.974 60

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)