表彰台を狙った果敢なレース展開で4位フィニッシュ!
日付 | 2014年11月16日 |
---|---|
天候 | 晴れ |
気温 | 15℃ |
路面状況 | ドライ |
最終戦の決勝日、晴天の朝を迎えたツインリンクもてぎ。泣いても笑ってもシーズン最後の戦いに向け、チームは心地よい緊張感を感じながら各自与えられたミッションをこなすべく健闘を誓った。
前日の予選では車両トラブルにより、アタックせずしてグリッドが決定したNo.24 D'station ADVAN GT-R。ストップ&ゴーのレイアウトを持つこのサーキットでポジションアップを狙うには、セオリー通りの戦いをしていてはチャンスも巡ってこない…。そう判断し、朝のフリー走行では最終確認を無難にこなしつつ、一方では決勝に向けてありとあらゆる戦略を考え、状況に応じたアプローチで250kmの激戦に挑むことになった。
午後1時、栃木県警のパトカー、白バイに先導されてフォーメーションラップがスタート。今回チームのスタートドライバーを務めたのは、佐々木大樹選手。彼にとっては、ルーキーとして1シーズンを戦ってきた成果をしっかりと披露する戦いでもある。
この日訪れた3万2千人のレースファンが最終戦の行方を見守るべく、大いに盛り上がったもてぎ。そんな中、まず佐々木選手は11番手までポジションを引き上げて大混乱のオープニングラップを終了。その後は緩急を突いた攻めの走りで着々とポジションアップ、20周を迎える頃には入賞圏内となる7番手まで浮上することに成功した。
また佐々木選手自身は、攻めの気持ちでステアリングを握る一方、タイヤ無交換作戦の敢行も意識し、タイヤへの負荷を避けるようマネージメントにも尽力。難しいレース運びをチームから要求されたが、見事にそのミッションをこなして27周を走破、ピットへとクルマを戻した。
待ちかまえるスタッフは、タイヤコンディションをチェック。このまま継続して走行可能と判断し、ミハエル・クルム選手をコースへと送り出した。これに対し、先んじて多くのライバルチームがルーティンワークのピットインを済ませていたが、併せてタイヤ交換を行っていたことから、24号車はタイヤ無交換を味方にしてポジションを4番手まで引き上げることに成功する。
終盤に入ったコース上は、さらにポジション争いが激化。24号車同様にタイヤ無交換を採った19号車のRC−F、後方の18号車 NSXCONCEPT-GTに挟まれたクルム選手は緊迫の攻防戦を長い時間に渡って展開。抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げたが、見事4位の座を死守。惜しくもあと一歩の差で表彰台の一角を逃すことになったが、前回タイ戦に続いての入賞を達成。いい形でシーズン最後の戦いを終えている。
タイヤ無交換でのレースだったのですが、後半のスティントでもライバルたちにも劣らないペースで走ることができました。タイヤの内圧も問題なかったですね。ただ、混戦での走りはまさに団子状態だったので、抜くためにリスクは負えなかったし、最終的には後方から46号車GT-Rが来ていたので、なんとか抑えたかったという気持ちでした。ドライバー同士が信頼しあって、いいバトルができたと思います。
もてぎはもともと抜きづらいコースですし、しかも最終戦のせいか、結構メーカー同士の都合もあって難しいレース展開になりました。でもその中で最終的に4位まで追い上げることが出来て良かったです。表彰台まであと一歩だったというのは悔しいですが…。ただ、予選結果のことを考えると、チームとしていい戦いができたのではないかと思います。今回はオーバーテイクがしづらいこともあり、作戦でタイヤ無交換という策が出ました。リスクを背負ってでもポジションを上げたいということだったので、スティント中はタイヤをあまり傷めないように走りながら、追い上げるという走りをしました。結果的に、タイヤ無交換の上に最後まで速いペースで走ってもらえたので、バッチリな作戦だったと思います。暑かったタイとシーズンエンドのもてぎで速かったので、来年こそチャンピオン争いにかかわれるようにしていきたいです。
やるべきことをやり、見せられる力は見せることができたレースでした。今回はルーティンワークでタイヤを交換するかしないか、両方を戦略として考えてレースに挑みました。ピットインは前後車両とのタイム差や、ピットワーク後にどこに出られるかなど、広範囲でシミュレートしてタイミングを決めたので、ピットイン時には、タイヤもしっかり準備して対処できるようにしていました。そういう理由もあって、今回は(佐々木)大樹を先に出すことにもなりました。表彰台に上がれなかったのは残念ですが、すべては予選結果に尽きます。オフシーズンの間にしっかりと準備して、来シーズンに挑みたいと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 1:32'32.446 | 53 | |
2 | 37 | KeePer TOM'S RC F | 伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ | 51.744 | 53 | |
3 | 18 | ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 53.807 | 53 | |
4 | 24 | D'station ADVAN GT-R | ミハエル・クルム/佐々木 大樹 | 1'02.362 | 53 | |
5 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山 哲/柳田 真孝 | 1'02.713 | 53 | |
6 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一/関口 雄飛 | 1'17.773 | 53 | |
7 | 1 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/平手 晃平 | 1'22.118 | 53 | |
8 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/武藤 英紀 | 1'25.845 | 53 | |
9 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | 石浦 宏明/オリバー・ジャービス | 1'28.719 | 53 | |
10 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F | 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター | 1'34.850 | 53 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
32 | Epson NSX CONCEPT-GT | 1'40.802 |
表彰台は見えた展開でしたね。ただバトルをする全員が百戦錬磨のキャリアドライバーばかりだから(逆転は)難しい。今回は予選でのトラブルがチームにとっては一番の致命傷です。仮にポールポジションからスタートを切っていれば100%表彰台には上がっていたと思います。
14番手から決勝をスタートしたわけですが、レース展開としてはある程度想定していたものでした。そのくらい、ウチのクルマには今回速さがありましたからね。ただもてぎは抜けないサーキットなので…。かつ、接触やスピンも許されないし。チームドライバーのふたりもそういうことも意識しての戦いになったと思います。戦略としてのタイヤ無交換も良かった。今シーズンは、序盤の時点でタイヤ開発をしながらレースを続けるという状態だったので、色んなアクシデントがつきものでした。でもそこで苦労したことが、暑いタイ、寒くなったもてぎでいいパフォーマンスに繋がったのだと断言できます。
こういうレース内容でがんばることができると、チームのモチベーションもグンと上がってきます。来シーズンこそ開幕戦からしっかりと戦っていきたいですね。シーズン中盤に中だるみすることなく、ライバルからも怖い存在と思われるよう、強さを見せていきたいので、期待していてください!