Super GT:第二日決勝

日付 2014年11月9日
天候
気温 17℃
路面状況 ドライ

決勝レポート

<第1レース>

不安定なコンディションの中、奮闘して6位入賞

前日から一転、全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レースは雨模様の朝となる。1イベント2レースとなるのは、第2戦富士以来。さらにはシーズンエンドの一戦となるため、自ずと気合いが入るというもの。とりわけ雨のレースを得意とするKONDO RACINGのジェームス・ロシター選手にとっては、是が非でも好位置でフィニッシュしたいところだ。

午前10時10分からのレース1を前に、スタート前チェックとして各車レースウィーク初となるレインタイヤを装着してコースイン。セッティングの確認などの作業を進め、20周のスプリントレースのスタートを迎えた。

フォーメーションラップを終えてグリッドに整列する全20台。ところが1台がエンジンストールしたことから再度フォーメーションラップとなり、20周のレースから1周減算の19周へと変更された。

9番手のグリッドから最高ののタイミングでスタートを切ることに成功したロシター選手。しかし、彼の目の前にいた選手がエンジンストール。一瞬行き場を失ったロシター選手の加速が鈍ることになった。結果、オープニングラップは8番手で終了。雨を得意にしているとはいえ、前方車両からの水煙は半端なく、視界確保が難しい状態であるために、パッシングも容易ではない。そんな中、ロシター選手は3周目の1コーナーで前の1台をパスすることに成功。力強い走りをとアピールした。

その後、6位で走行を続ける中、レースは1台の車両が130Rでスピンアウトしたことを受けてセーフティカーランに。14周目からレース再開となったが、ロシター選手はまたもクリアスタートを決めて猛追を始めた。一方、レースは終盤に入ると雨量が増えていき、最後の最後までチャンスを伺うも勝負をかけるまでには至らず。結局、6位キープのままチェッカーを受けている。


<第2レース>

健闘及ばず、10位でチェッカー

午前の戦いを終え、チームはすぐさまミーティングをスタート。午後の28周は当初タイヤ交換義務を伴うレギュレーションだったが、ウェットコンディション下での戦いになったため、ピットインの必要がなくなった。このため、装着するレインタイヤの選択を含め、チームでは万全の態勢を整えて、ロシター選手をレースに送り出そうと尽力した。

チームでは新しいレインタイヤを装着し、決勝スタート前のチェック走行を行い、好バランスの手応えを得ることになった。ところがスタートのダミーグリッドに着くと、雨はほとんど降っておらず、路面もさほど濡れていない状態。そこでチームは溝の少ない中古タイヤへの交換を熟慮断行する。

午後3時、フォーメーションラップを終え、得意のスタートダッシュを決めたロシター選手。しかし、路面を含めたコンディションとは合わず、グリップ力を得るのは難しい状態だった。結果、レースでは気持ちはプッシュしていてもペースアップが難しく、我慢の戦いになった。その中でも集中力を切らさず周回を重ねたロシター選手は10位でチェッカー。今シーズンの全レースを終えて、シリーズランキング6位という好成績を手にしている。

近藤監督のコメント

近藤監督

<第1レース>

スタートは決まったようですが、グリッドで前にいた平川選手がエンジンストールしてしまったので、あれがなければ…(もっと前に行けた)という気持ちがあるみたいですね。でも9番手から6位でゴールできたのでうれしさはありますよ。正直トップ争いをしているトムスやインパルとの差はまだ大きいですね。

今回はちょっとセッティングで悩んでいて、クルマが決め切れなかったんです。もし決まっていれば、前にいたセルモの2台は抜けたのかもしれないですね。今日のような不安定なコンディションでの戦いに関しては何ら心配はしていません。レース2は、今シーズン最後のフォーミュラレースなので、ドライバーとして気持ちよく戦ってもらいたいと思います。

<第2レース>

今週末は、彼の強さ、速さを引き出す戦いができずに終わってしまったね。いいセットアップを提供することができずに申し訳なかったと思います。彼本来の速さが出せず、ストレスを感じさせることになってしまったかな。持ち込みの時点でセットが外れていたのが痛かったですね。でも今年、彼の力を持ってチームとして色々と勉強することも多かったので、これをキチンと今後の戦いに活かしていかなければいけないですね。シリーズは6位で終えることができたので、来年はさらに飛躍していきたいと思います。がんばります!

ジェームス・ロシター選手のコメント

ジェームス・ロシター選手

<第1レース>

スタートそのものは本当に良かったです。ただ不運にも僕の前にいた平川選手がエンジンストールして動かなかったので、行き場を失うというか、躊躇することになりました。せっかくいいスタートだったのに、そのアドバンテージが活かせず残念でしたね。

前の石浦選手を抜くことも可能だったんですが、(雨で視界が悪いので)まずはリスクを避けたいという気持ちがありました。まずはいいペースを保つことが大事だと思ったんです。序盤はオーバーステアにも苦しみましたし。その中で塚越選手を抜くこともできたし、いい走りができたと思います。セーフティカーが入り、再スタートのときには結構危なかったんです。前にいる石浦選手に危うく追突するところでしたよ。水煙で何も見えなかったので。雨が本降りになったので、6位でのチェッカーとなりましたが、レース2に向けてミーティングをして、セッティングを色々と変えることにしました。シーズン最後のレースなので、できれば表彰台に上がって終わると嬉しいですね。

<第2レース>

レース前の8分間走行で新しいレインタイヤを装着して走りました。グリップは良かったんですが、ムービングも大きかったんです。さらにダミーグリッドでは雨が止んでいたので、ユーズドタイヤのほうがいいのではないか、ということになりました。天候がどうなるかは誰もわからないので難しい選択でしたよね。結果的に選んだユーズドタイヤはグリップしなかった、ということですね。

10位でレースを終えたのは本当に残念。その一方で、色んなことを学ぶ一年となりました。チームも懸命に応えようと頑張ってくれたと思います。それが来年にしっかり活きてくればいいなと思います。スーパーフォーミュラのフル参戦初年度にランキング6位で終われたことはハッピーです。来シーズンはさらに飛躍したいと思います。

エンジニアのコメント

エンジニア

<第1レース>

今回の流れに関しては、持ち込みのベースが良くなかったので、短期間で大きく改善するには厳しい状態でしたね。加えて雨のデータ(鈴鹿)がないことも影響したかと思います。レインタイヤとしては、かなりマイレージを重ねた溝の浅いものを選んだのでレース終盤は厳しかったようですが、雨が得意なロシター選手だったのでうまくコントロールできたと思います。

<第2レース>

レース1ではリヤのトラクションが得られない、ということだったので、レース2に向けてセッティングを大幅に変更して戦いに挑むことになりました。雨の量はレース1よりも少なかったのですが、残念ながら変更したところが有利に働くということはありませんでしたね。今後は彼の実力がしっかりと活かせる戦いができればと思います。

リザルト

決勝結果

RACE1
Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 19 Lenovo TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 19 39'41.541 166.78km/h 1'55.837
2 37 PETRONAS TOM'S SF14 中嶋 一貴 19 39'45.387 3.846 1'56.520
3 36 PETRONAS TOM'S SF14 アンドレ・ロッテラー 19 39'47.118 5.577 1'56.416
4 39 P.MU/CERUMO·INGING SF14 国本 雄資 19 39'55.652 14.111 1'56.835
5 38 P.MU/CERUMO·INGING SF14 石浦 宏明 19 39'58.942 17.401 1'56.935
6 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 19 40'02.239 20.698 1'56.915
7 1 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 19 40'03.352 21.811 1'57.058
8 10 HP SF14 塚越 広大 19 40'04.501 22.960 1'57.275
9 31 NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 19 40'05.564 24.023 1'57.533
10 20 Lenovo TEAM IMPUL SF14 ナレイン・カーティケヤン 19 40'06.182 24.641 1'57.696

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
19 Lenovo TEAM IMPUL SF14 1'55.837 8/19 180.47km/h


RACE2
Pos. No. TEAM DRIVER LAP TIME DELAY BEST TIME
1 37 PETRONAS TOM'S SF14 中嶋 一貴 28 54'37.300 178.61km/h 1'55.937
2 36 PETRONAS TOM'S SF14 アンドレ・ロッテラー 28 54'46.131 8.831 1'56.112
3 8 Team KYGNUS SUNOCO SF14 ロイック・デュバル 28 54'46.709 9.409 1'55.869
4 19 Lenovo TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 28 54'48.119 10.819 1'56.110
5 7 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 平川 亮 28 54'59.356 22.056 1'56.418
6 1 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 28 55'11.504 34.204 1'57.229
7 38 P.MU/CERUMO·INGING SF14 石浦 宏明 28 55'15.540 38.240 1'56.829
8 20 Lenovo TEAM IMPUL SF14 ナレイン・カーティケヤン 28 55'16.498 39.198 1'56.789
9 40 DOCOMO DANDELION M40T SF14 野尻 智紀 28 55'16.956 39.656 1'56.761
10 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 28 55'20.065 42.765 1'57.329

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 Team KYGNUS SUNOCO SF14 1'55.869 27/28 180.42km/h