RACE REPORT

Nürburgring

ニュルブルクリンク24時間耐久レース

6月19日~22日

予選&決勝レポート

ニュルブルクリンク24時間レースに6年ぶりの参戦!
フロントローを獲得し好走するも、終盤のアクシデントで痛恨のリタイア

KONDO RACINGは、6月19〜22日にドイツ、ニュルブルクリンク(1周25.378km)において開催された世界一過酷な24時間レースとも呼ばれる「第53回ADAC ラベノールニュルブルクリンク24時間」(通称:ニュル24時間レース)に参戦。観客数28万人を動員した大舞台で、フロントローからのスタートを切った45号車REALIZE KONDO RACING with Rinaldiは、一時トップを走行する活躍を見せたが、終盤にバックマーカーとの接触により惜しくもリタイアとなった。

昨年12月、KONDO RACINGはニュルブルクリンク24時間耐久レースへの再挑戦を正式に発表。車両はFerrari 296 GT3で、参戦クラスはFIA-GT3規則に準拠する車両のみが参戦できる最高峰の「SP9」クラス。マシン名は「REALIZE KONDO RACING with Rinaldi」、ゼッケンは2019年参戦時と同じ「45」を掲げた。

発表と同時にお披露目されたマシンは、SUPER GTやSUPER FORMULAでもメインパートナーを務めるリアライズコーポレーションのコーポレートカラーである「ブルー」を基調としたカラーリング。タイヤは、SUPER GT同様、ヨコハマタイヤを装着。車両のメンテナンスは、現地にファクトリーを持つRinaldiとKONDO RACINGが共同で行った。

ドライバー陣は、フェラーリでの豊富な経験を持つデビッド・ペレル、ジンバブエ出身のアクシル・ジェフェリーズ、2023年の同レースをフェラーリで制したフェリペ・フェルナンデス・レイザー、そしてチーム最年少となる26歳のトーマス・ネウバウワーの4名体制で挑むこととなった。

チームは、ニュル24時間レースの前哨戦とも言われる「ニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)」の第1戦から第3戦に出場。さらに5月24日(土)、25日(日)の予選レースに出場し本戦へ向けて準備を進めていった。6月20日(金)の本戦予選(TOP QF)では、トーマス・ネウバウワーがアタックを担当して8分13秒909をマーク。2位となり、絶好のスタートポジションとなるフロントローを獲得した。

例年天候には恵まれず、雨や霧が立ち込めることが多いニュル24時間レースだが、今年は珍しく晴天の下でレースが行われた。KONDO RACINGの45号車はレイザーがスタートドライバーを担当。スタート直後に1つポジションを落とすものの、総勢137台が参加する過酷なレースの中でトラブルなく走行を続けた。5周目にはルーティンのピット作業を済ませ、ドライバーはレイザーのままでコースへ。上位勢も続々とピットへ向かう中、45号車は一時的ではあるがトップに躍り出た。

ところが、11周目を走行中に、ピットビルやガレージなど、パドック全体が突然停電に見舞われる。タイミングモニターは表示されず、給油装置などへの電源供給も止まってしまったことから、レースは赤旗中断となり2時間15分の中断後、再開。4番手でリスタートした45号車だったが、2周目にデブリを踏んでしまったのか、スローパンクチャーに見舞われ、緊急ピットインを余儀なくされる。上位争いを繰り広げていた45号車は、このピット作業で16番手に後退。それでも、まだレースは約4時間が経過したばかり。一つでも前にポジションを進めるべく、レイザーは粘り強く走行を続けていった。

上位陣の中でもクラッシュやアクシデントで戦列を離れていくマシンが現れる中、イレギュラーのピットインはあったものの、その後はアクシデントに見舞われることなくジェフェリーズ、ネウバウワーとドライバーを交代しながら走り続けた45号車は、4人目のペレルに交代した時点では6位まで順位を取り戻していた。レーススタートから12時間を超え、明け方にはドライバー交代とともにフロントブレーキの交換作業を行い、後半戦に向けて万全の準備を整えた。約20時間が経過したころ、8度目のルーティンピット作業を終え、ペレルがステアリングを握る45号車は、表彰台圏内の3位まで順位を上げていた。

しかし、ここでニュル24時間レースの厳しさが45号車に襲い掛かる。コースに戻ってわずか2周目、他車と接触し右リヤタイヤにダメージを負ってしまった。タイヤ交換のために緊急ピットインを行ったため6番手に後退。表彰台圏内から外れることにはなったが、チームは最後まで諦めずに上位でのシングルフィニッシュを目指し再び走りだす。

ところが今度は、9度目のルーティン作業のためにピットインし、レイザーに交代してからわずか2周後の105周目に悲劇がおきる。45号車はバックマーカーの車両との接触により、足回りやリヤウィングを大きく破損。車両ダメージが大きく走行は不可能となり、ここでレースを終えることとなった。

6年ぶりのニュル24時間レースへの挑戦は、レース終盤のアクシデントにより残念な結果に終わってしまった。しかし、ノーミス、ノートラブルで走り続けたチームのポテンシャルの高さを世界に示すことができた1戦となった。

予選結果

Pos. No. Cl. TEAM
Car
Best time Average fasted
lap time
1 911 SP 9 Manthey EMA
Porsche 911 GT3 R (992)
8:12.741 185.413kph
16:20:23
2 45 SP 9 REALIZE KONDO RACING with Rinaldi
Ferrari 296 GT3
8:13.909 184.975kph
16:17:52
3 14 SP 9 Mercedes-AMG Team GetSpeed
Mercedes-AMG GT3
8:14.233 184.854kph
16:20:49


決勝結果

Pos. No. Cl. TEAM
Car
Total time Fastest lap
Average total
1 98 SP 9 ROWE RACING
BMW M4 GT3 EVO
24:02:40.104 8:15.386
148.820kph
2 911 SP 9 Manthey EMA
Porsche 911 GT3 R (992)
24:03:57.914 8:12.532
148.686kph
3 54 SP 9 Dinamic GT SRL
Porsche 911 GT3 R (992)
24:04:47.619 8:21.542
147.547kph
DNF 45 SP 9 REALIZE KONDO RACING with Rinaldi
Ferrari 296 GT3
20:18:57.874 8:15.597
143.653kph

近藤監督のコメント

表彰台と優勝(の夢)を見せられて、最後は突き落とされたという感じです。僕はドライバーもエンジニアもメカニックもマシンもタイヤも、誰ひとりとして責める気はありません。レースの先輩方は『これがレースだよ』とおっしゃいますが、これで終わらせた方がいいのか、それともこういうことが起こらないようにもう少しレースのことを分析して追求した方がいいのか、そこは今すごく悩んでいます。今回KONDO RACINGには、日本のファンの方、そして世界中のフェラーリファンからすごく応援をいただきました。美しいリアライズブルーのフェラーリを見て頂けたと思いますので、またチャンスをいただけるなら、あのリアライズブルーで帰って来ることができればいいなと思います。その時はまた応援をよろしくお願いします。

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