RACE REPORT

SUPER GT GT500

第3戦 セパン・インターナショナル・サーキット

一日目 予選(6月27日・曇り/ドライ)

予選レポート

路面コンディションの変化に苦戦。予選は13番手に

12年ぶり開催となるマレーシア・セパンで開催された第3戦。6月27日には予選が行なわれた。マレーシア特有の天候を味方につけ、強さを発揮したいと意気込んだNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Zだったが、思うようにタイムを伸ばせず、予選は13番手で終えることとなった。

コロナ禍の影響で、海外戦の開催が中止されていたSUPER GT。2020年からの5年間は国内サーキットのみでシリーズ戦が行われてきたが、今シーズンから待望の海外開催が復活。2014年から2019年まではタイで開催されていたが、今季は戦いの舞台が再びマレーシア・セパンに戻ってきた。

セパン・インターナショナル・サーキットでの初レースは2000年。当時は全日本GT選手権として開催され、シリーズ戦ではなくエキシビション扱いだった。2002年からはシリーズ戦に組み込まれ、2013年を最後にその歴史はいったん幕を閉じていた。

今回のレースには出場していないが、GT300クラスのNo.56リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rで参戦中のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手と、松田次生選手がコンビを組み、ポール・トゥ・ウィンを飾った一戦として記憶に残る。松田選手はGT500クラスで現役を続け、今回も最多勝(3勝)を更新すべく意気込んでいる。入念なタイヤ選択のもと、準備を整えてレースに臨んだ。

SUPER GTとしては12年ぶりのマレーシア戦開催ということもあり、通常よりも多くの公式セッションが設定された。木曜日午後には最初の公式練習走行が行なわれ、気温、路面温度ともに日本の今の季節とほぼ同じだったが、舗装の性質が異なることもあって、路面状況の見極めが難しく、クルマのセットアップに苦労する場面も見られた。1回目のフリー走行は8番手で終え、持ち込みタイヤの見極め等、翌日の予選に向けての準備を精力的に進めた。

金曜日には午前に2回目の公式練習、そして夕方からノックアウト予選が行なわれた。GT300クラスとの混走のみではあったが、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Zは松田選手のアタックで1分52秒128のタイムをマークし、2番手に。好感触を得たまま予選に挑んだ。

迎えた予選日は、気温33度、路面温度40度。午後4時30分にGT300クラスのQ1がスタートし、続いてGT500クラスのQ1が午後5時過ぎに始まった。ステアリングを握った名取鉄平選手は、シーズンオフに実施したテスト時とは異なる路面コンディションに対応しながら調整を重ね、Q2進出を目指して奮闘。だが、他車とのトラフィックの影響で、思うようにタイヤパフォーマンスを引き出す事が出来ず、その結果、ベストタイムは1分51秒894に留まり、13位に。残念ながらQ2進出は実現しなかった。

翌日の決勝スタートは午後4時30分。レースウィーク中、セパンではスコールすら降っておらず、気象条件が読めない中での戦いが予想される。チームは粘り強く、着実な走りを披露したいと意気込む。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 19 TGR TEAM WedsSport BANDOH 国本 雄資
阪口 晴南
1’50.856 R 1’49.748 R
2 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8/td> 野尻 智紀
松下 信治
1’51.368 R 1’50.350 R 12
3 64 Modulo Nakajima Racing 伊沢 拓也
大草 りき
1’51.113 R 1’50.388 R 4
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
1’51.894 R

Q1:Start Time: 17:03’00 Finish Time: 17:13’00
Q2:Start Time: 17:41’00 Red Flag: 17:43’35〜17:49’00 Finish Time: 17:57’00

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

今回、同じヨコハマタイヤの19号車がポールポジションを獲得したのですが、基本的にクルマが異なるため、同様のパフォーマンスを引き出せるというわけではありません。それぞれセパンでの戦いを想定して持ち込むタイヤの種類も違うので、結果としてその差が出たかもしれません。また、Q1もクリアラップを獲れない中でのアタックだったので、思うようにタイムを伸ばせませんでした。日本で行なうレースよりも、ここは不確定要素がたくさんあります。路面状況もすこぶる変化するし、また気温、湿度等の諸条件によってはレースの展開に大きく影響します。その中でミスなくしっかりと戦うことを意識したいと思います。手探りの部分もありますが、”初レース”という気持ちで300kmを戦い、ひとつでも上のポジションでチェッカーを受けたいですね。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

走り始めの路面が良くなかったので、テスト時と比べても不安になりましたが、徐々に改善されてきたように思います。クルマをアジャストすることで2回目の公式練習では2番手のタイムも出せたのですが、一方でピックアップが気になっています。その影響が予選に響いたのかもしれません。悔しいポジションからのレースですが、ロングに関しては悪くないと思います。今回はトラブルなく走り切り、ひとつひとつポジションアップできたら出来たら良いなと思います。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

予選ではタイヤをウォームアップさせてアタックラップに入ろうとした矢先、最終コーナーで後方の2台に先行されて自分のペースを落とすことになりました。その結果、ピックアップが付いてしまいました。アタック自体は問題なく出来たのですが、タイヤ本来の性能をきちんと引き出せなかったのが残念でした。セパンでの初レース、まずはトラブルなくきちんと走り切れたら良いなと思っています。

大駅俊臣エンジニアのコメント

予選までの2度の公式練習では、セットアップ等も良い流れのなかで進めることが出来ていたので、予選ではQ2進出への期待も持っていたのですが……。トラフィックの影響を受けてタイムを伸ばせませんでした。ただ、決勝に向けての準備は決して悪くないので、粘り強く戦い、今シーズン初のポイント獲得を目指したいと思います。

二日目 決勝(6月28日・晴れ/ドライ)

スタート目前にトラブル発生、万事休す

SUPER GT 初の3 時間レースを戦い、13 位でチェッカー

SUPER GTのシリーズ戦としては2019年以来となる海外戦。6月28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた第3戦決勝レースは、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Zにとって、非常に厳しい結果が待ち受けていた。

レースウィークの3日間、早朝には一部エリアでスコールに見舞われたものの、サーキットでの走行中は安定した天候に恵まれたセパン。蒸し暑い気候の中でのレースではあったが、決勝当日の最高気温は33度と、比較的日本のコンディションに近い環境で戦いが繰り広げられた。

前日の予選では、アタックのタイミングが合わず、本来の実力を存分に発揮できなかったNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z。決勝では55周を着実に走り切り、確実にポイントを獲得したいところだった。チームは、ファーストスティントを名取鉄平選手に託し、ダミーグリッドについた。

午後4時30分、気温33度、路面温度42度というコンディションのなか、フォーメーションラップがスタート。しかし、動き出してすぐに名取選手のマシンが突如ストップ。動かなくなった車両はオフィシャルによってチームガレージへと戻されるという、まさかのアクシデントが発生した。

ピットではすぐに原因の究明と修復作業が始まったが、確認の結果、プロペラシャフトの破損が判明。しかもそのダメージは想像以上に大きく、修復には多くの時間を要した。最後の最後までコース復帰を目指して懸命に作業を続けたが、惜しくもタイムアップ。12年ぶりとなるマレーシア戦の決勝でNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Zの走りを披露することは叶わなかった。

今シーズンはレース中のアクシデントが続き、依然として入賞を果たせておらず、悔しさばかりが募るNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z。次戦第4戦富士は通常のレースフォーマットと異なるが、心機一転、改めてタフなレースに挑みたい。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 37 TGR TEAM Deloitte TOM’S 笹原 右京
ジュリアーノ・アレジ
1:48’01.698 55 20
2 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 野尻 智紀
松下 信治
19.046 55 12
3 12 Modulo Nakajima Racing 伊沢 拓也
大草 りき
23.582 55 16
24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
D.N.S.

開始:16:38’31 終了:18:26’33
ファステストラップ : 1’54.127 (3/55) No.19 TGR TEAM WedsSport BANDOH

No. TEAM LAPTIME
19 TGR TEAM WedsSport BANDOH 1’54.127

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

フォーメーションラップに向かおうとした際、プロペラシャフトが折れたようです。まさか、という気持ちでいっぱいです。原因がわかった時点で、なんとかレース中に修復を済ませてコース復帰を果たすつもりでいましたが、想像以上にダメージが大きかったようで、時間内に間に合いませんでした。12年ぶりのセパンで、ファンの皆さんに力強く走る姿を披露できず残念に思います。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

久しぶりのセパンでのレースを楽しみにしていたのですが、スタートを前にトラブルが出てしまい、乗らずにレースが終わってしまいました。残念です。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

フォーメーションラップに向かおうとしたところ、突然クルマが動かなくなりました。開幕戦からレースらしいレースが出来ていないので、次こそしっかりと戦いたいと思います。

大駅俊臣エンジニアのコメント

フォーメーションラップでクルマを動かしたところ、プロペラシャフトが折れてしまいました。ピットにクルマを戻して修復作業をしたのですが、時間的に間に合わせることが出来ないほどダメージは大きいものでした。

PHOTOギャラリー

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