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Race Report - 第1戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(2017年4月22日・晴れ/ドライ)

予選レポート

2人のルーキー、初のノックアウト予選でほろ苦デビュー

4月22日、三重・鈴鹿サーキットにおいて、2017年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕。その中で、KONDO Racingは、ルーキードライバー2人を迎え入れて戦う。オフシーズン中のテストと異なり、赤を基調としたカラーリングを施したマシンで登場。鮮やかな色合いの車両をニック・キャシディ、山下健太の両ルーキー選手がドライブした。
前日の午後に行われた専有走行、そして朝のフリー走行でセットアップに苦戦した3号車キャシディ選手。予選でのアタックを確実なものとするため、チームでは予選に向けて大掛かりなセット変更に着手する。また、初のノックアウト予選に当たり、Q1でのニュータイヤ2セット投入を敢行。まず序盤に1分37秒258の好タイムをマーク、暫定トップに立った。セッション終盤、いよいよ本格的なアタック合戦がスタート。ここでさらにタイムを削ったキャシディ選手は1分37秒095でアタックを終了。10番手でQ2進出を果たした。なお続くQ2では、思うほどタイムを伸ばすことができず1分37秒139どまりに。よって、決勝は14番手からスタートを切ることになった。
一方の4号車山下選手。まず、専有走行で6番手のタイムをマーク、予選に向けて手応えを得る。土曜日午前中のフリー走行では予選に向けてセットアップを微調整、初のノックアウト予選に挑んだ。キャシディ選手同様、山下選手もニュータイヤ2セットをQ1で投入する作戦を立て、まず最初のアタックでは1分37秒714をマーク。暫定7番手につけた。これでラストアタックに向けて自信を高めた山下選手だったが、そのアタックラップ中、コースアウトした車両がコースに戻ってくるタイミングに遭遇。このアンラッキーな出来事により、自己ベストタイム更新のチャンスを喪失する。結果、17位でセッションを終えることになり、Q2進出を逃した。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 37 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 中嶋 一貴 1'36.465 1'36.310 1'35.907
2 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'36.818 1'36.083 1'35.997
3 16 TEAM MUGEN SF14 山本 尚貴 1'36.806 1'36.376 1'36.004
14 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 1'37.095 1'37.139 -
17 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 1'37.714 - -

近藤監督のコメント

今日の予選結果は残念ですね。ルーキー2人ではありますが、朝のフリー走行からタイムアップもできたし、少なくともQ2までは両選手が残れるのではないかと思っていました。ここぞというときに実力が発揮できるドライバーが集結しているのがスーパーフォーミュラであり、やはり彼らが経験してきたF3とはそこが違うんだよ、ということなんでしょう。初予選の2人なので、メンタル的な部分でもしかしたら、あとコンマ2〜3秒くらいは上げることができたかもしれませんね。今年はまたレベルが上がっていると思うので、その中で経験を積んでいってもらうしかないですね。もちろん、チーム力として彼らをサポートできることはまだまだあると思います。

ニック・キャシディ選手のコメント

前日の専有走行と今朝のフリー走行で、とても厳しい状況に置かれてしまいました。ただ、予選に向けてしっかりと対処することができたと思います。そういう意味では、Q1、Q2でのアタックに関しては僕自身満足することができました。確かにもう少し上のポジションが獲れたら良かったのですが、明日の決勝でもしっかりと走り切りたいですね。

山下 健太選手のコメント

最後のアタックラップのときに、コースアウトしていた車両が前に戻ってきたので、そこでペースを落とさざるを得ない状態になってしまいました。それまでのセッションではシングルポジション近くにつけることができていたので、僕自身もQ1は普通にアタックすれば、突破できると思っていたんです。これもルーキーならではの洗礼なんでしょうか。セッティングも大幅に変えることなくクルマを仕上げ、Q1の最初のアタックでも暫定7番手を走れていたので、手応えはあったのですが…。決勝は、まずはしっかりと走りきって経験値を上げていきたいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

残念な結果でした。セッティングがうまく行かず、低速域でもう少しグリップを出すことができればよかったのですが…。アタックに向けて大幅にセッティングを変更したところ、朝のフリー走行から比べるといい方向には行きました。ただ、タイムとしてはまだ十分ではなかったですね。明日はデビューレースとして、チーム全員でキチンと仕事ができるよう、がんばります。

【4号車】

アタック中、その中にコースアウトした車両が戻ってくるというハプニングに遭遇してしまったようです。アンラッキーでしたね。うまくアタックラップが取れるよう、早めのタイミングでコースインしてもらったのですが、残念です。セッティングに関しては、朝のフリー走行から微調整を重ねてきたのですが、現状、クルマのバランスが今ひとつなので、決勝に向けてしっかりと見直しをしていきます。

二日目 決勝(2017年4月23日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

タイヤコントロールに苦戦した初戦を終える

4月23日、鈴鹿サーキットで迎えた2017年開幕戦の戦い。KONDO Racingのニック・キャシディ、山下健太、両選手はルーキーならではの厳しい戦いを強いられた。終盤はタイヤマネージメントに集中する走りとなり、結果、山下選手が14位、キャシディ選手が17位で戦いを終えている。
爽やかな好天気に恵まれた日曜日の鈴鹿。午前のフリー走行で決勝に向けてのセットアップを続けたチームでは、ルーキードライバーの2人にどのような戦いをさせるべきか、最後まで戦略を練ることになった。一方で、今回のレースではタイヤ1本以上の交換が義務付けられていたため、最短時間でピット作業を終えることを一番に、序盤でのピットイン、右フロントタイヤ1本のみを交換、無給油でコース復帰させるという結果を導いた。
14位スタートのキャシディ選手、そして17位スタートの山下選手は、スーパーフォーミュラ初レースという気負いがあったのか、揃ってスタートに失敗。ポジションを下げてオープニングラップを周回する。そしてキャシディ選手はそのオープニングラップでピットイン、また山下選手は2周終了時にピットに戻り、ルーティンワークを完了させた。
コース復帰後、ペースアップを狙ったものの、ともにペースアップが難しく、中でも山下選手は自身のペースは悪くなかったものの、前方車両のペースに翻弄される形となり、苦しい展開を強いられてしまった。
レースは後半に入り、1台の車両がスピンしてコース上にストップ。これでセーフティカーが導入される。そこでキャシディ選手は4輪交換を熱望。チームはこれに応え、ピット作業を行った。なお、終盤に向けて、2台は置かれたポジションでの周回を重ねるという走りに甘んじたまま、チェッカー。タフな戦いの中から、次戦に向けての課題を抱え、初戦のレースウィークを終えることになった。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 37 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 中嶋 一貴 35 1:03'18.440 192.63km/h 1'40.713
2 16 TEAM MUGEN SF14 山本 尚貴 35 1:03'23.526 5.086 1'40.796
3 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 35 1:03'27.263 8.823 1'41.407
4 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 35 1:03'27.848 9.408 1'41.408
5 36 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 アンドレ・ロッテラー 35 1:03'29.240 10.800 1'41.637
6 10 REAL SF14 塚越 広大 35 1:03'29.706 11.266 1'40.404
7 64 TCS NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 35 1:03'35.347 16.907 1'41.203
8 41 DOCOMO DANDELION M41Y SF14 伊沢 拓也 35 1:03'36.747 18.307 1'41.587
9 18 KCMG Elyse SF14 小林 可夢偉 35 1:03'37.390 18.950 1'41.074
10 15 TEAM MUGEN SF14 ピエール・ガスリー 35 1:03'40.001 21.561 1'41.873
14 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 35 1:03'43.333 24.893 1'41.963
17 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 34 1:03'48.843 1Lap 1'40.509

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
10 REAL SF14 1'40.404 3/35 208.21km/h

近藤監督のコメント

ルーキー2人の初レースは、タイヤのマネージメントに苦労したようです。リスク回避のために、早めのピットインをしたのですが、レースウィーク中、決勝が一番気温も高く、路面温度も上昇したので、結果的に持たなかったようですね。2人のコメントを無線で聞いていましたが、相当厳しかったようです。一方で、2人それぞれ、自分だけが厳しい状況に置かれていると感じていたようで、他チームのドライバーとは、レースでの経験値の違いが出てしまいました。加減を見極めるのが難しかったようですね。どこまで我慢してタイヤをコントロールできるか、これからの課題になるでしょう。いい勉強になったレースだったと思いますが、次からはそれを活かした戦いをしてもらえると思います。

ニック・キャシディ選手のコメント

最初にルーティンのタイヤ交換をしたのは、右のフロントタイヤ1本です。ところが、周回を重ねていくうちに、うまくコントロールできない状態となりました。ピットインして4本交換をしたのですが、それがちょうどセーフティカーランのタイミングだったので、結果として1周遅れになってしまいました。悔しいですね。次の岡山は、得意なコースでもあるし、今年はすでにSUPER GTで勝った場所。そこでいいレースができる自信もあるので、頑張りたい。そのためにも、まずはチームと一緒にいいクルマを仕上げていきたいです。

山下 健太選手のコメント

スタートがダメでしたね。ピットインは、もともと早めのタイミングで行うことは決めていました。右のフロントタイヤ1本を交換して、ほぼ全周走ることになりました。レースに向けて、自分としてはまずスタートを成功させて、前に出ようという思いがありました。なのに、全然うまくいかず、ひとりだけグリッドに取り残されてしまった感じでした(苦笑)。そこが最初の問題点でした。2周目にピットインしてタイヤ交換し、17番手からの追い上げを目指してコースに復帰したものの、前にチームメイトのニック(・キャシディ)選手がいて…。その後、ニック選手がSCラン時にピットインしたので、これでペースアップできるかと思ったのですが、今度は、別の1台に抑えられることになって…。前が詰まる形でレースを終えることになりました。一方、厳しい状況の中、がんばって走り、うまくいけば抜けるのではないかというような兆しを見つけることもできたので、それは収穫だったと思います。次の岡山戦では、予選でトラフィックに引っかからないよう、またレースではスタートをしっかり決められるよう、頑張ります。自身のポテンシャルを発揮したいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

朝のフリー走行で試したセットの中からいい感触のものが見つかり、方向性が見えてきました。そこで引き続き、スタート前チェックの8分間でセットアップを変えたのですが、最終的に、少しまた元の方向に戻すことにしました。でも結果として、そのネガティブな判断がうまくいかなかったようです。今週末は浮き沈みが激しい状況が続きました。去年からのタイヤデータでは対処できない部分もあるし、まだまだです。一方、決勝で2度目のピットインをして、4本ともタイヤを交換したのですが、あれで今後のデータ用に見えてくる部分もありました。今後、ニックのポテンシャルを引き出せるよう、まずは総合力を高めていきたいですね。

【4号車】

一番リスクの少ない、右フロントタイヤ1本交換を行い、給油もしませんでした。ただ、コースに戻った先でトラフィックが度重なりましたね。まず、スタートで失敗して出遅れたのもありますが、厳しい戦いになりました。ドライバーと一緒に、スーパーフォーミュラの戦い方、クルマ作りをしっかりと見直し、次の岡山に挑んでいきたいと思います。

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