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Race Report - 第5戦 オートポリス

一日目 予選(2017年9月9日・晴/ドライ)

予選レポート

2017年のシリーズ後半戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。第5戦の舞台となるのは、大分・オートポリス。昨年は熊本地震の影響を受け大会が中止されたため、今大会は2年ぶりとなる。前日には、好天のもと専有走行が行われ、前回のもてぎ戦同様、通常のミディアムタイヤに加えてソフトタイヤが導入される2スペックタイヤの見極めなどを行った。
予選が行われた9月9日も前日同様、サーキットの上には青く澄んだ空が広がり、絶好のレース日和となる。まず、朝のフリー走行に挑んだKONDO Racing。気温23度、路面温度30度で始まったセッションでは、ユーズドのミディアムタイヤから走行を開始、セッティングの確認やピット作業のシミュレーションなど、次々とメニューを消化しながら次のステップへと作業を進めていった。その中でニック・キャシディ選手はセッション折り返しを前に、ライバルに先んじてユーズドのソフトタイヤを装着。まず1分27秒953の暫定トップタイムをマークする走りを見せる。一方の山下健太選手は遅めのタイミングでユーズドのソフトタイヤをつけてコースインし、フィーリングを確認した。結果、キャシディ選手は7番手、山下選手は13番手でセッションを終えている。
迎えた午後のノックアウト予選。午前の走行から暑さが増し、気温30度、路面温度44度の中でアタック合戦が幕を開けた。今大会のQ1はミディアムタイヤ装着が義務付けられており、チームではキャシディ選手がユーズドタイヤ、そして山下選手はニュータイヤで最初のコースインを行う。まず予選セットの確認を行い、その後、微調整を済ませた両ドライバーはタイミングを見計らって再びコースイン、ニュータイヤでのアタックを開始する。
ところが、チェッカーまで残り1分の時点で1台の車両がコースアウトし、クラッシュ。この影響を受けてセッションが赤旗中断となってしまう。セッション自体は残り3分として仕切り直しとなり、両ドライバーはラストアタックで自己ベストタイムを更新。山下選手は13番手から11番手へとアップを果たしてQ2進出を決めたが、17番手だったキャシディ選手は1分29秒164のタイムで16番手に留まり、惜しくもQ2に駒を進めることができずに予選を終えた。
迎えたQ2。このセッションからソフトタイヤでのアタックが始まり、全14台中、12番目にコースインした山下選手は計測2周目でのアタックを遂行。刻んだ1分27秒324のベストタイムは9番手。Q3進出可能な8番手との差は、僅か0.059秒というものだった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 40 DOCOMO DANDELION M40S SF14 野尻 智紀 1'41.077 1'26.852 R1'26.196
2 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'27.968 1'26.924 R1'26.387
3 18 KCMG Elyse SF14 小林 可夢偉 1'28.366 R1'26.317 R1'26.414
9 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 1'28.818 1'27.324 -
16 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 1'29.164 - -

R=コースレコード(従来のコースレコード 1'26.469)

開始19分15秒で赤旗提示。 残り時間3分で再開した。(赤旗時間:14:04'15~14:10'00)

近藤監督のコメント

ニック(キャシディ)のQ1落ちは赤旗の影響もあったかと思いますが、それでも赤旗後の再開でタイムアップするドライバーがいたわけですから、速さはあったのに、と本人はやる気を見せていた分、残念な気持ちが強いです。山下もあと一歩の部分がまだ足りないような感じだったので、ふたりにはそれぞれエンジニアとよく話し合い、今後に繋げて欲しいと伝えました。

ニック・キャシディ選手のコメント

朝のフリー走行で、ユーズドのソフトタイヤを装着して走行したときには(予選で3番手になった小林)可夢偉と同じペースで走れていたんです。Q1では赤旗が出てしまい、再開後はタイミングが悪く、思うようなアタックができませんでした。明日の決勝ですが、色々と戦略は立てられるでしょうが、だいたい他のドライバーも同じような展開を考えているように思います。決勝での逆転も決して容易ではないと思いますが、頑張ります。

山下 健太選手のコメント

昨日の専有走行からあまり調子が良くなく、見直したいところがあったのですが、予選日も引き続き同じような状況でした。もちろん、フリー走行よりは改善されていたのでQ1を通過することができました。Q2ではソフトタイヤでのアタックになったのですが、僕自身は計測1周目にアタックするつもりでいたものの、コースイン時から前に車両がたくさんいたのと、周りは計測2周目でアタックすると予想していたので、そこで自分が計測1周目でアタックをすれば遅い車に引っかかってしまうだろうと思ったため、同じように2周目にアタックしました。ところが実際には周りは計測1周目でアタックしており予想とは違った流れになってしまいました。自分としては良くないアタックと、戦略等について色々と考えていきたいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

朝のセッションでは速かったんですが…。本人としてはQ1での赤旗でタイムを出すことができなかったという思いがあるようですが、一方で、そのタイミングでタイムアップした人もいるわけで。もうちょっと頑張ってもらいたかったですね。明日の決勝では、色んな戦略が立てられるので、パターンを考えています。面白い展開ができればいいと思っています。今日は流れがなかったということですね。

【4号車】

実のところ、朝のセッションの時点ではQ1落ちするんじゃないか…という心配な状態でした。昨日の専有走行の時点からそういう流れだったので、今日に向けて色々と変更したのですが、経験値も少ないからかあまり乗れていなかったようです。結局、そのまま予選を迎えることになり、なんとかQ1は突破できましたが、Q2突破までにはあと一歩足りませんでした。決勝に向けてはレースペースを上げられるよう、修正を加えていきたいと思います。

二日目 決勝(2017年9月10日・晴/ドライ)

決勝レポート

予選日同様、秋晴れに恵まれたオートポリス。絶好のレース日和となる中、2年ぶりのシリーズ戦開催に、多くのファンが戦いの行方を見守ることとなった。
ソフトタイヤ、ミディアムタイヤの2スペックを使用する戦いは今大会が最後。タイヤへの攻撃性が高い路面を持つこのサーキットでは、いかにソフトタイヤを持たせるかがひとつのカギとなるため、ピットインのタイミングを意識したレース運びが必要となった。KONDO Racingの2台のマシンはスタート時に装着するタイヤが異なり、ニック・キャシディ選手がソフト、そして山下健太選手はミディアムを選択して戦いに挑んだ。
スタートを決めてポジションアップを果たしたのは、キャシディ選手。ソフトタイヤのメリットを最大限活かすこととなり、16位から11位まで浮上。さらなるポジションアップに期待がかかった。しかし、周りはミディアムタイヤ勢が多く、キャシディ選手は行く手を阻まれる形となり、思うようにペースアップができない。そこで、タイミングを外して空いたコース上でタイムを稼ごうという思いから、キャシディ選手はピットインをリクエスト。結果、6周を終えた時点で早くもピットへ車を戻した。ミディアムタイヤでコースに復帰したキャシディ選手。後方からの追い上げを開始するが、ミディアムでのペースが芳しくなく厳しい展開を強いられる。さらにはマシンコントロールにも手こずるようになり、19周目にはスピンを喫し、コースアウト。タイヤバリアに突っ込み万事休すとなった。
一方の山下選手はスタートでの失敗が響き、9位からポジションをひとつ落として10位から追い上げを開始。レース後半に装着予定のソフトタイヤの持ちを考慮し、ピットインのタイミングを30周過ぎに想定して序盤のレースを進めていく。20周前後からライバルたちがピットインを開始したが、これを尻目に周回を重ねて見た目上4番手までポジションアップ。満を持して32周終了時点でピットに戻りタイヤ交換と給油を行ったが、リスタート時にエンストしてタイムロス。コース復帰後は後方からの追い上げを強いられたが、速さを存分に活かしきれず、前方車両を攻略するまでには至らなかった。厳しい戦いの中、13位で戦いを終えている。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 15 TEAM MUGEN SF14 ピエール・ガスリー 54 1:24'28.619 179.093km/h 1'31.923
2 7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 フェリックス・ローゼンクヴィスト 54 1:24'30.177 1.558 1'32.087
3 8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 大嶋 和也 54 1:24'36.257 7.638 1'31.533
4 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 54 1:24'37.174 8.555 1'31.885
5 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 54 1:24'37.628 9.009 1'32.235
6 37 VANTELIN KOWA TOM'S SF14 中嶋 一貴 54 1:24'38.076 9.457 1'30.813
7 18 KCMG Elyse SF14 小林 可夢偉 54 1:24'43.082 14.463 1'31.470
8 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 ヤン・マーデンボロー 54 1:24'43.599 14.980 1'30.197
9 10 REAL SF14 塚越 広大 54 1:24'59.769 31.150 1'32.544
10 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 54 1:25'13.318 44.699 1'30.896
13 4 FUJI×raffinee KONDO SF14 山下 健太 54 1:25'21.744 53.125 1'31.385
- 3 FUJI×raffinee KONDO SF14 ニック・キャシディ 18 28'51.548 36Laps 1'32.942

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 1'30.197 33/54 186.552km/h

近藤監督のコメント

ニック(キャシディ)は、自分が思ったように走れていなかった、というのが今週末を通してあったようです。決勝ではそんな心境の中でスピンをしてしまい、タイヤウォールに突っ込んでしまったわけだからそれは良くないことでしょう。速さがあるドライバーだけに「ルーキーだから」のひと言で片付けず、チームとしても言い訳せずに戦っていく必要があると感じています。また、(山下)健太はまずスタートで失敗していたし、ピットストップでもエンジンストールさせてしまいました。さらにコース復帰後は、前を走る2台の車両よりも2秒近くラップタイムが速かったにも関わらず、逆転できなかったということのほうが気になりました。前の車両に近づくと、ダウンフォースが抜けることは理解できますが、2秒の差があるなら何かしら攻略する手があったはずです。ソフトタイヤでのメリットを活かす走りができなかったですね。彼らに与えた課題は、残り2戦でクリアして欲しいと思っています。ニュータイヤで一発の速さはもう出せるようになったので、その速さを決勝できちんと活かせる戦いを見せてもらいたいですね。

ニック・キャシディ選手のコメント

レースウィーク中、ツキがなかったですね。金曜日の走り出しは良かったのに、だんだん悪くなっていきました。決勝ではソフトタイヤでスタートしたのですが思うようにペースが上がらず、タイヤも厳しくなってしまったので早めのピットインを行い、ミディアムタイヤを装着しました。ところがミディアムでもペースが伸びず、コントロールしづらくなってコースアウトしてしまいました。

山下 健太選手のコメント

スタートで失敗しました。練習のときはずっといい感じだったのですが、本番はダメでした。スタート時のミディアムタイヤで30周くらい引っ張るというのは予定どおりだったのですが、エンストしてしまい…。コース復帰以降は、前にいた小暮選手よりも2秒ほど速いペースで走れていたのに、抜くことができず全然ダメでした。決勝のスピードがまだ足りないし、今回は予選もダメだったので、今年残り2戦に向けてまず予選で速く走り、決勝では少なくとも予選より順位を落とさないように頑張りたいです。

エンジニアのコメント

【3号車】

ソフトタイヤでスタートしたので、もう少し周回を重ねて欲しかったのですが、本人から「前の車両に引っかかっている」という情報があったので、思っていたよりも早いタイミングでピットインすることになりました。ただ、その後、スピンしてコースアウトしたのは残念です。

【4号車】

当初の予定では、スタート時に装着したミディアムタイヤで30周過ぎまで走る予定でした。結果、32周を終えた時点でピットインし、ソフトタイヤに交換したのですが、ピットでの作業を終えてスタートする際にエンジンストールとなり、タイムロスしました。

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