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Race Report - 第2戦 オートポリス

一日目 予選(2018年5月12日・晴/ドライ)

予選レポート

キャシディ選手が今季最高の4番手獲得となる。

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦が大分・オートポリスにおいて開催。5月12に日に予選が行われた。この日、KONDO RACINGの3号車を駆るニック・キャシディ選手は、今シーズン最高位となる4番手を獲得。一方の山下健太選手はQ2どまりとなったが、10番手から決勝スタートを迎えることになった。
爽やかな初夏の天気に恵まれたオートポリス。阿蘇山麓の新緑が映える中、まず朝のフリー走行においてキャシディ選手が2番手のタイムをマーク。午後からの予選に向けて弾みをつけた。また、山下選手は15番手ではあったが、両選手ともセッション中に何度もセットアップの変更を試みることで少しずつ改善を図り、方向性を見い出していた。
迎えたノックアウト予選。スタートが午後3時50分からと遅い幕開けではあったが、気温24度、路面温度は38度と前日の専有走行時よりも高い数値を示す中でアタックを開始する。山下選手はユーズドのミディアムタイヤでコースイン。ワンアタックのあと、ニュータイヤにスイッチし、1分27秒518の自己ベストタイムをマーク。12番手でQ1を通過した。続くQ2では、新品のソフトタイヤを装着。レースウィーク初のソフトタイヤでのアタックにやや戸惑いがあったとのことで、結果、思うようにタイムが伸びず。記録した1分26秒554のタイムはQ3進出まで僅か0.078秒足らずに終わることとなった。
一方のキャシディ選手は朝のセッションで手応えを得た勢いを味方に、まずQ1で1分27秒379のタイムをマークし、6番手を獲得。続くQ2は、新品ソフトタイヤでコースレコード更新となる1分26秒110をマーク。2番手の好位置につけた。そして迎えたQ3。計測1周目のアタックで刻んだタイムは1分26秒296。結果、4番手で予選を終える好走を見せた。なお、トップタイムをマークした車両が、前戦のペナルティを受けて3グリッド降格となることが決定していることから、翌日の決勝において、キャシディ選手は3番手グリッドからスタートを切ることとなった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 平川 亮 1'27.136 R1'26.113 R1'25.937
2 5 DOCOMO DANDELION M5S SF14 野尻 智紀 1'27.360 1'26.476 R1'26.038
3 6 DOCOMO DANDELION M6Y SF14 松下 信治 1'27.218 1'26.292 1'26.226
4 3 ORIENTALBIO KONDO SF14 ニック・キャシディ 1'27.379 R1'26.110 1'26.296
10 4 ORIENTALBIO KONDO SF14 山下 健太 1'27.518 1'26.554 -

R=コースレコード(従来のコースレコード 1'26.196)

近藤監督のコメント

総括的に見ると、予選での二人はいい仕事をしたと思っています。最後のフリー走行で、ラスト20分の内容が良かったんですよ。ニック(・キャシディ)はQ3まで行けるだろうという確信を持つことができました。一方、(山下)健太はあともう少し、あとコンマ1、2秒っていうのが足りなくて。この差でちょっと難しいかも、と思っていたら、予選結果がそのとおりになってしまいました。厳しいことをあえて言うなら、そのコンマ1秒はドライバーの腕と気持ちで持って来てほしかったな、と思う一方、ドライバーの腕と気持ちであの位置まで持ってきたとも思う。ドライバーの気持ちを考えると理解できる部分も多いですが、出来ればもうちょっと貪欲にトライしてもらえたらと思います。
天候がこの先どうなる分からないですが、ニックに関しては3番手なのでスタートで逃げ切れたらいい流れに乗れるんじゃないですかね。一方、健太は難しいポジション。いわゆるコンマ1秒が厳しい場所からのスタートになっているわけだからね。とにかく粘ってがんばってもらえたら、と思います。

ニック・キャシディ選手のコメント

まずフリー走行で細かくセットを変えながらクルマを作っていきました。結果、徐々に良くなりましたね。まずQ1ではミディアムタイヤで6番手のタイムをマーク、その次のQ2に向けて、セッティングは変えず、ただタイヤを新品のソフトタイヤにしてアタックに向かいました。というのも、僕らは前日にソフトタイヤでのフィーリングを確認することができていなかったからです。クルマのコンディションが良かったのでそこは変えず、ただタイヤを変えてアタックするほうがいいだろうという判断でした。
Q1もQ2もパーフェクトなアタックができたという思いがあります。中でもQ2はパーフェクトでした。なので、Q3で同じような走りをするのは逆に困難だろうとも思いました。事実、Q3のほうがQ2よりも0.186秒遅いものでした。明日の決勝は天気がどうなるかわからないので、なんとも言えませんが、スタートポジションがいいだけにドライで戦えたらうれしいですね。自信を持って走れると思います。

山下 健太選手のコメント

昨日の走り始めから、総体的に速さが足りない状態でした。まずQ1。ミディアムタイヤでのアタックでしたのですが、全体的に少し早さが足りない、という状況でした。ちょっとした差でクルマの状況が変化するので難しく、最終的にうまく合わせこむことが出来ませんでした。一方、ソフトタイヤでのアタックとなるQ2では、新品のソフトタイヤで、どこまで高いグリップを得られるのかの見極めができていなかったのでうまくアタックできなかったんです。ただ、あと0.1秒速ければQ3に行けたので残念です。
Q1ではミスもありましたが、Q2での見極めなど、攻めどころが手探り状態だったことがダメでしたね。本来のクルマのポテンシャルをしっかりと出すことができたらタイムがもっと出たとは思います。明日は10番手スタートになるので、しっかりと我慢の戦いができればと思っています。

エンジニアのコメント

【3号車】

Q2でのアタックがうまく行ったようですね。セットアップを色々試し、昨日のデータをよく見て、何をしなければいけないかを考え、こっちの方向…というプランを進めていきました。それがうまいこと行きましたね。さらに欲張ることもできたのですが、今日はここまで、という感じでうまくまとめました。Q3でタイムが伸びなかったのは、多分Q2が良すぎたからだと思います。僅差の中でのポジション争いだから仕方ないですね。シーズン前のテストでだいぶいろんなことが見えてきたので、それがここでうまく活かせたと思います。
今回はホンダとも互角の戦いをしてきていますが、皆頑張ってくれた証拠だと思います。いい状況で戦えると思うし、決勝もいけると思います。いい方向に進んでいると思うので良かったです。

【4号車】

新品のソフトタイヤでアタックがぶっつけ本番になってしまったので、難しいアタックになったと思います。前回のレースでソフトタイヤを装着してしまったことにより、持ち越しタイヤがなかったので専有走行で試すこともできず、フィーリングを確認できなかったことが響きました。まだ見直すべきところもある一方で、今日の予選はやはりアタックのタイミングというか、コースインするタイミングをうまく合わせることが難しい状態でした。
もちろん、一番欲しい部分を出せるようにセットアップを少しずつ変えて試してもいました。明日は我慢のレースになると思いますが、その中でしっかりと走り切り、次に繋げる戦いにしたいですね。

二日目 決勝(2018年5月13日・雨/ウェット)

決勝レポート

雨の戦いに向けて士気が高まるも、まさかの中止に

決勝日を迎えた第2戦オートポリス。前日の好天気から一転、サーキット周辺は朝から雨に見舞われ、加えて霧が立ち込める天候になってしまった。これにより、スケジュールが一部変更となり、午後2時15分からスタートを切ることになっていたが、天候の回復が見込めないことからレースは中止に。今回のレースで、上昇気流に乗ることを狙いとしていたチームとしては、残念な結果になってしまった。
午前9時50分から30分間の予定で行われるはずだったフリー走行。サーキットは雨と濃霧で充分な視覚が確保できず、走行が難しい状態だったことから、セッション開始時間が延期されたが、結局視界不良が続き、セッションそのものが中止となった。
その後、午前11時から始まったピットウォーク中は雨も止んで陽射しにも恵まれたが、再び下り坂に。午後1時を過ぎると大粒の雨が降り始め、あっという間にレインコンディションへと逆戻りしてしまった。これを受け、急きょ午後1時20分から20分間のウォームアップ走行が設けられたが、走行できたのは7分あまり。2台の車両がスピン、コースサイドにストップしたために赤旗が提示された。その後、雨脚が強まったこともあり、再開を待たずにセッションが終了した。
またしてもコース上が視界不良となったサーキット。結局午後2時15分になって天候回復が見込めないという理由から、レース中止が発表されることとなった。KONDO RACINGとしては表彰台を含む上位チェッカーの可能性があっただけに、悔しさあふれる結果となってしまった。2週間後に開催される第3戦SUGOでのリベンジにかける。

決勝結果

中止

近藤監督のコメント

レースをしたかったですね。うちはニック(・キャシディ)が3番手からスタートができただけに悔しいです。彼も同じ思いでしょう。大きなチャンスだったと思います。健太(山下)もウォームアップ走行でしっかり手応えがあったようだから、その勢いでレースはしたかったと思う。コンディションが悪くなる一方なので、これだけは仕方ないです。判断としては正解だったと思います。次戦SUGO戦は直ぐになるので、この勢いをキープして戦ってもらえたらと思います。チーム代表としては(レース中止は)的確な判断だったと思う反面、ただ個人的にはレースをさせてやりたかったと思います。(スタートをしていれば)ポイントを獲る可能性も高かったと思います。立場としてはつらい判断ではあるけれど、出走ドライバーに怪我をさせるわけにはいかないしね。お客さんには申し訳ないけれど、次のSUGOでいい仕事をお見せしたいと思います。

ニック・キャシディ選手のコメント

とても悔しい。レース開始前のウォームアップ走行ではクルマのフィーリングも良かったんです。レースで表彰台に上がれたかどうかは正直誰もわからない事ではあるけれど、でもクルマは速かったし、作戦もうまくやり遂げることができると信じていたんです。今日は優勝争いに加われたレースだったのに、と思うと本当に悔しいです。ウォームアップ走行のとき、コンディションは決して悪いわけじゃなかったし、タイヤのグリップレベルだってしっかりありました。結果、キャンセルになってしまい残念です。せめてスタートしてから状況を見て判断してもらいたかったと思います。

山下 健太選手のコメント

ウォームアップでのクルマのフィーリングは結構良かったんです。短い時間ながらタイムも出せていた。雨用に振ったセッティングがいい様に行ってました。その確認ができていただけに、レースが中止にならなければ結構ポジションアップできたかもしれないと思うと残念です。天候が相手なので仕方ないですね。次のSUGOでは、今、いろいろセットを変えていいところも見えてきました。これをドライコンディションでうまく活かす事ができればと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

予選結果、ウォームアップでの手応えを考えると、ドライバーがレースがしたかったのは当然ですよね。雨のいいセットが見つかったと思うし、もしレースをしていたらおもしろい展開になったと思います。残念ですね。今回はドライコンディションでの速さを見せられたし、ウェットでの手応えもあったので、次の戦いに向けていい感触を得ることができたので、次のSUGO戦はそこそこ行けると思います。

【4号車】

難しいポジションからのスタートだったので、レースでは淡々と走ることが多くなるだろうとは思っていました。セッティング的には燃費をセーブするような予定で準備をしていました。一方、レインタイヤでのレースは今季初だったので、きちんと走り切ってデータを取れれば、という思いもありました。まぁ、雨寄りに振ったセッティングで結構手応えはあったし、確認もできたので、シーズン中に雨のレースがあれば今回のデータ等を活かせるとは思います。

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