Race Report - 第2戦 オートポリス
一日目 予選(2019年5月18日・雨/ウェット)
予選レポート
今季チーム加入の国本選手がポールポジション獲得!
第2戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権の舞台は大分・オートポリス。レースウィークを迎えたサーキットは強い風雨に見舞われ、スケジュール通りのセッションを実施することが難しい状態となり、予選、決勝ともに日曜日に行うという変則的なスケジュールの中で敢行された。そんな中、KONDO RACINGに今シーズンから加入した国本雄資選手が予選アタックでポールポジションを手にした。
レースウィーク初日の金曜日は薄曇りながらドライコンディションでの走行が可能だったオートポリス。しかしながら、予選日の土曜日は、まず午前8時50分からのフリー走行の時点でコンディションが悪化、セッションが遅延した。加えて、当初1時間だった走行時間は30分に短縮され、また、2度の赤旗に見舞われるなど厳しい状況となった。その後、午後3時からノックアウト予選が予定されていたものの、依然として風雨が続いており、一旦開始遅延に。だが、天候回復は難しいという判断からセッションがキャンセルされた。
迎えた日曜日。雨雲が居残り、引き続き雨模様となったサーキットでは、午前8時45分から40分間の計時方式による予選がスタート。不安定な路面の中、まずは予選タイムを刻もうとKONDO RACINGの山下健太、国本雄資両選手がレインタイヤを装着し、立て続けにコースに向かう。早速、国本選手が最速タイムとなる1分47秒602をマークし、トップに躍り出る。すると、この直後に2台の車両が続けてコースアウト、セッションは赤旗中断となった。
一方、まだタイムアタックができていない山下選手。セッション再開を待ってすぐさまコースインして計測ラップに入ったが、またしても赤旗が出て中断に。結局、セッション中は3度の赤旗に見舞われ、山下選手は最後まで好機をつかめずタイムアップならず。結果、最初のアタックでマークした1分50秒273が自己ベストタイムとなり、7番手からのスタートとなった。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME | DELAY | LAPS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | KONDO RACING | 国本 雄資 | 1’47.602 | 156.376km/h | 3/6 |
2 | 39 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 坪井 翔 | 1’47.877 | 0.275 | 4/5 |
3 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住 仁嶺 | 1’48.059 | 0.457 | 4/4 |
4 | 36 | VANTELIN TEAM TOM’S | 中嶋 一貴 | 1’49.331 | 1.729 | 4/5 |
5 | 50 | B-Max Racing with motopark | ルーカス・アウアー | 1’49.463 | 1.861 | 2/3 |
6 | 38 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 石浦 宏明 | 1’50.036 | 2.434 | 3/6 |
7 | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 1’50.273 | 2.671 | 3/6 |
8 | 18 | carrozzeria Team KCMG | 小林 可夢偉 | 1’50.329 | 2.727 | 2/4 |
9 | 17 | REAL RACING | 塚越 広大 | 1’50.700 | 3.098 | 2/3 |
10 | 37 | VANTELIN TEAM TOM’S | ニック・キャシディ | 1’51.169 | 3.567 | 2/3 |
11 | 8 | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 大嶋 和也 | 1’53.200 | 5.598 | 2/3 |
以上予選通過 |
||||||
16 | TEAM MUGEN | 野尻 智紀 | 1’57.301 | 9.699 | 2/4 | |
65 | TCS NAKAJIMA RACING | 牧野 任祐 | 1’57.618 | 10.016 | 2/4 | |
15 | TEAM MUGEN | ダニエル・ティクトゥム | 1’59.909 | 12.307 | 2/4 | |
64 | TCS NAKAJIMA RACING | アレックス・パロウ | 2’00.399 | 12.797 | 2/3 | |
19 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 関口 雄飛 | 2’05.208 | 17.606 | 2/3 | |
1 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | ||||
7 | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | アーテム・マルケロフ | ||||
20 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 平川 亮 | ||||
51 | B-Max Racing with motopark | ハリソン・ニューウェイ |
赤旗時間(2回目):再開4分40秒で赤旗提示(9:16’40~9:21’00)
赤旗時間(3回目):再開3分02秒で赤旗提示(9:24’02~赤旗提示をもって終了)
FinishTime:9:’24’02
No.3は、公式通知No.12 ドライバーズブリーフィング 競技長指示事項違反(ピットエンドラインを超えて停止)により、訓戒および罰金20,000円を科す。
No.1,No.7,No20,No.51は、2019全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第27条 7.違反により、予選結果のすべてを抹消とした。
近藤監督のコメント
チームとして、ドライバーがタイムを早く出せるチャンスを活かすことができました。ただ、国本(雄資)に続いて山下(健太)もいいタイミングでコースインしたのに、アタック前に赤旗中断となってしまったことでアタックできず、ポジションを引き上げられなかったのは残念でした。
決勝では、いいポジションでゴールできればと思います。僕らは2年連続でチームタイトルを必ず獲らなければいけませんしね。とにかく、予選では2人ともいい仕事をしました。山下と国本が互いに刺激を受けているのも確か。決勝でも頑張ってほしいです。
山下 健太選手のコメント
国本 雄資選手のコメント
エンジニアのコメント
【3号車】
チームとしては難しいコンディションの中でもいい予選の組み立てができたと思います。3号車は金曜日の時点で満タンのテストまで行うなど、しっかりとデータ取りはできています。ですが、土曜日、日曜日と雨になり、色々と大変でした。狙っていたのは、もう少し周回を重ねてタイムを出すというものだったので、それが結局できませんでした。【4号車】
赤旗続きという難しいコンディションを味方に、ドライバーはしっかりと頑張ってくれたと思います。正直、まともにタイムアタックできる状況ではなかったことを考えると、今回のポールポジションはピットの位置とドライバーの頑張りのおかげですね。決勝もまだ天候が読めませんが、どんな状況下でもしっかりと戦ってもらえたらと思います。二日目 決勝(2019年5月19日・曇り/ドライ)
決勝レポート
不安定な天候に翻弄され、悔しい結果に
決勝日の朝に予選を行い、午後からの決勝を迎えたオートポリス。一旦雨も上がり、弱いながらも日が差し込むなど回復の兆しを見せていた。午後2時、ドライコンディションの中、スタンディングスタートで54周にわたる戦いの幕が上がると、国本雄資選手はポールポジションから好スタートを切り、トップで1コーナーへ向かう。その足元を支えるのはソフトタイヤ。レギュレーションによって、レース中に一度ピットインし、ミディアムタイヤへ交換することが義務付けられているが、温まりの早いソフトタイヤでスタートダッシュし、後方とのマージンを築く戦略を採った。
一方、後方車両の多くはミディアムタイヤでスタート。早速オープニングラップを終え、山下健太選手を含む4台の車両がピットイン、さらに1台の車両がコースアウトした2周目にセーフティカーがコースインしたことから、このタイミングを活用し、タイヤ交換を実施する車両が続々とピットへ戻った。
ソフトタイヤで周回を続ける国本選手は、ピットに戻らず周回を重ねる"ステイアウト"の戦略。しかし、セーフティカーのコースインに水を挿され、加えて思うようにペースが上がらず、厳しい状況に陥る。結果、後方からタイムアップした車両との応戦でポジションダウン。実のところ、レース中に雨が降る可能性があったことから、"雨寄り"のセッティングを施していたことが裏目に出てしまった。結局、国本選手は50周を終えてピットイン。だが、猛追には"時すでに遅し"の状況であり、16位で戦いを終えることとなった。
一方、ミディアムタイヤを選択した7番手スタートの山下選手はオープニングラップ終了時にピットイン。ソフトタイヤへ交換し、追い上げを図った。だが、国本選手同様に、セッティングが雨寄りであったため次第に防戦一方で周回を続けることに。それでも山下選手はペースアップがままならないクルマを懸命に操る奮闘を見せ、7位でチェッカー。貴重なポイントを獲得することができた。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TOTAL TIME | DELAY |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 19 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 関口 雄飛 | 54 | 1:30’29.891 | 167.177km/h |
2 | 1 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | 54 | 1:30’33.524 | 3.633 |
3 | 8 | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 大嶋 和也 | 54 | 1:30’37.265 | 7.374 |
4 | 65 | TCS NAKAJIMA RACING | 牧野 任祐 | 54 | 1:30’47.485 | 17.594 |
5 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住 仁嶺 | 54 | 1:30’48.630 | 18.739 |
6 | 64 | TCS NAKAJIMA RACING | アレックス・パロウ | 54 | 1:30’59.673 | 29.782 |
7 | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 54 | 1:31’00.665 | 30.774 |
8 | 37 | VANTELIN TEAM TOM’S | ニック・キャシディ | 54 | 1:31’02.334 | 32.443 |
9 | 38 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 石浦 宏明 | 54 | 1:31’03.949 | 34.058 |
10 | 18 | carrozzeria Team KCMG | 小林 可夢偉 | 54 | 1:31’04.468 | 34.577 |
11 | 50 | B-Max Racing with motopark | ルーカス・アウアー | 54 | 1:31’05.370 | 35.479 |
12 | 39 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 坪井 翔 | 54 | 1:31’08.021 | 38.13 |
13 | 36 | VANTELIN TEAM TOM’S | 中嶋 一貴 | 54 | 1:31’08.178 | 38.287 |
14 | 20 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 平川 亮 | 54 | 1:31’18.501 | 48.61 |
15 | 17 | REAL RACING | 塚越 広大 | 54 | 1:31’25.973 | 56.082 |
16 | 4 | KONDO RACING | 国本 雄資 | 54 | 1:31’37.399 | 1’07.508 |
17 | 51 | B-Max Racing with motopark | ハリソン・ニューウェイ | 53 | 1:31’07.502 | 1Lap |
18 | 16 | TEAM MUGEN | 野尻 智紀 | 53 | 1:31’08.828 | 1Lap |
以上完走 |
||||||
19 | 15 | TEAM MUGEN | ダニエル・ティクトゥム | 1 | 1’41.949 | 53Laps |
20 | 7 | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | アーテム・マルケロフ | スタートのみ |
No.7は、2019全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第26条6.違反により、訓戒および罰金20,000円を科した。
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
19 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 1’30.777 (14 / 54) 185.360 km/h |
近藤監督のコメント
今シーズンは予選での速さを見せられることができているので、あとは決勝でしっかりと勝負できるような体制を整えてあげられるよう準備する必要があります。クルマさえ決まれば十分勝てると思うので、チームとしても頑張っていかなければなりませんね。
山下 健太選手のコメント
今回は前を気にして走るのではなく、後ろばかりを気にしていました。ずっと後ろを見つつ、たくさん後方から抜かれました。なんとか踏ん張って最後に1台抜くことができたものの、それよりも抜かれた方が多かったですね。6位には入りたかったので7位に終わったのは反省点です。とはいえ、なんとかポイント獲れたのは大きかったです。
国本 雄資選手のコメント
エンジニアのコメント
【3号車】
今日の作戦は、天気がまた読めなくなったので、早めのピットインでタイヤ交換を行う予定でした。一方でペース的に厳しかったです。というのも、セッティングが中途半端だったからです。雨でも晴れでも対応できるようにしていました。けれど、(レース中は晴になったため)晴れ用のセットで勝負に出たチームには勝てませんでした…。そんな中でもドライバーはしっかり頑張ってくれたと思います。いい走りを見せてくれました。【4号車】
決勝に向けて、完全ドライのセッティングにはしなかったんです。雨が降るのではないかという読みをしていたので、それが裏目に出ました。グリッド位置が良かった分、それが迷いになった感じもあります。結果、作戦でうまく行かなかったということです。今回は当初チームが計画していた戦略どおりミディアムタイヤでスタートし、1周終了時にピットインしてソフトタイヤで周回を重ねていたら…と思いますね。残念です。