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Race Report - 第5戦 ツインリンクもてぎ

一日目 予選(2019年8月17日・晴れ/ドライ)

予選レポート

酷暑の中、アタックに挑むも両者Q1に留まる

早くもシリーズ後半戦へ突入した全日本スーパーフォーミュラ選手権。第5戦は栃木・ツインリンクもてぎでの一戦。週半ばに台風10号が西日本に上陸、その影響か東日本は連日酷暑となった。レースウィークを迎えたサーキットも日々気温が上がり、予選日は日中38度を超える厳しいコンディションに見舞われた。そんな中、KONDO RACINGではノックアウト予選Q1で厳しい状況に直面。2台がQ1でアタックを終えている。

初日の金曜日、午後からの専有走行で持ち込みのセットを確認した3号車の山下健太選手、そして4号車の国本雄資選手。今シーズン、ソフトタイヤ装着時のクルマで速さを引き出す走りを見せている両選手は、予選で重要なカギを握るミディアムタイヤのパフォーマンスをいかに引き出すかが当面のポイント。専有走行、さらに予選日の朝のフリー走行では、好機を見出すためにミディアムタイヤでのセットアップ調整に時間を費やした。

そして迎えた午後2時30分からのQ1。気温38度、路面49度というタフな状況でアタックに向かったKONDO RACINGの2台。真っ先にコースインし、クリアラップを取るべくアタックを開始。全20台中、上位12台入りを狙うも、あと一歩タイムが伸びず。結果、山下選手は12位と0.055秒の僅差で13位。また国本選手も15位止まりとなり、2台ともQ2へと駒を進めることができなかった。

予選では変則的ピットストップの戦略を取り入れるなど、意表をついた展開によってポジションアップも可能。チームとしての底力を見せるべく奮闘を誓う。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 64 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウ 1’33.299 1’31.955 R 1’31.442
2 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川 亮 1’33.217 1’32.231 1’31.641
3 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 福住 仁嶺 1’33.670 1’31.869 1’31.764
4 50 B-Max Racing with motopark ルーカス・アウアー 1’33.281 1’31.996 1’31.804
5 38 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦 宏明 1’33.345 1’32.327 1’31.931
6 16 TEAM MUGEN 野尻 智紀 1’33.752 1’32.243 1’31.942
7 18 carrozzeria Team KCMG 小林 可夢偉 1’33.639 1’31.922 1’32.040
8 1 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本 尚貴 1’33.399 1’32.222 1’32.049
9 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口 雄飛 1’33.385 1’32.399
10 39 JMS P.MU/CERUMO・INGING 坪井 翔 1’33.517 1’32.793
11 51 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイ 1’33.510 1’32.824
12 37 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ 1’33.319 1’32.856
13 3 KONDO RACING 山下 健太 1’33.807
14 65 TCS NAKAJIMA RACING 牧野 任祐 1’33.820
15 4 KONDO RACING 国本 雄資 1’34.003
16 36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋 一貴 1’34.036
17 8 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋 和也 1’34.086
18 15 TEAM MUGEN パトリシオ・オワード 1’34.361
19 7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS アーテム・マルケロフ 1’34.386
20 17 REAL RACING 塚越 広大 1’34.765

近藤監督のコメント

Q1での装着が義務付けられているミディアムタイヤでの苦戦がすべてですね。今のウチはそれが一番の問題です。Q2まで行けるかどうか、そのタイムは僅差なのですが、それは「Q2に行けるかどうか」の話です。そうではなく、Q1で上位につけていないとレース全体を考えてきついので、見た目はわずかのタイム差ですが、ミディアムでの戦いという点ではライバルに"完敗"です。
かといって、ソフトタイヤでどこまで行けるのかと考えると、今日のトップ2台の速さには及ばない。今回は情けないですが、想定内の結果であったのも事実です。とにかくQ1突破の状況を作り上げたら、Q2、Q3での勝負は可能なので、ポジティブに考え、レースでソフトタイヤをどう使うかしっかり考え、エンジニアとドライバーとでいい戦略を考えて戦います。
明日の路面コンディションでいかにもなる可能性があるので、決勝ならではの戦いに期待しています。

山下 健太選手のコメント

懸念していたことがそのまま結果になってしまいました。昨日の時点でやるべきことはわかっていたので、持ち込みのセッティングからはだいぶ変えました。でも、根本的には傾向は変わらないですね。確かにQ1でのポジションが13位で、Q2まであとひとつではあったし、12番手との差もわずかだったので、少し改善できたことには違いありません。ただ、ミディアムタイヤでのトップタイムを見ると全然タイムが違うので、それを考えたら色々やってきてもまだまだ足りていないという状況ですね。
フィーリング的にもマシになってはいますが、Q1を余裕で突破するにはまだまだやるべきことがあると思います。ただ、走る時間も少ないので、その中でできることも極めて限られてしまい、厳しい状況です。明日の決勝は、ソフトタイヤ主体で考えれば悪くないと思いますが、シリーズ戦を考えるともっとしっかり解決していく必要があるので、大幅に変更を加えるなど引き続き見直していきたいと思います。諦めずに頑張ります。

国本 雄資選手のコメント

ずっと厳しい状態で、結果として一度もいいところがなかったですね。いずれにせよ、Q1突破自体が難しいだろうという状況でした。できるだけ前には行きたかったのですが、流れが悪い中でそれを思うように改善できないまま予選を迎えてしまいました。ベストは尽くしたものの、変化がなく厳しい結果になりました。
今までは抜きづらいサーキットであったもてぎが、ミディアムタイヤとソフトタイヤでトラクションが一番違うので、2スペックのタイヤを使うことで意外と抜きやすいサーキットになっているんです。なので、抜きやすいサーキットならではの部分をうまく使って、決勝ではポイントを獲れるように戦いたいですね。何台も抜かないといけませんが、リスクを犯してでも一生懸命前を追いかけて頑張ります!

エンジニアのコメント

【3号車】

Q1突破が本当に難しいですね。わずかの違いでQ2、Q3への進出を阻まれるので余計にそう感じます。今となってはQ1が鬼門になってしまっています。今回も、様々な要素が混じり合い、うまく合わせ込むことができませんでした。ソフトタイヤでのアタックにはなんら問題はないのですが、ミディアムでのグリップをうまく引き出せてないですね。
ただ、予選と決勝で結果が異なるのが今年の戦い。もちろん、予選で前からスタートすることが大事ですが、今の状況下でどういう戦いができるかしっかり考えて準備していきます。

【4号車】

金曜日の走り始めから、いい流れではなかったです。セットに関しては、予選に向けて持ち込みと違う方向を用意したのですが効果はありませんでした。最終的には3号車とデータを共有して予選に向けた準備をしたのですが、成果を得ることはできませんでした。
決勝ではポジションアップの可能性を見いだせるよう、しっかりと準備をしていきたいと思います。

二日目 決勝(2019年8月18日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

戦略でポジションアップを目指すもタフな展開に

酷暑の中での戦いとなった第5戦もてぎ。決勝直前のダミーグリッドでは強い日差しを受け、気温も路面温度も急激に上昇。ポジションアップを狙うKONDO RACINGの2台にとってもまた、タフな戦いを予感させる幕開けとなった。

午前10時から30分間のセッションで行われたフリー走行。ここで3号車山下健太選手、4号車国本雄資選手は、決勝中にメインで装着するであろうソフトタイヤでのセットアップ確認を綿密に行い、決戦に備えた。

迎えた午後2時15分、ダミーグリッドについた車両がフォーメーションラップに入る際、1台がエンジンストール。さらにフォーメーションを終えてグリッドにロックオンするときに2台がエンジンストールさせたことで、スタートがディレイ。同時に当初52周だったレースの周回数が51周へと減算された。

午後2時20分、改めてフォーメーションラップとなり、レースが幕を開けた。KONDO RACINGでは、予選13番手の山下選手が激しいポジション争いに巻き込まれ、1コーナーで行き場を失い1ポジションダウン。逆に予選15番手だった国本選手はスタートでのポジションアップに成功し、6番手で周回を開始した。

軽めの燃料でソフトタイヤを装着する2台はそれぞれの位置でポジション争いに集中。国本選手は前方の車両との攻防戦を重ね、12周目に攻略、5位へと浮上する。一方の山下選手も後方から追い上げを見せた。今回、チームとしてはミディアムタイヤでの周回数を最小限に留める戦略を採用。結果、レース中盤を目処にピットインし、アウトラップだけでピットイン、再びソフトタイヤで追い上げる作戦を敢行する。

まず17周を終えて山下選手が、さらに20周終わりで国本選手がピットイン。給油とミディアムタイヤへの交換を済ませてコースに戻ると、各選手ともその翌周にまたピットインしてソフトへのタイヤ交換と給油を行い、レースに復帰した。そこからの追い上げに期待がかかったが、競り合いの中でのペースアップは容易ではなく、思うようなポジションアップは果たせず。終盤には入賞争いの8台による縦一列の激走が続き、国本、山下両選手も奮闘したが惜しくも好機は訪れず、このままチェッカー。結果、国本選手が10位、山下選手が13位で戦いを終えることとなった。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME GAP
1 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川 亮 51 1:22’51.411
2 18 carrozzeria Team KCMG 小林 可夢偉 51 1:22’54.383 2.972
3 37 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ 51 1:23’01.182 6.799
4 64 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウ 51 1:23’07.725 6.543
5 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 福住 仁嶺 51 1:23’10.079 2.354
6 38 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦 宏明 51 1:23’19.850 9.771
7 50 B-Max Racing with motopark ルーカス・アウアー 51 1:23’34.534 14.684
8 16 TEAM MUGEN 野尻 智紀 51 1:23’35.111 0.577
9 1 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本 尚貴 51 1:23’35.372 0.261
10 4 KONDO RACING 国本 雄資 51 1:23’36.018 0.646
11 8 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 大嶋 和也 51 1:23’36.730 0.712
12 7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS アーテム・マルケロフ 51 1:23’37.417 0.687
13 3 KONDO RACING 山下 健太 51 1:23’38.056 0.639
14 15 TEAM MUGEN パトリシオ・オワード 51 1:23’40.298 2.242
15 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口 雄飛 51 1:23’41.251 0.953
16 36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋 一貴 51 1:23’52.149 10.898
17 39 JMS P.MU/CERUMO・INGING 坪井 翔 51 1:24’01.712 9.563
18 17 REAL RACING 塚越 広大 51 1:24’04.225 2.513
19 51 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイ 51 1:24’19.150 14.925
以上規定周回数45周
20 65 TCS NAKAJIMA RACING 牧野 任祐 5 8’26.909 46Laps

開始時刻: 14:28’33 終了時刻: 15:51’25
※2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第31条 10―3)(スタートディレイ)により、決勝周回数を51周とした。


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 1’35.282 3/51 181.41km/h

近藤監督のコメント

どのチームもミディアムタイヤに苦労する中、うちのチームは特にミディアムのセットを決め込むことが難しかったですね。その結果として、今回の作戦を遂行することになりました。それ以外の戦略になるとミディアムタイヤでの周回が増えるので、ポジションアップも望めないという結論になりました。
国本も山下もソフトでのタイムは速かったのですが、集団の中ではそのスピードもうまく発揮できず、結果につながらなかったですね。きついレースになりましたが、原因は明確なのであとはしっかりと見直しを進めていくだけです。

山下 健太選手のコメント

燃料を軽めにしてソフトタイヤでスタートすることでポジションアップを狙いましたが、まずスタート直後に行き場を失い、ポジションを大きく落としてしまいました。残念です。
タイムが伸びないミディアムタイヤでの周回をいかに少なくするかを考えて採った戦略でしたが、ソフトタイヤでも集団で走ると思うようにペースが上げられず抜くことも難しい状態でした。なんとか数台は抜けましたが、結果にはつなげられませんでした。
チームとしてミディアムタイヤでの速さを出せるようにしないと残り2戦も難しくなると思うので、しっかり原因を解明して戦っていきたいと思います。

国本 雄資選手のコメント

スタートでのポジションアップを狙い、ガソリンの搭載を少なくしてソフトタイヤでスタートを切りました。スタートはうまく決まりました。序盤から追い上げていかなければいけない条件でしたが、スタートが決まったことでポジションを上げることができました。
ただ、前の1台のペースが遅く、しばらく押さえられる形になりました。もっと早いタイミングで攻略できたらその先の展開も違ったと思うので、やはり根本的にパフォーマンスの向上が必要だと思います。予選で前のポジションに着けられるようにしていきたいですね。
一方、今回の戦略を採ったことで、コース上で競るという意味ではいいレースができたと思います。引き続き頑張ります。

エンジニアのコメント

【3号車】

今週末の流れを考えて、またミディアムタイヤでのペースを考慮しても、決勝ではできる限りミディアムでの走行距離を抑えたいと思いました。それで変則的な2ピットストップ作戦を採りました。
ただ、オープニングラップでバトルとなり、行き場を失ってポジションを上げられなかったのが残念でした。あれがなければ入賞は狙えたと思います。ミディアムタイヤでの速さがまだまだ足りないので、この先を見据え、大きく見直していく必要があると思います。

【4号車】

2ストップ(2回のピットイン)をしないとあの予選位置からでは順位を上げることができないということもあり、ミディアムタイヤをどこで使うかを考えた結果、ソフト?ミディアム?ソフトと使って、ミディアムの装着を最小限にする戦略を採りました。
2回ピットに入ってロスタイムが生じる分、コースではペースを上げる必要があるので、クルマも重くしたくない。そこでピットインする周を予め決め、そこに必要な燃料を積むという作戦を採ろうということになり、シミュレーションをしました。その方がトータルでも速いのでは、という結論に至りました。
ソフトでのペースはもともとあったのですが、中段グループの中で走るとやはりペースアップが難しく、思うようにポジションアップできませんでした。厳しいレースでした。

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