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Race Report - 第1戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(2016年4月23日・曇/ドライ)

予選レポート

クルマのセットアップに悩み、苦戦を強いられる

KONDO Racingの2016年シーズンは、昨シーズン同様にジェームス・ロシター選手とウィリアム・ブラー選手による2台体制での参戦で挑む。一層のステップアップを目指し、まずはオフシーズンの鈴鹿、そして岡山で公式テストをこなし、データ収集に努めてきた。
三重・鈴鹿サーキットで迎えた開幕戦。薄曇りの中で迎えた予選初日は、チームにとって困難なオープニングとなる。というのも、まず朝のフリー走行においてセットアップの方向性をうまく見出せず、思うようなタイムアップを果たせなかったため、予選に向けて大幅なセット変更を強いられることになったからだ。セッション終了後には午後からの予選に間に合わせるべく、作業に取り掛かることとなった。朝よりもやや日差しに恵まれた午後2時。ノックアウト方式のQ1が始まる。全車19台からQ2へ進出できるのは14台。ユーズドタイヤでのコンディション確認が終わると、残り時間10分を切った時点で全車が改めてピットイン、ニュータイヤを装着してのアタック合戦が本格化する。そんな中、1台の車両がデグナーカーブ進入でスピンしてコース上にストップ。これでセッションが赤旗中断となる。この時点でロシター選手は暫定8番手、ブラー選手は暫定17番手のため、チームとしてはなんとか2台揃ってQ2進出を目指したいところ。残り時間3分で再開したラストアタックで、渾身の一発を狙ったが、ブラー選手がスプーンカーブで痛恨のコースアウト。残念ながらタイムを伸ばせず、18番手。Q1止まりとなった。一方、Q1を7番手で通過したロシター選手。Q2でもQ1同様、赤旗中断という荒れたセッションが続く。ロシター選手も果敢な攻めを見せてQ3へ手が届くかに思われたのだが、刻んだ1分38秒859はあと一歩及ばず10番手に。予選後は決勝に向けてのセット変更を決断。決勝ではスピードあるアグレッシブな走りを見せるべく、ロシター、ブラー選手とも気持ちを切り替えた。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 1'38.609 1'38.187 1'37.459
2 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'39.435 1'38.427 1'37.820
3 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 1'39.704 1'38.576 1'37.952
10 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'39.254 1'38.859 -
18 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'40.795 - -

近藤監督のコメント

今年は両ドライバーのエンジニアが新しくなり、今、ドライバーとのコミュニケーションを形成しているところです。ジェームスはまずキチンと順位を狙っていきたかったですね。予選では、その詰めが少し充分でなかったと思います。一方のウィルのスピンがもったいなかったですね。でも、今年は彼がヨーロッパでレースをしていたときにコンビを組んでいたエンジニアと一緒に、クルマ作りを進めているのでこれからいい方向に進んでいくと期待しているんです。2年目の戦いになるので自身のステップアップに磨きをかけて欲しいですね。予選と違い、決勝では誰もが初めてとなるアドバンでのレースなので、何が起るかわからない部分が多くなるんじゃないでしょうか。しっかりと走り切ってデータを集め、これからの戦いにつなげてくれると思います。

ジェームス・ロシター選手のコメント

とにかく今朝のフリー走行ではセットアップが違う方向になっており、全然良くなかったんです。それで予選を前にして大掛かりなセットアップ変更を行ないました。とにかく改善してアタックしなければ、という思いでした。確かにクルマはいい方向にセットアップできたのですが、決して充分なものとは言えませんでした。まずクルマのスピードはもとより、いいバランスを追求しないと。まずバランスが決まれば、なによりもドライブしやすくなるので、自ずと速さも出るし、いい走りができると思います。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

いいフィーリングで走っていたのですが、アタックラップでのミスがありました。Q2に向けて自信もあったのに、テストのときとは状況も異なり、うまく事が運びませんでした。一方で、僕らは決勝用のセットアップに関して自信を持っているので、明日は粘り強く戦えると思っています。供給タイヤメーカーが変わったことで、色々な難しさもあるのですが、でもそれはみんな同じ条件。その分、面白味もあるので、いいパフォーマンスができればいいなと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

テストからうまくクルマを合わせ込むことができなかったので、金曜の専有走行から今日に向けてセットを大きく変えました。朝のセッションから予選に向けて方向性をまとめることはできたのですが、残念ながらQ3に残るところまでには行かなかったですね。ドライバーとエンジニアのコミュニケーションもまだこれからですので時間がかかったのは残念ですが、方向性が見えているだけに、決勝に向けてジェームスもうまく合わせてくれると思います。

【4号車】

朝のフリー走行から予選に向けて結構なセット変更を行ないました。フロントの安定性を高めるためです。セット変更に関しては正しい方向に進んだと思います。ただ残念だったのは、予選でミスが出てしまったことです。スプーンカーブの進入でスピンをしたんのですが、小さなミスでした。ただ、アタックまでの時間がもう残っておらず、Q2には進めませんでした。しかしながらクルマのセットに関しては自信を持てたようです。今日は彼にとってアンラッキーな日だったということですね。

二日目 決勝(2016年4月24日・曇/ドライ)

決勝レポート

ロシター選手、決勝レースで強さを披露し6位入賞!

今シーズン初戦の決勝を迎えた鈴鹿サーキット。薄曇りの天候の下、43周に渡る戦いの幕が切って落とされた。前日の予選では、クルマの方向性を見出すために時間を要し、満足のいく結果を得ることができずに終わったKONDO Racing。だがしかし、その後のミーティングで改善策を導くこととなり、決勝日は朝のフリー走行でその成果を確認している。

満を持して挑んだ決勝レース。予選10番手スタートのジェームス・ロシター選手はポジションをひとつ上げることに成功したが、逆に18番手のウィリアム・ブラー選手はひとつ下げるという、明暗分かれるオープニングラップとなる。後方からの追い上げを目指したブラー選手。戦略としてはライバルたちよりも早めのピットインでチャンスをつかむべく、15周を終えてその作業を遂行。さらにはピットでの作業を給油のみとし、タイヤ無交換で残るラップを走破する英断を下した。セッティングの変更により、クルマの動きも安定し、攻めの走りに向けていい流れを作ることができたのだが、早めのピットインをしたため、レース終盤はタイヤのマネージメントに注力することになってしまう。難しい状況での戦いを強いられたが、その中でも集中力を切らす事なくミスのない戦いをしたブラー選手は15位でチェッカーを受けた。

一方のロシター選手。序盤にライバルたちとのポジション争いを展開、安定したラップタイムで周回を重ねる運びとなり、ピットインはレース折り返しを過ぎて32周終わりに実施している。また、その間には前後車両との激しくタフなバトルを披露。決勝での強さをしっかりアピールした。ブラー選手同様、タイヤは換えず、給油のみの作業でコースへと復帰。38周には猛追していたアンドレ・ロッテラー選手を逆転! 6位の座をもぎ取り、そのままレースを終えることに成功した。決勝では安定した速さを武器に、強さを見せることになったKONDO Racingの2台。次戦・岡山では予選から好位置を狙っていくのは言うまでもない。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 43 1:13'59.415 202.49km/h 1'41.238
2 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 43 1:14'11.125 11.710 1'41.969
3 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 43 1:14'12.609 13.194 1'42.155
4 34 DRAGO CORSE SF14 小暮 卓史 43 1:14'16.173 16.758 1'42.120
5 10 REAL SF14 塚越 広大 43 1:14'22.685 23.270 1'41.869
6 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 43 1:14'24.614 25.199 1'42.116
7 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 43 1:14'29.467 30.052 1'41.498
8 65 NAKAJIMA RACING SF14 ベルトラン・バゲット 43 1:14'30.455 31.040 1'41.977
9 40 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 43 1:14'36.825 37.410 1'42.616
10 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 43 1:14'37.386 37.971 1'41.562
15 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 43 1:15'39.167 1'39.752 1'43.660

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 1'41.167 28/43 206.64km/h

ジェームス・ロシター選手のコメント

いい戦いができました。レース前半は前を走る野尻選手やロッテラー選手に行く手を阻まれるような形となり、苦戦していましたが、まず野尻選手がピットインした時に、ひたすらプッシュする走りに努め、ポジションアップのチャンスをつかみました。さらにはロッテラー選手を攻め立てて逆転、チェッカーまでに5番手を狙いたかったのですが、残念ながら周回数が足りませんでした。今日はバトルを楽しむことができたし、いい戦いができたので、このまま引き続きチームと一緒になって懸命に仕事をすることで、さらにいい結果を目指したいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

タイヤ無交換の作戦でレースに挑みました。ピットインを前に、36号車がいたので何とか逆転すべく、ターゲットにして周回を重ねていました。戦略的にはスタンダードなものでしたし、レース中のドライバーからのコメントでもタイヤへの心配はないということだったので、実行したのですが、あの状況でできることをやって結果に繋げることができたように思います。岡山では戦い方をより有利にするためにも、まずは予選で少しでも前に出られるように準備を進めていきたいと思います。

【4号車】

セッティング変更したことで、クルマ自体はよくなったという評価をブラーからはもらっています。セット変更もいい方向に働きました。レースはタイヤ無交換になったため、終盤になると、ロングスティントでのタイヤコントロールは厳しかったようです。今回、色々とセッティングを試すことで、方向性がかなり見えてきました。ブラー自身が得意と言う岡山が次の戦いなので、今回のいいところをうまく引き出しながら、しっかり戦えるよう、クルマを作っていきたいと思います。

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