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Race Report - 第2戦 岡山国際サーキット

一日目 予選(2016年5月28日・曇/ドライ)

予選レポート

うまく流れを築けず、厳しい予選結果に

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の舞台は、岡山国際サーキット。3月末には公式テストも行なわれ、SF14と今年からタイヤサプライヤーとなったヨコハマタイヤとのコンビネーションによるデータ取りも出来ているだけに、KONDO Racingとしてはさらなる飛躍を望みたいところ。

予選前日に行われた専有走行は、夏日となり汗ばむ中でのセッションとなったが、ニュータイヤでアタックしたウィリアム・ブラー選手は2番手のタイムを刻み、タイムアタックに向けて大きな手応えを得ることとなった。

迎えた予選日。前日と打って変わり薄曇りの空がサーキット一面に広がることとなり、気温、路面温度も含め、また異なるコンディションでの走行を強いられた。朝のフリー走行では、ジェームス・ロシター選手がトヨタ勢トップタイムとなる8番手につけて流れが出来たかに思われたが、午後2時10分から始まった予選では、思わぬ苦戦を強いられる。

まず、この岡山のコースを得意としているブラー選手だったが、前日の流れに沿って更なるポジションアップを狙い、セットアップに努めたが、逆にセットアップの方向を見定めるのが難しい状態となってしまう。結果、タイムアップのチャンスに恵まれず、まさかのQ1どまり。悔しさが募るアタックとなった。一方のロシター選手は、Q1で渋滞に巻き込まれ、いい流れを作れず苦戦。しかしながら、残り少ない時間のなかで渾身の走りを見せて12番手となるタイムをマーク。Q2へと駒を進めた。そしてQ2は、タイヤのフィーリングがQ1と変わってしまう中、アタックに挑むも、存分にタイムを伸ばせず。刻んだ1分14秒558は13番手となり、残念ながらQ3への出走は果たせなかった。

明日は天気予報で下り坂になると言われる岡山地方。仮にウェットコンディションになれば、新しいレインタイヤでの一戦となるだけに不確定要素も多く、波乱のレース展開になる可能性も高い。その中で、KONDO Racingの2台がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。粘りある戦いに期待したい。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 1'14.095 1'13.897 1'13.620
2 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 1'14.699 1'14.052 1'13.842
3 10 REAL SF14 塚越 広大 1'14.666 1'14.116 1'13.893
13 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'14.963 1'14.558 -
15 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'15.451 - -

※No.4 2016全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第26条 9.(ピットレーン速度違反)によりRd.2の決勝3グリッド降格とする。

近藤監督のコメント

ジェームスは、クルマが決まっていたし、Q1でいいアタックができると思っていたんですが、コースインのタイミングがすべてでしょうね。遅いクルマにひっかかり、タイヤのオイシイところを使えなかったのがあったしね。ちょっと運が足りなかったようだね。一方でウィルは岡山が得意だということで、金曜日にもいいタイムを出して、自信をつけていたんだけど…。彼のポテンシャルをうまく引き出すことができなかったですね。加えてピットロードでの速度違反に対してペナルティを科せられることになったのは残念。チームとしてはちょっと納得できない部分もあるのですが、結果を受け入れることにしました。決勝は天候的に下り坂だし、ウェットレースになる可能性が極めて高い。そうなれば、チームとして色んなチャンスが増えると思うので、いい戦いができるでしょう。

ジェームス・ロシター選手のコメント

Q1で酷い渋滞に巻き込まれたんです。アタックラインにいたドライバーのペースが遅く、あやうく接触しそうになりました。残り時間も少なくて大変でした。もうフラストレーションが溜まりましたね。また、Q2で履いたニュータイヤのフィーリングが、Q1のときと大きく変わってしまったのがなぜだかわからないんです。さらにマイクナイトコーナーでミスをして、タイムロスしました。もう少し予選でのスピードが今の僕らには必要ですね。特に今回は低速コーナーでのスピードが思うように確保できなかったと思います。明日は天気次第の戦いになる可能性もあるのですが、そうなればポイント獲得のチャンスも出てくると思っています。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

去年はここでいいアタックもできたし、得意なコースだけに期待して岡山入りしました。金曜日の走行でいいタイムが出せたので、予選での上位獲得を目指してセットアップしたのですが、逆に残念な結果になってしまいました。少なくともQ2に行けると思っていたのですが、叶わずにとても残念です。ただ決勝に向けて、チームと今できることをやっているので、明日は気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

初日の金曜日にブレーキトラブルが出てしまい、セットアップ作業が後手に回ってしまいました。ただ、朝の走行からフィーリングもよくいい感じで、予選で速さを見せてくれるような雰囲気だったんです。Q3に残れるだろうと思っていましたが、コースでの他のクルマとの兼ね合いなどで流れを引き寄せることができなかったのかなと思います。Q1でトラフィックに引っ掛かり、Q2でもアタックラップで同じようなことが起こってしまいました。本当に運がなかったという感じです。クルマはバランスもいいというフィードバックをもらっているし、戦闘力もあると思うので、決勝でいい走りができればいいのですが…。レースでは、もう少し速さをアピールできて、ポジションアップができるよう、準備を進めていきたいと思います。

【4号車】

金曜日のフィーリングをベースに、さらにセットアップを進めていくことにしました。本人もQ3までのアタックを強く意識していたようです。しかしながら、逆に方向性がはっきりしなくなり、厳しいアタックとなりました。少し欲を出しすぎたのかもしれません。残念です。ただ、ウィルはこのサーキットでの走りに自信を持っているので、決勝では安定したタイムを刻んでキチンと走り切れるよう、いいセットアップを見つけていこうと思います。

二日目 決勝(2016年5月29日・雨/ウェット)

決勝レポート

強まる雨の中、レースは赤旗終了に

第2戦岡山の決勝日は、前日同様の薄曇りの朝を迎えた。午前9時からのフリー走行は、決勝セットの最終チェックに取り掛かったKONDO Racing。午後からの雨を意識しつつ、まずは目の前の作業に特化して時間を費やすこととなった。

一方で、気になる雨は正午過ぎから本格的なものとなったが、サポートレースが終わる頃には一旦小康状態となり、先を読むのが困難なコンディションになるのでは、という不安もあった。しかし、午後2時を過ぎ、レースを控えてスタート進行が始まると、おもむろに天候が悪化。8分間のウォームアップ走行からレインタイヤを装着しての走行となった。雨はその後、時間の経過とともに激しくなり、結果、68周の決勝レースはセーフティカー先導による幕開けを迎えることが決まる。

午後3時、全車がセーフティカーに導かれてレースがスタート。この間、周回数はカウントされるが、前方の車両を抜くことは許されない。いわゆるパレードラップのような形でレースがゆっくりと進んでいくことになった。だが、その中で雨が影響しているのかトラブルに見舞われるクルマも出現。さらに強まる雨脚に危険因子が多く潜んでいるような状況であり、ついに9周目走行中にレースは赤旗中断となる。

走行中の各車両はグリッド上に待機を強いられ、待つこと約40分。最終的には、天候回復が見込めないことから、レースは赤旗中断をもって終了という判断が下されることになり、ロシター選手は9位、ブラー選手は11位という結果となった。

ウェットレースを得意とするKONDO Racingの両選手にとっては、好機を失うことにもなったが、安全性を第一に考慮すれば、レースの赤旗中断は何よりも的確な決断であったのは言うまでもないだろう。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 8 22'06.947 80.370 km/h 2'38.287
2 10 REAL SF14 塚越 広大 8 22'07.665 0.718 2'36.125
3 11 REAL SF14 伊沢 拓也 8 22'08.696 1.749 2'35.909
4 40 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 8 22'09.4723 2.525 2'35.691
5 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 8 22'10.788 3.841 2'35.385
6 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 8 22'12.355 5.408 2'34.747
7 64 NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 8 22'13.389 6.442 2'33.687
8 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 8 22'15.316 8.369 2'34.007
9 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 8 22'16.624 9.677 2'33.957
10 18 KCMG Elyse SF14 中山 雄一 8 22'17.700 10.753 2'34.200
11 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 8 22'19.135 12.188 2'35.959

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
8 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 2'10.960 7/8 101.793km/h

ジェームス・ロシター選手のコメント

雨のレースが得意な分、途中終了という決断は少し残念にも思います。いかなる時も僕らドライバーはレースで戦いたいという気持ちがありますからね。でも、ここのサーキットはエスケープゾーンも少なく、今日のような激しい雨でのレースはとても厳しいものになってしまいます。決勝前のウォームアップ時点で、すでにレインタイヤでもグリップを感じることは難しい状態でした。セーフティカーでのスタートとなり、なんとかこのまま行けたらとも思いましたが、やはり最終的には厳しいコンディションになってしまいましたね。何も見えないし、グリップもしない。キャンセルしたのは正しい判断でした。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

僕は雨のレースが好きだし得意だから、中断のまま終わってしまうのは、正直残念です。でも、多くのことを考えればこの決断は正しい。視覚確保が難しく、レースができる状態とは言えないものでしたからね。もう少し少ない雨なら、ポジションアップには絶好のチャンスだったんですけどね。第3戦の富士でまた仕切り直しです!

エンジニアのコメント

【3号車】

レースでの予定は、最小周回数で(給油のための)ピットインを行なうというものでした。ところがレースそのものが(雨による)セーフティカースタートとなり、うまくいけば無給油、タイヤ無交換で行けるのではないかとも思いました。正直、これほど悪くなるとは思いませんでしたね。第3戦富士までに少し時間があるので、今回のウェットでの経験も多少なりとも得たので、まず予選での速さがまだ足りないぶん、そのへんをしっかりと改善する必要があると思います。

【4号車】

ウィルは元々ウェットコンディションが好きだし、いい走りをするので、自信をもってレースに挑んだのですが…。ウォームアップ走行でもいいセットを見出せたし、チャンスがあると思ったんです。何よりもあの雨の中で、ウィル自身がしっかりとセットアップできていたので、いい戦いができると信じていました。でも何よりも安全が第一ですからね。今日の決断は妥当だと思います。第3戦の富士ではまた新たなチャレンジになりますが、セットアップをしっかりと煮詰めていければいいですね。

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