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Race Report - 第5戦 岡山国際サーキット

一日目(2016年9月10日・晴/ドライ)

一日目レポート

2レース制の岡山、初日はロシター選手9位、ブラー選手15位

全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦を迎えた岡山国際サーキット。今回のイベントは、本来、九州・大分のオートポリスにて開催される予定だったが、先の熊本地震の影響を受けて中止となり、岡山がその代替戦として行なわれることになった。なお、今回の岡山戦は、土曜、日曜に各予選と決勝を行なうスペシャル・フォーマットが採用されており、まず土曜日は、午前9時から1時間のフリー走行が、そして1時間のインターバルを挟み、計時方式の予選が20分間にわたって行われた。午前11時、気温27度、路面温度35度の中、予選がスタート。だが、開始6分で赤旗となり、セッションが中断する。この時点で残り時間の提示がなく、情報が錯綜。チームでは、最初に確認した残り5分という情報を元にアタックを再開した。だが、実際は残り約14分での走行となり、ひと足先にニュータイヤを装着していたジェームス・ロシター、ウィリアム・ブラー両選手は、事実上、アタックチャンスを喪失。思うようなクリアラップを取れないままアタックを終えた。結果、上位を狙ったロシター選手は1分14秒484で7番手、そしてブラー選手は1分14秒715で12番手からレース1のスタートを切ることとなった。午後3時30分、レース1の決勝がスタート。30周、ピットストップ義務を伴わない一戦だけに、スタートがある意味勝敗の分かれ目になるところ。だが、7番手スタートのロシター選手は、前方の選手がスタートミスを喫し、そのとばっちりを受けてしまう。結果、加速のタイミングを失い、9番手でオープニングラップを終了。その後は僅差の攻防戦をつねに繰り広げ、タフな展開となったが、抜きどころがほとんどない岡山ではポジションの変動には繋がらず。それでも終盤、8番手を猛追する活躍を見せ、9位で戦いを終えた。一方のブラー選手は、朝のフリー走行、予選での勢いをキープし、粘り強い走りを披露したいところ。だが、スタートでのミスで出遅れ、15位から追い上げを開始した。しかし、決勝になってクルマのバランスが異なることとなり、思うようなペースを確立できないまま、周回を重ねるばかり。さらに終盤に入ると、後方からの激しいプッシュに追い立てられる。だが、そこは得意な岡山を味方にし、しっかりと防戦。我慢の走りを実らせ、15位でフィニッシュした。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 37 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 中嶋 一貴 1'14.038 - -
2 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 1'14.150 - -
3 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 1'14.157 - -
7 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'14.484 - -
12 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'14.715 - -

本予選は、計測開始6分6秒時点で赤旗提示。残り時間13分49秒で再開した。(赤旗中断 11:06~11:15)

※No.8は、2016年スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第27条10.(出場嘆願書の受理)により、決勝レースへの出走を認める。


決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 28 36'28.567 - 1'17.564
2 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 28 36'33.362 4.795 1'17.572
3 7 SUNOCO TEAM LEMANS SF14 ナレイン・カーティケヤン 28 36'38.422 9.855 1'17.764
4 40 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 28 36'43.348 14.781 1'17.737
5 10 REAL SF14 塚越 広大 28 36'46.098 17.531 1'17.410
6 64 GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 中嶋 大祐 28 36'47.069 18.502 1'17.965
7 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 28 36'48.349 19.782 1'17.966
8 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 28 36'50.580 22.013 1'18.163
9 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 28 36'51.560 22.993 1'18.067
10 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 28 36'53.599 25.032 1'18.152
15 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 28 37'09.221 40.654 1'18.575

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
37 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 1'17.353 14/22 172.337km/h

※2016年スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第31条10.(START DELAYED2回)により2周減算の28周にて行った。

●No.37は2016年スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第31条8.(START DELAYED原因車両)により最後尾スタートとした。(15:45)

近藤監督のコメント

今回は、ジェームスもウィルも、それぞれよく頑張っていたと思います。ただ、予選においては、ほんの僅かの差で大きくポジションが変わってしまうのが、今のスーパーフォーミュラなので、そのちょっとの差をこれからどうしていくかが、ドライバーそしてチームにとっての課題になってくるでしょうね。一方、決勝では、スタートでのミスがふたりともありましたが、抜きどころのない岡山でよく踏ん張ったと思います。

ジェームス・ロシター選手のコメント

予選でのアタックは良く、トップ4は狙えると思っていました。ただ、ニュータイヤを装着する時間がライバルたちよりも早く、結果的に7番手となりました。それよりも、決勝のほうが厳しかったですね。というのも、僕自身のスタートはズバリ決まったのに、グリッドで前にいた10号車の塚越選手がうまくスタートを切れず、その場に一瞬留まったんです。それで避けようとして、ホイールスピンをしてしまいました。それで後ろのクルマに先行されました。1コーナーでも他車との軽い接触もあったりして、いいペースでの走行が難しかったですね。トラブルフリーならトップ5入りでのレースができたと思うだけに、とても悔しいです。ただ、明日はもう1度予選と決勝ができるので、それをプラスに受け止めてがんばります。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

予選は問題なくアタックできたんです。ただ、できればトップ10に入りたかったですね。あと一歩でした。一方で、決勝は難しい展開になりました。今回はレース中のピットストップもないので、一度スタートを切ると、あとは狭くて抜きどころのない岡山のコースを考えたら、チャンスはほとんどなかったですね。とても残念な展開でした。予選での調子はいいので、明日のレース2こそ、いいポジションからスタートを切りたいと思います。

エンジニアのコメント

【3号車】

予選からいい風が吹かなかったようですね。アタックに出る時間で意思の疎通がとれなかったこともありますが、最初のアタックでクリアラップが取れなかったり、アタック中はセクター3走行中に赤旗になったりと、流れが良くなかったですね。一方、決勝は前の車両がスタートで出遅れたこともあり、逆に後ろのクルマに行かれてしまいました。明日の予選の組み立ても難しいところがありますが、まずはいいポジション、ポールポジションも意識してがんばってもらいたいですね。そしてレースではノーミスで戦わないと。ポイント獲得を目指します。

【4号車】

朝のフリー走行の様子では、セクタータイムも良く、予選に向けていい期待を持っていました。アタックで少しミスはあったけれど、タイム的にもライバルたちと遜色はありませんでした。一方で、決勝ではこれまでの彼の速さが出ず、難しいレース展開になってしまいました。明日のレースに向けて、改善を加えていこうと思います。

二日目(2016年9月11日・晴/ドライ)

二日目レポート

第5戦岡山、両選手とも厳しい戦いを強いられる

全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦岡山の2日目は、前日よりも蒸し暑い天候の中、予選および決勝レースが行なわれた。前日と異なり、フリー走行なしでいきなりぶっつけ本番となったタイムアタック。初日のレース1では、計時方式の予選アタックが採用されたが、この日のレース2の予選はノックアウト方式が適用された。Q1は20分間で行われ、全19台から上位10台がQ2へ進出できる。気温25度、路面温度31度の中、まずはユーズドタイヤでクルマのセットアップ確認を行い、タイムアタックの準備を着実に進めた。ニュータイヤでのアタックが一気に加速したのは、残り時間8分を切ってから。続々と各車コースインし、KONDO Racingの2台もこれに続いた。まず順調にタイムを削ったロシター選手が9番手でQ1を突破。一方、ブラー選手はあと一歩タイムを伸ばし切れず、1分15秒656のタイムで17番手どまり。惜しくもQ2進出を逃した。僅かなインターバルを挟み、Q2がスタート。10分間のアタックを前に、ロシター選手の足下にはニュータイヤが装着される。セッション開始3分を過ぎ、各車がコースイン。タイヤに熱を入れ始めた。ところが、1台の車両がアトウッドカーブでコースアウト。セッションは赤旗中断となった。仕切り直しとなったアタックではあったが、ロシター選手は最後の最後にベストタイムを更新。1分14秒836をマークし、4番手の結果を手にした。なお、この後、予選3番手の車両において、セッション中の安全確認違反が判明。3グリッド降格のペナルティが課されたことから、ロシター選手はポールポジションの直ぐ後ろ、3番手から決勝スタートを切ることになった。午後からの決勝に向け、じりじりと強い日差しが照りつけ、気温、路面温度ともに上昇。午後3時スタートを切るレース2は51周の戦い。かつタイヤ交換が義務化された1戦でもある。スタートポジション、さらにはレース開始後のライバルとの位置関係など、様々な条件を充分に考慮した上で、ピットインのタイミングをうまく決めたいところだ。だが、3番手スタートのロシター選手はスタートでのコントロールが上手くいかず、後続の先行を許して後退。5番手からの追い上げを強いられた。また、ポジション争いをしていた前車がピットインしたのに合わせ、自らもタイヤ交換のためにピットへ戻ったが、この時、作業でタイムロスが発生。大きくポジションを落としてしまった。レースはその後、スピンした車両回収のため、セーフティカーランが導入されたが、大きな混乱はなく、ポジションもほぼ変動なしで周回を重ねていく。そんな中、ロシター選手は前の車両を0.6秒以内という僅差で果敢に攻め続けたが、岡山ゆえにパッシングポイントに恵まれず。結果、10位でフィニッシュした。
一方のブラー選手は17位からスタートを切り、オープニングラップ直後にピットイン。タイヤ交換を行なった。序盤は極めていいペースで周回を重ねていたが、途中からクルマのバランスが崩れ、ペースアップが難しくなり、厳しい状況のまま走り続けることになる。中盤、思うようにコントロールできないブラー選手が、ピットインをリクエストする一幕もあったが、なんとかガマンの走りを続けていくうちに、ペースも復活。終盤に向けて力走を見せ、15位でチェッカーを受けている。スペシャル・フォーマットでの戦いとなった岡山では、ドライバー本来の実力を発揮するチャンスが失われ、厳しい結果に終わったが、ステップ・バイ・ステップで進歩を続けていることから、今シーズン終盤戦では、速さと強さを兼ね備えたパフォーマンスを見せてくれるに違いない。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 Q3
1 40 DOCOMO DANDELION M40Y SF14 野尻 智紀 1'15.025 1'14.404 -
2 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 1'15.264 1'14.656 -
3 ●41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 1'15.056 1'14.712 -
4 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 1'15.247 1'14.836 -
17 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 1'15.656 - -

公式予選(Q2)は、計測開始5分13時点で赤旗提示。残り時間4分47秒で再開した。(赤旗中断 10:25~10:32)

●No.41は(Q2予選時)2016年スーパーフォーミュラ選手権 統一規則 第21条12.(安全確認)違反により3グリッド降格とする。(10:55)


決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME
1 2 P.MU/CERUMO・INGING SF14 国本 雄資 51 1h11'31.812 - 158.411
2 37 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 中嶋 一貴 51 1h11'32.980 1.168 158.368
3 1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 51 1h11'33.495 1.683 158.349
4 36 VANTELIN KOWA TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 51 1h11'37.079 5.267 158.217
5 19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 51 1h11'41.302 9.490 158.062
6 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 51 1h11'43.331 11.519 157.987
7 41 DOCOMO DANDELION M41S SF14 ストフェル・バンドーン 51 1h11'45.426 13.614 157.910
8 11 REAL SF14 伊沢 拓也 51 1h11'47.868 16.056 157.821
9 20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 関口 雄飛 51 1h11'51.781 19.969 157.677
10 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 51 1h11'52.561 20.749 157.649
15 4 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 51 1h12'11.472 39.660 156.961

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
1 P.MU/CERUMO・INGING SF14 1'17.232 44/51 172.607km/h

本決勝レースは、30周目にSC導入し34周目に離脱した。

●No.40は、国際モータースポーツ競技規則 付則H項 第2章 2.9.10 (第2SCラインでの追い越し)違反により、ドライビングスルーペナルティを課した。(15:58)

近藤監督のコメント

今週末はチームとして、またドライバーとしていいところを存分に活かし切ることができませんでしたね。速さをアピールする機会がありませんでした。そのひとつとして、戦略の幅が少なかったことが挙げられるでしょう。事実、ジェームスがスタートで出遅れたわけですが、その対処がチームとしてできませんでしたね。もっと早くに次の手を打つ必要がありました。一方、ウィリアムはオーバーステアが酷いからピットに戻りたい、と言い続けていたのですが、ピットに入れば台無しになるので、なんとかガマンを続けてもらいました。結果、終盤にペースも戻り、いい走りを見せていました。急激に暑くなって、タイヤコントロールが難しかったのかもしれません。また、チームとしてはピット作業でドライバーには申し訳ないことをしたので、もっともっと練習し、努力しなければいけないですね。

ジェームス・ロシター選手のコメント

スタートでは上手くクラッチミートしたと思ったのですが、なぜかクルマが動かなくて…。こんなこと初めてです。結果、5番手にポジションを落としましたが、それでもペースは悪くなかったのでなんとかいけると思っていました。でもタイヤの内圧調整がちょっと良くなかったですね。あとはピットストップ。ここでの作業に時間を取られてしまいました。コースに戻ったあとは逆転のチャンスもなく、ポイント獲得に繋がらなかったのが残念です。今回は戦略面で厳しい戦いになりました。とはいえ、チームとして一歩ずつ前進し続けているので、次のSUGOでは、しっかりと結果を出したいと思います。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

ニュータイヤでのアタック自体は、自分の中でもうまく行ったし、自信に繋がりました。ただ周りも速かったですね。一方で、決勝レースの結果はとても残念なものになりました。次のSUGOに向けて、もっと努力を重ね、次こそポイントを獲得できるようにがんばります。

エンジニアのコメント

【3号車】

スタートでのクラッチのバイトポイントが上手く合わなかったようです。このようなスタートになるとは正直想定していませんでしたね。その後は、色んな要素がうまく噛み合わず、ピットイン後もペースアップできなかったこともあり、いいところが出せませんでした。残念ながら、今日もいい流れを作ることができませんでした。ただ、予選での一発の速さ、決勝でのコンスタントな速さはあるので、それをうまく出せるように残り2戦、しっかり戦います。

【4号車】

オーバーステアがかなり強くなってしまったようです。また、レース序盤は気温も路面温度もこの週末で一番高くなっていたので、タイヤとの兼ね合いもあって、コントロールが難しくなった時がありましたが、レース終盤になると気温も路面も温度が下がったので、ペースもうまく戻っていました。ウィリアム自身が得意としていた岡山で、本来のパフォーマンスを出すことができず残念でした。

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