Race Report – 第4戦 オートポリス
予選・決勝(11月14・15日・晴れ/ドライ)
2020 スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 予選・決勝レースレポート
【第4戦オートポリス、山下健太選手が5位入賞!】
11月中旬の時点で第4戦開催となる今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権。11月15日にその決戦が行われた大分・オートポリスは、前日から穏やかな日差しが降り注ぐ快晴となり、絶好のレース日和に恵まれた。なお、今大会も前戦同様に予選、決勝を一日で実施するワンデーレースとして開催されている。
岡山、SUGOの戦いでは思わぬハプニング等で本来の戦闘力を存分に発揮できず、厳しい結果となっているKONDO RACING。シリーズ中盤から後半戦に向かう中、今大会ではなんとしても結果を出していきたいところだ。オートポリスにはWEC最終戦の欠場によって出場が叶った山下健太選手、そしてルーキーながらも目を引く活躍を見せるサッシャ・フェネストラズ選手のレギュラードライバーによる戦いが実現し、再び勢いを取り戻そうとチーム一丸となって準備を進めることとなった。なお、前日には専有走行、フリー走行が各1時間行われており、その中で気温、路面コンディションに見合うタイヤの使い方はじめ、クルマのセットアップ作業を精力的に行っている。
午前10時15分、気温21度、路面温度25度と予想以上に暖かな天気になり、すっきりと晴れ渡る空の下でノックアウト予選がスタート。今大会でも予選Q1をA、Bの二組に分けることになり、KONDO RACINGではサッシャ・フェネストラズ選手がA組に出走する。早々にコースインするライバルに対し、ややタイミングをずらして遅めにピットを離れたフェネストラズ選手。アウトラップのみで一旦ピットインし、微調整を加えて再度コースへ。10分間のセッションが進み、残り3分を切る頃から本格的なアタックが始まると、フェネストラズ選手もこれに続く。ところがその真っ只中、1台の車両が最終コーナーでスピンを喫し、コースアウト。激しくクラッシュした車両がコース上に留まったことでセッションは赤旗中断となる。この時点で残された時間は14秒。このとき、アタック中だったフェネストラズ選手はそのタイムが計測されないまま、一旦ピットにクルマを戻すこととなった。およそ10分後にセッションは再開。3分間の時間が設けられ、改めてアタックに挑んだフェネストラズ選手はユーズドタイヤでの出走を敢行。1分25秒857のベストタイムをマークし、6番手でQ2進出を果たした。
続いて予選Q1・B組に出走した山下健太選手。早めにコースインした山下選手はゆっくりとタイヤを温め、アタックラップへと入る。ところが、A組同様に今回も1台の車両が同じ場所でクラッシュ。またも赤旗中断という事態に見舞われた。山下選手もアタックラップを終えておらず、またも再開後にユーズドタイヤでアタックを行い、7番手となる1分25秒582のベストタイムでQ2へと駒を進めた。
なお、季節が進み、低気温での予選実施となることを踏まえて今大会から予選Q2、Q3の時間が通常の7分から10分へと延長されることに。そんな中、KONDO RACINGは2台揃って少し遅いタイミングでコースインし、アタックに挑んだ。残り時間3分を切り、各車がタイムアップを始めると、フェネストラズ選手が1分24秒873で暫定4位へ浮上。一方の山下選手は1分25秒193と今ひとつタイムが伸びない。加えて、チームの2台がチェッカーを受けた後から続々とライバル達がタイムアップを果たすこととなり、フェネストラズ選手がQ3進出にあと一歩の9番手、そして山下選手は13番手に留まり、残念ながら2人揃ってQ3への進出は果たせなかった。
午前中から眩しい日差しが照りつけるオートポリス。穏やかなレース日和の中、いよいよ決戦が幕を開ける。今大会からフォーメーションラップに2周を要することから、レースは41周での戦いとなる。気温22度、路面温度28度の中、クリーンスタートが切られ、フェネストラズ選手は10位、山下選手はポジションキープの13番手でオープニングラップを終える。そんな中、5周目を走行中のフェネストラズ選手が突然スロー走行となるハプニングが発生。なんとホイールナットが緩み、タイヤが外れるというアクシデントに見舞われていたのだ。結果、左リアタイヤが外れた状態のクルマを懸命にコントロールしていたが、コースのセクター3あたり、上り勾配でついにギブアップ。コース脇に車両を止めて戦列を離れるという悔しい結果になった。
なお、レースはこれを機にセーフティカーがコースイン。7周目から3周に渡ってSCがコースを先導した。10周目からレースが再開すると、このタイミングでルーティンとなるタイヤ交換を行うチームが出始めた。なお、チームでは13周終わりでのピットインを実施。スタッフによる迅速な作業を成功させたことで、コースに復帰した山下選手はピットイン組の中で4番手へとジャンプアップすることになる。
周回を重ねる中、1秒以上あった前方の車両との差が縮まる一方、山下選手も後方車両と同じようなペースで追走される形でポジション争いが繰り広げられる。だが、完全な射程距離に追い詰めて攻防戦に持ち込むまでには至らず。終盤を迎え、ピットインを済ませていなかった車両3台が続々と作業のために一旦コースを離れたが、復帰後はその内の1台が2番手でコース復帰を果たしたため、山下選手は5位でチェッカー。予選13番手から大きくポジションを上げるパフォーマンスでオートポリス戦を終えた。
コロナ禍で開催スケジュールが大幅に変更された今シーズンのスーパーフォーミュラ。12月は2大会3レースが待ち受ける。冬の寒さが到来する中で未知の戦いにはなるが、チーム一丸となって力強い走りを見せてくれるに違いない。
11月中旬の時点で第4戦開催となる今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権。11月15日にその決戦が行われた大分・オートポリスは、前日から穏やかな日差しが降り注ぐ快晴となり、絶好のレース日和に恵まれた。なお、今大会も前戦同様に予選、決勝を一日で実施するワンデーレースとして開催されている。
岡山、SUGOの戦いでは思わぬハプニング等で本来の戦闘力を存分に発揮できず、厳しい結果となっているKONDO RACING。シリーズ中盤から後半戦に向かう中、今大会ではなんとしても結果を出していきたいところだ。オートポリスにはWEC最終戦の欠場によって出場が叶った山下健太選手、そしてルーキーながらも目を引く活躍を見せるサッシャ・フェネストラズ選手のレギュラードライバーによる戦いが実現し、再び勢いを取り戻そうとチーム一丸となって準備を進めることとなった。なお、前日には専有走行、フリー走行が各1時間行われており、その中で気温、路面コンディションに見合うタイヤの使い方はじめ、クルマのセットアップ作業を精力的に行っている。
午前10時15分、気温21度、路面温度25度と予想以上に暖かな天気になり、すっきりと晴れ渡る空の下でノックアウト予選がスタート。今大会でも予選Q1をA、Bの二組に分けることになり、KONDO RACINGではサッシャ・フェネストラズ選手がA組に出走する。早々にコースインするライバルに対し、ややタイミングをずらして遅めにピットを離れたフェネストラズ選手。アウトラップのみで一旦ピットインし、微調整を加えて再度コースへ。10分間のセッションが進み、残り3分を切る頃から本格的なアタックが始まると、フェネストラズ選手もこれに続く。ところがその真っ只中、1台の車両が最終コーナーでスピンを喫し、コースアウト。激しくクラッシュした車両がコース上に留まったことでセッションは赤旗中断となる。この時点で残された時間は14秒。このとき、アタック中だったフェネストラズ選手はそのタイムが計測されないまま、一旦ピットにクルマを戻すこととなった。およそ10分後にセッションは再開。3分間の時間が設けられ、改めてアタックに挑んだフェネストラズ選手はユーズドタイヤでの出走を敢行。1分25秒857のベストタイムをマークし、6番手でQ2進出を果たした。
続いて予選Q1・B組に出走した山下健太選手。早めにコースインした山下選手はゆっくりとタイヤを温め、アタックラップへと入る。ところが、A組同様に今回も1台の車両が同じ場所でクラッシュ。またも赤旗中断という事態に見舞われた。山下選手もアタックラップを終えておらず、またも再開後にユーズドタイヤでアタックを行い、7番手となる1分25秒582のベストタイムでQ2へと駒を進めた。
なお、季節が進み、低気温での予選実施となることを踏まえて今大会から予選Q2、Q3の時間が通常の7分から10分へと延長されることに。そんな中、KONDO RACINGは2台揃って少し遅いタイミングでコースインし、アタックに挑んだ。残り時間3分を切り、各車がタイムアップを始めると、フェネストラズ選手が1分24秒873で暫定4位へ浮上。一方の山下選手は1分25秒193と今ひとつタイムが伸びない。加えて、チームの2台がチェッカーを受けた後から続々とライバル達がタイムアップを果たすこととなり、フェネストラズ選手がQ3進出にあと一歩の9番手、そして山下選手は13番手に留まり、残念ながら2人揃ってQ3への進出は果たせなかった。
午前中から眩しい日差しが照りつけるオートポリス。穏やかなレース日和の中、いよいよ決戦が幕を開ける。今大会からフォーメーションラップに2周を要することから、レースは41周での戦いとなる。気温22度、路面温度28度の中、クリーンスタートが切られ、フェネストラズ選手は10位、山下選手はポジションキープの13番手でオープニングラップを終える。そんな中、5周目を走行中のフェネストラズ選手が突然スロー走行となるハプニングが発生。なんとホイールナットが緩み、タイヤが外れるというアクシデントに見舞われていたのだ。結果、左リアタイヤが外れた状態のクルマを懸命にコントロールしていたが、コースのセクター3あたり、上り勾配でついにギブアップ。コース脇に車両を止めて戦列を離れるという悔しい結果になった。
なお、レースはこれを機にセーフティカーがコースイン。7周目から3周に渡ってSCがコースを先導した。10周目からレースが再開すると、このタイミングでルーティンとなるタイヤ交換を行うチームが出始めた。なお、チームでは13周終わりでのピットインを実施。スタッフによる迅速な作業を成功させたことで、コースに復帰した山下選手はピットイン組の中で4番手へとジャンプアップすることになる。
周回を重ねる中、1秒以上あった前方の車両との差が縮まる一方、山下選手も後方車両と同じようなペースで追走される形でポジション争いが繰り広げられる。だが、完全な射程距離に追い詰めて攻防戦に持ち込むまでには至らず。終盤を迎え、ピットインを済ませていなかった車両3台が続々と作業のために一旦コースを離れたが、復帰後はその内の1台が2番手でコース復帰を果たしたため、山下選手は5位でチェッカー。予選13番手から大きくポジションを上げるパフォーマンスでオートポリス戦を終えた。
コロナ禍で開催スケジュールが大幅に変更された今シーズンのスーパーフォーミュラ。12月は2大会3レースが待ち受ける。冬の寒さが到来する中で未知の戦いにはなるが、チーム一丸となって力強い走りを見せてくれるに違いない。
決勝結果
公式予選記録
Pos. | Gr. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | A | 16 | TEAM MUGEN | 野尻 智紀 | R1’25.707 | R1’24.762 | R1’24.140 |
2 | A | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住 仁嶺 | R1’25.152 | R1’24.667 | R1’24.155 |
3 | B | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | R1’24.693 | R1’24.544 | R1’24.257 |
9 | A | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 1’25.857 | R1’24.873 | |
13 | B | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | R1’25.582 | R1’25.193 |
予選通過基準タイム (107%) A:1’30.850 B:1’30.621
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TIME | DELAY |
1 | 16 | TEAM MUGEN | 野尻 智紀 | 41 | 1:07’11.228 | |
2 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | 41 | 1:07’11.892 | 0.663 |
3 | 65 | TCS NAKAJIMA RACING | 牧野 任祐 | 41 | 1:07’20.964 | 9.735 |
5 | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 41 | 1:07’22.683 | 11.455 |
– | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 4 | 6’11.091 | 37Laps |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1’26.960 41/41 193.496km/h |
No.65は、2020全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第31条6.(スタート手順)違反により、ドライビングスルーペナルティを科した。(裁定時刻 14:53)
No.14は、2020全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第26条9.(ピットレーン出口速度)違反により、ドライビングスルーペナルティを科した。(裁定時刻 15:25)
※No.36の車両は、2020全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第15条1.1),2)違反(危険なドライブ。行為)により、ドライブスルーのペナルティを科した (裁定時刻 15:06)
山下 健太選手のコメント
決勝結果は5位ですが、僕自身はあまり何をしたわけでもなく…という感じです。ピット作業と戦略でこのポジションを得られたので、”ありがとうございます”という思いですね。
予選Q1はアタックに出るタイミングが一番遅かったんです。なので結果としてまだセクター2手前で赤旗が出たので、さほどタイヤを使わずにピットへ戻りました。なのでユーズドタイヤでのアタックができました。一方、Q2で落ちたのは…実力です。今回はセクター3が遅くて今週末を通してずっと悩みました。ただ、改善すべきところはわかったいたのですが解消するまでにはいかなかったですね。色々と試したにも関わらず、まだはっきりしていないので気がかりです。決勝もペースとして上がらず、苦戦しました。状況的にも前が詰まっていたこともあり、速さも出せませんでした。何度か抜こうと仕掛けてはみましたが、うまく行きませんでした。
今日の戦いは精一杯でやった結果でしたが、残りの鈴鹿と富士ではどうなるか。ホンダ勢が速さを見せてきているのが気がかりですが、残り3戦でしっかりと頑張っていきたいと思います。
予選Q1はアタックに出るタイミングが一番遅かったんです。なので結果としてまだセクター2手前で赤旗が出たので、さほどタイヤを使わずにピットへ戻りました。なのでユーズドタイヤでのアタックができました。一方、Q2で落ちたのは…実力です。今回はセクター3が遅くて今週末を通してずっと悩みました。ただ、改善すべきところはわかったいたのですが解消するまでにはいかなかったですね。色々と試したにも関わらず、まだはっきりしていないので気がかりです。決勝もペースとして上がらず、苦戦しました。状況的にも前が詰まっていたこともあり、速さも出せませんでした。何度か抜こうと仕掛けてはみましたが、うまく行きませんでした。
今日の戦いは精一杯でやった結果でしたが、残りの鈴鹿と富士ではどうなるか。ホンダ勢が速さを見せてきているのが気がかりですが、残り3戦でしっかりと頑張っていきたいと思います。
サッシャ・フェネストラズ選手のコメント
日の決勝での出来事は実にアンラッキーでした。レースではスタートをしっかりと決めて、1コーナーまではうまく行きました。それだけに今回のトラブルは残念です。
Q1は赤旗が出たあとに再度アタックをして通過することができました。続くQ2ではライバルたちと比べてやや速さが足りなかったということですね。実際、(Q3進出できる8番手との差は)0.04秒と僅差でした。総体的に他車よりも速さが足りていなかったので、おそらくQ3に進出したとしても同じような結果だったと思います。また次の鈴鹿、最終戦の富士に向けてエンジニアとしっかり話をしてクルマを作っていきたいですね。
Q1は赤旗が出たあとに再度アタックをして通過することができました。続くQ2ではライバルたちと比べてやや速さが足りなかったということですね。実際、(Q3進出できる8番手との差は)0.04秒と僅差でした。総体的に他車よりも速さが足りていなかったので、おそらくQ3に進出したとしても同じような結果だったと思います。また次の鈴鹿、最終戦の富士に向けてエンジニアとしっかり話をしてクルマを作っていきたいですね。
エンジニアのコメント
【3号車】
予選Q1ではコースインのタイミングが結構遅かったので、赤旗が提示されたときにはまだセクター1を通過しただけでした。タイヤとしてもまだフレッシュ(なコンディション)に近いものでした。一方、再開後の時間は残り3分だったので、それでは計測1周でのアタックになるし、またその状況でニュータイヤを装着しての1ラップアタックは練習もしておらず、本当にいけるかどうかもわからなかったので、それを考えてもユーズドで行くほうがいいと判断しました。Q2に向けては微調整に留まりましたが、それよりも流れ含めて今週はあまり調子が良くなく、足りない部分が出てしまいました。決勝はもともとピットインのタイミングを引っ張る方向でスタートを切りました。SCが入った段階でのピットインとなり、そこでの作業が早かったですね。それでポジションを上げることができました。良かったです。終盤にかけては4台ほどで僅差の走りになりましたが、抜くことは難しかったと思います。できれば4位でチェッカーを受けられたら良かったのですが、最後までピットインを伸ばしてペースアップしていた1台に先行されてしまったのは残念でした。SUGO戦から今回にかけてまだ悩んでいる点があるのですが、次の鈴鹿までの間に色々と考えて直していけたらと思います。
【4号車】
決勝でのハプニングはホイールナットが緩んだ結果でした。何らかの原因でそうなったようです。追い上げ中のドライバーにとっては残念な結果でした。予選に関して一点挙げるとすれば、少し異なるセットアップでのアタックができなかったこと。そこが心残りです。コースのセクター1、2での速さが足りなかったのでそれを改善したかったのですが、特にセクター2でアンダーステアが出てしまい、タイムにつながらなかった様に思います。Q1の赤旗後、ユーズドでのアタックを継続したのは、あの時点でニュータイヤに交換したところでタイムアップできる気がしなかったからです。それはドライバーも同じ思いでした。Q2は僅差で突破できずに残念ですが、これは今のこのカテゴリーを象徴した結果だと思います。決勝に向けては、土曜日の専有走行やフリー走行を使ってロングランをやるなど、準備はできていました。