Race Report – 第5戦 第6戦 鈴鹿サーキット
第5戦 予選・決勝(12月5日・晴れ/ドライ)
予選・決勝レポート
■第5戦鈴鹿、波乱の展開をダブル入賞で終える
コロナ禍で開催スケジュールが大幅に遅れた今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権。第5戦の戦いが三重県・鈴鹿サーキットにて行われた。なお、今大会は連日の決戦が開催予定となっており、12月5日に第5戦、そして翌6日に第6戦がともにワンデーレース形式にて実施される。スタートダッシュでシーズン開幕を迎えたKONDO RACING。だが、レース中盤はレーシングアクシデント等、予想だにしないハプニングによって思うような結果を残せない流れが続いた。そんな中、迎えた鈴鹿大会。12月を迎え、季節的にも寒さが戦いに影響するだけに様々な要素を味方につけた戦いが求められる。
金曜日には、午前と午後に各1時間の走行時間が設けられ、ユーズドタイヤを中心にクルマのセットアップやロングラン等、粛々とメニューに取り組み、土曜日からの準備に勤しむこととなった。そんな中、午後からのフリー走行では、No.3 山下健太選手が1分36秒691、No.4 サッシャ・フェネストラズ選手が1分36秒490の自己ベストをマークしている。なお、今大会から低路面温度での走行を考慮し、タイヤへの加熱が認められることになった。結果、ピット内でジェットヒーター等の暖気システムを利用してタイヤを温めることが可能となったため、その活用法も含めて検討を重ねていった。
迎えた第5戦の予選。朝から日差しに恵まれる冬日和となり、午前9時10分からノックアウト予選がスタートする。気温15℃、路面温度16℃のコンディションの中、今回もQ1はA、Bの二組に分けて実施され、KONDO RACINGではA組にフェネストラズ選手、B組に山下選手が出走することになった。
A組のセッションが始まると、フェネストラズ選手はすぐにコースイン。アウトラップを終えて、2周目にピットへと戻ってアタックに向けての最終準備を進めた。残り3分を切った時点でニュータイヤを装着して再びコースへ。アウトラップでタイヤをしっかり温め、その翌周にアタックを開始。各セクターで自己ベストタイムを刻みつつ、マークしたタイムは1分36秒029。暫定的にトップへ躍り出たが、続々と後続車両がこのタイムを上回ったことにより、フェネストラズ選手は8番手でチェッカーに。上位7台がQ2進出となるため、惜しくもわずか0.112秒差で第5戦の予選を終えることとなった。
一方、山下選手はB組に出走。アウトラップ後、1周を走行し、3周目にピットインする。残り3分を迎える前にコースへと向かった山下選手は、計測1周目で自己ベストタイムとなる1分36秒333をマーク。続く周もアタックを続けたが、このタイムを縮めることができずにセッションを終了。フェネストラズ選手同様、7番手に対し0.156秒差の8番手となり、Q2進出は果たせなかった。結果、KONDO RACINGでは、フェネストラズ選手が15位、山下選手は16位から30周の決戦を迎える。
穏やかな日差しに恵まれた鈴鹿サーキット。午後からも安定した天候となり、午後1時15分、30周、180kmの戦いが幕を開ける。今回もフォーメーションラップに2周を費やす形でのスタートが切られたが、コース上で1台の車両がスローダウンし、停車。この車両回収に時間を要し、さらに2周のフォーメーションラップが行われ、結果レースは28周での戦いとなった。前日の走行、そして予選でオーバーステアに苦しんだ山下選手は、決勝に向けて、また明日の第6戦に向けての足がかりを見つけようと敢えて大幅にセットアップを変更する。
レースはオープニングラップから波乱の様相を見せる。まずダンロップコーナーで1台の車両がコースアウト、これにより5周終了までセーフティカーが導入された。その後、山下選手は13位、フェネストラズ選手が14位でリスタート、7周目に山下選手が1コーナーで前方車両を逆転し12位へとポジションを上げたが、逆にフェネストラズ選手はポジションを一つ落としてしまう。実のところ、フェネストラズ選手の車両にはメカニカルトラブルが発生しており、正常なコンディションでの走行が難しい状態だったことがレース後に発覚。結果としてレースを不安定なクルマでドライブすることを強いられていた。
ルーティンのピットインをレース中盤以降に予定していたKONDO RACING。片や、ライバルたちは10周を過ぎて続々とピットインしており、その状況で可能な限りペースアップして”見えない敵”との戦いに挑みながらピットインのタイミングを伺っていた。そんな中、18周目の130Rで1台の車両がクラッシュ。2度目のセーフティカーランになったことから、チームでは19周目を終えた時点で2台揃ってのピットインを決行する。なおこの時、山下選手の前を走る1台がスローパンクチャーを抱えながら走行。しかし、130Rのアクシデントによって黄旗が提示されていたために、山下選手、その後方にいたフェネストラズ選手は苦渋のスローダウンを強いられてのピットインとなった。
ところが2台ともピット作業で時間を要したことで、コース復帰を済ませると、後続の2台に先行されてしまう結果が待っていた。これでまたしても山下選手13位、フェネストラズ選手14位と振り出しに戻る形で後半を戦うことになる。ところがまだ波乱は続く。セーフティカー導入が22周で終了、23周目にリスタートするも、その周に早速4台が絡む大混戦となり1コーナーから2コーナーにかけて2台が激しくクラッシュ。なんと、24周目にまたもセーフティカーがコースインする。翌周、残る1台がピットへ戻るなど、予期せぬ展開が最後まで続いた。レースは27周目にリスタートしたが、残り2周となり、KONDO RACINGの2台にとっては存分な戦いもできないままチェッカーを迎える結果となる。しかし、多くのアクシデントをかいくぐったことで山下選手が9位、そしてフェネストラズ選手が10位となり、久々に2台揃って入賞を果たすこととなった。
明日の第6戦もほぼ同じスケジュールでの実施となるが、Q2、Q3進出を目指し、まずは予選から快進撃を目指していく。
金曜日には、午前と午後に各1時間の走行時間が設けられ、ユーズドタイヤを中心にクルマのセットアップやロングラン等、粛々とメニューに取り組み、土曜日からの準備に勤しむこととなった。そんな中、午後からのフリー走行では、No.3 山下健太選手が1分36秒691、No.4 サッシャ・フェネストラズ選手が1分36秒490の自己ベストをマークしている。なお、今大会から低路面温度での走行を考慮し、タイヤへの加熱が認められることになった。結果、ピット内でジェットヒーター等の暖気システムを利用してタイヤを温めることが可能となったため、その活用法も含めて検討を重ねていった。
迎えた第5戦の予選。朝から日差しに恵まれる冬日和となり、午前9時10分からノックアウト予選がスタートする。気温15℃、路面温度16℃のコンディションの中、今回もQ1はA、Bの二組に分けて実施され、KONDO RACINGではA組にフェネストラズ選手、B組に山下選手が出走することになった。
A組のセッションが始まると、フェネストラズ選手はすぐにコースイン。アウトラップを終えて、2周目にピットへと戻ってアタックに向けての最終準備を進めた。残り3分を切った時点でニュータイヤを装着して再びコースへ。アウトラップでタイヤをしっかり温め、その翌周にアタックを開始。各セクターで自己ベストタイムを刻みつつ、マークしたタイムは1分36秒029。暫定的にトップへ躍り出たが、続々と後続車両がこのタイムを上回ったことにより、フェネストラズ選手は8番手でチェッカーに。上位7台がQ2進出となるため、惜しくもわずか0.112秒差で第5戦の予選を終えることとなった。
一方、山下選手はB組に出走。アウトラップ後、1周を走行し、3周目にピットインする。残り3分を迎える前にコースへと向かった山下選手は、計測1周目で自己ベストタイムとなる1分36秒333をマーク。続く周もアタックを続けたが、このタイムを縮めることができずにセッションを終了。フェネストラズ選手同様、7番手に対し0.156秒差の8番手となり、Q2進出は果たせなかった。結果、KONDO RACINGでは、フェネストラズ選手が15位、山下選手は16位から30周の決戦を迎える。
穏やかな日差しに恵まれた鈴鹿サーキット。午後からも安定した天候となり、午後1時15分、30周、180kmの戦いが幕を開ける。今回もフォーメーションラップに2周を費やす形でのスタートが切られたが、コース上で1台の車両がスローダウンし、停車。この車両回収に時間を要し、さらに2周のフォーメーションラップが行われ、結果レースは28周での戦いとなった。前日の走行、そして予選でオーバーステアに苦しんだ山下選手は、決勝に向けて、また明日の第6戦に向けての足がかりを見つけようと敢えて大幅にセットアップを変更する。
レースはオープニングラップから波乱の様相を見せる。まずダンロップコーナーで1台の車両がコースアウト、これにより5周終了までセーフティカーが導入された。その後、山下選手は13位、フェネストラズ選手が14位でリスタート、7周目に山下選手が1コーナーで前方車両を逆転し12位へとポジションを上げたが、逆にフェネストラズ選手はポジションを一つ落としてしまう。実のところ、フェネストラズ選手の車両にはメカニカルトラブルが発生しており、正常なコンディションでの走行が難しい状態だったことがレース後に発覚。結果としてレースを不安定なクルマでドライブすることを強いられていた。
ルーティンのピットインをレース中盤以降に予定していたKONDO RACING。片や、ライバルたちは10周を過ぎて続々とピットインしており、その状況で可能な限りペースアップして”見えない敵”との戦いに挑みながらピットインのタイミングを伺っていた。そんな中、18周目の130Rで1台の車両がクラッシュ。2度目のセーフティカーランになったことから、チームでは19周目を終えた時点で2台揃ってのピットインを決行する。なおこの時、山下選手の前を走る1台がスローパンクチャーを抱えながら走行。しかし、130Rのアクシデントによって黄旗が提示されていたために、山下選手、その後方にいたフェネストラズ選手は苦渋のスローダウンを強いられてのピットインとなった。
ところが2台ともピット作業で時間を要したことで、コース復帰を済ませると、後続の2台に先行されてしまう結果が待っていた。これでまたしても山下選手13位、フェネストラズ選手14位と振り出しに戻る形で後半を戦うことになる。ところがまだ波乱は続く。セーフティカー導入が22周で終了、23周目にリスタートするも、その周に早速4台が絡む大混戦となり1コーナーから2コーナーにかけて2台が激しくクラッシュ。なんと、24周目にまたもセーフティカーがコースインする。翌周、残る1台がピットへ戻るなど、予期せぬ展開が最後まで続いた。レースは27周目にリスタートしたが、残り2周となり、KONDO RACINGの2台にとっては存分な戦いもできないままチェッカーを迎える結果となる。しかし、多くのアクシデントをかいくぐったことで山下選手が9位、そしてフェネストラズ選手が10位となり、久々に2台揃って入賞を果たすこととなった。
明日の第6戦もほぼ同じスケジュールでの実施となるが、Q2、Q3進出を目指し、まずは予選から快進撃を目指していく。
公式予選記録
Pos. | Gr. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | A | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | R1’35.153 | R1’35.055 | R1’34.533 |
2 | B | 16 | TEAM MUGEN | 野尻 智紀 | 1’36.177 | R1’35.155 | R1’34.648 |
3 | B | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住 仁嶺 | R1’35.601 | R1’35.393 | R1’34.809 |
15 | A | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 1’36.029 | ||
16 | B | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 1’36.333 |
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TIME | DELAY |
1 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 山本 尚貴 | 28 | 1:03’27.718 | |
2 | 36 | VANTELIN TEAM TOM’S | 中嶋 一貴 | 28 | 1:03’29.067 | 1.348 |
3 | 18 | carrozzeria Team KCMG | 国本 雄資 | 28 | 1:03’31.664 | 3.946 |
9 | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 28 | 1:03’34.904 | 7.185 |
10 | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 28 | 1:03’35.672 | 7.954 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1’37.850(27/28)/213.645 km/h |
エキストラフォーメーションラップを行ったため、28周レース(2周減算)とした。
SC導入(1回目): 13:29’06( 0Lap )~13:44’09( 5Laps)
SC導入(2回目): 14:06’52(18Laps)~14:17’40(22Laps)
SC導入(3回目): 14:19’42(23Laps)~14:28’22(26Laps)
スタート時刻 : 13:28’14006
ゴール時刻 : 13:31’33
No.65は、罰金50,000円 (国際モータースポーツ競技規則 付則H項 2.5.4.1 c) (ウォームアップ走行時のチェッカー無視))
No.15は、競技結果に40秒加算、ペナルティーポイント3点を加算 (全日本スーパーフォーミュラ統一規則第15条1.1)(危険なドライブ行為))
山下 健太選手のコメント
前日の専有走行、フリー走行の時点からオーバーステアが問題になっており、それを解決すべく色々と取り組んでやってきました。でも時間内で直らず…。その結果がQ1落ちだったと思います。ただ、決勝に向けてセットアップを大胆に変更しました。意外とペースは悪くなかったので、明日の戦いに向けてはいい兆しが見えたのではないかと思っています。
Q1ではアタックラップ2周のような感じのタイムが出ていましたが、アタックラップ自体は基本的に1周しかないと思って走ってました。ただ、時間的にもう1アタックできる感じだったので、走った、という状況でした。今大会からタイヤを温めることができたのですが、しっかりとタイヤに熱を入れてコースインすれば、うまく使うことはできました。それだけにタイムを伸ばせず残念でした。
最初のセーフティカー(SC)ラン明けにポジションを上げて、前のクルマを追う状態だったのですが、2度目のSCになってピットインする直前、目の前の車両がパンクしてスローダウンしてしまったのに付き合う形になってタイムロスしてしまいました。結果、ピット作業もそうですが、コースに復帰したらポジションをまた落としてしまいました。6位入賞もあったかと思うと悔しいですね。最後の最後も前のクルマを抜きたかったのですが、結果としては時間足らずでした。結局、予選でQ1落ちしたのがすべての原因。なので、明日のレースではなんとしてもQ2進出を意識して戦いたいですね。
Q1ではアタックラップ2周のような感じのタイムが出ていましたが、アタックラップ自体は基本的に1周しかないと思って走ってました。ただ、時間的にもう1アタックできる感じだったので、走った、という状況でした。今大会からタイヤを温めることができたのですが、しっかりとタイヤに熱を入れてコースインすれば、うまく使うことはできました。それだけにタイムを伸ばせず残念でした。
最初のセーフティカー(SC)ラン明けにポジションを上げて、前のクルマを追う状態だったのですが、2度目のSCになってピットインする直前、目の前の車両がパンクしてスローダウンしてしまったのに付き合う形になってタイムロスしてしまいました。結果、ピット作業もそうですが、コースに復帰したらポジションをまた落としてしまいました。6位入賞もあったかと思うと悔しいですね。最後の最後も前のクルマを抜きたかったのですが、結果としては時間足らずでした。結局、予選でQ1落ちしたのがすべての原因。なので、明日のレースではなんとしてもQ2進出を意識して戦いたいですね。
サッシャ・フェネストラズ選手のコメント
ようやく今回レースで完走ができました。そのこと自体は良かったし、うれしいのですが、一方でその結果自体は正直喜ばしいものではありませんでした。レースは極めて難しい状態で走ることを求められました。ウォームアップ走行の時点でクルマのメカニカルトラブルが発生しており、もうその状況で部品交換等はもうできない状態でした。レース中はひどいアンダーステアに悩まされての走行となり、大変だったし、残念でした。その中でレースができたのは確かに勉強にもなりましたが、レース中のピットインや戦略についても、さらに検討する必要があるとも感じました。
今日の予選と決勝を踏まえ、明日の予選では異なるアプローチができれば、と思います。Q1を突破してQ2に進出するためには明日の予選はQ1の時点でニュータイヤを2セット投入してアタックするものいいのでは、と考えています。いずれにせよ、今日よりもいいクルマを準備して、いい結果を残せるようにがんばります!
今日の予選と決勝を踏まえ、明日の予選では異なるアプローチができれば、と思います。Q1を突破してQ2に進出するためには明日の予選はQ1の時点でニュータイヤを2セット投入してアタックするものいいのでは、と考えています。いずれにせよ、今日よりもいいクルマを準備して、いい結果を残せるようにがんばります!
エンジニアのコメント
【3号車】
鈴鹿に今回のクルマのセットがあまり合っていませんでしたね。比較的チームのデータをベースにしたものを持ち込んできたところ、あまりうまくいかないという感じでした。昨日の走行でも思うようなポジションにつけられなかったので、そういう結果になるかも…と思っていました。一方、タイヤの温め方に関してはどこもきちんと使っていたような、いなかったような…そんな感じだったと思います。タイヤの内圧管理含め、難しかったですね。アタックでも計測1周目、2周目とチームによって分かれていましたし。ただチームとしては1周目で行けると読んで、アタックしてもらいました。ウォームアップ自体は問題なかったと思いますが、タイムが伸びませんでした。
レースに向けて、クルマはセットを大きく変えました。明日にも響くので、という思いで急な変更でしたが、思った以上にいい走りができました。ただレースになれば誰かれ前を走るので、どうしても難しい部分があるし。今回はセーフティカーも多く、よくわからない展開でもありました。明日はまた状態がどう変わるか正直わかりませんが、今日の予選とは異なるセットでのアタックに挑みます。
【4号車】
レースではホンダエンジンの強さが目立つ結果となりました。4号車は前日の練習走行でロングランをして、ペースも良かったので期待していたのですが…。タイヤウォーマーを使った形でのアタックということもあり、ドライバーも苦戦したかもしれません。予選結果は厳しいものになりました。一方、実のところレース前にクルマにメカニカルトラブルが出ており、それを抱えた状態で出走することになったのが一番大変でした。それを考えると予選からすでに不調をきたしていたのかもしれません。決勝直前の8分間のウォームアップで、ドライバーから何かがおかしい、というインフォメーションをもらっていたのですが、その時点でトラブルはまだ明確なものではなく、タイヤの内圧に問題があると考えられていました。その状態でレースをしたことでペースも上がらず、厳しい展開になりました。また、ピットイン前にはセーフティカー走行中に前を走る他車がタイヤをパンクさせてしまったことでペースを落とさざるを得ない状態になっており、加えて、ピット作業でもミスが出て時間がかかり、結果、ポジションを下げた形でレースに復帰することになりました。今回、ようやく完走できたのが救いでした。
明日のレースに向けてはトラブルも判明したことなので、なんとか今日突破できなかったQ1を経て、Q2でのアタックに挑んでもらえたらと思います。
第6戦 予選・決勝(12月6日・晴れ/ドライ)
決勝レポート
第6戦鈴鹿、山下選手が意地の走りを披露し6位入賞
今シーズン初となるダブルヘッダーでのレース開催を迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権。前日に続き、12月6日には第6戦の予選、決勝がワンデーレースにて実施された。
朝から明るい日差しが照りつけ、寒いながらもレース観戦日和に恵まれた鈴鹿では、朝のノックアウト予選から壮絶なアタック合戦が繰り広げられ、KONDO RACINGも前日のデータをベースに新たなチャレンジに挑むこととなった。
午前9時15分からスタートしたノックアウト予選。まず、Q1・A組にNo.4 サッシャ・フェネストラズ選手が出走する。気温13℃、路面温度15℃と前日よりやや低い数字を刻む中、フェネストラズ選手はセッション開始とともにピットを離れ、コースに向かった。アウトラップでしっかりとタイヤを温めたフェネストラズ選手は早速アタックに挑み、まず最初のアタックラップで1分35秒983をマークしてトップに立つ。翌周にピットインすると、2セット目のニュータイヤを装着して再度アタックへ。そして、アウトラップ後は各セクターで確実に自己ベストタイムを更新し、1分35秒560をマーク。改めてトップを奪い、Q1・A組を1位で通過した。
一方、No.3 山下健太選手はQ1・B組に出走。開始と同時にピットを離れ、アウトラップでタイヤを温める。翌周のアタックラップでまず1分36秒453をマークすると、翌周にはピットイン。フェネストラズ選手同様にニュータイヤを装着し、コースへと舞い戻った。アウトラップを経て、挑んだアタックラップでは自己タイム更新となる1分35秒797をマークする。しかし、あとからアタックを行なったライバルたちが続々とタイムを更新。これにより、山下選手はQ1・B組を9番手で終了。Q2へは僅か0.112秒差で進出が叶わなかった。
フェネストラズ選手のみの出走となったQ2。午前9時55分から10分間でのアタックとなる。開始とともにコースに向かってアウトラップを終了、翌周に1分37秒台のタイムを刻むとピットへ一旦クルマを戻した。そして、残り時間4分を切ってニュータイヤへと交換したフェネストラズ選手は、ラストアタックへ。1分35秒632の自己ベストタイムをマークして4番手につけたが、その直後からライバルたちも好タイムを叩き出し、ポジションが激変。結果、12番手でQ2を終え、残念ながらQ3へは駒を進めることができなかった。
慌ただしい2日間のスケジュールもいよいよ午後1時15分からの戦いを持ってファイナルを迎える。その前には8分間のウォームアップ走行が行われ、KONDO RACINGではポジションアップの戦い目指し、最終確認を進めていく。なお、今日の予選を前に、予選3位、予選15位のクルマがエンジン交換を行なったことによってグリッドが降格。これにより、フェネストラズ選手は11位、山下選手は16位からスタートを切ることになった。
フォーメーションラップ2周後に決戦の幕が上がると、クリアスタートを決めたKONDO RACINGの2台が攻めの走りで、フェネストラズ選手が10位、山下選手は11位へとポジションを上げてオープニングラップを終了する。勢いに乗る2台だったが、2周目のシケイン進入で前方車両を抜こうとフェネストラズ選手が急接近、だがイン側にいた車両がアウト側にラインを取ったことで2台が接触。その反動で挙動が乱れてコースアウト、クラッシュパッドへと追いやれてしまった。激しく車両を傷めたフェネストラズ選手は不運にもレースをリタイヤ。前日に続く入賞の機会が惜しくも断たれてしまった。
なお、このクラッシュを受けてセーフティカーがコースイン。6周終了までレースがコントロールされる。7周目にリスタートを前に、前方の車両がマシントラブルでピットイン。これで8番手になった山下選手だったが、シケインでは後方車両とのテール・トゥ・ノーズで先行を許してしまう。ところがその直後、トップの車両にマシントラブルが発生。1コーナー先でそのまま停止してしまった。さらに上位のクルマにタイヤトラブルが発生。結果、山下選手は7番手にポジションを上げて周回を続けていくことになる。そんな中、停車した車両回収のためにレースはまたしてもセーフティカーランが導入され、そのままルーティンのタイヤ交換が可能となる10周を終了。トップ車両も含め山下選手もピットインを行い、タイヤ交換を済ませてコースに復帰した。
ステイアウトした2台がトップ2を走る中、8位で周回を続けて背後からの猛追をかわす山下選手。16周目には後方との差が0.171秒まで縮まったが、オーバーテイクシステムをディフェンスとして用いて応戦。そうこうするうちに、後方の車両は第6戦だけ採用された200秒のOTSシステムを使い果たしてしまう。その中で、レースは19周目に3度目のセーフティカーを迎える。6番手を走行中の1台がタイヤトラブルでスピン、コースアウトを喫したためだ。これにより、またしても後方との攻防戦を強いられることになった山下選手。このタイミングでステイアウトしていた2台がピットインしたことで、6位へとポジションアップしており、なんとしてもこの位置を死守すべく力走を見せる。23周目のリスタート後、翌周のシケインで一度先行を許したがすぐさまメインストレートで再び逆転。ポジションを奪還した。それからは後方の動きを封じ込める意地の走りを披露し、30周終了のチェッカー! タフな戦いを6位で終え、前日から連続で入賞を果たすこととなった。
慌ただしいスケジュールの中、チームとしては存分にパフォーマンスを出しきれず悔しい戦いになった鈴鹿での2レース。残る富士での戦いに向けて改めて周到に準備を進め、2020年最後の決戦に挑むのみだ。
朝から明るい日差しが照りつけ、寒いながらもレース観戦日和に恵まれた鈴鹿では、朝のノックアウト予選から壮絶なアタック合戦が繰り広げられ、KONDO RACINGも前日のデータをベースに新たなチャレンジに挑むこととなった。
午前9時15分からスタートしたノックアウト予選。まず、Q1・A組にNo.4 サッシャ・フェネストラズ選手が出走する。気温13℃、路面温度15℃と前日よりやや低い数字を刻む中、フェネストラズ選手はセッション開始とともにピットを離れ、コースに向かった。アウトラップでしっかりとタイヤを温めたフェネストラズ選手は早速アタックに挑み、まず最初のアタックラップで1分35秒983をマークしてトップに立つ。翌周にピットインすると、2セット目のニュータイヤを装着して再度アタックへ。そして、アウトラップ後は各セクターで確実に自己ベストタイムを更新し、1分35秒560をマーク。改めてトップを奪い、Q1・A組を1位で通過した。
一方、No.3 山下健太選手はQ1・B組に出走。開始と同時にピットを離れ、アウトラップでタイヤを温める。翌周のアタックラップでまず1分36秒453をマークすると、翌周にはピットイン。フェネストラズ選手同様にニュータイヤを装着し、コースへと舞い戻った。アウトラップを経て、挑んだアタックラップでは自己タイム更新となる1分35秒797をマークする。しかし、あとからアタックを行なったライバルたちが続々とタイムを更新。これにより、山下選手はQ1・B組を9番手で終了。Q2へは僅か0.112秒差で進出が叶わなかった。
フェネストラズ選手のみの出走となったQ2。午前9時55分から10分間でのアタックとなる。開始とともにコースに向かってアウトラップを終了、翌周に1分37秒台のタイムを刻むとピットへ一旦クルマを戻した。そして、残り時間4分を切ってニュータイヤへと交換したフェネストラズ選手は、ラストアタックへ。1分35秒632の自己ベストタイムをマークして4番手につけたが、その直後からライバルたちも好タイムを叩き出し、ポジションが激変。結果、12番手でQ2を終え、残念ながらQ3へは駒を進めることができなかった。
慌ただしい2日間のスケジュールもいよいよ午後1時15分からの戦いを持ってファイナルを迎える。その前には8分間のウォームアップ走行が行われ、KONDO RACINGではポジションアップの戦い目指し、最終確認を進めていく。なお、今日の予選を前に、予選3位、予選15位のクルマがエンジン交換を行なったことによってグリッドが降格。これにより、フェネストラズ選手は11位、山下選手は16位からスタートを切ることになった。
フォーメーションラップ2周後に決戦の幕が上がると、クリアスタートを決めたKONDO RACINGの2台が攻めの走りで、フェネストラズ選手が10位、山下選手は11位へとポジションを上げてオープニングラップを終了する。勢いに乗る2台だったが、2周目のシケイン進入で前方車両を抜こうとフェネストラズ選手が急接近、だがイン側にいた車両がアウト側にラインを取ったことで2台が接触。その反動で挙動が乱れてコースアウト、クラッシュパッドへと追いやれてしまった。激しく車両を傷めたフェネストラズ選手は不運にもレースをリタイヤ。前日に続く入賞の機会が惜しくも断たれてしまった。
なお、このクラッシュを受けてセーフティカーがコースイン。6周終了までレースがコントロールされる。7周目にリスタートを前に、前方の車両がマシントラブルでピットイン。これで8番手になった山下選手だったが、シケインでは後方車両とのテール・トゥ・ノーズで先行を許してしまう。ところがその直後、トップの車両にマシントラブルが発生。1コーナー先でそのまま停止してしまった。さらに上位のクルマにタイヤトラブルが発生。結果、山下選手は7番手にポジションを上げて周回を続けていくことになる。そんな中、停車した車両回収のためにレースはまたしてもセーフティカーランが導入され、そのままルーティンのタイヤ交換が可能となる10周を終了。トップ車両も含め山下選手もピットインを行い、タイヤ交換を済ませてコースに復帰した。
ステイアウトした2台がトップ2を走る中、8位で周回を続けて背後からの猛追をかわす山下選手。16周目には後方との差が0.171秒まで縮まったが、オーバーテイクシステムをディフェンスとして用いて応戦。そうこうするうちに、後方の車両は第6戦だけ採用された200秒のOTSシステムを使い果たしてしまう。その中で、レースは19周目に3度目のセーフティカーを迎える。6番手を走行中の1台がタイヤトラブルでスピン、コースアウトを喫したためだ。これにより、またしても後方との攻防戦を強いられることになった山下選手。このタイミングでステイアウトしていた2台がピットインしたことで、6位へとポジションアップしており、なんとしてもこの位置を死守すべく力走を見せる。23周目のリスタート後、翌周のシケインで一度先行を許したがすぐさまメインストレートで再び逆転。ポジションを奪還した。それからは後方の動きを封じ込める意地の走りを披露し、30周終了のチェッカー! タフな戦いを6位で終え、前日から連続で入賞を果たすこととなった。
慌ただしいスケジュールの中、チームとしては存分にパフォーマンスを出しきれず悔しい戦いになった鈴鹿での2レース。残る富士での戦いに向けて改めて周到に準備を進め、2020年最後の決戦に挑むのみだ。
公式予選記録
Pos. | Gr. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | B | 1 | VANTELIN TEAM TOM’S | ニック・キャシディ | 1’35.598 | 1’34.763 | R1’34.442 |
2 | B | 65 | TCS NAKAJIMA RACING | 大湯 都史樹 | 1’34.924 | 1’34.925 | 1’34.624 |
3 | B | 15 | TEAM MUGEN | 笹原 右京 | 1’35.509 | 1’35.134 | 1’34.871 |
12 | A | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 1’35.560 | 1’35.632 | |
17 | B | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 1’35.797 |
No.15, 50 10グリッド降格とする。(全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第24条2.4)②(エンジン交換))
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TIME | DELAY |
1 | 65 | TCS NAKAJIMA RACING | 大湯 都史樹 | 30 | 1:02’59.044 | 1:02’59.044 |
2 | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住 仁嶺 | 30 | 1:02’59.506 | 1:02’59.506 |
3 | 19 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 関口 雄飛 | 30 | 1:03’09.493 | 1:03’09.493 |
6 | 3 | KONDO RACING | 山下 健太 | 30 | 1:03’15.809 | 1:03’15.809 |
4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 1 | 1’44.792 | 1’44.792 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1’38.805 25/30 211.580 km/h |
No.65は、2020全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第31条6.(スタート手順)違反により、ドライビングスルーペナルティを科した。(裁定時刻 14:53)
No.18は、ドライビングスルーペナルティー(リタイアのため未消化) (全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則 第21条12.(アンセーフリリースによる接触)
山下 健太選手のコメント
土曜日の決勝を終えて、日曜に向けてまたセッティングを大きく変更しました。フィーリングこそ変わりましたが、しかしながら、それがいい方向に向かうことはなくタイムを伸ばすには至りませんでした。結果、Q1止まりになり、厳しいポジションからのスタートになりました。
レース自体は、改めてセットを見直して挑んだのですが、結果としてはレースラップも前日のほうがいい状態でした。ただ、オーバーテイクシステム(OTS)をうまく使いながらポジションを上げることができたり、終始、接近戦を続ける中でも要所要所でOTSを駆使して使えたので、終盤は後続から迫られる状態になりましたが、うまく抑え込むことができました。
今シーズンも残り1レースとなり、富士での戦いに向けてとにかく予選での速さを見つけていきたいと思います。ただ、なにをどうすべきかを見つけるのもそう簡単ではないかと思います。時間はあまりないですが、エンジニアとしっかりとミーティングを重ねてクルマ作りを進めていきたいですね。
レース自体は、改めてセットを見直して挑んだのですが、結果としてはレースラップも前日のほうがいい状態でした。ただ、オーバーテイクシステム(OTS)をうまく使いながらポジションを上げることができたり、終始、接近戦を続ける中でも要所要所でOTSを駆使して使えたので、終盤は後続から迫られる状態になりましたが、うまく抑え込むことができました。
今シーズンも残り1レースとなり、富士での戦いに向けてとにかく予選での速さを見つけていきたいと思います。ただ、なにをどうすべきかを見つけるのもそう簡単ではないかと思います。時間はあまりないですが、エンジニアとしっかりとミーティングを重ねてクルマ作りを進めていきたいですね。
サッシャ・フェネストラズ選手のコメント
今回はQ1でトップタイムをマークすることができて嬉しかったです。残念ながらQ3には進めなかったのですが、今回の状況を考えると、あくまでも自分の考えですがQ2でもQ1同様にニュータイヤを2セット投入してQ3へ進出するのがいいようにも思いました。この戦略であれば最低限でも8位スタートが切れたと思うので…。とはいえ、前日よりもいい予選ができたと思います。
一方で、レースでは運がありませんでした。残念です。2周目に前を走る小林選手に追いついて、シケインで抜こうとアプローチしたのですが、そこで幅寄せにあってしまい…。アウト側に充分なスペースもなかったために押し出されるような形になりました。クラッシュしてしまい、アンラッキーです。今回、クルマも存分に速さがあったことを考えたらレースでいい結果が残せたと思うだけに悔しいですね。最終戦こそいいクルマでしっかりと戦えたらと思います。楽しみにしています。
一方で、レースでは運がありませんでした。残念です。2周目に前を走る小林選手に追いついて、シケインで抜こうとアプローチしたのですが、そこで幅寄せにあってしまい…。アウト側に充分なスペースもなかったために押し出されるような形になりました。クラッシュしてしまい、アンラッキーです。今回、クルマも存分に速さがあったことを考えたらレースでいい結果が残せたと思うだけに悔しいですね。最終戦こそいいクルマでしっかりと戦えたらと思います。楽しみにしています。
エンジニアのコメント
【3号車】
Q1から厳しい状態でしたね。今回、いつも以上にワンデーレースの難しさが立ちはだかりました。昨日の不調を立て直すためにいろいろやりたかったのですが、時間も足りず…。昨日の予選、決勝が良くなかったこともあり、正直今日は難しいかと思ったのですが、次に繋がる”何か”を見つけるためにもトライは続けました。しかしながら、結果としてはあまりうまくいかなかったように思います。クルマは前日の予選から決勝でセットを変え、いいものが見えていたのですが、そこで今日の予選に向けてまたセットを変えて挑んだものの、根本的なズレ、そして今日準備したセットもうまくいかなかったように思います。一方、タイヤも昨日色々やったことを踏まえて対応したのですが、これが正解だったかはわからないです。わからないことだらけで終わってしまったというのが正直なところですね。ダメなりに収穫があればよかったのですが、今のところなんかあまり収穫がダメなりにもないなぁ、と。いまいちよくわかりませんでした。だからこその今回の順位だと思います。
【4号車】
残念なレース結果になりました。予選では、昨日の反省点を活かし、Q1でA組トップタイムをマークする走りを見せることができたのですが、続くQ2ではリアタイヤの内圧が高すぎました。今回は設定がとても難しい状態でした。その辺がうまくいかないと予選上位を狙うのは厳しいと感じました。一方、決勝はクリアスタートを切ったものの、シケインで接触することになり…。ベテランドライバーの意地でしょうか、ルーキーのサッシャにとっては不運でしたね。最終戦の富士では予選でのタイヤの上手な使い方等、しっかりと対策して挑みたいと思います。