Race Report - 第4戦 スポーツランドSUGO
一日目 予選(2017年7月22日・曇/ドライ)
予選レポート
与えられた状況下で好走し、予選6番手を獲得
第3戦オートポリスからはや2ヶ月。第4戦の舞台はスポーツランドSUGO、シリーズにおいて“真夏の三連戦”と呼ばれる厳しい戦いが待ち受ける。これを前に、チームは菅生、鈴鹿での公式テスト、さらには富士でのタイヤメーカーテストに参加。データを収集し、今大会へのセットアップへと繋げて戦いに挑むこととなった。
朝から真夏の厳しい暑さに見舞われたスポーツランドSUGO。公式練習開始を前に、気温はすでに31度を超え、路面温度は40度とタフなコンディションとなる。セッション開始から30分を迎える直前、GT300車両と接触するハプニングが発生。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rをドライブしていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手はピットに戻り、待ち構えたメカニックがフロントパーツを交換、オリベイラ選手から佐々木大樹選手へと交代し、ほどなくしてコースへと復帰した。
セッション後半にはトップタイムをマークするなど、順調な走りを見せたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。最終的に1分12秒505までタイムアップし、3番手でセッションを終えている。
午後に入ると、次第に雲行きが怪しくなったSUGO上空。GT300クラスのQ1前に雨が降り始め、ウェット宣言が出された。だが、その後、本格的な雨になることはなく、ドライコンディションのままGT500クラスのQ1を迎える。しばしピットで待機した後、タイミングを見計らった佐々木選手がコースイン。計測4周目に自己ベストタイムとなる1分12秒136をマークし、7番手に。結果、Q1通過に成功し、オリベイラ選手へと繋いだ。
その後も天気は薄曇りのまま。Q2を迎えてもほぼコンディションは変わらず、アタックチャンスが与えられた8台は12分間のセッションで残り7分を切ったころにピットを離れ、アタックを始めた。オリベイラ選手は1分11秒745をマークし、6番手へ。結果、今シーズンチームベストの予選順位を得ることに成功している。
朝から真夏の厳しい暑さに見舞われたスポーツランドSUGO。公式練習開始を前に、気温はすでに31度を超え、路面温度は40度とタフなコンディションとなる。セッション開始から30分を迎える直前、GT300車両と接触するハプニングが発生。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rをドライブしていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手はピットに戻り、待ち構えたメカニックがフロントパーツを交換、オリベイラ選手から佐々木大樹選手へと交代し、ほどなくしてコースへと復帰した。
セッション後半にはトップタイムをマークするなど、順調な走りを見せたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。最終的に1分12秒505までタイムアップし、3番手でセッションを終えている。
午後に入ると、次第に雲行きが怪しくなったSUGO上空。GT300クラスのQ1前に雨が降り始め、ウェット宣言が出された。だが、その後、本格的な雨になることはなく、ドライコンディションのままGT500クラスのQ1を迎える。しばしピットで待機した後、タイミングを見計らった佐々木選手がコースイン。計測4周目に自己ベストタイムとなる1分12秒136をマークし、7番手に。結果、Q1通過に成功し、オリベイラ選手へと繋いだ。
その後も天気は薄曇りのまま。Q2を迎えてもほぼコンディションは変わらず、アタックチャンスが与えられた8台は12分間のセッションで残り7分を切ったころにピットを離れ、アタックを始めた。オリベイラ選手は1分11秒745をマークし、6番手へ。結果、今シーズンチームベストの予選順位を得ることに成功している。
公式予選記録
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/小林 崇志 | 1'11.579 | 1'10.915 | 6 |
2 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 1'11.869 | 1'11.469 | |
3 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越 広大/小暮 卓史 | 1'11.761 | 1'11.491 | 30 |
6 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ | 1'12.136 | 1'11.745 | 6 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
近藤監督のコメント
チーム、ドライバーが持つ力の120%くらいは出せたのではないでしょうか。他のGT-R勢よりもひとつ抜け出せたしね。予選では、各ドライバーが自信を持ってアタックできるタイヤを自身で選択してアタックしました。決して予選だけなく、決勝でも戦えるものをチョイスして出走したので、いい戦いができるのではないでしょうか。去年、ここでポジションダウンしてから優勝へ昇りつめた経験もあるので、今回はきちんと自分たちの戦いを進めていければ、と思うし、できればドライコンディションで走りたいですね。
佐々木 大樹選手のコメント
SUGOでの戦いを前に、チームとして気温が上がって暑くなるという状況から逆に寒くなったとしてもこのくらいまで、という想定をして準備をしてきました。結果として、どちらのコンディションでもカバーすることができたので、いい予選内容になりました。今回は、二人揃っていいアタックができたと思います。決勝ではいい流れを味方につけたいですね。
J.P.デ・オリベイラ選手のコメント
走り始めからクルマの調子が良く、スピードもありました。タイヤのフィーリングも良かったし、セットアップの方向を見定めて作業を進めることができました。予選では、少しセッティングを調整したくらいでアタックすることになりました。まず、Q1を通過することを第一目標に、僕がアタックしたQ2で6番手を獲ることができました。確かに、上位3台のホンダ勢はとても速さがありますが、まずは自分たちの戦いに集中したいですね。天候次第で突然雨が降るかもしれないし。いつも以上になにが起こるかわからないので、しっかりコース上での状況を見定めて戦いたいと思います。
エンジニアのコメント
他のチームが、思いの外、うちのチームよりもやわらかいタイヤを持っていたようですね。おそらく雨が降ることを見越して持ってきたのかな、と思います。ただ、チームとしては自分たちが準備した中でやるべきことをやって、きちんと結果を出せたとも思います。セットアップも順調に進んだし、アタックでは選択したタイヤなりのグリップも得られたし、いい流れを作ることはできたと思います。決勝は雨の行方も気になるところです。最終的にはチーム力が問われる戦いになると思いますが、その中で的確な采配を振ることができるか。総合力が問われる一戦になるでしょう。
二日目 決勝(2017年7月23日・雨/ウェット)
決勝レポート
不安定な天候に苦しむ戦いに
予選日とは打って変わり、決勝日を迎えたスポーツランドSUGOは朝から灰色の雲がサーキット上空を包み込む天候へと一転。時折風を伴って雨を降らせる不安定な天気となる。
そんな中、スタートを迎えることになり、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを一番悩ませたのは、スタート時のタイヤ選択だった。ウェット宣言が出ているため、装着タイヤの制限はない。そこでチームは賭けに出てスリックタイヤをチョイス。多くのライバルがレインタイヤでスタートを切る中、有利性を活かそうとした。
宮城県警の車両を先頭にしたパレードラップを終え、フォーメーションラップに入ったSUPER GT車両。だが不運にもこのあたりから雨が降り始め、瞬く間にウエットコンディションへと急変する。こうなると、6位という好位置からスタートを切ったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rとて、スリックタイヤで足下が落ち着かない以上、ポジションダウンは否めない。スタートドライバーを務めた佐々木大樹選手はそれでもなお懸命にクルマをコントロールしながら周回を重ねた。
しかし、その後も雨は降り続け、コース上に留まるのが精一杯の状態。一方、レースは序盤から荒れ模様。早くもSC(セーフティカー)がコースインする状況となる。これに合わせたかのように雨が止み、チームにチャンスが巡ってくるかに思われたが、やはりこの後も雨が不定期に降ることとなり、チームは15周を終えた時点で佐々木選手をピットへと戻し、ウエットタイヤへと交換。ルーティンのドライバー交代までまだ周回数を残していることから、再び佐々木選手がコースへと向かった。
すでに周回遅れという厳しい状況に置かれたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。それでも佐々木選手は集中力を切らさず、緩急をつけた走りを披露。着実に周回を重ね、32周を終えた時点でピットへとクルマを戻した。
バトンを受け取ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手はスリックタイヤでコースへ。すでにトップと4周の遅れを取ってはいたが、オリベイラ選手はタイヤの温まりを確認し、前を行くGT300車両を抜くためのアプローチを始めた。
35周目、最終コーナー手前でGT300車両をロックオンしたオリベイラ選手。しかし、彼が取ったライン上はスリックタイヤのグリップでは対応しきれず、惜しくもコースアウト。タイヤバリアに車両が突っ込む形となり、万事休す。結果、これをもってNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの戦いが終わることとなった。
そんな中、スタートを迎えることになり、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを一番悩ませたのは、スタート時のタイヤ選択だった。ウェット宣言が出ているため、装着タイヤの制限はない。そこでチームは賭けに出てスリックタイヤをチョイス。多くのライバルがレインタイヤでスタートを切る中、有利性を活かそうとした。
宮城県警の車両を先頭にしたパレードラップを終え、フォーメーションラップに入ったSUPER GT車両。だが不運にもこのあたりから雨が降り始め、瞬く間にウエットコンディションへと急変する。こうなると、6位という好位置からスタートを切ったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rとて、スリックタイヤで足下が落ち着かない以上、ポジションダウンは否めない。スタートドライバーを務めた佐々木大樹選手はそれでもなお懸命にクルマをコントロールしながら周回を重ねた。
しかし、その後も雨は降り続け、コース上に留まるのが精一杯の状態。一方、レースは序盤から荒れ模様。早くもSC(セーフティカー)がコースインする状況となる。これに合わせたかのように雨が止み、チームにチャンスが巡ってくるかに思われたが、やはりこの後も雨が不定期に降ることとなり、チームは15周を終えた時点で佐々木選手をピットへと戻し、ウエットタイヤへと交換。ルーティンのドライバー交代までまだ周回数を残していることから、再び佐々木選手がコースへと向かった。
すでに周回遅れという厳しい状況に置かれたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。それでも佐々木選手は集中力を切らさず、緩急をつけた走りを披露。着実に周回を重ね、32周を終えた時点でピットへとクルマを戻した。
バトンを受け取ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手はスリックタイヤでコースへ。すでにトップと4周の遅れを取ってはいたが、オリベイラ選手はタイヤの温まりを確認し、前を行くGT300車両を抜くためのアプローチを始めた。
35周目、最終コーナー手前でGT300車両をロックオンしたオリベイラ選手。しかし、彼が取ったライン上はスリックタイヤのグリップでは対応しきれず、惜しくもコースアウト。タイヤバリアに車両が突っ込む形となり、万事休す。結果、これをもってNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの戦いが終わることとなった。
決勝結果
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 | 2:09'13.878 | 81 | 30 |
2 | 46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 本山 哲/千代 勝正 | 1.022 | 81 | 16 |
3 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋 和也/A.カルダレッリ | 1Lap | 80 | 60 |
4 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 1Lap | 80 | 36 |
5 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/小林 崇志 | 1Lap | 80 | 6 |
6 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | 1Lap | 80 | 4 |
7 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター | 1Lap | 80 | 64 |
8 | 64 | Epson Modulo NSX-GT | ベルトラン・バゲット/松浦 孝亮 | 1Lap | 80 | - |
9 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 2Laps | 79 | 34 |
10 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川 亮/ニック・キャシディ | 2Laps | 79 | 72 |
- | 24 | フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R | 佐々木 大樹/J.P.デ・オリベイラ | 1'23.011 | 34 | 6 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
8 | ARTA NSX-GT | 1'14.219 |
佐々木 大樹選手のコメント
タイヤ選択については、グリッド上で周りもまずはスリックタイヤを装着して待機していたし、僕らもそうしていました。そのあとから雨がパラパラと落ちてきたので周りはレインタイヤへと交換したのですが、ウチは止むかもしれない、とスリックのままにしました。この判断はそのときの結果だし、天気のことなので誰もわからないし、仕方ないと思います。
結果的に雨になってしまったわけですが、その中で出来る限り留まって我慢の周回をしていました。でもチームから無線で、「もう(ピットへ)入っていいよ」と連絡が来たので戻りました。今回は残念な結果になりましたが、次の富士ではテストでも手応えがあったので次こそ雨の絡まない中でレースがしたいですね。
J.P.デ・オリベイラ選手のコメント
佐々木選手と交代し、ピットアウトしたときのコースはそれなりに難しいコンディションでした。装着したのはスリックタイヤですが、アウトラップから2周、タイヤが温まりラップタイムも徐々に上がってきていました。
ただその時点で僕が良くない判断をしたんです。最終コーナーでGT300の車両を抜きにかかったんです。メインのラインはまだウエットコンディションでしたが、アウト側は乾いているのを把握していました。そこで僕はイン側のラインを取って抜きにかかりました。ところがそこはまだウエットの状態で、十分なグリップを得ることができなかったんです。グリップがあると思った僕の判断ミスですね。もう少し待ってから逆転することもできたのですが…。残念です。
ただその時点で僕が良くない判断をしたんです。最終コーナーでGT300の車両を抜きにかかったんです。メインのラインはまだウエットコンディションでしたが、アウト側は乾いているのを把握していました。そこで僕はイン側のラインを取って抜きにかかりました。ところがそこはまだウエットの状態で、十分なグリップを得ることができなかったんです。グリップがあると思った僕の判断ミスですね。もう少し待ってから逆転することもできたのですが…。残念です。
エンジニアのコメント
スリックタイヤでのスタートとなり、雨が降りはじめてしまったので、レインタイヤへの交換をするかどうか、その決断とタイミングが大変難しい状況に置かれてしまいました。天候のことだけに仕方ないですね。今回はいい状態で戦えると思ったのですが、天候やタイミングにうまく合わせることができなかったのがこの結果になってしまったと思います。チャンスがあったのに残念ですが、戦略の立て方、瞬時の判断が難しいレースでした。