facebook Twitter Instagram

Race Report - 第1戦 岡山国際サーキット

一日目 予選(2018年4月7日・雨/ウェット)

予選レポート

新コンビの初レースは、6番手スタートに

今シーズンのSUPER GT開幕戦を迎えたKONDO Racing。新たにGT500へとステップアップを果たしたルーキードライバーの高星明誠選手を迎え入れ、ベテランのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手とのコンビでタフな戦いに挑むことになる。シーズンオフの間、海外サーキットを含めタイヤテストやオフィシャルテストでデータ収集を積み重ね、さらなる進化を目指してきた。
初戦の舞台は岡山国際サーキット。コンパクトながらテクニカルなレイアウトを持つコースのため、予選でのポジション争いが大事になってくる。そんな中、まずNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは朝の公式練習で高星選手がチームベストタイムをマークするパフォーマンスを披露。6番手でセッションを終え、手応えを得た。
一方、サーキット上空は落ち着かない天候。青空から一転して雨雲が広がるなど、不安定なコンディションになってしまう。公式練習中も時折雨が降り、ウェットタイヤを装着するなどし、さまざまな路面状況の中で走行。午後からのノックアウト予選ではタイミングを見計らってのコースイン、アタックを敢行することが重要視された。
今回、ドライコンディション下でのQ1を任されたのは高星選手。与えられた時間は15分。だが、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは残り時間8分を切った時点でコースイン。満を持してのアタックで、トップタイムとなる1分18秒160をマーク! 初アタックで躍進を果たした。
続くQ2を前に、天候はまたも急転。オリベイラ選手はウェットタイヤでのアタックを任された。路面状況をしっかりと見極め、ライバルよりも遅いタイミングでコースインする。結果、タイヤのパフォーマンスをしっかりと引き出す走りを見せ、1分28秒659をマーク。6番手から決勝レースを迎えることとなった。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/小暮 卓史 1'18.351 1'26.905  
2 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'18.696 1'27.058  
3 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 本山 哲/千代 勝正 1'18.605 1'27.486  
6 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 1'18.160 1'28.659  

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※No.1、No.19 訓戒(公式通知1「暫定表彰中の暖機運転」)

近藤監督のコメント

高星(明誠)は期待通りの走りを見せてくれました。エンジニアはQ1をどっちの選手で行かせるか迷っていたみたいですが、朝の走行でJP(デ・オリベイラ)がドライのニュータイヤで走っていなかったこともあり、高星に任せました。それがズバリ当たりましたね。彼には冗談の気持ちで「トップで帰ってこいよ」と言ったら、「わかりました」って。そしたら本当にトップを獲ってきましたからね。
あいにくJPのアタックで雨が降ってきて…。降るならもう少ししっかり降ってくれたら良かった。タイヤは、まだ雨の課題が残ってますね。明日の決勝はドライになると思っていますが、タイヤのウォームアップがいいので存分に戦えると思います。ただ、持ち込んだタイヤがどこまで持つかはまだ読めてなくて。まだ寒いほうがいいので、雨は不要ですが寒さには居座ってもらいたいですね。予選と同等、もしくはそれ以上の結果が残せたらうれしい限りです。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

Q1では、僕たちのクルマのパフォーマンスをしっかりと証明できたことをとてもうれしく思います。ミツ(高星)がいい仕事をしてくれて、いい結果を出してくれました。ただ、ウェットコンディションになったQ2は、”くじに当たるか当たらないか…”、みたいなセッションになってしまいました。あの状況には合わないタイヤでのアタックになってしまいました。でも、とにかく100%タイヤの能力を引き出そうとアタックに懸けました。仕事として精一杯やったので、明日の決勝はドライでの戦いができればいい結果が狙えると思います。

高星 明誠選手のコメント

Q1の走りは良かったと思います。タイヤが気温、路面温度にどんぴしゃではまりました。総合的に良かったです。一方、アタックラップはミスもあったので、まだタイムを詰められるところもありました。でもこの走りが今の自分の実力だとも思っています。今回のアタックで色々なことが勉強できて良かったです。
Q2がウェットコンディションでのアタックになってしまったので、明日の6位からのスタートは仕方ないと思います。あの状況の中でもJP(デ・オリベイラ)選手が頑張ってくれたので、感謝しています。ふたりともレースに向けてのモチベーションが高いので、決勝ではしっかりと追い上げたいし、表彰台を意識した走りがしたいです。

エンジニアのコメント

ドライでの速さはテストのときからあり、今回のQ1は、まさにちょうどいいタイヤを持ち込んでいたので、結果としていいタイムを出してきてくれました。一方でQ2を前に雨が降り出したことは残念でした。ただ事前に天気予報を見て、そうなる可能性があるのは分かっていたので、コースインのタイミングを見計らい、JPをコースに送り出しました。もう少し路面に水が残っていれば、タイムアップできたかもしれないですね。

二日目 決勝(2018年4月8日・曇/ドライ)

決勝レポート

ハプニングを跳ね除け、6位入賞を果たす

前日同様の肌寒い天気になった決勝日。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手と高星明誠選手のコンビで挑んだ初レースは、思わぬハプニングに見舞われるも、粘りの戦いで6位入賞を果たしている。
今シーズンからスタート時のルールが厳格化されたSUPER GT。オープニングラップで先頭車両がスタートライン通過直前にスピードをコントロールしたことで、混乱が発生。スタートドライバーを務めたオリベイラ選手が混乱によって隊列から外れ、前方車両を追い越したことが残念ながらペナルティの対象となった。
結果、序盤は3番手につけて周回を重ねていたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rだが、23周目の終わりにジャンプスタートのドライブスルーペナルティを受け、12番手までポジションを下げてしまった。
その後、オリベイラ選手はレース折り返しとなる41周目で高星選手へドライバー交代し、ステアリングを委ねた。依然として混戦の続く中、高星選手は安定した速さを見せるだけでなく、しっかりと攻める姿勢でアプローチ。着実にポジションアップを果たす力走を披露した。また、レース終盤となる72周目にはNo.8 NSX-GTを逆転し、予選時と同じ6番手のポジションを奪還。そのままチェッカーを迎え、初戦での入賞を達成している。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/小暮 卓史 1:55'14.381 82  
2 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1.610 82
3 1 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 5.582 82  
4 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/F.ローゼンクヴィスト 5.759 82  
5 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 36.990 82
6 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 48.375 82  
7 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 本山 哲/千代 勝正 59.362 82  
8 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1'00.357 82
9 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/山下 健太 1'05.532 82  
10 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1'06.532 82  

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※黒白旗提示 No.1 ニック・キャシディ, No.3 千代 勝正

※No.24 J.P.デ・オリベイラ ドライブスルー(SpR.32-16「スタート違反」)

※No.23 R.クインタレッリ ドライブスルー(SpR.32-16「スタート違反」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
17 KEIHIN NSX-GT 1'19.710

近藤監督のコメント

今年はスタートのレギュレーションが厳しくなっているのですが、あいにく前の車両2台がブレーキを踏んだようで、(24号車のスタートドライバーである)JP(デ・オリベイラ)が前の車両の横に並ぶような感じになって、ジャンプスタート(のペナルティ)を取られてしまいました。
一方、その後のレースではドライバーふたりがよく粘って頑張ってくれたと思います。去年のチームのパフォーマンスであれば10位以下で終わってしまう可能性が高かったのですが、今年はしぶとく戦えました。ルーキーながら高星(明誠)も1台ずつしっかりと抜いてきてくれたのが良かった。収穫はたくさんあったレースでした。”タラ・レバ”になるけれど、ペナルティがなければ表彰台は行けたのではないでしょうか。戦える道具は揃ってきたと思うし、開幕戦の6位スタートは悪くない。今後が楽しみです。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今回、僕らは強い戦いができました。クルマも良かったし、テスト時よりもいいペースで走ることもできました。確かにレース中は、タイヤマネージメントの必要はありましたが、それも上手くやり遂げることができました。最終的にトップ3に入った車両と比較すると、仮にペナルティを受けなかったとしても僕らの状況で表彰台に上がることは難しかったと思います。でも、レースでのパフォーマンスにはとても満足しています。

高星 明誠選手のコメント

正直、JPのフライングは映像を見ていて、ペナルティを受けることになるだろうと思いました。なので、ペナルティを受けることを覚悟して、もしそうなったらどうアジャストしようかという意識に切り替えました。タイヤをオリベイラ選手が装着したものと違うハード目のタイヤにするかという話にもなったのですが、JPがスティントを引っ張ってくれたこともあり、結局は同じコンパウンドのタイヤで行きました。思ったよりもいいタイムを刻むことができたのは良かったと思います。また、岡山で6位を獲得できたことはチームとしてもいいことだと聞いたので、シーズンのいいスタートになったと思います。個人的にはQ1でトップを取れたし、レース中にGT300もGT500もうまく抜くことができたし、その確認ができたので良かったと思います。自信につながりました。

エンジニアのコメント

スタート時の出来事でペナルティを受けることになったのは残念でした。当初の予定では、ガソリンの搭載量のミニマムに合わせ、ピットインすることも考えていました。というのも、今回選択したタイヤではこれまでロングのテストをしていなかったので、レースの半分まで持てばいいなという思いがありました。でも、結果的にはレースコンディションに合ったようで、予定よりも周回数を伸ばすことができたんです。それができたのにはJPと高星の頑張りもありました。高星は初のGT500レースながら、GT300の処理もうまくやってたし、良かったと思います。初戦を6位で終わることができてホッとしています。

PHOTOギャラリー

PAGE TOP

facebook Twitter Instagram