Race Report - 第3戦 鈴鹿サーキット
一日目 予選(2018年5月19日・晴/ドライ)
予選レポート
タフな状況の中、ベストを尽くして11番手を獲得
早くもシリーズ3戦目を迎えたSUPER GT。今回は三重・鈴鹿サーキットでの一戦となる。前日夜遅くから雨が降り始めたものの、朝には青空が広がるまで回復。だが、日中は暴風が吹き荒れ、陽射しはあるものの季節外れの寒さを感じる一日となった。
富士戦でタイヤトラブルに苦しんだNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。この鈴鹿では、タイヤトラブルを避けた戦いをするためチームでは事前にミーティングを重ね、現状をしっかりと踏まえた上で戦いに臨んだ。
朝の公式練習では、まずジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がステアリングを握り、クルマをチェック。早々からベストタイムを更新するなど、勢いを見せた。セッション中盤には高星明誠選手へとスイッチ、終盤にはチームベストとなる1分46秒060をマーク。予選に向けて手応えを得ることとなった。
午後3時5分、当初の予定より10分遅れでGT500クラスのQ1がスタート。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、デ・オリベイラ選手。GT500全15台がすべて従来のコースレコードを更新するタイムをマークする中、クルマ、さらにタイヤの持ちうる力を引き出すことを第一にアタックを行なう。そして刻んだタイムは1分46秒013。だが惜しくもQ2進出は果たせず、11番手で予選を終えている。
富士戦でタイヤトラブルに苦しんだNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。この鈴鹿では、タイヤトラブルを避けた戦いをするためチームでは事前にミーティングを重ね、現状をしっかりと踏まえた上で戦いに臨んだ。
朝の公式練習では、まずジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がステアリングを握り、クルマをチェック。早々からベストタイムを更新するなど、勢いを見せた。セッション中盤には高星明誠選手へとスイッチ、終盤にはチームベストとなる1分46秒060をマーク。予選に向けて手応えを得ることとなった。
午後3時5分、当初の予定より10分遅れでGT500クラスのQ1がスタート。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、デ・オリベイラ選手。GT500全15台がすべて従来のコースレコードを更新するタイムをマークする中、クルマ、さらにタイヤの持ちうる力を引き出すことを第一にアタックを行なう。そして刻んだタイムは1分46秒013。だが惜しくもQ2進出は果たせず、11番手で予選を終えている。
公式予選記録
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | R1'44.806 | R1'44.319 | 6 |
2 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/ジェンソン・バトン | R1'45.130 | R1'44.473 | 34 |
3 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越 広大/小暮 卓史 | R1'45.849 | R1'44.834 | 42 |
11 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 | R1'46.013 | - | 10 |
R:コースレコード(従来のレコード 1'47.074)
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
近藤監督のコメント
Q1ではタイヤは硬い方を選びました。もし柔らかい方で行っていれば、Q1は通過できたと思います。それでも、ポールポジションを獲れたかといえば、予選トップタイムだった1分44秒3というタイムは全然見えなかったので…。今日の結果としては、ホンダ勢の速さに驚いたということですね。
一方、JP(デ・オリベイラ)は2周目か3周目かアタックラップで迷い、2周目を選んだんです。今回はタイミングが難しかったように思いますが、JPは目一杯アタックしたし、大きなミスもしていない。決勝に向けてのポジティブな要素としては、硬い方のタイヤで行けるという点。レースで、硬いタイヤでグレーニングが出ず、まとめることができれば、入賞することも可能かと思います。
一方、JP(デ・オリベイラ)は2周目か3周目かアタックラップで迷い、2周目を選んだんです。今回はタイミングが難しかったように思いますが、JPは目一杯アタックしたし、大きなミスもしていない。決勝に向けてのポジティブな要素としては、硬い方のタイヤで行けるという点。レースで、硬いタイヤでグレーニングが出ず、まとめることができれば、入賞することも可能かと思います。
J.P.デ・オリベイラ選手のコメント
今回の鈴鹿では、僕らはある意味“リミット(制限)”のある中で予選を迎えました。それは、「安全性を確保した上で走ること」でした。結果的にはラップタイムを求める以上に重きを置くことになりました。予選でもタイヤの状況をしっかりと把握する必要があったので、周りのチームよりも厳しい状況だったと思います。一方で、僕自身のアタックそのものはとてもうまく行ったと言えます。ただ、それはタイヤの状況を踏まえた上でのアタックであり、限界がある中で出来ることに対して最善の努力をしたということです。安全に、そしてタイヤコンディションをキープした上でのアタックを行った、というわけです。もちろん、今回の予選アタックではこのような事態になることは充分把握していました。
最悪だった富士戦のことがあったので、制限を設けなければならなかった。明日の決勝ではまず一番に、制限がある中でレースをしなければならないということを理解した上で、やり遂げるだけですね。そういう状況の中で、明日はどのように戦うか、ミーティングをして方向性を決めていくことになるでしょう。何ができるかをまず第一に考える必要があるでしょう。
最悪だった富士戦のことがあったので、制限を設けなければならなかった。明日の決勝ではまず一番に、制限がある中でレースをしなければならないということを理解した上で、やり遂げるだけですね。そういう状況の中で、明日はどのように戦うか、ミーティングをして方向性を決めていくことになるでしょう。何ができるかをまず第一に考える必要があるでしょう。
高星 明誠選手のコメント
朝の走行ではJPが先に乗って、交代してからタイヤが充分に温まっていないこともあり、最初のコーナーでスピンをしてしまいました。タイヤが硬すぎました。でも、クルマも無事だったので良かったです。その後のシミュレーションをして、フィーリングとしてはちょっと改善しなければいけないところは感じていました。全体的には良く、テストのフィーリングがそのまま継続されていたので、それは富士での状況から考えると良かったと思います。
今回Q2へ行けるという期待はありました。なのでQ2を走れなかったのは残念です。前回は満足に走れなかったので、今回こそ!と思うしポイントも獲りたい。なので少しでも上、6位より上を目指したいと思います。辛抱強く戦っていきたいです。
今回Q2へ行けるという期待はありました。なのでQ2を走れなかったのは残念です。前回は満足に走れなかったので、今回こそ!と思うしポイントも獲りたい。なので少しでも上、6位より上を目指したいと思います。辛抱強く戦っていきたいです。
エンジニアのコメント
持ち込んできた中でのクルマの確認はある程度できました。アタックで硬めのタイヤをつけようという話は、ドライバーの好みも踏まえ、朝の走行の時点で決定しました。ドライバーは、「練習走行からの流れでいけば、Q1を突破できる」と思っていただけに、残念でした。ただ、決勝での強さが出せるようタイヤ選択をしているので、レースで粘り強く戦えたらと思います。
二日目 決勝(2018年5月20日・晴/ドライ)
決勝レポート
タフな条件下で粘りの走り。9位入賞を果たす。
穏やかな陽射しに恵まれた決勝日。SUPER GT第3戦鈴鹿大会は前日同様、例年よりやや低い気温ながらレース日和の一日となった。そんな中、11位から決勝スタートを迎えたKONDO Racingは、課題とするタイヤマネージメントを強く意識したレース戦略を完遂。チームとして持ちうる力を存分に発揮し、300kmを走破した結果、9位入賞を果たしている。
前日からの強い風が収まり、青空が一面に広がった鈴鹿サーキット。決勝を目前に、サーキット内のシステム調整による進行の遅れが発生。結果、40分遅れの午後3時20分から決戦が行われることになった。
No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングをまず最初に握ったのは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。前日の予選で選択した硬めのタイヤでスタートを切ると、ポジションをキープしてオープニングラップを終えたが、ほどなくして前後との攻防戦が激しくなる。オリベイラ選手も同じGT-Rの23号車の背後に迫っていたが、その一方で後続の6号車とのバトルを強いられ、ポジションを明け渡してしまった。
レースは14周目の時点でセーフティカーがコースイン。1台の車両がスピンし、コースサイドにクルマを止めてしまったことにより、18周終了までレースがコントロールされた。再開時、13番手から追い上げを開始したオリベイラ選手。その後、ルーティンのピットインを迎える23周目まで走行し、高星明誠選手へとバトンを繋いだ。
これを前に、チームではタイヤ選択を再考。陽射しは出ていたものの、スタート時間のディレイによってセッション中の気温および路面温度が下がってしまったことから、次に使用するタイヤを柔らかい方へと変更する。しかし、23周を走行したデ・オリベイラ選手に対して、続く高星選手はチェッカーまで残り29周を走らなければならない。そこでチームでは、セッション序盤はペースをキープし、タイヤ温存の走りをするよう高星選手にリクエスト。すると、高星選手は見事なタイヤマネージメントを見せ、安定したタイムを刻んでいく。
その後、残り周回数との兼ね合いを見つつ、攻めの走りへとスイッチ。時折緩急ある走りを続け、ポジションアップにも成功。終盤はひとり旅状態での走行になってしまったが、最終的に9番手でチェッカーを受けることとなった。
続く戦いは、タイ・ブリラムサーキットが舞台。季節柄、湿度が高く、厳しい暑さの中での一戦となる。鈴鹿戦同様に、依然としてタフな戦いが予想されるが、その中でいかに自分たちのパフォーマンスを引き出すことができるのか、チームとしての底力を最大限発揮したいところだ。
前日からの強い風が収まり、青空が一面に広がった鈴鹿サーキット。決勝を目前に、サーキット内のシステム調整による進行の遅れが発生。結果、40分遅れの午後3時20分から決戦が行われることになった。
No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのステアリングをまず最初に握ったのは、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。前日の予選で選択した硬めのタイヤでスタートを切ると、ポジションをキープしてオープニングラップを終えたが、ほどなくして前後との攻防戦が激しくなる。オリベイラ選手も同じGT-Rの23号車の背後に迫っていたが、その一方で後続の6号車とのバトルを強いられ、ポジションを明け渡してしまった。
レースは14周目の時点でセーフティカーがコースイン。1台の車両がスピンし、コースサイドにクルマを止めてしまったことにより、18周終了までレースがコントロールされた。再開時、13番手から追い上げを開始したオリベイラ選手。その後、ルーティンのピットインを迎える23周目まで走行し、高星明誠選手へとバトンを繋いだ。
これを前に、チームではタイヤ選択を再考。陽射しは出ていたものの、スタート時間のディレイによってセッション中の気温および路面温度が下がってしまったことから、次に使用するタイヤを柔らかい方へと変更する。しかし、23周を走行したデ・オリベイラ選手に対して、続く高星選手はチェッカーまで残り29周を走らなければならない。そこでチームでは、セッション序盤はペースをキープし、タイヤ温存の走りをするよう高星選手にリクエスト。すると、高星選手は見事なタイヤマネージメントを見せ、安定したタイムを刻んでいく。
その後、残り周回数との兼ね合いを見つつ、攻めの走りへとスイッチ。時折緩急ある走りを続け、ポジションアップにも成功。終盤はひとり旅状態での走行になってしまったが、最終的に9番手でチェッカーを受けることとなった。
続く戦いは、タイ・ブリラムサーキットが舞台。季節柄、湿度が高く、厳しい暑さの中での一戦となる。鈴鹿戦同様に、依然としてタフな戦いが予想されるが、その中でいかに自分たちのパフォーマンスを引き出すことができるのか、チームとしての底力を最大限発揮したいところだ。
決勝結果
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | 1:46'39.770 | 52 | 6 |
2 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/ジェンソン・バトン | 2.793 | 52 | 34 |
3 | 1 | KeePer TOM'S LC500 | 平川 亮/ニック・キャシディ | 11.387 | 52 | 30 |
4 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木 大樹/ヤン・マーデンボロー | 38.088 | 52 | 10 |
5 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | 38.704 | 52 | 16 |
6 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 40.753 | 52 | 52 |
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 本山 哲/千代 勝正 | 1'04.810 | 52 | 10 |
8 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川 祐路/石浦 宏明 | 1'05.387 | 52 | 30 |
9 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 | 1'05.558 | 52 | 10 |
10 | 64 | Epson Modulo NSX-GT | ベルトラン・バゲット/松浦 孝亮 | 1'06.095 | 52 | - |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
※No.3 罰金50,000円(SpR.27-4「ウォームアップ時のピット作業違反」)
※No.6 J.ロシター ドライブスルー(SpR.13-1「危険なドライブ行為」)
※No.17 塚越広大 ドライブスルー(SpR.13-1「危険なドライブ行為」)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
8 | ARTA NSX-GT | 1'48.261 |
近藤監督のコメント
持っている力はすべて出し切った、そういうレースでした。ただ反省点もありました。自分たちが思っていた以上にソフトのタイヤが持ったという点です。今回、2スティント目は気温も路面温度も下がり、十分タイヤも持ちました。それを考えると、やっぱり予選Q1を硬いタイヤではなく、柔らかい方でも戦えたのかもしれません。そうすれば、決勝でそれぞれスティントを半々に割って走行できたのかな、と思いました。結果としては我々全員がちょっと慎重になりすぎたのかもしれません。
それもこれも前回の富士戦の結果を踏まえてのことであり、やはりどこかで気にしていたからでしょう。今回データが取れたことで、次のタイ戦には色々と活かしていけるといます。いずれにせよ、前回の富士よりはレースができたことは良かったです。タイヤをもうちょっと信頼して良かったんだと思う反面、やはり前回の富士でのことが頭にあって、躊躇することにもなりましたが、そんな中でもメカニックのピット作業も速かったし、ドライバーも上手にクルマ、タイヤをコントロールしていました。それぞれがベストを尽くす良いレースだったと思います。
それもこれも前回の富士戦の結果を踏まえてのことであり、やはりどこかで気にしていたからでしょう。今回データが取れたことで、次のタイ戦には色々と活かしていけるといます。いずれにせよ、前回の富士よりはレースができたことは良かったです。タイヤをもうちょっと信頼して良かったんだと思う反面、やはり前回の富士でのことが頭にあって、躊躇することにもなりましたが、そんな中でもメカニックのピット作業も速かったし、ドライバーも上手にクルマ、タイヤをコントロールしていました。それぞれがベストを尽くす良いレースだったと思います。
J.P.デ・オリベイラ選手のコメント
今日はしっかりと戦い抜くことができたと感じています。とにかくベストを尽くして戦いました。入賞してポイントを獲ることもできました。もちろん、もっと上の結果を目指して戦いたいという思いはあります。しかしながら現在のタイヤのパフォーマンスについて、まだ問題解決の糸口を探す中で、十分でないグリップレベルを意識しつつ、最善の戦いをしなければなりませんでした。なんとかレースを走り切ることで、チームも僕らドライバーも多くのデータと経験値を手にすることができたことも事実です。ドライバーとしてレースを戦う中で、いつもトップ6までに入ることを目標にしているのですが、ようやくそれが達成できるかどうかというところまで来ています。さらに総合的な力が向上していって欲しいと思います。
高星 明誠選手のコメント
色々な意味で、我慢のレースをすることになりました。JPが選択したタイヤは硬めだったので、最初からペースを上げるのが難しかったこともあり、僕のスティントでは柔らかい方を着けることになりました。ただ、周回数を考えて、最初はタイヤをセーブする走りをしなければなりませんでした。そうでないと最後まで走り切ってポイントを獲ることが出来ないと思って走りました。プッシュし始めたのはギリギリの時点になってからです。今回最重要だったポイント獲得が達成できて良かったです。
エンジニアのコメント
チームとして持ちうる力を全部出し切りました。本来の予定では、ピットインのタイミングをタイヤの状況によって変えようと思っていました。路面状況に合わなければ早めにピットインすることも考えていました。スタートが遅れ、セッション中に気温も下がったし、また、セーフティカーが入ったこともあり、結果としてはピットインのタイミングはレースの展開に合わせて行なうことになりました。
高星には柔らかい方のタイヤを選びました。コンディションには合っていたと思いますが、周回数が予定より多くなったので、最初はペースをセーブして、終盤プッシュするようにリクエストしました。タイヤの持ちを気にしながらの戦いになったので、どうしても守りに入ってしまった感じにはなりましたが、高星も先に担当したJPも、それぞれの状況を踏まえた上でいい走りをしてくれたと思います。
高星には柔らかい方のタイヤを選びました。コンディションには合っていたと思いますが、周回数が予定より多くなったので、最初はペースをセーブして、終盤プッシュするようにリクエストしました。タイヤの持ちを気にしながらの戦いになったので、どうしても守りに入ってしまった感じにはなりましたが、高星も先に担当したJPも、それぞれの状況を踏まえた上でいい走りをしてくれたと思います。