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Race Report - 第6戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(9月15日・曇り/ドライ)

予選レポート

目まぐるしく変わる天候の中、予選は8番手に

今シーズンの終盤戦に突入したSUPER GT。すっかり秋の気配を感じるようになった宮城・スポーツランドSUGOは、朝からうっすらとした曇り空に包まれ、雲行きが気がかりな一日となった。そんな中、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは厳しいコンディション下で粘りのアタックを見せ、予選を8番手で終えた。

気温21度、路面温度23度で始まった朝の公式練習。スタート時は薄曇りだった上空からポツポツと雨が落ち始め、ウエット宣言が出された。まず、ドライタイヤでの走行を始めたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手だったが、降雨によりウエットタイヤへと交換。チームがメニューとして当初用意していた2種類のドライタイヤの比較作業をほとんど行うことができなかった。

GT300クラスとの混走セッション終了間際となって、オリベイラ選手がコースアウト。グラベルから自力でコース復帰ができなかったため、一旦ここで赤旗中断となってしまった。車両はギアボックストラブルが発生しており、修復に時間を要することになったが、その後、 GT500クラス専有走行時には高星明誠選手が走行を再開。僅かな時間ながらウエットコンディションで予選に向けての準備を進めることとなった。

午後からのノックアウト予選を迎えると、天候が好転。ひと足先に行われたGT300クラスのアタック中にほぼ路面も乾き、ドライタイヤでのアタックが可能になった。まさにぶっつけ本番とも言える状況でのタイム合戦がスタート。まずQ1ではオリベイラ選手がアタックを担当し、タイヤのパフォーマンスを引き出すために早めのタイミングでアタックモードに突入した。だが、コース上で黃旗、さらには赤旗中断に見舞われ、本来のパフォーマンスを引き出せずチャンスを喪失。だがオリベイラ選手は最後の最後まで集中力を切らすことなくラストアタックでタイムアップに成功。1分11秒862をマークし、Q2進出が可能な8番手につけた。

続くQ2を担当した高星選手は、まさにぶっつけ本番での新品ドライタイヤによるアタックに挑むことになった。1周、また1周…と着実なタイムアップを狙っていたが、最後のアタックラップで痛恨のオーバーラン。思うようにタイムを縮めることはならず、結果、刻んだベストタイムは1分12秒872に留まり、決勝は8番手の位置からスタートを切ることとなった。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'11.321 1'10.248 R 80
2 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ヤン・マーデンボロー 1'11.043 1'10.286 R 36
3 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'11.360 1'10.352 R 68
8 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 1'11.862 1'12.872 26

R:コースレコード(従来のレコード 1'10.516)

Q1
Start Time 14:52'00 Finish Time 15:15'45
赤旗中断 15:00'28〜15:13'00

Q2
Start Time 15:44'00 Finish Time 15:54'00

近藤監督のコメント

今日の予選はQ1で想定外の出来事が起こりました。JP(デ・オリベイラ)のアタック中に出た赤旗です。改めてのアタックになったわけですが、今回チームのピットは出口から遠い場所に位置していたので、アタッカーのJPとしては、コースインする時点でライバルよりも不利な条件になると気にしていました。“JPに大丈夫だから”と励ましてアタックに送り出したところ、ファイナルアタックでしっかりと決めてくれてQ1突破を達成してくれました。本当にいい仕事をしてくれたと思います。

一方、Q2担当の高星は、朝の練習走行が雨になったこともあり、存分に走れていない状態でした。そんな中、SUGOのコースを考え、今回はなんとしても8番手以内でスタートを切りたいという思いが強かったこともあり、Q1でまずJPにアタックしてもらって、Q2で高星がどこまで頑張れるのかに期待していました。周回ごとにタイムアップしていたのですが、最終コーナーでアンダーが出てしまったようで…。残念だったのですが、それがなかったとしてもさほどポジションには大きな影響がなかったので問題ありません。レースでは当初の目標であった8位以内からスタートを切れるわけだし、車重も軽いという24号車としての良さを活用して確実にポイントを取りに行きたいですね。前大会の富士戦よりも上のポジションでフィニッシュできればいいと思っています。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今朝の公式練習では、まずドライコンディションのうちにタイヤ2種類の確認を行う予定だったのですが、途中でギアボックスのトラブルがあって、しっかりと両方を比較することができませんでした。修復作業に15分ほど時間がかかったのですが、その間に今度は雨が降ってきて…。今度はウエットタイヤを装着して走ったのですが、装着していたレインタイヤがスリックに近い溝の少ないレインタイヤだったので、本降りの雨には合いませんでした。

午後からの予選ではQ1を担当したのですが、コースインとともにアタックに入りました。フィーリングも良かったんですが、途中で黃旗が出ていて…。途中、2台の車両とコース上で接触しかけていたので、アタックを諦めました。改めてアタックを始めたら、今度は赤旗になって…。セクター3に入るところまでは、とてもいいアタックができていたのですが…。改めてのアタックでは10−15分近くピットで待機していたので、アウトラップでタイヤを温めることがとても難しかったです。とにかくアタックしなければ…という感じでした。明日のレースではリスクを回避して、ベストなレースができればと思います。

高星 明誠選手のコメント

アタック中、最後にオーバーランしてしまったんですが、タイヤがもたなかったという状態でした。朝の公式練習で走る予定をしていたのですが、早い段階から雨が降り始めてきたし、クルマのトラブルも出てしまい、乗れなかったんです。雨の中、少しはドライブできたのですが、そのときのフィーリングはさほど悪くはなかったんです。ただ、Q1を通過できるかどうかが微妙だったので、チームの判断としてJP(デ・オリベイラ)がQ1を担当することになりました。Q1は8位で通過できました。それ自体は良かったんですが、僕のアタックでは、最後のオーバーランがなかったとしても1分11秒5くらいしか出なかったようなので、そう思うとまだポテンシャルが出せていない状態だと思います。

エンジニアのコメント

まず、今日はQ1担当のJP(デ・オリベイラ)がしっかりと頑張ってくれました。彼の豊富なキャリアが活きたアタックだったと思います。今日は、晴から雨、そしてまた晴と天候が変化したので、最終的には、持ち込みのセットをベースにあとは車高を変更して挑む事になりました。今回はチームの持ちうる力、クルマ、タイヤのポテンシャルを引き出した走りを二人が見せてくれたと思います。

二日目 決勝(9月16日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

波乱のレース展開の中、2戦連続の6位入賞達成

予選日から天候が一転、決勝日を迎えたスポーツランドSUGOは、懸念していた雨もまったく降らず、秋晴れのレース日和に恵まれた。

気温26度、路面温度37度の中、午後2時にスタートを切った決勝レース。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rのスタートドライバーを務め、まずは予選ポジションの8位キープで周回を重ねていく。そんな中、6周目の最終コーナーで前のクルマを逆転。このままプッシュを続けてポジションアップを目指すかと思われたが、実のところ、チームとしてのミッションは、まずタイヤを”いたわること”。そのためにもオリベイラ選手はコンスタントなラップタイムを刻みつつ、タイヤのマネージメントを強く意識した走りを続けた。しかしその一方では、20周目の最終コーナーでさらに1台を逆転する力走を見せ、6番手で高星選手へと交代した。

高星選手はオリベイラ選手よりも固めのタイヤを装着。より多くの周回を担当し、後半での勝負に賭けた。ところが思わぬ事態に見舞われる。それがパワーステアリングのトラブルだった。コースイン直後からトラブルに見舞われ、思うような走りが出来ずじまい。目前に逆転可能なライバルがいるのに、プッシュできないというもどかしさを抱えたまま、ただただ周回を重ねることに甘んじた。 レースは終盤にセーフティカーが入るハプニングが発生。リスタートに向けて隊列を整えることでライバルとの差が一気に詰まったものの、レース再開時の逆転には至らず。その後チェッカーまでポジションキープで周回し、6位で戦いを終えている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1:52'08.765 81 80
2 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 0.562 81 68
3 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ヤン・マーデンボロー 1.350 81 36
6 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 5.188 81 26

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Start Time : 14:05'40
Finish Time : 15:57'48
セーフティカー 15:34'56〜15:50'12


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
38 ZENT CERUMO LC500 1'13.598

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

柔らかい方のドライタイヤでスタートを切ったので、難しいレースになるという予測はできました。結果、フロントグリップが足りないと思われたので、レースではタイヤをいたわる方向で周回を重ねなければいけなかったし、それに特化するような走りを心がけていました。難しいミッションではあったけれど、タイヤを持たせられるよう、かなり意識をしていましたね。後半はクルマのトラブルもあって逆転するのが難しい状況ではあったけれど、今できることを懸命にやれたと思います。このような厳しい戦いの中では、最後までしっかりとレースをすることが何よりも難しい。それが今回もできたと思いますね。

高星 明誠選手のコメント

僕のスティントでは硬い方のタイヤを装着しました。レースでは前後車両と接近戦になって抜きたかったのですが、クルマにトラブルを抱えていたので逆転するまでには至りませんでした。眼の前に抜けるライバルがいるにもかかわらず、それができなかったという悔しさがあります。次のオートポリスに向けてしっかりとウィークポイントへの対策を進め、もてぎでのテストを経て残り2戦を戦えたらと思います。

エンジニアのコメント

レース中にパワーステアリングのトラブルが発生しました。JP(デ・オリベイラ)のスティントの終盤からで、高星選手は終始そのトラブルを抱えての走行になってしまったようです。戦略的には、まずJPに柔らかいタイヤで先行してもらい、ポジションアップを狙いました。その分、ピットインのタイミングが早かったので、後半担当の高星選手には長い距離を走ってもらうことにしていました。その中でパワステのトラブルが出てしまったのが残念です。
次回、第7戦オートポリスに向けチーム一丸となって戦います。

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