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Race Report - 第7戦 オートポリス

一日目 予選(10月20日・晴れ/ドライ)

予選レポート

思わぬハプニングに見舞われ、13番手に留まる

いよいよセミファイナル戦を迎えた今シーズンのSUPER GT。その舞台となる大分・オートポリスは曇り空から秋晴れの好天気に恵まれる中で予選日を迎えた。24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは予選を前にしたセッションで思わぬハプニングに見舞われたことで存分な準備を行えず、予選は13番手に留まった。

朝の公式練習では、順調にタイムアップし力走を見せていた 24号車フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。序盤にジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がステアリングを握り、GT300クラスとの混走の後半で高星明誠選手へとスイッチ。GT300専有走行を経て、GT500専有時にはそのまま高星選手がアタックシミュレーションに取り掛かった。ところがドライビングミスによりタイヤにフラットスポットを作ってしまい、その塊が車体に損傷を与えるという思わぬ状況に見舞われてしまう。結果、チームは予選に向けてまずは車両修復に時間を要することになった。

ノックアウト予選Q1開始は午後2時54分。午前中に想定外の作業を強いられたチームだったが懸命の作業が実を結び、無事に高星選手がアタックへと向かった。ライバル達よりも早めのタイミングでコースインし、ベストタイムを都度更新。1分33秒994を刻んだが、トップ8入りは果たせず、Q2進出はならなかった。結果、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは、13番手から決勝スタートを切る。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'32.706 R 1'31.441 R 49
2 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/小暮 卓史 1'32.650 R 1'31.989 R 40
3 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'32.854 1'32.151 R 61
13 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 1'33.994 - 18

R:コースレコード(従来のレコード 1'32.835)

Q1
Start Time 14:54'00 Finish Time 15:09'00

Q2
Start Time 15:37'00 Finish Time 15:47'00

近藤監督のコメント

結果は想定外です。内容的にも想定外のことが起こってしまいました。今回、苦戦中のGT-R勢の中でも僕たちには流れがあるから、Q1は突破できるという確信がありました。しかしそれ以上にライバルたちが速かったですね。ここのタイヤテストで高星がしっかりと乗れていたので、Q1突破は間違いないし、あわよくばフロントローも…と思っていました。ただ、午前中のトラブルが気になってQ1で思い切ってアタックできなかったかもしれないですね。
決勝はまたコンディションが異なってくるでしょうから、その中でピックアップやグレーニングが比較的少ないことを強みにしっかりと戦いたい。まずはチーム全員ミスなく、全力を出し切って戦います。そこでトップ6入りを目指したい。しっかりとポイント獲得を狙っていきたいですね。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

朝のセッションでは、フィーリングとしては良かったと思います。ラップタイムも良かったので。ただ、タイヤに関してはメーカーそれぞれで事情が大きく異なったように感じました。朝は気温がかなり低く、セッション中に大きく上昇したこともあり、コンディションによってウォームアップレベルにも違いが見られましたね。さらに午後の予選では気温がぐんと上がったので、装着するタイヤや車種によっての差がいっそう大きくなったように感じました。朝の走行で暫定的にトップを走ることができたという手応えがあっただけに、もっと前のポジションを狙いたかったし、トップ8は行けるだろうという思いはありました。しかし、ミツ(高星選手)の走行中にトラブルがあったのでサーキットサファリの時間も走行することができなかったこともあり、十分に予選Q1を走ることができなかったようですね。明日の決勝ではポジションアップを狙うだけです。

高星 明誠選手のコメント

タイヤが温まっていないうちにアタックしたこともあり、フラットスポットを作ってしまいました。それで車体を傷めてしまい、パーツが壊れてしまったのですが、僕のミスです。これで今週の流れを変えてしまいましたね。準備が行えず、もったいないことをしました。ただ、今回の実力的にはトラブルがなかったとしてもQ2に行けたかどうか…。ラスト2レースで来年に向けて何をすべきかを考えられることはいいチャンスだ、とポジティブにとらえ、明日の戦いに挑みます。決勝ではタイヤがうまく行けば、前のポジションを狙っていけると思います。

エンジニアのコメント

朝の公式練習時にアタックのタイミングを周りより早くしたのですが、タイヤが存分に温まっていなかったようです。それで大きなフラットスポットが出来てタイヤが壊れ、結果的にパーツを損傷させたので修復や部品交換が必要になりました。結果、予選に向けての準備に時間を使えず、思わぬ形で後手に回るような感じになりました。クルマのバランスチェックができなかったこともあり、苦しい予選になりましたね。今回は、GT-R勢全体で厳しい結果になってしまったのですが、決勝に向けてできることを色々準備していきたいと思います。

二日目 決勝(10月21日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

厳しい条件にも屈せず、7位入賞を果たす

SUPER GT第7戦の決戦を迎えたオートポリス。決勝日は朝からサーキット上空に晴れ間が広がり、秋らしい天候の中で戦いの幕が上がった。24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは与えられた条件下で粘りの力走を披露。前戦に続き7位入賞を果たす。

時折強い日差しが照りつけたオートポリスでの戦いは65周。気温17度、路面温度36度の中でスタートが切られると、まず、24 号車フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rに乗り込んだジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がポジションキープを目指すも、同じGT-Rの23号車らとの攻防戦を強いられ、オープニングラップでは一旦15位にポジションを落としてしまった。だが次第にタイヤのグリップが安定してくると、ペースアップして1台、また1台とポジションを上げ、11位まで浮上する。

そんな中、20周目にGT300の車両が最終コーナー手前でコースアウト。車両回収のためにセーフティカーがコースインし、22周終わりにはメインストレートで隊列を整え直したことから、各車が築き上げた差がリセットされてしまった。レース再開は24周終了時。このタイミングからルーティンのピットインを行うチームが出始めたため、ポジションに動きが出始めた。続々とピットに戻るライバルに対し、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rはしばしコースに留まり31周終わりでピットインを行った。

待ち受けるスタッフたちが完璧な作業を終えると、オリベイラ選手に代わって高星明誠選手がコースイン。11番手から追い上げを開始する。幸い、タイヤコンディションも安定しており、ライバルよりも速いペースで周回を重ねる高星選手は、レース終盤に攻防戦を繰り返しながらポジションアップに成功。最終的には、チェッカー直前までNSXの17号車を攻略すべく奮闘した。だが惜しくも逆転には至らず。結果、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは7位で戦いを終える、3戦連続入賞を果たすこととなった。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 1 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 1:56'02.296 65 47
2 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/関口 雄飛 0.436 65 40
3 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/山下 健太 12.614 65 15
7 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R J.P.デ・オリベイラ/高星 明誠 37.072 65 18

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Start Time : 14:06'55
Finish Time : 16:02'57
セーフティカー 14:39'23〜14:53'34


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
16 MOTUL MUGEN NSX-GT 1'35.808

近藤監督のコメント

今回のレースでは、2ピットインも含め、2種類の戦略を立てていました。ただ、2ピットを敢行しようと思うと、10〜15周でピットインしなければならず、フロントタイヤ2本のみの交換となるためにそれなりのリスクも覚悟しなければなりませんでした。ただ、実際のタイムも想定内のタイムと良かったので、このまま(1ピットインの)スタンダード作戦で行ってシングルでフィニッシュできると判断しました。 レース中、セッテイングも予選よりの良く、タイヤの持ちも全然よかったし、ドライバーふたりが速さをしっかりと見せてくれました。まず、最初にドライブしたJP(デ・オリベイラ)から「タイヤは全然大丈夫(持つ)」とインフォメーションがあったので、後半の高星選手の時にも同じタイプのタイヤを装着しました。実際、本当に速かったと思います。さらにピット作業がすごく良かったんです。2台のGT-Rの前に出ることができた。

みんな良く頑張ってくれました。予選結果を踏まえると、決勝の成績はベストなものです。最終戦ではまた進化した姿で戦うことができればと思っています。

J.P.デ・オリベイラ選手のコメント

今回、2ストップ作戦をうまく遂行するには、まずいい運(SC導入など)が必要でした。2ストップするならSCカーが入る前にピットインする必要がありました。今回の決勝の場合では15−16周が目処でした。一方で、僕らが仮に2ストップを遂行するとすれば18−20周が目処でした。

結果として、我々はスタンダードな戦略でもいい具合に試合を運ばせることができたと思うし、厳しい中でもベストな戦い方できちんと入賞してポイントを持ち帰ることができて良かったと思います。もちろん、目の前の17号車をパスできれば良かったでしょうが、さすがにあれは難しかったと思います。最終的にはポジションを引き上げることができたし、前進することもできた。難しいレースウィークでしたが、その中でいい走りができたと思います。

高星 明誠選手のコメント

GT-Rとしてのベストは尽くせたかなと思います。タイヤ的にもスタンダードな作戦(1度のピットイン)で、最後までプッシュできるタイヤを持ち込むことができたのは良かったんじゃなかったかと思いますね。確かに個人的には17号車を抜きたかったですが、それができなかったのは自分の反省点になるので、これを糧に成長していければいいと思います。

タイヤについては、色々なことが分ってきたので良かった部分もありますが、クルマとして劣っている部分も今回で明確になったと思うので、足りなかったことを改善していきたいと思っています。

エンジニアのコメント

厳しい条件の下で戦うことになると思われたので、戦略的に2パターンのどちらでも遂行できるよう準備を進めました。スタンダードな1回のピットインに留まらず、早いタイミングで1度ピットに戻り、終盤に再度ピットインを行うという、2ピットストップ作戦も存分に考えました。最終的にはクルマの現状を踏まえ、スタンダードな戦略にしましたが、ドライバーふたりがしっかりと頑張ってくれたと思います。タイヤのコンディションも進化を感じることができました。最終戦のもてぎに向けて改めて見直しに取り組み、いい結果を残せるようにしたいと思います。

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