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Race Report - 第2戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(2019年5月3日・晴/ドライ)

予選レポート

長丁場の決戦を意識し、予選を終える

2019年シーズンの第2戦は、ゴールデンウィーク真っ只中の静岡・富士スピードウェイが舞台。予選日は快晴に恵まれ、雪化粧を施した富士山が終日姿を見せていた。 朝の練習走行では、ヤン・マーデンボロー選手から走行をスタート。高星明誠選手へとつなぎ、ともにクルマのセットアップを確認。加えて午後に控えた予選に向け、持ち込みタイヤの確認作業も進めた。 午後2時50分に始まったノックアウト予選のQ1。気温22度、路面温度35度のコンディションは、午前のセッションよりもやや低い状態。そんな中、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは硬めのタイヤを選択し、マーデンボロー選手がアタックへと向かった。 周回ごとにタイムアップし、タイヤを存分に温めてからアタックラップへと挑んだマーデンボロー選手。1分28分714をマークするが、Q2進出可能な8番手には一歩及ばない。ならば、と再度アタックすべく加速を続けたマーデンボロー選手だったが、チームは上位8台とのタイムを比較し、タイヤの温存を優先。決勝で引き続きこのタイヤを装着する可能性も考慮してアタック中断を決めた。 結果、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-RはQ1を13番手で終了。予選順位としては後方からのスタートに甘んじることとなってしまったが、できる限りの準備と対策を行い、500kmという長丁場の決戦に挑むこととなった。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'27.987 1'26.871 R 17
2 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 1'27.499 1'27.105 R  
3 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター 1'28.156 1'27.289 R 11
4 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1'28.271 1'27.402 4
5 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 1'28.190 1'27.673  
6 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 1'27.888 1'27.690  
7 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1'27.740 1'27.756 3
8 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1'27.492 1'27.765 8
9 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 1'28.308  
10 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'28.351   20
11 36 au TOM'S LC500 関口 雄飛/宮田 莉朋 1'28.457   2
12 1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'28.486    
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'28.714   6
14 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 1'28.838   5
15 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 1'29.309   1

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

R:コースレコード(従来のレコード 1'27.366)

※No.3 F.マコヴィッキィ 当該ラップタイム削除(SpR.18.1「走路外走行」)

※No.39 H.コバライネン 当該ラップタイム削除(SpR.18.1「走路外走行」)

近藤監督のコメント

明日のレースは500kmと長いので、しぶとく戦うことが求められます。その状況を考え、今日は「Q1を突破して前の順位にいけるか」と問いかけました。正直、上位のタイムを見る限りチームとしては厳しい状況だったと思います。1分27秒台には入ったかもしれませんが、27秒真ん中のタイムは見えなかった。仮に、Q1を突破したとしても7、8番手かな、と。であれば、レースのスタート後のことを考え、ハードの装着を選びました。 Q1ではヤン(マーデンボロー)が2アタック目に行ってたんです。でも途中で(アタックを)やめさせたんです。決勝に向けてタイヤ温存させました。まだセットアップもこれだというものを決めきれていなかったので。タイヤを使い切れるようないいセットアップが見つかればよかったのに、という思いが残っています。ただ、レースは500kmと長いので、しぶとく戦って5位前後でポイントを獲る戦いができればいいなと思ってます。

高星 明誠選手のコメント

セットに関しては持ち込みから外していた感じでした。なので、朝の走行中からその部分を修正していったのですが、セッション中に調整を終えるまでにはいきませんでした。その後も予選に向け、ジオメトリーも見直すなどいろいろと取り組みました。 (Q1を担当した)ヤンが言うには、クルマのバランスは良くなったということです。(調整や変更など)やったことに対し、クルマがちゃんと反応しているので良かったと思っています。ただ、朝の走行でソフトタイヤを履いたときに心配な点が見つかったので、予選ではハードを選択することになりました。 決勝では、予選日よりもさらに気温が上がってくれたほうがいいですね。今日のコンディションは、色々と自分たちに合わないことが多かったですね。持ち込みのセットやタイヤの選択など、うまく噛み合いませんでした。ただ、タイヤ自体のポテンシャルはそこまで悪いというわけじゃないんです。まだタイヤを上手く使い切れてないという部分が大きい。そこをなんとかしたいですね。決勝は長い分荒れそうなので、確実に走ってポイントを獲りたいと思います。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今日の予選は極めてタフな状態でした。朝の練習走行で色々と調整し、改善を重ねてきました。Q1のアタックでは硬めのタイヤを選んだんです。仮に明日のスタートタイヤがソフトタイヤでのスタートになったら、それはチームにとってあまりよくない状態になると感じたからです。 そういうこともあり、Q1でハードを選んだ分、アタックするには極めて難しい状況でもありました。厳しい結果になりましたが、戦略としての選択は正しかったと思っています。確かにQ2に進めなかったのは残念ではあるけれど、肝心なのは明日の決勝です。とにかく明日、一生懸命頑張るのみです。

二日目 決勝(2019年5月4日・雨/ウェット)

決勝レポート

不安定なコンディションの中、マシントラブルに泣く

決勝日の午前中は、ところどころに雲は見えるものの青空が広がっていた富士スピードウェイ。しかしながら、正午を過ぎて決戦が近づくと天候が急激に悪化。直前のウォームアップ走行中にぽつりぽつりと雨が降りはじめ、ウエットコンディションでのスタートとなった。そんな中、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rはタイヤコントロールに苦しみつつ、また思わぬマシントラブルにも見舞われ、14位完走の結果で終わっている。 開幕戦の岡山大会に引き続き、雨のスタートとなった第2戦富士大会。レインタイヤを装着して迎えた500km・110周の戦いは、午後2時30分、セーフティカー(SC)先導によるスタートが切られた。メインストレート上はさほど降雨はないものの場所によっては本降りとなっており、極めて不安定な状況ではあったが、3周目にグリーンフラッグが振られ実質上のレースが幕を開ける。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rに乗り込んだスタートドライバーの高星明誠選手は、13番手からひとつポジションを上げると温まりのよいタイヤ特性を活かし、逆転のチャンスを伺った。 午後2時53分、強い雨に加えて落雷の可能性が高くなったことを受け、SCが再びコースイン。15周目に向かったが、結局天候悪化のために赤旗が提示されてレースが一時中断、GT500/GT300クラス別に車両を整列させるためにコース上に全車両が停止した。だがその後は幸いにして雨が止み、午後3時33分にSC先導でのレースが再開する。 一方、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは38周終了時に最初のピットインを実施。高星選手からヤン・マーデンボロー選手へとスイッチ、追い上げに期待がかかった。ところが63周を終えたマーデンボロー選手が予定より早いタイミングでピットイン。タイヤ交換のみを行い、コースへと復帰する。しかし、そのわずか4周後にマーデンボロー選手がエンジンの不調を訴え、再びピットへと戻ってくる。 マシンはガレージへと戻され、原因究明のためにメカニックが懸命の作業に取り掛かる。幸いにして部品交換での修復が可能であったため、改めてコース復帰を果たした24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。修復作業によってすでに7周の遅れをとってしまったが、マーデンボロー選手に代わって最後のスティントを担当した高星選手は、97周目にチームベストとなる1'30.423の好タイムをマークするなど、ゴールを目指して力走。14位という結果ではあったが、今シーズン、チームが目指す全戦完走を果たしている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 3:40'46.358 110 3
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 19.693 110 17
3 1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 44.89 110  
4 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 45.809 110  
5 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 46.972 110  
6 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1'16.405 110 8
7 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 1'28.019 110  
8 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 1 Lap 109  
9 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1 Lap 109 20
10 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 1 Lap 109 1
11 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1 Lap 109 4
12 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター 2 Lap 108 11
13 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 3 Lap 107 5
14 24 リアライズコーポレーション
ADVAN GT-R
高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 7 Lap 103 6
15 36 au TOM'S LC500 関口 雄飛/宮田 莉朋 49 Lap 61 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

※開始(セーフティカースタート) : 14:30'00 終了 : 18:10'46

※セーフティカー : 1)14:30(スタート) - 14:35(2Laps) 2)14:53(12Laps) - 15:04(15Laps) 3)15:33(15Laps) - 15:42(18Laps)

※赤旗 : 15:04(15Laps) - 15:33

※黒白旗提示 No.37 平川亮

※No.8 伊沢拓也 ドライブスルー(H項「SC中のスピン,コースアウト」)

※No.6 ドライブスルー(SpR.27-1.3「ピット作業違反」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
1 RAYBRIG NSX-GT 1'29.709

近藤監督のコメント

今回は持ち込みからしっくり来ていなかった部分が最後まで残ってしまいました。タイヤにも頑張らないといけない部分がありますが、クルマに見合うセットアップも頑張らなければ、と思いました。また、レース中盤にはエンジン関係のパーツにトラブルが発生し、パーツ交換を強いられました。幸い修復可能なトラブルだったのでレースに復帰することができて良かったです。 今回の戦いでは、GT-R勢として決勝での速さを存分に見せられなかった部分もあるようですが、うちのチームとしてもトータルでの戦闘力を上げていかないといけないです。ただ、今回の雨のレースを戦い、ウエットタイヤに関しては方向性が見えてきたような手応えもあります。なので引き続き改善を重ねて強さを見せられるような形にしたいですね。オートポリスでのテストも控えているので、しっかりデータを積み重ねていきたいと思います。

高星 明誠選手のコメント

最初のスティントはもう少し周回を重ねる予定でしたが、タイヤが限界で、予定より早くピットインせざるを得なかったんです。ただピットに戻るタイミングが良かったので、その後はポジションを上げることもできました。でも中盤、ヤン(マーデンボロー)の走行中はスリックタイヤでのペースがあまり良くなく、やはり予定より早めのピットインになった上、エンジン系パーツにトラブルが出てしまい、余分なピットインを強いられました。最後の僕のスティントでは、チェッカーを受けるまで頑張る中、やはりペースは充分ではありませんでした。クルマも改善の必要があると思います。この先もクルマのセットやタイヤの開発を続けていく必要性を強く感じました。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

とても疲れるレースになりました。今回は途中で車両のトラブルも起こり、厳しい内容になりました。ただ、ピットストップなどの作業は何ひとつ問題なかったし、ミツ(高星)も僕も不安定なコンディションの中でミスなく走ることができました。タイヤを含むクルマとしてのパフォーマンスを向上させる必要はあります。この先、オートポリスのテストが控えているので、色々と改善できればいいと思います。

エンジニアのコメント

今回はクルマの持ち込みの時点でセットを上手く合わせ込むことができず、その調整に多くの時間を要することになってしまいました。結果として予選から決勝を通して存分なパフォーマンスを引き出すことができずに残念な結果となりました。また途中でマシントラブルも発生し、遅れを取ってしまいました。なんとか完走は果たせたのですが、次の鈴鹿大会では予選から上位に着けられるよう、しっかりと準備していきたいと思います。

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