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Race Report - 第3戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(2019年5月25日・晴/ドライ)

予選レポート

Q2進出を狙うも、悔しい結果に

早くも今シーズン3戦目の戦いを迎えたスーパーGT。今回の舞台、三重・鈴鹿サーキットは、予選日から初夏を思わせるような陽気となり、ときに暑さを覚えるほど気温も上昇した。
朝の練習走行で順調に走り込みを続けた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。決勝を見据え、まずはタイヤの確認から始め、終盤は予選のタイムアタックをシミュレートするなど順調にメニューをこなしていった。結果、ヤン・マーデンボロー選手が2番手となる1分47秒247をマークし、セッションを終えている。
午後3時9分、GT500クラスの予選Q1がスタート。気温28度、路面温度41度というコンディションの中、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rには高星明誠選手が乗り込み、アタックへと向かう。タイヤに熱を入れ、アタックラップを迎えた高星選手。タイヤのパフォーマンスを最大限に引き出すには、一発のアタックがすべてとなる。渾身の走りを見せた高星選手だったが、路面状況とタイヤが合わなかったこともあり、タイムロス。気を新たに、翌周に再度アタックを試みるも、ペースアップはならず。先に刻んだ1分47秒185のベストタイムは、Q2進出可能となる8位までにわずか0.2秒及ばず、マーデンボロー選手によるQ2アタックは実現しなかった。
結果、翌日の決勝において、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは第2戦同様に13番手からスタートを切る。下位からのスタートとはなるが、安定した速さを活かしたレース運びを見せ、しっかりとポイントを獲得することが一番の目標だ。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/関口 雄飛 1'46.808 1'45.775 2
2 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 1'46.311 1'45.788 8
3 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'45.916 1'46.207 24
4 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター 1'46.928 1'46.216 11
5 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 1'46.144 1'46.246 6
6 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1'46.821 1'46.462 4
7 1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'46.740 1'46.519 22
8 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 1'46.350 1'46.580 12
9 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 1'46.949 16
10 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'47.076   49
11 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 1'47.124   5
12 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1'47.177   18
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'47.185   6
14 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1'47.289   43
15 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 1'48.150   3

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

近藤監督のコメント

今日の予選は、GT-R勢として厳しい結果となってしまいました。ウチのチームも微妙なポジションにいて、「Q2に行けるかどうか」を意識したアタックになりましたね。残念ながらアタックでのミスもあり、Q2進出が叶いませんでした。レースには”タラ・レバ”がつきものですが、今回がまさにそういう状態でしたね。Q1を突破できていれば、Q2でいいポジションを狙えたと思っています。
今回はライバルとも僅差での戦いになっているので、決勝は是が非でも天気を味方につけたいですね。今日試したタイヤのパフォーマンスを見る限り、決勝に向けて期待が持てそうです。確実に走り切ることができれば、結果がついてくるのではないでしょうか。

高星 明誠選手のコメント

今日の朝の走行から予選にかけて、周りのタイムの上がりしろが大きかったですね。僕らも朝から調子が良くて、予選に向けてセットを大きく変えるようなこともしませんでした。一方で僕らはライバルほどタイムを削ることができませんでした。Q1は僕がミスしたことでQ1突破なるかどうか、というギリギリのところでした。結果的にQ2進出を逃すこととなり、チームのみんなにはとても申し訳ないと思っています。
アタックでミスがあったので、2周目もアタックしましたが、基本的には最初のアタックでタイムを出さないといけない状態だったので…。明日はレースに向けて気持ちを切り替えて頑張っていくだけです。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今朝の練習走行では2番手につけることができました。また、僕がマークしたチームのベストタイムはそのときのトップタイムとわずか0.002秒差だったので、午後からのノックアウト予選でもいいポジションが狙えるという期待を持っていました。僕自身もQ2でのアタックを心待ちにしていたのですが、それが叶わずに終わり、とても残念な気持ちでいっぱいです。
今日のクルマのコンディションはとても良かったです。明日の決勝では後方からのポジションアップはかなり厳しいかと思いますが、とにかくチーム一丸となって頑張るしかないですね。

エンジニアのコメント

今日は、今チームが持っている力を出し切ることができたと思います。ベストを尽くすことはできました。ただ、アタック中に頑張りすぎたことが、Q1の結果になったということです。今日はQ1で終わるかQ2に進めるか、ギリギリのラインでのアタックでした。チームとしてはある程度予想できた部分でもあります。
明日はシーズン序盤の最後のレースになるので、そろそろしっかりとレースをしてポイントを稼ぎたいですね。幸い、タイヤの見極めもできているし、決勝のペースもいいと思うので、頑張って結果を狙っていきたいで

二日目 決勝(2019年5月26日・晴/ドライ)

決勝レポート

荒れ模様の展開をしのぎ、8位入賞達成!

今シーズン3戦目にして、ようやく予選、決勝ともドライコンディションでの戦いが可能となったスーパーGTレース。舞台となる鈴鹿サーキットは、決勝日も朝から強い日差しが照る夏日の天候となった。そんな中、着実なレース運びを誓っていた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、ハプニングに見舞われつつも粘りの走行でチェッカー。8位入賞を果たすこととなった。
予選日より、やや薄曇りの空が広がった鈴鹿サーキット。しかし、午後2時30分からの決戦を前に、じりじりと気温・路面温度が上昇し、気温29度、路面温度39度の中で52周にわたる戦いの幕が上がった。13番手からレースを迎えた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。先にステアリングを握ったのはヤン・マーデンボロー選手で、今季初となった白バイとパトカー先導によるパレードラップを経て、フォーメーションラップからのスタートを切った。その際、スタートライン通過を前に前方の車両を追い越す形となったマーデンボロー選手。前の車両が急な減速をしたことにも関係するが、これがのちにスタート違反に問われ、そのペナルティとしてドライブスルーが科せられた。
7周目、ペナルティを消化した24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、改めて追い上げモードで周回を重ねていく。しかしながら、一度落としてしまったポジションからの逆転はそう容易なことではなく、ひたすら前の車両に追随するのみ。そんな中、レースは17周目に入って1台の車両が130Rでオーバーラン。そのままスポンジバリアにクラッシュし、グラベルにストップする。これによってレースはセーフティカーが導入され、21周を終えるまで戦いが一旦お預けとなる。レース再開は22周目。各車とも、ちょうどルーティンのピットワークとほぼ同じタイミングだったということも重なり、再開後にすぐさまピットへ戻ってくる車両が続出。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも、目の前を走るNSX-GTをピット作業で逆転すべく、アンダーカットの策を採った。
新たに24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rへと乗り込んだのは、高星明誠選手。チェッカーまで着実に周回を重ね、チャンスがあればポジションアップを狙っていこうとコースに向かう。依然として厳しい暑さの中、高星選手はひとつ、またひとつとライバルを逆転。終盤に入ると、上位争いをしていた車両にトラブルが発生したり、コース上での接触が原因でポジションを下げるなど、なにかと落ち着かない展開になったことが味方にもなり、36周を終えた時点で10位入賞圏内までポジションを引き上げた。
レースはチェッカー直前まで様々なハプニングが続出。実のところ、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも不調を抱えた状態で周回を重ねていたが、高星選手は見事なマネージメントで後方の追い上げもシャットアウト。しぶとく粘りの走りを見せてチェッカー。終わってみれば日産勢トップとなる8位入賞の結果を掴み取ることとなった。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/関口 雄飛 1:47'21.606 52 2
2 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 8.071 52 8
3 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 10.534 52 6
4 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 16.826 52 24
5 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 34.34 52 16
6 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 42.353 52 43
7 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 56.487 52 5
8 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'07.597 52 6
9 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1'08.234 52 18
10 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター 1 Lap 51 11
11 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 1 Lap 51 3
12 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1 Lap 51 4
13 1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1 Lap 51 22
  17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 21 Laps 31 12
  23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 36 Laps 16 49

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

開始 : 14:38'51 終了 : 16:26'12

セーフティカー : 15:11'31(17Laps) - 15:28'31(21Laps)3)15:33(15Laps) - 15:42(18Laps)

※No.24 J.マーデンボロー ドライブスルー(SpR 32-16.「スタート違反」)

※No.3 平手晃平 ペナルティストップ10秒(SpR付則3.12.「SC中のオーバーラン」)

※No.64 ドライブスルー(SpR.27-1.3「ピット作業違反」)

※No.12 佐々木大樹 競技結果に32秒加算(SpR13-1.「危険なドライブ行為」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
36 au TOM'S LC500 1'48.971

近藤監督のコメント

スタート時のペナルティで一旦後方に下がりましたが、セーフティカーが入ったおかげで前の車両に追いつくことができたのは、チームにとってラッキーでした。混戦模様の中、ペナルティを消化したあとはトラフィックを避けつつ走れたことも味方になりました。
今日は、気温も高くなり、荒れる展開になると読んでいたこともあり、その中でドライバーふたりはよく耐えてしっかりと走ってくれたと思います。トラブルの出たクルマが多かった中、僕らは淡々としぶとくレースを戦い抜くことができました。まとめる戦いをした結果が8位入賞だったという点では良かったと思っています。

高星 明誠選手のコメント

終盤になって、クルマの調子が悪くなりました。130Rの出口で症状が出たりして、ペース良く走るのが難しい状態でした。今日のレースはタイヤをもたせて走ることもかなり意識しなければいけませんでしたし、ペースも上げられませんでした。一方で、ポイントが獲れる可能性が高い位置で周回を続けていたので、入賞圏内に入ってからは、最後の最後まで諦めず、ポジションを守ることだけを考えて走りました。今回は我慢のレースにはなりましたが、その中でポイントが獲れたことは大きな意味を持つと思っています。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今日のレースでは、僕にとっての一番の難敵がスタートになりました。前のポジションにいた何台かの車両が急激に車速を落としたため、僕は行き場がなくなって前の車両を抜く形になってしまいました。結果、それがスタート違反の対象になってペナルティを受けました。残念です。一度ピットに戻ってから再スタートしたわけですが、渋滞がひどい中での追い上げはとても大変でした。最初は厳しい結果に終わるだろうと思っていたので、今日、ポイントが獲れたことに対しては、とてもポジティブな気分で受け止めることができます。僕らは次のタイ戦に向けて、もっと速さが必要になるでしょうがしっかりと戦えるよう、準備していきたいと思っています。

エンジニアのコメント

残念ながら、スタートではドライバーのミスが出てしまいました。前の車両が減速したことが原因かもしれませんが、結果としては避けられるペナルティを受けることになってしまいました。今回は気温も路面温度もかなり上昇したこともあり、タイヤにとっても厳しいレースになりました。今回、セーフティカーが入る展開になったので、本来であればレース再開時にもう少しステイアウトしてプッシュしたかったのですが、ちょうど前にいたクルマもステイアウトしたため、逆にピットインしてルーティン作業を行うことになりました。 後半の高星選手もタイヤをマネージメントしてもらいながら、頑張ってもらったのですが、最後はクルマの不調も出てしまい、さらに難しい状況で走ってもらうことになりました。そんな中で、後方の車両をしっかりと抑え切った走りは見事だったと思います。今回はいろいろありましたが、結果的に入賞してポイントを手にできたのは、大きいですね。チームとして結果を残すことにこだわって戦っている成果が出ているのだと思います。

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