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Race Report - 第6戦 オートポリス

一日目 予選(2019年9月7日・晴れ~曇り/ドライ)

予選レポート

セット変更が奏功し、予選は今季ベストの3位

早いもので、今シーズンも終盤戦に向けて動き出したSUPER GT。第6戦は九州・大分県に位置するオートポリスでの一戦となる。朝の走行から順調な仕上がりを見せていた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、その勢いのまま予選に挑み、3番手を獲得。今シーズンチームベストとなる結果を手にしている。

レースウィークを前に台風13号が九州西部に接近したこともあり、予選日の土曜日は朝から蒸し暑い天気となった。一方、上空には灰色の雲が広がっており、あまり気温が上がらないコンディションの中で走行が始まった。

気温24度、路面温度26度で始まった公式練習。まず高星明誠選手からドライブし始め、後半に入るとヤン・マーデンボロー選手へとスイッチ。終盤には1分34秒767のタイムをマークし、4番手につけた。一方、ドライバーのリクエストに応えてチームは大幅なセッティング変更に着手。これがさらなるいい流れを生むことになる。

午後2時50分、気温28度、路面温度36度まで上昇した中で始まったGT500クラス公式予選。開始と同時にコースインするクルマはおらず、15分間のセッションが残り7分半を迎える頃になり、ようやく1台、また1台とコースへ向かって行った。Q1のドライブを担当した高星選手は計測3周目に1分35秒176をマークし、6番手に。無事、Q1を突破する。

続くQ2は、午後3時33分にスタート。気温27度、路面温度35度とQ1とほぼ変わらないコンディションの中でのアタックに挑んだマーデンボロー選手は、1分33秒978の好タイムをマーク。そのタイムは3番手となったが、2番手との差はわずか0.011秒という奮闘ぶりだった。

今シーズン、最高の予選順位を獲得した24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。決勝では表彰台はもちろん、その真ん中に立つことを目標に、さらなる躍進を目指す。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 1'34.415 1'33.262 20
2 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 1'35.382 1'33.967 50
3 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'35.176 1'33.978 28
4 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/関口 雄飛 1'35.060 1'34.238 48
5 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 1'35.118 1'34.725 40
6 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1'35.600 1'34.855 32
7 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 1'35.105 1'34.935 88
8 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 1'34.733 1'35.087 61
9 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 1'35.728 41
10 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1'35.825 77
11 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 1'35.843 16
12 1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 1'35.846 58
13 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 1'36.236 9
14 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 1'36.416 120
15 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター 1'36.629 35

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

近藤監督のコメント

今日はいい予選にできました。今回、飛躍できた一番のポイントは、気温が下がってそれがチームに味方したことです。加えてQ2担当のヤン(マーデンボロー)の走りですね。彼のセクター1を見ていると、今週一番の速さを見せていましたからね。実際、ポールポジションを獲ってもおかしくない速さを見せてくれました。まぁ、(今大会のポールポジションとなった)17号車NSX-GTの速さは次元が違っていましたが、2番手とは0.011秒差ですからね。なので、3番手で予選を終えることができて、今シーズンベストの結果になったし、前回の富士戦はトラブルに泣きましたが、それまでは表彰台を存分に狙えるパフォーマンスを見せていたので、今、いい流れが出来つつあるのかなと思います。

ただ、明日は天気が気がかりですね。それとタイヤ。どういう作戦でいくのがチームにとっていいのか、これからしっかりと考えて戦いに挑みたいと思います。

高星 明誠選手のコメント

朝の走行ではすごくタイムは良かったのですが、その一方でクルマのバランスは良くなかったし、予選に向けた改善が必要だと感じました。結果、結構大胆にセッティングを変更することになりました。しかしながらそれがうまく行き、結果に繋がったので良かったと思います。決断してくれたチームには感謝しています。

ただセットを大幅に変えて、いきなりのQ1アタックだったのでどうなるかわかりませんでしたが、Q1通過できたのは良かったと思います。またQ2でのヤン(マーデンボロー)のアタックも良くて3番手といういい位置を獲ってくれました。レースに向けて、まだまだ見直したいところもありますが、明日の決勝では久々に好ポジションからスタートが切れるので、いい結果を目指したいですね。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

KONDORacingが日産勢のトップとして、また3位から明日の決勝を迎えることができるのは、大変うれしいことだし、とてもいい気分です。公式練習からいいペースで走ることができていたし、アタックシミュレーションでもいいタイムが出ていました。

ノックアウト予選では、まずミツ(高星明誠)がQ1を突破してくれると信じていました。それくらい自信もありました。僕はQ2を担当したのですが、ミスなくいいアタックができたと思います。総合3番手という今シーズンのチームベストの結果となり、満足しています。

今回、予選前に大きくセッティングを変更したのですが、すべての面で改善されてそれが結果に繋がりました。明日の決勝を3番手からスタートできるので、いい戦いができそうです。優勝を目標にしているので、さらに決勝用のセットアップをしっかりと見つけたいと思います。

エンジニアのコメント

ドライバーとも話をして、セッティングの見直しを進めました。もともとこのオートポリスのコースは、タイヤがグリップする分だけタイヤに厳しいことで知られています。その問題を解決しなければいけなかったので、それを改善するためのトライをさせてもらいました。

結果としていい方向に行ったし、いいポジションも手に入れることができました。ただし、まだ問題点は残っています。なので、さらに見直すことがあるし、それを解決しなければレースでも存分に戦えないと思っています。まずいい戦いができるよう、できる限りの準備をしてレースに望みたいと考えています。

今回の収穫はQ1をきちんと通過し、Q2に挑んだことでいろんな状況を理解することができました。ひとつひとつステップアップを重ねることで、さらに強さや速さを追求できればと思います。

二日目 決勝(2019年9月8日・晴れ~雨/ドライ~ウェット)

決勝レポート

不安定な天候、荒れ模様の展開に翻弄され、9位フィニッシュ

レースウィークに入ってから、不安定な天気が続いたオートポリス。
決勝日は午前中こそ、強い日差しと青空が顔を出していたが、すぐに灰色の雲に上空が覆われるなど、依然として落ち着かない雲行きに変わってしまった。そんな中、65周にわたる決勝はドライコンディションとなったが、時折スコールのような雨に見舞われ、混乱の展開に。結果、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは予選での好位置を活かせず、惜しくも9位で戦いを終えている。

気温27度、路面温度33度と数字だけを見れば過ごしやすい天候ながら、高い湿度のせいか蒸し暑さが先行する中で決勝はスタート。予選3番手から戦いに挑んだ24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、まずヤン・マーデンボロー選手がステアリングを握った。パレードラップを経てフォーメーションラップに入り、オープニングラップではポジションキープを見せたマーデンボロー選手。すぐに追い上げを見せたいところだったが、コース後半セクションの複合コーナーで1台の車両がコースアウト。これによりオープニングラップから6周終了時までセーフティカーランを強いられる。だが、レースが再開すると、12周目には目前に迫った8号車ARTA NSX-GTを逆転。2番手から首位の17号車KEIHIN NSX-GTを追い始めた。

そんな中、1コーナー付近では雨が降り始め、路面状況が不安定な状態に。しかし、次第に雨脚が強くなる中、マーデンボロー選手は安定したラップタイムを刻み続けて粘り強く周回を重ね、トップとのタイムを削っていった。だが、33周目に1台の車両がセクター3のコース上でストップ、さらにもう1台がコースアウトしてバリアにクラッシュしたことを受け、2度目のセーフティカーがコースインする。この直前、上位陣がこぞってルーティンのピットインを選択していたが、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは狭いピットでの混乱を避けてステイアウトを選択。39周目のホームストレート上でGT500クラスとGT300クラスの隊列を整える作業を終えた40周目にピットインし、高星明誠選手へのドライバー交代を含むピット作業に取り掛かった。

ルーティンのピットインではウエットorスリックというタイヤ選択がチームによって分かれたが、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rはスリックでのレースを続行。一時、雨もすっかり上がって路面も乾き始めていたのだが、移り気の激しい上空から再び雨が降り出し、残念ながら結果的にチームには逆風が吹くこととなった。

そんな中でも懸命の追い上げを見せていた高星選手。レース終盤には雨も上がり、再び日差しも出始めたが、抜きどころのないコース上でのバトルは厳しく、思うように逆転のチャンスは訪れず。結果、9位で戦いを終える形となった。

残すところ2戦となったSUPER GT。表彰台が確実に見えていたレース展開だっただけに悔しさが募るが、この思いをバネに引き続きタフな戦いに挑むこととなる。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 2:19'15.779 65 40
2 17 KEIHIN NSX-GT 塚越 広大/ベルトラン・バゲット 3.774 65 20
3 37 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ 24.137 65 88
4 38 ZENT CERUMO LC500 立川 祐路/石浦 宏明 27.931 65 61
5 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/伊沢 拓也 32.440 65 50
6 6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也/山下 健太 32.676 65 120
7 64 Modulo Epson NSX-GT ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 34.575 65 9
8 19 WedsSport ADVAN LC500 国本 雄資/坪井 翔 1'04.754 65 41
9 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'09.629 65 28
10 36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴/関口 雄飛 1'47.470 65 48
11 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ 1 Lap 64 32
12 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/千代 勝正 1 Lap 64 35
13 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 1 Lap 64 77
14 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤 英紀/中嶋 大祐 2 Lap 63 16
1 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン 58

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
開始 : 14:37'06 終了 : 16:56'21
セーフティカー : 1)14:40(1lap) - 14:51(6Laps) 2)15:40(34Laps) - 16:00(40Laps) 3)16:06(43Laps) - 16:27(49Laps)

No.12 ドライバーをJ.ロシターから千代勝正に変更した。(公式通知No.36及びNo.37による)
No.12 ペナルティストップ10秒(公式通知No.36「参加確認後のドライバー変更」)
No.16 武藤英紀 ドライブスルー(SpR.13.1.a「フォーメーションラップ中の追突」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
17 KEIHIN NSX-GT 1'36.679

高星 明誠選手のコメント

クルマのペースも悪くなく、スリックタイヤでのレースを続行したのは、結果的には正解だったと思います。敢えて言うと、その中で見えてきたのがタイヤのウォームアップに時間がかかることでした。ただ、2戦を残す中で改めて課題を認識できたことは良かったと思います。期待していた結果には繋がりませんでしたが、表彰台に上がれるかも、という思いは去年なかったことだし、パフォーマンスとしての速さを見せることができたのは良かったです。進歩した部分を結果で見せることができればなお良いと思うので、引き続き頑張っていきたいですね。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

レースで上位争いができてとても嬉しかったですね。今回は、タイヤ開発も進み、とてもいいコンディションで走ることができました。3番手スタートから2番手にポジションを上げ、トップを追う走りもできたのですが、難しかったのがルーティンのピットインのタイミングだったと思います。しかし、速さあるクルマでレースをし、タイヤの進化を感じる中で戦いができたので、今回わかった課題を改善することによってさらに強いチームになっていくと思っています。次のSUGO戦では、優勝を狙って頑張りたいです。

エンジニアのコメント

今回のレースでは、2回目のセーフティカー(SC)が入る前にピットインするクルマが多くいたのですが、チームとしてはあのタイミングでルーティンのピット作業をするよりも、もう少し先にしたいという考えがありました。加えて雨が落ち始めていたので、中途半端なコンディションでピットインし、ドライバーにニュータイヤでの周回を強いるよりも安定したペースで周回する方を選びました。
結果的にSCランとなったため、このリスタートをもってピットインして高星選手へと交代し、スクラブ済みのスリックタイヤで送り出しました。アウトラップでの高星選手の力走が奏功し、先行されてしまった2台を抜き返してくれたことが大きかったですね。よく頑張ってくれました。今回は、天候の目まぐるしい変化に翻弄された部分もありましたが、その中で、クルマやタイヤのコンディションを把握し、チームとして最善の手段をその都度選択した上で戦うことはできたと思います。

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