Race Report - 第8戦 ツインリンクもてぎ
一日目 予選(2019年11月2日・晴れ~曇り/ドライ)
予選レポート
果敢に挑むも、予選12番手に留まる
いよいよ今シーズン最後の戦いを迎えたツインリンクもてぎ。朝晩こそ多少冷え込んだが、時間の経過とともに気温は上昇。絶好のレース観戦日和となった。
朝の公式練習でクルマの確認作業を進め、午後からのノックアウト予選に向けて微調整を繰り返した24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-R。気温14度、路面温度20度の中、まずは高星明誠選手がドライビングを始め、次第にペースを上げていく。さらにGT300クラスとの混走時間枠で高星選手からヤン・マーデンボロー選手へとスイッチし、一旦は8番手につけた。
その後、GT300クラスの専有走行がスタート。10分のインターバルでのアタックが終わると、いよいよGT500クラス専有走行が始まる。24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rのコクピットに収まったのは、マーデンボロー選手。アタックシミュレーションを行い、ラストアタックで自己ベストタイムの更新に成功した。しかし、全体ベストとしてのタイムは、混走枠でひと足先に高星選手がマークした1分37秒756。これが11番手となり朝の走行を終えることになった。
午後に入ると、小春日和の天候に恵まれたツインリンクもてぎ。ノックアウト予選では、いっそうタイムアップの可能性が高まった。24号車 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rに乗り込み、アタックを担当したのは高星選手。15分間のQ1セッションながら、どのクルマもなかなかコースインせず、満を持してのアタック開始となる。
気温19度、路面温度25度と、午前中よりも5度前後上昇し、強い日差しも出る中、高星選手がコースに向かったのは残り時間およそ8分の頃。しっかりとタイヤを温め、アタックラップで刻んだタイムは、1分37秒431。午前の走行時よりもタイムを削ることには成功したが、ポジションアップには直結せず。結果、12番手に留まり、Q2進出は果たせなかった。
シーズンエンドの一戦となる決勝では、チームとして持ちうる力を振り絞り、ひとつでもポジションアップを果たすべく健闘を誓う。
公式予選記録
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | 1'36.841 | 1'35.964 | |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋 和也/山下 健太 | 1'36.885 | 1'35.999 | |
3 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 1'36.353 | 1'36.128 | |
4 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川 亮/ニック・キャシディ | 1'36.565 | 1'36.228 | |
5 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越 広大/ベルトラン・バゲット | 1'36.878 | 1'36.430 | |
6 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川 祐路/石浦 宏明 | 1'36.586 | 1'36.993 | |
7 | 64 | Modulo Epson NSX-GT | ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 | 1'37.064 | 1'37.028 | |
8 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | 1'36.780 | 1'54.637 | |
9 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 | 国本 雄資/坪井 翔 | 1'37.078 | ||
10 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ | 1'37.349 | ||
11 | 1 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/ジェンソン・バトン | 1'37.406 | ||
12 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー | 1'37.431 | ||
13 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | 1'37.799 | ||
14 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 | 1'38.014 | ||
15 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
近藤監督のコメント
高星 明誠選手のコメント
ヤン・マーデンボロー選手のコメント
エンジニアのコメント
二日目 決勝(2019年11月3日・晴れ~曇り/ドライ)
決勝レポート
今季最終戦はほろ苦い結果に終わる
ついに2019年シーズン最後の戦いを迎えたスーパーGT。ツインリンクもてぎはレースウィーク中、安定した天候に恵まれ、ドライコンディション下での決戦を繰り広げることとなった。予選12位スタートの24号車 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは、粘り強い走りを見せて53周、250kmを走破。10位入賞でシーズンのラストレースを終えている。
前日同様、早朝の冷え込みはあったものの、決戦を控えたサーキットは気温も安定。午後2時、栃木県警の白バイ、パトカーが先導してのパレードラップを経て、フォーメーションラップが行われると、24号車 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rのスタートドライバーを務めたヤン・マーデンボロー選手は早速前方車両をプッシュ。まずオープニングラップを10番手で終えた。その後、前を走る64号車のNSX-GTを8周目に逆転し、周回を重ねる。
今大会は通常のレースフォーマットよりも距離が50km短いことから、ルーティンのピット作業も早いタイミングで行われた。チームでは前後車両の動きを読んで、少しでもポジションアップの可能性を高めようと戦略を立てていたが、図らずも18周終了時点からピットインする車両が続出。24号車 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rの背後を走り、同じヨコハマタイヤ勢でもある19号車のLC500がピットインしたため、チームではその翌周のピットインを決行。19号車の先行を許すことなく、コースに復帰を果たした。
その後、ほとんどのGT500車両がピットインを済ませ、レースは後半の戦いへと突入する。GT300のバックマーカーを交えた攻防戦の中、マーデンボロー選手からステアリングを引き継いだ高星明誠選手も奮闘して力走を続けたが、激しいポジション争いで惜しくもポジションダウンを強いられる。だが、そんな状況を変えようと、同じヨコハマタイヤを装着する16号車のNSX-GTとは最後の最後までバトルを繰り広げる善戦を見せた。惜しくも逆転には至らなかったが、24号車 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rは10位でチェッカー。シーズン5度目の入賞を果たし、最終戦の幕を下ろしている。
タフな戦いが続いた今シーズン。チームとして足りない部分がより明確になる中、新たな戦いへ向けてアプローチをより一層強化し、来シーズンでの善戦を誓うKONDO RACING。速さ、強さを追求し、さらにステップアップした戦いへと臨む所存だ。
決勝結果
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S LC500 | 平川 亮/ニック・キャシディ | 1:31'25.868 | 53 | |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 | 大嶋 和也/山下 健太 | 12.169 | 53 | |
3 | 36 | au TOM'S LC500 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | 14.871 | 53 | |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 | 立川 祐路/石浦 宏明 | 15.492 | 53 | |
5 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 塚越 広大/ベルトラン・バゲット | 21.338 | 53 | |
6 | 1 | RAYBRIG NSX-GT | 山本 尚貴/ジェンソン・バトン | 22.018 | 53 | |
7 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 | 国本 雄資/坪井 翔 | 46.232 | 53 | |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 47.481 | 53 | |
9 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | 1'08.290 | 53 | |
10 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー | 1'08.885 | 53 | |
11 | 39 | DENSO KOBELCO SARD LC500 | ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 | 1'29.961 | 53 | |
12 | 64 | Modulo Epson NSX-GT | ナレイン・カーティケヤン/牧野 任祐 | 1 Lap | 52 | |
13 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | 6 Laps | 47 | |
14 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 佐々木 大樹/ジェームス・ロシター | 40 Laps | 13 | |
15 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手 晃平/フレデリック・マコヴィッキィ | DNS |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
No.12 ペナルティストップ15秒(Spr.22.4.1「2基を超えたエンジン交換」)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
1 | RAYBRIG NSX-GT | 1'39.070 |
近藤監督のコメント
高星 明誠選手のコメント
ただ去年に比べると、マシンのフィーリングはすごく良くなってきているように感じました。そこにタイヤのパフォーマンスがうまく合っていけばいいレースができるのでは、という期待を持っていたのですが、そういうシチュエーションが巡ってこなかったのは残念に思います。
来シーズンに向けてテストを行う中、やっていかなければいけないことが多いのですが、いつも変わることなくしっかりとアプローチしていけたらと思います。
ヤン・マーデンボロー選手のコメント
レースではクルマのバランス、タイヤのコントロールなど、様々な問題点を抱えつつの戦いになりましたが、今シーズンはまだDTMとの交流戦があるので、そこでしっかりと速さあるパフォーマンスを皆さんにお見せすることができればと思います。
エンジニアのコメント
戦いの中で、自分たちが持っている道具としてのパフォーマンスをフルに引き出すような走りはできました。しかしその一方で、結果に直結しなかったのも事実です。戦いを重ねるごとで、この先に向けての多くの課題がより明確になってきました。その点は良かったと思います。