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Race Report - 第5戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(10月3日・曇/ドライ)

予選レポート

Q1を突破、今季最高位の予選4番手を獲得

シーズン折返しを迎えた2020年SUPER GTシリーズ。後半戦の初戦は静岡・富士スピードウェイが舞台となる。今大会から場内での観戦が実施されることになり、朝早くから待ちわびたファンがサーキットを訪れた。

予選日の富士スピードウェイは、空を曇が覆ったものの安定したコンディションとなり、絶好のレース日和に恵まれる。
まず、午前9時15分から公式練習が始まり、高星明誠選手がNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rに乗り込んで周回し始めた。
気温22度、路面温度30度のコンディションの中、富士戦に合わせた持ち込みのセッティングを確認しつつ、12周目に1分28秒768のタイムをマークして2番手に名を刻む。
その後、ピットインしてヤン・マーデンボロー選手へとスイッチ。ヤン選手もクルマのフィーリングを確認する一方、セットアップ作業を繰り返したが、午前10時24分、GT300車両が1コーナー先のコースサイドにストップしたことから赤旗が提示され、セッションが中断する。

車両の回収が終わり、およそ10分後にセッションがリスタート。この際、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rには再び高星選手が乗り込み、予選に向けての最終チェックを行ってGT300クラスとの混走セッションを終えた。
GT300専有走行を挟み、GT500専有走行を迎えると、今度はマーデンボロー選手がコースイン。アタックシミュレーションとして刻んだタイムは1分28秒829と高星選手に肉薄する好タイムをマークし、セッションを2番手で終えた。

ノックアウトQ1の予選がスタートしたのは午後2時。まずGT300クラスのセッションが行われ、GT500クラスのQ1は午後2時33分に始まった。
気温21度、路面温度32度、午前中とほぼ変わらないコンディションの中、高星選手がNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのステアリングを握り、アタックを開始する。

計測3周目に1分28秒460をマークした高星選手は暫定2番手に浮上。その後、ライバル勢がベストラップを刻み始めると、高星選手も負けじと自己ベストラップを更新して1分28秒218へとタイムアップ。
ポジションこそ4番手となったが、KONDO RACINGとしては今シーズン初となるQ1突破を達成した。

午後3時11分、Q2がスタート。気温20度、路面温度は28度へと下がったが、満を持してアタックを開始したマーデンボロー選手は残り2分30秒の時点で1分27秒809をマークして暫定トップへと躍り出る。
その後、3台の車両がこのタイムを上回ったため、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは4番手で予選を終了。結果、今シーズン最高位の予選順位を手にし、明日の決勝に向けて大きな弾みをつけることになった。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/福住 仁嶺 1'28.063 1'27.130 8
2 12 カルソニック IMPUL GT-R 佐々木 大樹/平峰 一貴 1'28.032 1'27.620
3 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資/宮田 莉朋 1'28.111 1'27.688 6
4 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'28.218 1'27.809 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Q1  開始 : 14:33'00 終了 : 14:43'00

Q2  開始 : 15:11'00 終了 : 15:21'00

近藤監督のコメント

今回はしっかりと結果を出してくれました。采配として、今回は高星(明誠)をメインにして作業を進める方法を採りました。
全面的に彼に合わせる方向で作業を進めたことで、いい流れができました。
実際、朝のフリー走行の走り出しの時点から高星の調子が良かったので、今回はQ1を突破できるだろうという確信もありました。

結果、相乗効果で、Q2を担当したヤン(マーデンボロー)も闘志に火が付いたのでしょう、いい結果に繋げることができました。
また、今回はGT-R勢の全車がQ2に残ったこともあり、チームとしてもいい仕事ができたと思います。

明日の決勝はしぶとく戦うことが大事。表彰台も狙えるポジションがなので、いい結果を目標に頑張ります!

高星 明誠選手のコメント

正直、周りのライバルたちのウェイトが重くなったことで今回はチャンスが巡ってきているととらえています。
朝のフリー走行中は、セッティングの調整よりもロングランをやりたいという思いが強かったので、そちらを重点的に行いました。

一方、(搭載ウェイトの少ない)12号車とのタイム差も縮まってきており、それはいい傾向だと受け止めています。
とはいえ、今回ポールポジションを獲得した8号車との差は0.7秒だったので、まだまだやるべきことがあるようにも感じました。
ただ、今回の結果としては今までになかった4番手というものなので、それに関してはすごくうれしいと思っています。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

これまでのセッションの進め方を変えました。今回はミツ(高星明誠選手)にQ1を担当してもらい、僕はQ2での出走となりました。
セッション中、僕らのクルマが常に上位に名前を刻むこと自体もうれしかったのですが、朝のフリー走行でいくつか試したことも、その多くはうまくいったと思います。
その結果、ミツがとても素晴らしい走りを見せてくれて今季初めてQ1を突破し、Q2進出を果たすことができました。

僕のアタックではポールポジション獲得を目指して挑みました。いいアタックはできたと思いますが、残念ながら今回のポールポジションである8号車のスピードには及びませんでした。
フロントロウに並ぶスピードを手にするためにはまだやるべきことがあるということだと思います。とはいえ、今季最高位のセカンドロウからのスタートが切れるので、とてもうれしいです。
これまで、何かがうまく噛み合わないという展開が続いてきましたが、ようやく今回大きなチャンスが巡ってきたので、決勝もしっかり戦っていい結果を残したいですね。
今日はある意味、僕らにとっての”真のシーズンスタート”になったと思っています。

エンジニアのコメント

開幕から続けている作業に対し、ようやくある程度形がまとまってきたという感じになりました。結果的に高星(明誠)選手がQ1ですごく頑張ってくれて、うまくアジャストしてくれたと思います。
確かに相対的に(ウェイトハンディを搭載するクルマが増えて)周りが遅くなったということもありますが、ある程度容認してもらえるクルマに仕上がったと思います。

今回、今シーズンまだ一度もQ1突破を果たしていなかったこともあり、そこを意識したクルマ作りに注力したことも事実です。結果として朝の公式練習では思ったほどロングランの確認をするには至りませんでした。
また、ヤン(マーデンボロー)選手のスティントで色々セットアップを変更したため、最終的に予選に向けて高星選手に再度確認をしてもらい、午後からの予選に向けて最終の準備を行いました。

明日の決勝は、シーズン最高位からのスタートなのでそのチャンスを無駄にすることなくいい結果を残したいと思います。

二日目 決勝(10月4日・曇/ドライ)

決勝レポート

表彰台を視野に入れて戦うも、電装系トラブルに泣く

富士スピードウェイにおいて開催された2020年SUPER GTシリーズ第5戦。予選4位スタートのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、スタートから力走を見せると優勝を視野に入れた周回を続けた。
だが、レース折返しを過ぎ、突如スローダウン。思いもしなかったトラブルで大きく出遅れ、14位で戦いを終えている。


前日の予選日に続き、決勝日を迎えた日曜もどんよりとした薄い灰色の雲が上空に広がった富士スピードウェイ。今大会から可能となった観客を迎えての初レースは、様々なバトルを繰り広げる展開となり、見どころある一戦でもあった。

セカンドロウ、予選4番手から66周の戦いに挑むこととなったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。気温24度、路面温度27度というレースコンディションはクルマにとってもいい条件となり、決勝でのさらなるポジションアップを狙うこととなった。

今季初となる有観客レースとなり、ドライバーたちの士気も高まるというもの。 もちろん、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも同様で、まずスタートドライバーを務めた高星明誠選手がオープニングラップで早々にトップの座を奪取する力走を見せる。
13周目には1コーナーで8号車NSX-GTに先行を許したが、その後は2番手で周回を重ねて25周まで走行、ルーティンのドライバー交代のため、ピットインする。 また、待ち構えたスタッフも迅速に作業を済ませると、ヤン・マーデンボロー選手をコースへと送り出した。

レースは、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rがトップ3を十分に狙える形で後半戦へと突入。
コース上は、ピットインを終えたチームと、まだ実施していないチームが混在した状態でしばしバトルが繰り広げられた。
そんな中、36周目を走行していたNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rが突如スローダウン。ヘアピンカーブ先でほぼ停止状態になるというまさかのハプニングが発生する。

予兆なしの出来事にピットが騒然とする中、クルマに乗り込んでいるマーデンボロー選手は、自身でできる応急処置を行うことでなんとかレース復帰を目指したが、依然としてスピードが戻らない。
かろうじてピットまでクルマを戻すことはできたものの、クルマは一旦ガレージに収められることになった。

急転直下の出来事に、高星、マーデンボロー両選手はもちろんのこと、チームの誰もが悔しい思いを抱えながら、スタッフが修復作業に着手。
結果、電装系トラブルの一環でステアリングを交換することで、再びNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rはコースへの復帰を果たした。しかしながら、このトラブルによりトップから5周遅れという痛手を負うことに。
だが、逆境の中でも、マーデンボロー選手はライバルたちとほぼ変わらないラップタイムを刻み続けるパフォーマンスを披露した。

上位争いを繰り広げる中で表彰台がはっきりと見えた今大会。レースを終えてみれば14位という厳しい現実だけが残された。
勝敗の世界には”タラ・レバ”は存在しないが、順調なレース運びを見せていただけに、望んでいた結果へつながらなかったことは無念にほかならない。
それだけに、今大会で確信した”戦う力”を次の一戦でフルに発揮してリベンジを果たしたいところだ。

なお、今大会では、KONDO RacingのGT300クラス車両、No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が念願の初優勝を達成。
チームとしても、この追い風をNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rにも吹かせようと意気込んでいることは言うまでもない。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 1:47'01.279 66 38
2 14 WAKO'S 4CR GR Supra 大嶋 和也/坪井 翔 10.216 66 64
3 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/住 仁嶺 11.162 66 8
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 5 Laps 61 2

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

開始 : 13:33'36 終了 : 15:20'37
SC : 13:34(0Lap) - 13:43(4Laps)

黒白旗提示 No.39 H.コバライネン, No.23 松田次生
No.12 佐々木大樹 ドライブスルー (付則-3「SC中の追い越し」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
12 カルソニック IMPUL GT-R 1'29.631

近藤監督のコメント

オープニングラップで(スタートドライバーの)高星(明誠)がトップで1コーナーに入っていったときには、思わず声を上げました。
今回は、いい意味で”ゴールが見えている”と思える展開になったので、悪くても表彰台に上がれると信じていました。
それどころか、すべてが自分たちの味方になってくれるのであれば、優勝することも可能だと思ったくらいでした。

それだけにトラブルは信じられませんでしたね。ただ、今回の流れから、僕らには速さがあり、レースでも戦えるということを再認識できたのは良かったと思っています。
ドライバー、エンジニア、スタッフがそれぞれ頑張っていい仕事をしている一方で、それを形にして結果を出す部分がまだできていないけれど、結果を出せる力があることに確信が持てました。
今日のGT300クラスで勝った56号車(リアライズ 日産自動車大学校 GT-R)に吹いた良い風を、24号車にも吹かせたいと思います。

高星 明誠選手のコメント

残念な結果ですが、まだ足りないからこういう結果になるのかなとも思います。トラブルが起こってしまう、それはまだチームとして力が足りていないということでもあるかと受け止めています。
結果を残すということにおいて、多方面からケアしていかなければならないと感じますね。
確かに今回のトラブルは滅多に起こらない部位ではありましたが、それを”僕たちにまだ足りないところがあった”と認めることで次の鈴鹿に向けてしっかりと準備していけばいいと考えています。

スタートを決めてトップに立てたのは、他のチームに比べてタイヤのウォームアップも良かったことに尽きますね。加えてタイヤのパフォーマンスも安定していたので、今回はヨコハマタイヤの良さが出せました。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

今回は電装系のトラブルでした。ちょうど最終コーナーに入ったとき、突然2速でギアがスタックし変速できなかったんです。
一度電源を落としてリスタートを試みました。スピードも戻らず、そのままではレースを継続できないので、なんとかピットへとクルマを戻しました。

ステアリングを交換して再スタートできたのですが、本当に残念でした。運がなさすぎましたね。
今週末、僕らのクルマにはスピードもあって決勝でもいい仕事をしていました。表彰台も見えていたし、レース中は37号車GR Supraや100号車NSX-GTともいいバトルをしていました。それだけに何も結果を残せなかったことがつらいですね。

エンジニアのコメント

電装系トラブルが突如として出ました。一瞬、クルマが止まりそうになったのですが、ヤン(マーデンボロー)選手がなんとかピットまでクルマを戻してくれました。ピットでは考えられるトラブルシューティングを施しました。
形としては応急処置になりますが、コース復帰させました。周回遅れにはなったものの、チェッカーを受けることが大事ですからレースを続けました。

ピット作業もスムーズに済ませ、後半も上位を十分に狙える戦いを続けられると思っていたので、この結果は残念でした。

第4戦までの間、クルマのセットアップにじっくり取り組んできたのですが、今大会で予選での速さやレースペースの方向性をしっかりと確認することができました。
これからはレースペースをうまく調整することができれば、さらに戦闘力を上げていけると思います。

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