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Race Report - 第7戦 ツインリンクもてぎ

一日目 予選(11月7日・晴れ/ドライ)

予選レポート

今季2度目のもてぎは、厳しい予選順位に

2020年シーズンのSUPER GTも早いもので残り2戦。駆け足モードで戦いが繰り広げられる一方、今回の舞台となるツインリンクもてぎは今季初の有観客開催となり、心待ちにしていた多くのファンがサーキットでの観戦を楽しんだ。

従来のレーススケジュールであればもてぎ戦はシリーズ最終戦として開催されるところだが、今シーズンはまだ最終戦を残しての一戦。それだけに、どのチームもラストスパートをかけた戦いになるのは言うまでもない。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも今大会をターゲットにした新たなタイヤを投入、なんとしても予選から好位置を手にしたいと入念に準備を進めてもてぎへと乗り込んできた。
予選日のもてぎは朝から日差しが照り、気温も高め。午前9時5分から始まった公式練習は気温12度、路面温度14度でのスタートだったが、午前10時50分の終了時点では、それぞれ18度、23度まで上昇。雲こそ多いが、レース観戦には絶好の一日となった。
24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、まず、今大会に向けて新たに投入されたタイヤでのセットアップを確認。しかし、ドライバーからのフィードバックにより、予選に向けてさらなるパフォーマンスが必要という判断が下り、調整を繰り返すことになる。
まず高星明誠選手、その後はヤン・マーデンボロー選手がドライブを行い、改善策を見出そうと時間ある限りチャレンジを続ける中、セッション終了直前にマーデンボロー選手がチームベストタイムとなる1分38秒127のタイムをマークする。だが、チームが求める予選での力走を実現するため、最終的に予選Q1の開始直前までスタッフが懸命の作業を続けた。

気温19度、路面温度24度と、公式練習終了間際と似通ったコンディションの下で始まったノックアウト予選Q1。まずは高星選手が24号車に乗り込み、コースへ。他車を含め、アタックラップの計測が始まると、1台また1台とベストタイムを更新しながら周回を重ねていく。そんな中、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、残念ながら思うようにペースを上げることができない。最終的にベストラップ更新となる1分37秒860を刻んだが、ポジションは15番手どまり。抜きどころの少ないもてぎを最後尾から戦う結果に終わっている。
決勝日も気温が上がり、安定した天候の中での戦いになりそうなもてぎ戦。例年、ハプニングが多発しやすいもてぎ戦だが、果たして今大会はどのような展開となるのか。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rとしても熾烈な戦いに挑むこととなる。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也/大津 弘樹 1'36.368 1'36.140 15
2 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀/福住 仁嶺 1'36.861 1'36.593 28
3 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 1'36.825 '36.779 38
15 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'37.860 4

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Q1  開始 : 14:03'00 終了 : 14:13'00

Q2  開始 : 14:41'00 終了 : 14:51'00

近藤監督のコメント

今日はなにが悪かったのか予選が終わってすぐの時点では、その原因がまだはっきりとわからないですね。ただ、タイヤにしてもエンジンにしてもクルマ、そしてシャシーなど、全部が全部悪いわけではないんですが、それらをどう組み立てていくか、そこがうまく稼働していないという感じだと思います。とはいえ、これらが凄くうまく噛み合ったとしても、トップタイムをマークしていたかといえばそうでもなくて。ただ、今回の予選15位という順位で終わるようなことはなかったとも思います。
セッション後、ドライバー、エンジニアたちとも話はしたのですが、今の現状の中、自分たちで何が足りないのか、どこが悪かったのか、しっかりとポイントを見つける必要があると感じています。まずは、なにが悪いか、突き止めることが大事ですね。もてぎは予選のタイム差が各車出にくいので、余計に原因を見出すことが難しいんです。それだけに解明するのも大変かと思うのですが、決勝は最後尾スタートなので、怖いものなしでやれることをどんどんやっていってもらうしかないでしょう。

高星 明誠選手のコメント

今回は、公式練習の時点からちょっと何かが違うなという感じでした。今回、新しく準備されたタイヤへの期待も大きかったものの思うようにならず、結果的に思ったようなパフォーマンスを引き出すことができませんでした。また、このタイヤに合わせてきたセッティングだったので、当然ながらキツかったですね。
一方で、予選に向けてクルマ自体は改善したことに関しては良かったと思います。また、担当した予選Q1のタイムアタックでも、タイムを出すべきタイミングで出せたのでうまく行ったとは思います。ただ、今のセットだと残念ながらタイヤのパフォーマンスを引き出すことは難しかったですね。与えられた状況で自分たちの力は出せたとは思いますが、そこにタイヤが合っていなかったのが残念でなりません。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

朝の公式練習時に試したことが思うような方向に進みませんでした。今シーズンはもてぎでの戦いが第4戦に続いて2度目だったのですが、前回と比べても思ったほど改善できておらず、結果として期待していたような速さを引き出せなかったですね。
まずは同じヨコハマタイヤを装着する他のGT500車両と何が違ったのか、どうすべきだったのかを追求していくことが大事だと思います。もちろん、それに限らずGT-Rとしての速さを引き続き求めて行かなければならないでしょうね。いかなる状況でもベストを尽くして戦うことが大事なので、決勝に向けてもやるべきことを見出していかないと。もてぎはコースレイアウト的にもGT300の追い抜きが難しいところ。戦略としてはそういう点を逆にうまく活用しながら少しでもポジションを上げられるような戦いをしたいと思います。

エンジニアのコメント

結果を冷静に受け止めた上で言えることは、単純にタイヤのグリップ不足が最たる要因だったということです。今大会に合わせ、新しい種類のタイヤを持ち込み、セットアップしてサーキットに入りました。しかしうまく作動せず、タイムが伸びませんでした。
ただ、クルマのバランスなどは全然悪くなかったので、予選では従来のタイヤでアタックに挑みましたが、セッティングの確認等で時間が十分でなく力を発揮できずに終わった形です。決勝は後方からのスタートなので、抜きどころのないサーキットでの追い上げは大変厳しいですが、粘って戦っていきたいと思います。

二日目 決勝(11月8日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

まさかのトラブル発生、周回遅れの走りに甘んじる

1万6千人近い観客を迎え入れての開催となったSUPER GT 第7戦もてぎ大会の決勝日。サーキットは淡い青色の空にうろこ雲が終日広がる秋らしい天気に恵まれた。また穏やかな日差しによって、気温も上昇。絶好のレース日和となったが、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rにとっては、実に悔しい一戦になっている。
今シーズンも残り2戦。第7戦の決勝レースを、15番手からスタートすることになった24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rは、粘りある走りとレース中の好機を確実にものにすべく、全神経を集中させて戦いに挑もうとしていた。

午後1時、63周・300kmのレースがスタート。高星明誠選手がスタートドライバーを務め、まずはポジションキープでオープニングラップを終える。だが、4周目のヘアピン立ち上がりでクルマが突然のスローダウン、コース脇にそのまま停止するハプニングが起こる。高星選手はクルマの状態を把握する一方、状況を踏まえてエンジンを再始動。無事にピットにクルマを戻し、メカニックがマシントラブルの確認と修復に取り掛かった。後方からのスタートながら、粘り強く追い上げを見せたいと奮闘していたドライバーにはまさかの展開になってしまったが、24号車はコースへの復帰が叶い、引き続き高星選手がステアリングを握った。
レースは23周目に入り、GT300車両がコース上でトラブルのためストップ。再スタートが難しいことから、セーフティカーがコースインした。その後、規制されていたピットレーンが開放されると、ライバルたちは続々とドライバー交代のためにピットへと帰還。一方、序盤のハプニングでトップに対して5周遅れの状態で周回を続けていた24号車は、台数が減ったコース上で懸命の走りに努めた。そして、24号車が33周目を終えたタイミングでピットイン。ルーティンの作業を済ませると、長らく待ち構えていたヤン・マーデンボロー選手がコースへと向かった。この時点では、すでに自らとの戦いになっていた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。ライバルとの攻防戦もなく、孤独な戦いに挑むこととなったマーデンボロー選手だが、単に完走を目指すだけでなく、最終戦富士での戦いを意識しながら周回を重ねて上位陣と遜色のない好タイムを刻んでいった。結果、24号車はトップから5周遅れの58周を走破し、チェッカー。14位で、もてぎの戦いに幕を下ろした。

思うようなレースができず、悔しい思いの中で戦いを強いられたもてぎ戦。シーズンを通して続けてきたクルマ、タイヤのポテンシャルを引き出す作業が少しずつ結実しているだけに、なんとしても具体的な結果が欲しいところ。チームはその思いを最終戦富士にぶつけ、シーズンベストの戦いを展開したいと願っている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 8 ARTA NSX-GT/td> 野尻 智紀/福住 仁嶺 1:56'02.055 63 28
2 64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也/大津 弘樹 46.238 63 15
3 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 1'10.630 63 38
14 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 5 Laps 58 4

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

開始 : 13:03'36 終了 : 14:58'28
SC : 13:44(23Laps) - 13:58(28Laps)

黒白旗提示 No.17 B.バゲット
No.3 平手晃平 ドライブスルー (H項2-2.4.5.1b「ウォームアップ中の黄旗追越」)


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
64 Modulo NSX-GT 1'38.628

近藤監督のコメント

突発的なトラブルでした。が、これはメカニカル的なチェックミスの可能性が高いですね。前日の予選から、チームとしてなんとなく落ち着きを取り戻せていない戦いになってしまいました。
一方で、難しい状況の中で良かったこともありました。タイヤに関してはいいパフォーマンスをお見せできたと思います。高星(明誠)のファーストスティントでのタイヤもいいコンディションだったし、後半のヤン(マーデンボロー)もうまくタイヤを使いこなしつつ、ペース的にもライバルたちといい戦いを見せてくれました。がんばったと思います。今回得たプラスの点を、最終戦の富士でどこまで出せるか、どう活かせるかを楽しみにしたいですね。
今シーズンは同じサーキットでの戦いが多いので、チームとして4度目の富士をノーウェイトのクルマでどう戦えるか。その進化が見られることを期待しています。もちろん手強いライバルもたくさんいますが、その中でどこまで頑張れるかになるでしょう。

高星 明誠選手のコメント

電装系のトラブルが突然発生し、ヘアピン立ち上がりでクルマを止めました。様子を見ている中で再びエンジンがかかったので、確認した上でクルマを動かしてピットへと戻りました。中でチェックしてもらったら、原因がわかったので直してコースに戻りました。それからは普通に走れたので良かったです。
ロングランはそれなりに速かったので良かったと思うのですが、やはりあとは予選でしっかりと走れたらと思いますね。今のセットだと予選で速く走れないという感じがわかっているので、それを改善できるように富士ではやっていきたいです。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

予選では準備していたことが計画どおりに進まず、レースでは厳しい位置からのスタートになりましたが、その中でもハプニングに見舞われ出遅れることになりました。一方で後半、僕のスティントそのものは充実していたというか、レースを堪能できました。というのも、周回遅れになってしまっていたので、ライバルとのポジション争いというよりは走っている場所での攻めの走りを見せたり、速さにこだわりながら走ったりすることもできたからです。
そういう状況ではありましたが、走行中には多くの気づきもあったし、最終戦の富士に向けて有効になるのではと思うところもありました。5周遅れになっていたので、ある意味、実戦でテストをしていたような感覚でもありました。セットアップは比較的良かったので、あとは次の富士に向けてタイヤのピックアップを出さないようにどうすべきかを考えていけたらと思いました。富士では運も味方につけてしっかりと戦えたらうれしいですね。

エンジニアのコメント

序盤のトラブルは、レースに向け、チームとしてきちんと準備する部分で詰めの甘さが出てしまったことが原因です。一方、ピットでの作業で5周遅れとなってしまったので、ルーティンワークのピットインは、他のチームと大きく異ることになりました。周りに合わせることもないし、逆にあのタイミングでピットインすると、タイヤのコンディションも気がかりだったので…。レース全体の結果を見ても、レースでのセットアップはこれまでのデータを活用できましたし、レース中には速さも出せたのではないでしょうか。周りのタイムと比較しても、さほど悪いタイムで走っていなかったと思います。決勝に向け、置かれた状況の中でやれる準備をして挑んだのですが、まさかのトラブルで結果を残せなかったのは本当に残念です。悔しさが残りますが、最終戦では全力を出し切れるよう、しっかり準備を進めていきます。

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