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Race Report - 第8戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(11月28日・曇/ドライ)

予選レポート

シーズンラストの戦い、前進あるのみ!

ついに今シーズンの最終戦を迎えたSUPER GT。その戦いの舞台は、静岡・富士スピードウェイ。新型コロナウイルス感染拡大防止に則り、スケジュールが大幅に変更されたため、シーズン4度目の開催となる。一方、富士でのシーズン2度目の有観客開催、しかも久々の最終戦となったことから、「ソーシャルディスタンス」を保ちながらイベント広場でのステージ等も開催されるなど、予選日から大いに盛り上がりを見せた。また、当日はレースに挑む関係者を称えているかのように、早朝から霊峰・富士山がきれいな勇姿を見せるほどの天候に恵まれた。これまでシリーズ最終戦はツインリンクもてぎで開催されてきたが、今シーズンは富士での決戦となるため、これまでの実戦データに基づき、まず予選から是が非でも好タイムをマークしたいところ。さらに、気候に合わせた新たなコンパウンドタイヤを持ち込んでいた24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rでは、まず高星明誠選手がステアリングを握り、持ち込みのセッティングを確認することとなった。

気温14度、路面温度16度の中で始まった公式練習。高星選手がGT300クラスとの混走枠で17周を走行した後、ヤン・マーデンボロー選手へとスイッチ。マーデンボロー選手はGT300専有走行を挟んで始まったGT500専有走行でも引き続きドライブを担当し、フィーリングの確認等、様々なメニューをこなした。その中で、チームはタイヤのピックアップ対策を検討。予選に向けて最終調整に取り掛かった。
午後に入り穏やかな日差しはあるものの、思ったほど気温は上昇せず。結果、GT500クラスノックアウト予選Q1開始直前の気温は13度、路面温度は17度とほぼ朝のセッションと変わらぬ中でのアタックに挑むことになる。24号車に乗り込んだのは、高星選手。じっくりとタイヤに熱を入れてアタックに向かったのは、計測3周目。しかし、想定していた路面温度よりも低いコンディションとなったことがチームとしては不運となり、刻んだ1分28秒555のタイムは15番手に留まり、残念ながらQ2進出は叶わなかった。

決勝日はさらに気温が下がり、より寒さを感じる一日になると言われている。そんな中、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rとはミスなくトラブルもない戦いをし、チームとしての集大成を見せるべく今シーズン最後の戦いに臨むのみだ。

公式予選記録

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 WH
1 37 KeePer TOM'S GR Supra 平川 亮/山下 健太 1'26.722 1'26.386 R
2 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra ヘイキ・コバライネン/中山 雄一 1'27.071 1'26.753
3 36 au TOM'S GR Supra 口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ 1'26.790 1'26.841
15 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 1'28.555

Q1  開始 : 13:48'00 終了 : 13:58'00

Q2  開始 : 14:26'00 終了 : 14:36'00

高星 明誠選手のコメント

今回、富士最終戦用として、新しいコンパウンドのタイヤを持ち込んで来ました。この季節に合わせて、レンジも低いものです。一方で、タイヤを上手くつかいこなせるようなセットアップを探っていました。結果を見ると、他のヨコハマユーザーよりもうまくタイヤを使うことができなかったという感じですね。
予選は路面温度が下がったことが、結果として僕たちにはマイナスに働いたことも残念です。厳しい予選になりました。決勝では自分たちができることをしっかりとやること、そして完走を果たしていいデータを持ち帰り、来年に繋げることを目指します。

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

タフな一日でした。今日の走行では少しタイヤの問題が発生したんです。持ち込んだタイヤとしては、今日のような低気温に合わせたものではあったのですが、走行中に不安定な状態でピックアップが出てしまいました。これをなんとか改善しようと、エンジニアと話し合いを進めています。
レース中のラップタイムに大きな影響が出る問題なので、明日のウォームアップ、そして決勝でしっかり走れるようになれば良いのですが…。なんとか策を講じてくれるのではないかと信じています。しっかりと最後まで走りきれるよう、ベストを尽くします。

エンジニアのコメント

そもそも狙ったとおりのグリップを得ることができない状態でした。朝の公式練習の時点では、予選でもう少し速いタイムをマークできるかと思っていたのですが、実際のセッションでは気温、路面温度が思いの外下がったことが影響しているのか、今、データを見ながら分析を進めているところです。また、予選に向けてクルマのセットを大きく振ったわけでもないので、様々な要因から原因を探る必要があると思います。明日の決勝に向けて、できうる準備をしっかりと進めていこうと考えています。

二日目 決勝(11月29日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

冷え込む天候の中、タフなレースを強いられる

2020年シーズンの最終決戦の舞台となった富士スピードウェイ。最終戦の決勝日は終日晴れの天候に恵まれたが、弱い日差しに気温がなかなか上がらず、寒さとの戦いにもなった。そんな中、予選15番手からスタートを切った24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R。レースコンディションに対応すべく善戦するも、タフな戦いを強いられる形となり、13位で最終戦の戦いを終えている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、シーズン開幕が大幅に遅れた今シーズン。従来より3ヶ月遅い幕開けとなり、以降、レースでも”ニューノーマル”のスタイルを取り入れる形で開催を継続してきた。
全15台で戦うGT500クラスの今シーズンは、毎戦ドラマチックなレースが繰り広げられ、コンペティションとして厳しい戦いが続いた。24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rも、タイヤ開発やクルマのセットアップはもちろん、あらゆる方面から戦闘力向上を目指してチーム一丸となって取り組んできたが、コロナ禍で存分なテストもできず、いつも以上に難しい状況下であったことは否めない。
午後1時、フォーメーションラップがスタート。予定の2周から隊列を整えるためにさらに1周が追加され、結果、65周による戦いが幕を開けた。気温8℃、路面温度13℃という極めて厳しいコンディションの中、15番手からスタートを切った24号車には、いつもどおり高星明誠選手が乗り込んでいる。ポジションキープでオープニングラップを終え、その後もポジションアップのチャンスを伺いながら周回を重ねていく。
レース周回数の3分の1を過ぎた22周を過ぎると、ライバルたちはルーティンワークのドライバー交代およびピット作業を順次進めて行く。一方、24号車はその間もステイアウト。比較的クリアなコース上でラップタイムを稼ぐ戦略を採り、GT500クラスでは最後となる27周終了時点でピットインした。
コースに向かったヤン・マーデンボロー選手。31周目には早速チームベストタイムをマーク、さらにペースアップするかに思われたが35周目に2度目のピットイン。タイヤを交換し、改めて追い上げを始めた。戦いとしては厳しい状況を強いられ単独での戦いとなったが、マーデンボロー選手は40周目に1分29秒983をマーク、チームベストタイムを更新する力走を見せた。終盤に入ると、前後車両との攻防戦を展開、幾度となくポジションが動く争いとなったが、最終的に24号車は13位でチェッカー。長く、タフなシーズンに幕を下ろしている。
予想だにしない事態で従来とは大きく異る形でのレース開催となった2020年シーズン。再開された有観客開催の中では、24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rをサポートしてくださるファンの存在を改めて大きく感じることとなった。一方、チームでは悔しさをバネに、来シーズンこそ力強くそして速さあふれる戦いを披露しようと心に誓い、すでに新たなスタートを切っている。

決勝結果

GT500

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS WH
1 100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/牧野 任祐 1:40'38.010 65
2 37 KeePer TOM'S GR Supra 平川 亮/山下 健太 5.940 65
3 36 au TOM'S GR Supr 関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ 16.060 65
14 24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 高星 明誠/ヤン・マーデンボロー 2 Laps 63

開始 : 13:08'23 終了 : 14:49'01
周回数を1周減算 (SpR.32-17)

黒白旗提示 No.14 坪井翔, No.19 宮田莉朋


Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
37 KeePer TOM'S GR Supra 1'29.009

ヤン・マーデンボロー選手のコメント

気温や路面温度が思いのほか下がってしまい、選択したタイヤでの走行は厳しいものでした。ドライバー交代後に装着したタイヤはとりわけリアのデグラデーションがひどく、早々にグレイニングも起こる状態でした。結果、再度ピットインを余儀なくされたのですが、序盤こそペースは良かったものの、すぐに厳しい状況になりました。
今シーズンは難しい立場での戦いが多く厳しいものでした。原因を解明することが必要なので、エンジニア含めスタッフとシーズンオフの間もミーティングを重ね、来シーズンに向けてしっかり準備したいです。

エンジニアのコメント

ピットインのタイミングとしては、両選手とも同じタイヤを装着することを考えてもう少し先にしたかったのですが、タイム的に厳しくなってきたので27周終わりでピットインしました。一方、ヤン選手に装着したタイヤは、最初にいいタイムを刻めたものの、一気にタイムが落ちてきて厳しい状況となったため、2度目のピットインを強いられました。ところが最後に装着したタイヤも思った以上にラップダウンが大きく、難しい状況でレースを続けることになりました。昨日のような低温のコンディションでは予想しづらい状態でした。
今シーズンはクルマ作りを一から見直し、予選での速さは足りなかったものの、決勝でのペースを確保して戦うというスタイルで挑みました。一方で、クルマとタイヤとのマッチング等、まだ検証を続けていく必要もあるので引き続き頑張っていきたいと思います。

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