Race Report - 第5戦 富士スピードウェイ
一日目 予選(2016年8月6日・晴/ドライ)
予選レポート
第5戦富士は、表彰圏内の6位スタートに
前回のSUGO戦では、タイヤ無交換という劇的なレース運びが奏功し、およそ1年ぶりの優勝を果たしたKONDO Racing。この勢いを持続させた状態で第5戦の富士を迎えることになった。今シーズン2度目の富士は、土曜の予選日から真夏の暑さに包まれる。朝からぐんぐんと気温、路面温度が上昇。そこで午前8時50分からスタートした公式練習では、午後からの予選、そして決勝を見据えたタイヤ選択に時間を割き、じっくりと納得のいく結果を求めるために周回を重ねることになった。午後からのQ1で、まずNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rに乗り込んだのは、佐々木大樹選手。コースイン開始に合わせ、真っ先にコースインを開始、タイヤにしっかりと熱を入れる作業に入った。刻んだベストタイムは1分29秒527。5番手につけ、着実にQ2へとバトンを繋いだ。依然として高い温度の中でのタイムアタックとなったQ2。柳田真孝選手も、Q1の佐々木選手同様、セッション開始に合わせてコースに向かい、しっかりとタイヤを温める作業を行なった。満を持してアタックを開始、刻んだ自己ベストは1分29秒664。この時点では7番手だったが、前車の1台がアタックラップで走路外走行をしており、そのペナルティとしてセカンドラップが適用されたことから、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは6番手に浮上。昨シーズン、優勝を飾ったときも6番手スタートだっただけに、今シーズンも大きな躍進の戦いになれば、と意気込むこととなった。
公式予選記録
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ | 1'28.795 | 1'28.458 | 14 |
2 | 46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R | 本山 哲/千代 勝正 | 1'28.398 | 1'28.934 | 30 |
3 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 1'29.643 | 1'28.997 | 84 |
6 | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/柳田 真孝 | 1'29.527 | 1'29.664 | 44 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Q1
※No.100 山本 尚貴 当該ラップタイム削除 1'29.347(Spr.18-1「走路外走行」)
※No.64 ベルトラン・バゲット 当該ラップタイム削除 1'30.003(Spr.18-1 「走路外走行」)
Q2
※No.100 伊沢 拓也 当該ラップタイム削除 1'29.379(Spr.18-1「走路外走行」)
近藤監督のコメント
上出来の予選でした。クルマのセットアップに関しては、ドライバーとエンジニアがしっかり話をして決勝に向けての準備をしてくれるでしょう。朝のフリー走行で、今日の課題だったセクター3をどうするか、大きく方向性の異なるセットを準備して試すことになると思います。ダメなものはダメ、とはっきり結果を出して、準備することになるんじゃないでしょうか。明日も厳しい暑さなので、キーポイントになるのはタイヤでしょう。ウェイトよりもタイヤ。コンディションに合ったタイヤを味方につけることがいい結果につながると思います。チームとしては決勝を見据えていいタイヤを見つけることができ戦略の幅も持たせることができる強みもあるので、まず目の前のチャンスを確実につかみたいですね。
佐々木 大樹選手のコメント
朝の練習走行ではロングランをしっかりできたし、手応えもありました。なので、決勝に向けての手応えもあります。タイヤメーカー同士の差もあるでしょうが、いい戦いができそうですね。クルマの重さというよりも、タイヤとの相性が大きな要因になりそうです。決勝に向けてクルマをしっかりアジャストできるよう、最後まで準備を進めていきたいですね。
柳田 真孝選手のコメント
朝から決勝重視で走行することになり、タイヤがキーになるだろうからと、少しでも前でフィニッシュするために、チームとして朝からずっとタイヤに特化して仕事をしました。朝の公式練習でもロングランをしっかりとして、確認できたのは良かったです。いいセッションになりました。なので、僕の予選アタックではニュータイヤを着けていません。ぶっつけ本番のアタックでしたが、悪くはなかったですね。アタック前には(佐々木)大樹のインフォメーションもあったし助かりました。今、クルマとしてセクター3の部分に物足りなさを感じるので、決勝に向けて準備することになると思います。
エンジニアのコメント
まだ足りない部分がクルマのセットアップとして残っているので、まだまだという思いもあります。トップと比べてもまだタイム差があるわけだし、そう簡単に縮まるものとは思いませんが、決勝に向けて準備することはまだありますね。実のところ、Q1を通るかどうか、という感じもあったんです。予選に向けてタイヤをメインにやってきたので、クルマのセットアップがまだなんです。なので、これからそこをしっかり取り組んでいきます。まずファーストドライバーが予選ポジションをキープできるよう、そのようなクルマを用意していきます。
二日目 決勝(2016年8月7日・晴/ドライ)
決勝レポート
まさかのエンジン系トラブルに泣く
前日と同じく、朝から強い日差しが照りつけた富士スピードウェイ。じりじりと気温、路面温度が上昇する中、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは厳しい暑さを味方に、好結果を目指した。朝のフリー走行では、予選後に見直したセットアップの確認などを進めて7番手のタイムをマーク。順調にメニューをこなし、決勝の時を待った。66周のレースでスタートドライバーを務めたのは、柳田真孝選手。気温33度、路面温度49度の中、パレードラップ、そしてをフォーメーションラップを経て、バトルがスタートし、まず柳田選手は7位でオープニングラップを終えた。8周目には6位へ浮上、さらなるポジションアップを目指すべく、周回を重ねていくはずだったが…。9周目へと向うホームストレート上を通過する柳田選手から「パワーがない」と無線が入る。チームスタッフが交信を続けた結果、ピットインを敢行することとなった。ペースダウンした状態で1周を走ったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rは、ピットロードからダイレクトにガレージイン。待ち受けたスタッフがトラブル箇所を探ったところ、エンジンの電装系に原因があると判明。最終的にレース続行は難しいと判断し、リタイヤを決めた。SUGO戦での今季初優勝から一転、富士戦では悔しい結果に終わったNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R。次戦・鈴鹿1000kmに向けて、チームは再び表彰台を目指し全力を尽くすこととなった。
決勝結果
GT500
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ | 1:51'53.223 | 66 | 14 |
2 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大/小暮 卓史 | 25.424 | 66 | 10 |
3 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 28.650 | 66 | 4 |
4 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 28.940 | 66 | 84 |
5 | 36 | au TOM'S RC F | 伊藤 大輔/ニック・キャシディ | 30.831 | 66 | 22 |
6 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | 松浦 孝亮/野尻 智紀 | 36.730 | 66 | 10 |
7 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | 45.837 | 66 | 32 |
8 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | ヘイキ・コバライネン/平手 晃平 | 49.017 | 66 | 68 |
9 | 6 | WAKO'S 4CR RC F | 大嶋 和也/A.カルダレッリ | 55.310 | 66 | 46 |
10 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 関口 雄飛/国本 雄資 | 1'33.221 | 66 | 22 |
- | 24 | フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/柳田 真孝 | 55Laps | 11 | 44 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
12 | カルソニック IMPUL GT-R | 1'30.687 |
※セーフティーカー: 15:10 - 15:28
柳田 真孝選手のコメント
スタート直後はタイヤのウォームアップに少し時間がかかったのですが、次第にいいペースを刻めるようになっていました。うまくタイヤをマネージメントして攻めの戦いができると思っていたのですが、そんな中、8周目を走行しているときからエンジンが急にパワーダウンし、噴けなくなりました。前回のSUGOに続いて良い結果を期待していただけに残念ですが、次の1000kmも諦めずに戦います。
エンジニアのコメント
エンジンの電装系トラブルがレース中に起ってしまいました。レース中というタイミングで出てしまったことがすべて。戦わずして終わったということになり、とても残念です。ホームストレートを通過した時点で、柳田選手から「パワーがない、エンジンが噴けない」という無線が入ったんです。「クルマからの振動もあるし、音もおかしいので、次の周にピットに入ります」ということでした。残念ですが、次の1000kmでしっかりと戦える準備をまた改めて進めていきます。