タイヤ無交換作戦で挑むも、11位で最終戦を終える
日付 | 11/8 |
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天候 | 曇り |
気温 | 20℃ |
開催地 | ツインリンクもてぎ |
路面状況 | ドライ |
前日の予選と打って変わり、決勝日の天気は薄曇でスタート。時折日が差し込むものの終日どんよりとした天気となり、やや肌寒さを感じる中で今シーズン最後の決戦が幕を開けた。
朝のフリー走行でセッティングの微調整を重ねながらセットアップを進めることに成功したNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R。12位からどこまでポジションを上げてチェッカーを受けられるか、時間ある限り最善策を練り、作戦を立てて決勝を迎えた。
スタートドライバーを務めたJ・P・デ・オリベイラ選手は、12位から周回を重ねるごとにポジションアップを披露。つねに攻めの姿勢でライバルたちとの攻防戦を繰り広げ、10周を終える頃には6位まで浮上する活躍を見せた。僅差のバトルを続けるオリベイラ選手。上位陣が立て続けにピットインを行うなか暫定3位を走り、レース折り返しにあたる27周終了でピットインした。
通常、ピット作業ではドライバー交代、給油に加え、タイヤ交換を行うところだが、今回は無交換の戦略を実施。チームではタイヤ交換せずに荒聖治選手をコースへと送り出した。レース復帰後は接戦の中で懸命にプッシュを続けた荒選手だが、タイヤ交換を済ませたライバルたちとの戦いは激しさを増し、応戦するも逆転を許すことに。さらにバトル中の接触が原因か、右フロントタイヤのエアバルブが折れてしまい、スローパンクチャーを喫し、悔しいポジションダウン。結果、11位でチェッカーを受けて今シーズン最後の戦いに幕を下ろした。なお、シリーズランキングでは8位を獲得している。
今回タイヤを交換しないでいくという作戦は、結果的に優位に働きませんでした。僕自身はレース前までタイヤを換えずに走るという作戦は難しいと思ったのですが、最終的にチームがタイヤ無交換でいくと決断しました。残念ながら今回はその作戦が当たりませんでしたね。その一方で、今シーズン、自分のスティントでは何のトラブルもなくレースができました。今日も3番手でピットインし、交代したのですが、残念ながら11位までポジションを下げる結果になりました。今シーズンは思わぬハプニングやトラブルなどで結果を残せなかったこともありました。今日のように頑張っているときに結果を残せないというのは、とてもツラいですね。
今日はチームの決めた作戦で行きました。最後まで全力で走ったんですが、やはり(タイヤの持ちが)キツかったですね。朝のフリー走行では昨日よりもクルマの状態がよくなっていたので、タイヤ無交換で行ったこともまったくムダではなかったし、(作戦として)決してギャンブルでもありませんでしたが、総体的に厳しい状態でした。クルマのセットアップもどんどん良くなっていく中で、こういう作戦になったものの、途中セーフティカーも入ったし、残念ですね。今シーズンを振り返ると、これまでよりもベストなポテンシャルを出せたとは思いますが、もっともっと強くならなくてはいけないなと思います。ひとつ勝つと、タイヤも良くなってくるし、チームも進化してきますから。この勢いを保ちながら、またどんどん強くなっていけると思います。今シーズンは、うれしいことも、悔しいこともあったのですが、その気持ちをチームで共感して、一緒に戦っているという思いで毎戦やってきました。改めてみんなにありがとうとお礼をいいたいです。
タイヤ無交換で荒選手にガンバってもらいましたが、突如ラップタイムが大きく下がってきたのは、右フロントタイヤのエアバルブが折れてしまい、タイヤのエアが徐々に抜けていたようです。スローパンクチャーを起こしていました。タイヤ無交換で行こうと決断したのは、今週のデータを見て、ユーズドタイヤと新品タイヤでのタイム差があまりなかったことと、タイヤの磨耗自体があまり悪くないという状況から、250kmの距離に耐えうると思ったからです。とはいえ、スタート時点ではタイヤを換える、換えない、どちらでもいける作戦にしていました。最終的にはセーフティカーが入ったため、マージンもなくなり、悔しい結果となりましたね。今シーズンは開幕戦で優勝するなど早いタイミングで山に登ったせいか、谷が来るのも早かったようです。しかしながら、新たな経験から多くの収穫もあったと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAP | TIME/DIFF | WH |
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1 | 8 | ARTA NSX | ラルフ・ファーマン/伊沢 拓也 | 53 | 1:43'30.913 | |
2 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー | 53 | 0'08.829 | |
3 | 17 | KEIHIN NSX | 金石 年弘/塚越 広大 | 53 | 0'09.010 | |
4 | 6 | ENEOS SC430 | 伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム | 53 | 0'10.440 | |
5 | 39 | DUNLOP SARD SC430 | アンドレ・クート/平手 晃平 | 53 | 0'12.653 | |
6 | 32 | EPSON NSX | ロイック・デュバル/中山 友貴 | 53 | 0'13.417 | |
7 | 12 | IMPUL カルソニック GT-R | 松田 次生/セバスチャン・フィリップ | 53 | 0'19.213 | |
8 | 100 | RAYBRIG NSX | 井出 有治/細川 慎弥 | 53 | 0'25.402 | |
9 | 35 | KRAFT SC430 | 石浦 宏明/大嶋 和也 | 53 | 0'26.900 | |
10 | 18 | ROCKSTAR 童夢 NSX | 道上 龍/小暮 卓史 | 53 | 0'27.811 | |
11 | 24 | HIS ADVAN KONDO GT-R | J.P・デ・オリベイラ/荒 聖治 | 53 | 0'38.254 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 1'47.602 |
昨日の走行からタイヤの磨耗状態を考えると、決勝でタイヤを交換せずにいい走りをすることは可能でした。シリーズポイントを戦うにあたり、ここでコンサバなれースをして僅かなポイントを獲ってランキングを上げるという方法も考えました。しかしながら、チームとしてここでチャレンジするという気持ちを忘れたくなかったので、攻めの作戦でいくことにしました。しかしながら、決勝ではセーフティカーが入るなど、思わぬ展開になり、作戦の効果を得ることができませんでした。結果は残りませんでしたが、悔いのない戦いはできたと思います。今シーズンを振り返るとチームのレベルが向上し、ライバルからもマークされる存在になってきたことは明らかです。来年、チャンピオン争いに加わるためにも、早速万全の体制が築けるようにがんばります。