HIS ADVAN KONDO GT-R、2年連続の開幕戦勝利!
日付 | 3/21 |
---|---|
天候 | 曇りのち晴れ |
気温 | 14℃ |
開催地 | 鈴鹿サーキット |
路面状況 | ドライ |
昨日の予選でクラッシュによるダメージを負ったNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R。
スタッフの作業は明け方までおよびタフなレースウィークとなったが、そのがんばりは決勝での「勝利」という最高の形で報われた。
朝のフリー走行、チームが装着したタイヤはすでに50周近くマイレージを重ねたもの。
ところがこのタイヤからフィードバックされたデータは決勝での戦いに向けて新たな戦略を生むこととなった。
予選日の穏やかな天候から一転、決勝日のサーキットは終日冷たい風が吹き、時折気まぐれな雨が降るというとても不安定な天気に。
午後2時にレースがスタートし52周の戦いが幕を開けた。オープニングラップでスタートドライバーのJ・P・デ・オリベイラ選手は10位から7位まで浮上。さらに2周目が終わるころには4番手までポジションを上げ表彰台獲得へのチャンスを一気に広げた。
10周目、後続の車両が1コーナーでバトルの末に多重クラッシュ。これにより5周にわたりセーフティカーランが導入されたが、再スタート後オリベイラ選手は3位までポジションアップ。好調さをアピールした。
レース中盤、ライバル達が次々とピットインしドライバー交代に入る中、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-Rはなお周回を重ね、ついにトップへ浮上する。そして34周目を終えた時点でようやくピットイン。待ち構える安田裕信選手へトップのままステアリングを委ねた。
一方、スタッフはスピーディな作業で給油を完了。続いてタイヤ交換と思いきや、誰一人としてタイヤへと手を伸ばす者はおらず、クルマはそのままピットを離れた。
タイヤ無交換。開幕戦でチームが決断した作戦は朝のフリー走行から得た十分な自信に基づくものだった。コンスタントなペースで走れる確信があった安田選手は臆することなくオリベイラ選手同様攻めの姿勢。
タイヤ交換を行ったライバルらと変わらぬタイムを刻みつねにそのマージンは10秒以上に。
頼もしい走りは最終ラップまで変わることはなくチームは2年連続で開幕戦を勝利するという偉業を成し遂げた。
レースではタイヤを持たせるということをあまり気にかけないで走ることができました。というのも今日僕らが決勝で履いたのは朝のフリー走行で装着していたタイヤと同じタイプでユーズドでもペースが落ちなかったものなんです。
ただレースではニュータイヤを装着したライバルとのアドバンテージがどのくらいになるか見当はつきませんでした。そういう点からある意味難しい選択ではありました。でも最終的にはチームが最高の決断をしたということです。パーフェクトでしたね。
今朝のフリー走行で装着したユーズドタイヤのタイムがなかなか落ちなかったんです。そこで監督が(無交換でも)行けるんじゃないかって。
今日はJP(オリベイラ)が先にいい仕事をしてくれたし、それに応えて僕も勝たなきゃいけないという気持ちが大きくなりました。とはいえプッシュしすぎてタイヤを潰してもだめだし、ミスしてスピンしてもダメだしそのあたりを意識しながらレースに集中しました。
今年チームを移籍し開幕戦で勝てたことはとてもうれしいです。チームの皆さんに感謝しています。これからもどんどんポイントを獲るレースをしたいですね。
タイヤ無交換の作戦はレース序盤の(他車の)クラッシュやSCカーが出なかったとしても方法のひとつとして考えていました。レース展開によってオプションのひとつとして選択しました。
JP(オリベイラ)はあれでもタイヤをセーブしながら走っていました。安田も器用にドライブしてくれたと思います。
今日はドライバーふたりがきちんと仕事をしてくれました。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAP | TIME/DIFF | WH |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 24 | HIS ADVAN KONDO GT-R | J.P・デ・オリベイラ/安田 裕信 | 52 | 1:53'23.333 | |
2 | 6 | ENEOS SC430 | 伊藤 大輔/ビヨン・ビルドハイム | 52 | 0'09.322 | |
3 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/山本 尚貴 | 52 | 0'15.397 | |
4 | 1 | PETRONAS TOM'S SC430 | 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー | 52 | 0'17.954 | |
5 | 39 | DENSO DUNLOP SARD SC430 | アンドレ・クート/平手 晃平 | 52 | 0'19.326 | |
6 | 35 | MJ KRAFT SC430 | 石浦 宏明/大嶋 和也 | 52 | 0'20.363 | |
7 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 金石 年弘/塚越 広大 | 52 | 0'46.508 | |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲/ブノワ・トレルイエ | 52 | 1'32.333 | |
9 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/リチャード・ライアン | 51 | 1Lap | |
10 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍/中山 友貴 | 51 | 1Lap |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
18 | ウイダー HSV-010 | 1'55.555 |
タイヤ無交換の戦略はスタート前のミーティングで戦略の候補としてあがっていました。でもそれはいい選択じゃないという意見もありました。ただドライバーふたりには無交換という選択もあることだけは伝えていました。
レース中、タイヤを換えたチームでも交換直後にペースが上がらず苦戦するところもあったし、JP(オリベイラ)も交換しなくてもいけるというので最後はピット側のスタッフで決断しました。
今回の勝利でライバルたちに『僕達のチームが今季も強い』とアピールできて良かったです。JPは予選のクラッシュでヘコんでたんですが「お前の良さは速さ。だからそのいいところを失わずに攻めてくれ」と伝えました。彼も大丈夫だって言ってくれたし、勝てて本当によかったです。