Super GT:第二日決勝

攻めの走りを貫き、3位表彰台を獲得!

日付 2012年8月19日
天候
気温 31℃
路面状況 ドライ

決勝レポート

好天気に恵まれた土曜の予選日。夕方遅くから雲行きが怪しくなって、夜遅くには雷雨に見舞われた鈴鹿界隈。日曜朝は雨こそ上がってはいたが、路面は依然濡れている状態だったことから、午前8時からのフリー走行はウェットコンディションで行われた。

まず、レインタイヤでコースインしたNo.24 D'station ADVAN GT-R。コースコンディションの確認、そしてレインタイヤでのクルマのバランスを見ながら周回を重ねていたが、西コースでは突然降雨になるなど、不安定な状況に。しかし、チームでは決勝用のセット確認を早いタイミングで行いたいという思いから、スリックタイヤでの走行を決行。滑りやすい路面を巧みにコントロールした安田選手は、2分02秒458をマークし、トップに浮上!
セットアップが進んだことに加え、"強くて速い"クルマで1000kmに挑むための準備を大幅に進めることになった。

迎えた決勝。じりじりと強い日差しがコースを照らす。気温32度、路面温度は50度とハードなコンディションで1000kmの戦いの火ぶたが切られた。

24号車のスタートドライバーはビルドハイム選手。クリアスタートを切り、まず序盤はチームからのリクエストである燃費のセーブとタイヤを労る走りでルーティンワークをこなしていく。その一方で、レースは単独でのトラブルなどで戦線離脱するクルマも少なくなく、気の抜けない展開へと進んでいった。

最初のピットインは34周終了時。安田選手へとスイッチされ、ビルドハイム選手同様ペースをコントロールし、タイヤにやさしい走りを心がけた。チームは、その後も丁寧なレース運びに徹し、レース3分の1を終える頃には6位まで浮上した。

レースはその後、セーフティカーが2度にわたって導入された。1回目はスタート開始から2時間あまりのとき。すでにトップ6圏内に入っていた24号車は、レース再開後もポジションをキープ。後半に入るとトップ3も十分に狙える位置で周回を重ねていった。

しかし、レース終盤、最後になるはずのピットストップで作業ミスが出てしまう。開始から4時間45分ごろ、139周を終えて安田選手がピットへと戻ってくる。ビルドハイム選手に交代し、タイヤ、ガソリン給油を済ませ38秒9でコースへと復帰したのだが…。その後、補給量が若干少なかったことが判明、150周目を終えたビルドハイム選手をピットインさせ、改めて給油を行う。一度は表彰台が見えたチームだったが、この事態にポジションダウンを強いられることになった。

だが、チーム、そしてステアリングを握るビルドハイム選手は諦めていなかった。再びペースアップし、猛追を始め、前車とのタイム差を縮めていく。さらには、6時前に導入された2回目のSCランを味方につけたことから、ポジションアップのチャンスが倍増! 169周目の1コーナーで12号車のGT-Rを鮮やかに逆転!
3位へと上り詰めた。GT-R勢同士の激しい戦いに競り勝ったビルドハイム選手は、その後もハイペースで周回。終盤ギリギリまで2位の座を狙って力走し、長く、厳しい戦いを走破。チームに3位獲得をプレゼントした。

近藤監督のコメント

近藤監督

2度目のSCのあと、ニスモとインパルのGT-Rのペースが思うように上がらない中、ウチはタイヤがいい仕事をしてくれました。決勝でこつこつとポジションアップし、あの位置にいたからこそ、結果を残すことができたかな、と思います。最後まで諦めず、プッシュしたのも良かった。すべてがきっちりいい仕事をして力を出し切れば、おのずと結果がついてくる。それを改めて感じさせてもらいました。

ビヨンもいい仕事してくれたし、タイヤで前半戦苦労させられたけど、そのタイヤでいい思いをさせてもらった。これがレースなんですね。でもここから、KONDO RACINGは復活しますよ! 引き続き、楽しみにしていてください。

荒 聖治選手のコメント

荒 聖治選手

決勝レーススタート後は、クルマがいい状況で4ストップ-5スティントの戦略で全然問題ないと思われたので、後半に入って、最終的には2位を狙えるんじゃないかっていう話をしていました。ところが最後のピット作業で給油量が少し足りなかったことがわかったんです。それでピットインすることになり、"もうアカンわ"って思いました。でも最後にセーフティカーが入り、もう一度勝負できたんです。最後はすべてビヨンの"グッド・ジョブ"でした。

Joao Paulo de Oliveira選手

Joao Paulo de Oliveira

最終的に3位になれましたが、(給油ミスの)ハプニングが僕らの身に起こったとわかったときには、びっくりしました。それまではほんとパーフェクトなレース運びができていたのに、最後のピット作業でトラブルが発生するとは…。ピットインのあと、コースに復帰したあとは、もう怒りの気持ちを走りに変えて、なんとしても表彰台に上がるんだ!と強い気持ちで懸命にプッシュしましたた。結果、表彰台に上がれたんだから、とてもハッピーですね。

エンジニアのコメント

エンジニア

今回の結果は、1000kmレースならではだったと思います。レースそのものは、途中まで極めて順調なレース運びができていました。まず、最初のスティントで様子を見て、ドライバーにも燃費をセーブし、タイヤを労って走ることをリクエストしました。4スティントまでうまくいったんですが、次のときにガソリンの給油でミスがあって、予定より少ない量で作業を終えてしまったんです。ただその後SCが入り、1000kmならではのリカバリーができたので、チャンスが巡ってきました。そこを逃さず、ビヨンも見事にプッシュしてくれたのが良かったですね。次の富士も楽しみです。

リザルト

決勝結果

GT500
Pos. No. TEAM DRIVER LAP TIME/DIFF WH
1 1 S Road REITO MOLA GT-R 柳田 真孝/
ロニー・クインタレッリ
173 5:59'01.662 36
2 35 KeePer Kraft SC430 国本 雄資/
アンドレア・カルダレッリ
173 15.076 12
3 24 D'station ADVAN GT-R 安田 裕信/
ビヨン・ビルドハイム
173 16.583 2
4 12 カルソニックIMPUL GT-R 松田 次生/
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
173 17.206 26
5 23 MOTUL AUTECH GT-R 本山 哲/
ミハエル・クルム
173 30.543 44
6 19 WedsSport ADVAN SC430 荒  聖治/
アンドレ・クート
173 31.549 4
7 8 ARTA HSV-010 ラルフ・ファーマン/
小林 崇志
172 1Lap 10
8 18 ウイダー HSV-010 小暮 卓史/
カルロ・ヴァン・ダム
172 1Lap 60
9 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路/
平手 晃平
170 3Laps 88
10 17 KEIHIN HSV-010 金石 年弘/
塚越 広大
156 17Laps 44

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
1 S Road REITO MOLA GT-R 1'54.795