Super GT:第二日決勝

スタート直前のトラブルで失速、13位どまり

日付 2012年9月9日
天候
気温 31℃
路面状況 ドライ

決勝レポート

決勝を迎えた日曜日。前日よりもはるか秋晴れの天気に恵まれた富士スピードウェイ。まぶしい日差しの中、午後2時にスタートを切った66周の戦いは、No.24 D' station ADVAN GT-Rにとって、長く、厳しい戦いになった。

まず、朝のフリー走行で、ステアリングの操作系トラブルが発生。幸い、ピットでの修理もスムーズに進み、あとは決勝用のセットアップの確認など、様々なメニューをこなしていった。

決勝レースのスタートは、ビヨン・ビルドハイム選手が担当。スタート前チェックを済ませ、ダミーグリッドにマシンをロックオン。スタート直前のセレモニーとしてコース上に多くの観客を迎え入れ、緊張感ある中にも華やかな時間を過ごしたあと、いよいよ66周の戦いが幕を開けようとしたのだが…。

ローリングスタートに向け、次々とコースを離れる前の車両に続こうとしたビルドハイム選手。しかし、エンジンに火が入らない。あらゆる手段をもってエンジンをかけようと尽力するも、No.24 D' station ADVAN GT-Rは微動だにせず。規定により、自力でスタート出来なかった場合はピットロードスタートとなるため、クルマはオフィシャルの手によってピットロードエンドへと運ばれ、ビルドハイム選手はGT500のすべての車両がスタートしたのを確認の上、コースへ向かわなければならないという、まさかの展開になってしまった。

ビルドハイム選手は悔しい気持ちを走りに代えて、疾走。スタートの時点で30秒以上大きく離されたライバルたちを猛追することに集中したが、その差は依然として大きく、次第にタイヤへの負荷も厳しくなってきた。それでも常に攻めの走りを続け、ピットインを行った31周まで力走。安田裕信選手に後を託した。

フリー走行でクルマのセットアップに手応えを感じていた安田選手。後半に追い上げる走りを見せようと奮闘したのだが、残暑厳しいコンディションの中、No.24 D' station ADVAN GT-Rとしての強みを引き出す要素が見つからず、苦心する。さらに少しでもペースアップを図ろうと、チームでは再度安田選手をピットインさせてタイヤ交換を行ったものの、事態は好転せず。それでもなお安田選手はポジションアップのチャンスを伺いながら、粘り強く周回を重ね、チェッカー。厳しい戦いを最後まで走り抜き、13位でレースを終えた。

近藤監督のコメント

近藤監督

今日はもう惨敗。いいところはなかったですね。人的ミスもありましたし、予想外のタイヤの摩耗にも悩まされました。総体的にうまく物事が回らなかったですね。ただ、この富士では同じGT-Rやアドバンタイヤ装着車が大健闘したので、僕らのチームにもその可能性があるということはアピールできたと思います。もちろん、先を越されたことは悔しいですが、それよりも今回はチームそのものがうまく仕事をこなせなかったという反省点が大きい。これは監督としての責任もあるので、今後に向けてキチンと改めて話し合いをします。残る2戦はチームとしての相性も悪くありません。とにかく一戦一戦しっかりと戦います!

安田 裕信選手のコメント

安田 裕信選手

朝のフリー走行でもメカニカル的なトラブルが出てしまい、序盤の時間帯は走ることができなかったんですが、それでも短い時間の中で、決勝に向けての自信を得ることはできました。秋晴れの中、気温も路面温度も上がってきたので、僕らに優位に働くとも思ったんですが、逆にまったくダメで…。僕のドライブ中は1セット目のタイヤが思うように働かず、2度目のピットインを行いました。色んな意味で今回は力不足でしたね。

ビヨン・ビルドハイム選手

ビヨン・ビルドハイム

ダミーグリッドまでクルマをうまくまで何にも問題なかったのに、(スタートするために)グリッド上でエンジンかけようとしたら、エンジンがかからなくなってしまいました。スイッチをON/OFFにしてみたり、やれることは全部しました。でもどうしようもなくて…。スタートするチャンスを失ってしまいレースが終わった、と感じましたね。レースをする前にこうなってしまった、ということがとても悔しいです。次のオートポリスはチームにとっても得意なところだから、ぜひともリベンジしたいですね。

エンジニアのコメント

エンジニア

朝のフリー走行でトラブルが出ましたが、修理を済ませ、走り続けてもらった結果、セットアップなどを含め、決して悪い状態ではありませんでした。決勝グリッドでエンジンがかからなかったというトラブルは、チームとしてのミスです。色んな要素が重なり、トラブルが発生しました。結果、ドライバーにピットロードスタートを強いることになり、大変申し訳ないと思っています。今回のコンディションは、僕らが選んだタイヤに対してとても厳しいものでしたね。ビヨンも力の限り踏ん張ってはくれたのですが、次の安田選手もグリップダウンに悩まされ、再度ピットインすることになりました。残り2戦に向けて、セットアップを見直してタイヤの性能をしっかりと引き出せるようにしたいです。

リザルト

決勝結果

GT500
Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME/DIFF WH
1 12 カルソニックIMPUL GT-R 松田 次生/J.P・デ・オリベイラ 66 1:47'22.021 46
2 1 S Road REITO MOLA GT-R 柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ 66 21.025 86
3 19 WedsSport ADVAN SC430 荒 聖治/アンドレ・クート 66 23.959 16
4 36 PETRONAS TOM'S SC430 中嶋 一貴/ロイック・デュバル 66 24.511 58
5 17 KEIHIN HSV-010 金石 年弘/塚越 広大 66 40.800 48
6 39 DENSO KOBELCO SC430 脇阪 寿一/石浦 宏明 66 51.956 76
7 35 KeePer Kraft SC430 国本 雄資/アンドレア・カルダレッリ 66 52.884 48
8 38 ZENT CERUMO SC430 立川 祐路/平手 晃平 66 58.590 94
9 8 ARTA HSV-010 ラルフ・ファーマン/小林 崇志 66 1'18.369 20
10 6 ENEOS SUSTINA SC430 伊藤 大輔/大嶋 和也 66 1'28.084 64
13 24 ADVAN KONDO GT-R 安田 裕信/ビヨン・ビルドハイム 65 1Lap 28

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
18 ウイダー HSV-010 1'36.464