迫力あるレース戦略に挑み、4位を獲得
日付 | 2012年9月30日 |
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天候 | 雨 |
気温 | 22℃ |
路面状況 | ウェット |
決勝日のオートポリスは台風一過とはで行かず、前日に引き続いての雨模様。時折雨脚が強くなるなど落ち着かない状況ではあったが、決勝レースは時間の経過とともに天候が回復。だがこれはKONDO Racingにとって、厳しい戦いを強いられることになってしまった。
朝のフリー走行を前に、サーキットは一面霧が広がり、走行するには相当の注意を必要とするような不安定な状態。午前9時20分にセッションがスタートしたものの、10分も経たないうちに赤旗が提示されセッションが中断。しばし再開のタイミングを待ったが、天候は好転せず。改めて11時から30分間の走行枠が設けられたのだが、状況改善には至らず、結局セッションそのものがキャンセルされた。
幸い、その後次第に天気は回復。空は薄曇りで小雨が降ってはいたが、午後2時、セーフティカーに先導される形で65周におよぶ第7戦の決勝レースが始まった。レースは3周目から本格的な攻防戦となる。No.24 D' station ADVAN GT-Rはビヨン・ビルドハイム選手がスタートドライバーを担当。3位という好位置からすぐに2番手の19号車を猛追した。12周目、GT300の車両がコースアウトしたことでセーフティカーがコースイン、17周目からレース再開となったが、ビルドハイム選手は早速19号車を料理!
1コーナーで逆転を果たし、2位へと浮上した。
勢いづいたビルドハイム選手。トップの23号車に狙いを定め、さらにプッシュを続ける。そして27周目、またも1コーナーで逆転に成功! トップに立った。その後は19号車との攻防戦が激しくなり、テール・トゥ・ノーズを展開。数周トップを譲ることもあったが、安田裕信選手にバトンをつないだ40周目までトップをキープする活躍を見せた。
ドライバー交代を済ませ、ガソリン補給を行ったNo.24 D' station ADVAN GT-R。だが、タイヤ交換は行わず。チームでは、トップに立ったチャンスを最大限活かすために、無交換で逃げ切る戦略をチョイス。終盤に向けて緊張感あふれる戦いが幕を開けた。
その一方で、渋々と降り続いていた雨が次第に止み、コース上も走行ラインが少しずつ乾き始めてくる。当然、タイヤへの負荷は大きくなってくる。つまりNo.24 D' station ADVAN GT-Rは周回数を重ねてきたタイヤをなんとか持たせる走りをしなければならなくなり、安田選手にとってはガマンの走りを強いることになってしまった。
それでもなおステアリングを握る安田選手は巧みにクルマをコントロールし、後方から迫るライバル達との攻防戦を繰り広げる。だが徐々に、タイヤ交換を済ませている他車とのバトルを続けるには厳しい状態になってきた。コース上に最後まで留まり、チェッカーを受けることを最優先させながらも、最後まで粘りの走りを見せた安田選手は、4位でフィニッシュ。惜しくも表彰台にはあと一歩届かなかったが、チームの総合力が活きたレースを披露することができたといえる。
セーフティカースタートを切り、波乱のない序盤だったので、まずはタイヤ温存を心がけました。その後は19号車をパスしてポジションを上げて2位になってからはトップを追いかけて、1コーナーでついにトップを奪うことができました。その後は雨が少なくなってコースが乾き始めていたので、再びタイヤ温存を意識して走っていました。一度、前にいたGT300がミスした影響でトップを譲ってしまったものの、その後またトップを奪回して走行できたのは良かったです。
今回、チームはタイヤ無交換の作戦を思い切って実践することになったので、僕のスティントとしては最大周回数まで走り、ヒロ(安田裕信選手)へとバトンをつなぎました。確かに無交換によるリスクはありましたが、すべて上手く事が運べばすばらしい結果が残せるということもわかっていました。残念ながら終盤、リアグリップがなくなりポジションを後退させることになりましたが、4位でチェッカーを受けることができて良かったです。
今日は雨の行方を見て、決勝でタイヤ無交換の作戦を進めようということになりました。スタートを担当したビヨン(・ビルドハイム選手)でひっぱるだけ引っ張って、安田選手に交代したんですが、ここで給油のみにして送り出したものの、最終的には雨量が減って、路面とタイヤとのマッチングがあわなくなり、最後は大変厳しい状況で走ってもらうことになりました。作戦失敗、ということになりますね。残念です。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAP | TIME/DIFF | WH |
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1 | 1 | S Road REITO MOLA GT-R | 柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ | 65 | 2:09'45.269 | 58 |
2 | 32 | EPSON HSV-010 | 道上 龍/中山 友貴 | 65 | 7.581 | |
3 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治/アンドレ・クート | 65 | 31.747 | 19 |
4 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信/ビヨン・ビルドハイム | 65 | 35.489 | 14 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一/石浦 宏明 | 65 | 1'45.603 | 43 |
6 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 本山 哲/ミハエル・クルム | 65 | 1'47.611 | 30 |
7 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/平手 晃平 | 65 | 1'49.213 | 50 |
8 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/山本 尚貴 | 64 | 1Lap | 38 |
9 | 18 | ウイダー HSV-010 | 小暮 卓史/カルロ・ヴァン・ダム | 64 | 1Lap | 34 |
10 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生/ ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ |
64 | 1Lap | 43 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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39 | DENSO KOBELCO SC430 | 1'46.861 |
今回は、スタートしてからのタイヤが調子良く、ビヨン(・ビルドハイム選手)が頑張ってくれてました。僕に交代する頃は雨が降るか降らないか、微妙なコンディションではあったのですが、チームの判断で(ポジションアップを狙って)タイヤ無交換にしました。当初は作戦は成功かと思われましたのですが、予想以上に路面が乾き、とくにチェッカーまでのラスト10周はタイヤの磨耗がひどくなり、コースに留まるのが精一杯でした。レース中に戦略を変えていれば、表彰台獲得は確実だったと思うと悔しいですが、チームの総合力とタイヤのパフォーマンスを見せるレースが出来て良かったです。