持ち得る力を存分に発揮し、ミスのないレースをするも12位に留まる
日付 | 2013年4月29日 |
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天候 | 晴 |
気温 | 24℃ |
路面状況 | ドライ |
大型連休の前半を利用して行われたSUPER GT第2戦富士。安定した好天気に恵まれたサーキットには大勢の観客が足を運び、2日間で8万人を超えるレースファンで賑わうことになった。
午前8時30分からの決勝に向けての最後の準備を行う30分間のフリー走行で再びセットアップや、ロングランの最終確認を行ったNo.24 D'station ADVAN GT-R。今回のレースは500kmという長丁場になるため、ルーティンワークのピットインも2回行われる。よってピット前ではドライバー交代なども含め、念入りに練習を重ねた。
澄み渡る青空がサーキット一面に広がった決勝レース。午後2時に500km、110周にわたる戦いが幕を開けた。
チームのスタートドライバーを担当したのは、安田裕信選手。2回のピットインが義務づけられているため、安田選手は終盤のスティントも担当することになる。スタートでは予選で装着したソフトタイヤのメリットを活かし、ポジションアップに成功。オープニングラップを11位で終えることに成功した。それ以降は前後車輌と着かず離れずの車間距離で周回を重ねていく。
1回目のルーティンワークは30周を終えたとき。ピットワークによるトラフィックを避ける意味でもライバルたちより早めのピットインとなった。次にステアリングを握ったミハエル・クルム選手は、ハード系タイヤを装着。上昇した路面温度に適したタイヤ選択で追い上げを狙った。しかし、多くの車輌が周回を重ね、タイヤカスが散乱するコース上でそのカスを拾ってしまったのか、クルム選手のペースが思いの外上がらない。だが、クルム選手はベテランの意地と巧みなマシンコントロールで粘りの走りを見せて、安田選手へと最後のバトンをつないだ。
72周を終えてピットインしたNo.24 D'station ADVAN GT-R。最後のスティントを務めた安田選手もハード系タイヤを装着し、コースに復帰。安定した速いラップを刻むことに成功するも、すでに上位陣との差は大きく、なかなかポジションアップにはつながらない。それでも最後の最後まで攻めの姿勢で周回を重ねた安田選手は12位でチェッカーフラッグを受けることになった。
去年の500kmレースより、自分たちの、それにチームもクルマもタイヤもすべてのレベルが上がっていました。レース中もフルプッシュして戦っていましたが、結局は大差がついてしまい、とても悔しいです。結果がすべてなのであれこれ言うことはないですが、次に進んでいけるよう、何らかの対策は必要ですね。トップとのギャップ差が大きいだけに、そこをなんとかしないと。でも去年より今年のほうがクルマを作り上げていく上で戦略もクルマの仕上がりも外すことがなく、まとまっていることは明らかです。今日もすごくいいレースをやってスタッフも僕らもミスのない戦いができたので、あとはタイヤの開発に集中していきたいですね。
チームメンバーみんなが今日のレースでパーフェクトな仕事をしました。作戦としては何も悪いところはなかったし、ピットインを早めにして、周りとのタイミングをずらすことでペースアップを狙ったんですが、実際には思うほどペースが上がりませんでした。というのは、タイヤカスを拾ったみたいで、全然グリップしなかったんです。非常にツラい状態で走っていました。とてもタフなレースではありましたが、次に向けてミーティングして、速さが出せるようにしないと。色々進化させるために、諦めずガンバっていきたいですね。
スタートドライバーの安田選手は予選で使用したソフトよりのタイヤだったので、周回数はミニマムあるいは(タイヤのライフを考慮して)伸ばせるところまで、というのが最初のスティントでの作戦でした。結果、ミニマムの周回数より少しラップを重ねたところでピットインし、クルム選手に交代しました。ここで固めのタイヤを選びましたが、タイヤカスを拾ったことで思うようなペースアップにつながらず、厳しい状況になりました。最後の安田選手のときにも固めのタイヤを装着しましたが、ここではいいラップタイムを刻むことができたと思います。今、チームが持っている力を最大限引き出してミスなく戦いましたが、ライバル達のスピードには及びませんでした。このままではセパンも厳しい戦いになるので、なんとか勝負ができるクルマになるよう、準備を進める必要があると思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | WH |
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1 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴/ ジェームス・ロシター |
2:56'05.647 | 110 | |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/平手 晃平 | 3.373 | 110 | 16 |
3 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋 和也/国本 雄資 | 20.075 | 110 | 8 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一/石浦 宏明 | 24.320 | 110 | 6 |
5 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生/ J.P・デ・オリベイラ |
41.542 | 110 | 10 |
6 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔/ アンドレア・カルダレッリ |
42.964 | 110 | |
7 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/小暮 卓史 | 1'32.512 | 110 | 40 |
8 | 8 | ARTA HSV-010 | ラルフ・ファーマン/ 松浦 孝亮 |
1'33.447 | 110 | 4 |
9 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲/関口 雄飛 | 1Lap | 109 | 2 |
10 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴/ フレデリック・マコヴィッキィ |
1Lap | 109 | 12 |
12 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信/ ミハエル・クルム |
1Lap | 109 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 1'33.280 |
今回は富士のコースとレクサス勢やGT-R勢の相性というか、それぞれのクルマの得意・不得意という部分がはっきりと現れたような感じがしました。加えて、タイヤの持つ課題も大きなウェイトを占める結果になりましたね。僕らのクルマは、去年よりラップタイムのペースは良くなっているんです。クルマも進化をしています。それでもライバルはもっと上を行ってました。なにしろタイムの上がり幅が大きかったですね。ですが僕らは進化しているとはいえ、その幅が少なかった。これはもうタイヤメーカーの力の入れどころの違いを感じずにはいられません。今後に向けて、チームとメーカーがお互いしっかりとミーティングを重ね、いいタイヤを作っていくしかないですね。 ガンバっても結果につながらないので、チームとしてはスタッフのモチベーションが下がらないようにしなくてはいけないと感じています。また、次のセパンも何があるかわかりませんから、戦うことを諦めず、最後の最後までしっかり戦えるように挑みたいです。しっかりと見直しをしていきます。