立て続けに起こる車両トラブルにより、リタイヤに終わる
日付 | 2013年8月18日 |
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天候 | 晴 |
気温 | 34℃ |
路面状況 | ドライ |
蒸し暑い朝を迎えた三重・鈴鹿サーキット。SUPER GT第5戦「ポッカサッポロ1000kmレース」の決勝は、No.24 D'station ADVAN GT-Rにとって、大変厳しい戦いとなった。
朝のフリー走行直前に灰色の空からにわかに雨がぽつりぽつりと落ちたものの、以後、心配されるような天候の変化はなく、厳しい暑さの中で時間が過ぎていった。今回、1000kmの長丁場を戦うにあたり、レース規則では4回のピットインが義務付けられている。ロスタイムを限りなく減らし、効率よくピット作業をこなすことでポジションアップにもつながるため、チームでは、いつも以上に総合力の戦いになることを強く意識して決勝に挑むこととなった。
スタートドライバーを務めたのは、安田裕信選手。クリアスタートを切り、周回を重ねるが、厳しい暑さもあって思うようにペースアップにはつながらない。それでもしぶとい走りを見せる安田選手は予定通り34周でピットインし、ミハエル・クルム選手へと最初のバトンをつないだ。スタートから1時間30分あまり、クルム選手はポジション争いをする他車と接触。フロントバンパーを傷めてしまう。だが、走行に支障はないとしてそのまま次のピット作業まで走行を続けることにした。
ところが、レース開始2時間を過ぎ、車両トラブルによって出火したマシンがコースサイドにストップ。このハプニングによってコース上にはセーフティカー(SC)が導入される。チームではこれを機に、予定よりやや早目ながらピットインを敢行。安田選手へとスイッチした。ところが、このSCラン中に24号車にトラブルが発生。足回りにダメージを受けて緊急ピットイン、修復作業を済ませて再スタートを切ったが、作業で約20分をタイムロス、入賞圏内から大きく脱落してしまう。
更には、SCラン中のピットインが規定違反の対象となり、90秒のペナルティストップが24号車を含む11台に課せられることに。思わぬ展開を強いられたNo.24 D'station ADVAN GT-Rだが、1000km先のゴールを目指し、力を振り絞って周回を重ねた。
2スティント、合計70周を走破した安田選手。再びクルム選手がステアリングを握る頃には、気温、路面温度も下がりはじめており、次第にペースアップが可能になる。そして、105周目には決勝レース中のベストタイムとなる1分56秒620をマーク、ここから最後の粘りを見せようと思った矢先、またもトラブルが発生する。安田選手同様、クルム選手の走行時にも足回りにトラブルが発生。今度はレーシングスピードでの発生だったため、ヘアピンで大きくコースアウトした車両はそのままグラベルベッドにストップ。幸いクルム選手に怪我はなく、また車両もピットには戻ったものの、近藤監督は同じトラブルの再発を考慮し、安全の為に苦汁の判断ではあったが、レース続行の中止を決断。夕暮れ時に受けるチェッカードフラッグを待たずして、今大会を終えることにした。
冷静に分析をしてみれば、クルマのトラブル、タイヤのパフォーマンス不足や選択ミスなど、色々ありました。セーフティカー中のピットインのタイミングミスもありました。そういうことが重なり、今回はレースにはならなかったという結果ですね。立て続けに同じ足回りのトラブルが出るのでとても危険だという判断でレースを終えることにしました。次回の富士に向けて、今の自分達が持っている力を発揮できるよう、準備を進めたいと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | WH |
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1 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴/ フレデリック・マコヴィッキィ |
5:55'04.565 | 173 | 30 |
2 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田 真孝/ ロニー・クインタレッリ |
14.801 | 173 | 48 |
3 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴/ ジェームス・ロシター |
51.556 | 173 | 42 |
4 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 松田 次生/ ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ |
55.064 | 173 | 62 |
5 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔/ アンドレア・カルダレッリ |
59.906 | 173 | 42 |
6 | 19 | WedsSport ADVAN SC430 | 荒 聖治/ アンドレ・クート |
1'21.913 | 173 | 4 |
7 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越 広大/ 金石 年弘 |
1'38.252 | 173 | 42 |
8 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲/ 関口 雄飛 |
1'54.429 | 173 | 24 |
9 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一/ 石浦 宏明 |
1Lap | 172 | 68 |
10 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢 拓也/ 小暮 卓史 |
1Lap | 172 | 70 |
24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信/ ミハエル・クルム |
67Laps | 106 | 12 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 1'54.886 |
決勝前に気温も路面温度もかなり上昇し、タイヤパフォーマンスを引き出すにはとても厳しいコンディションとなりました。最初のピット作業後もあまりペースを上げることができず厳しい状況だったのですが、セーフティカー導入時のピットインでポジションアップのチャンスが到来したと一度は思いました。ところがそのタイミングが早過ぎて、後にペナルティを受けることになりました。
またそれより前に、足回りのトラブルでピットインを強いられたり、その後ドライブしたクルム選手のときにも同じトラブルが起こってしまったので、これ以上レースを続けることは難しくなりました。今回は流れが悪かったのか、結果を残せずとても残念です。次の富士ではテストで手応えがあったので、前向きな気持ちで挑みたいと思います。