厳しい展開をしぶとく走り抜き、6位入賞を果たす
日付 | 2013年10月6日 |
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天候 | 曇 |
気温 | 22℃ |
路面状況 | ドライ |
予選を終えたばかりのチームは、すぐ決勝に向けたミーティングを開始。まず、25分間の予選で得たレースウィーク初のドライコンディションデータをもとに、レースでの戦略を練ることとなった。
迎えた午後2時。No.24 D'station ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、予選で奮闘した安田裕信選手。マシンには予選で使用したばかりのソフトタイヤが装着されている。このタイヤでどこまで周回を伸ばすことができるのか、あるいはライバルたちを出し抜くために、異なる戦略を取るのか…。スタッフは常に流動するレースの中で最善の方法で戦うため、緊張感あふれる中でのスタートを迎えることとなった。
クリアスタートを決めた安田選手。順調に周回を重ね、徐々にポジションアップを果たしていく。しかしながら、装着していたソフトタイヤで長く周回を続けるのが次第に厳しい状況になり、25周を終えた時点でピットイン。チームはライバルたちよりも早いタイミングでルーティンワークを実施する決断を下す。だが安田選手がスティント中にGT300の周回遅れを巧みに利用、ペースを落とすことなく力走したことから、No.24 D'station ADVAN GT-Rは8位でピットインすることに成功した。
安田選手からバトンを引き継いだミハエル・クルム選手はハードタイヤを装着してコースへ。コースイン直後から無線が使えないというハプニングにも遭遇したが、そこはベテランらしく冷静に対応。またチームもあらゆる場面を想定、速やかに対処できるよう心がけ、トラブルを乗り切った。
クルム選手は上位陣と遜色のないハイペースで周回を消化。チャンスを確実につかみ、ポジションアップを果たしていく。レースウィーク中、決勝まで走行の機会がなくぶっつけ本番でのレースになったクルム選手だが、巧みなマシンコントロールで6位まで浮上。最後の最後まで力強い走りを披露し、チェッカーフラッグを受けている。
決勝ではタイヤのライフがだいたい予想していたとおりだったので、ショートスティントでピットインすることになりました。それでも想定以上にいい走りができたし、当初は2ピット作戦も考えていましたが、結果的には1ピットストップでレースを進めていくことができました。加えて、クルム選手がものすごく粘りの走りを見せてくれたので、ポジションアップにも成功したし、結果として6位入賞を果たせたのは、チームの総合力だと思います。前回の富士ではいい流れは見えていたものの、具体的に結果で残すことができなかったのですが、今回は6位という形になって本当にうれしいです。速さのあるチームとのバトルもできたし、いい戦いができました。
装着したハードタイヤでしっかりと走ることができて良かったです。土曜日は天候が荒れて、僕自身クルマに乗ることができなかったのですが、まずレース前半は安田選手がソフトタイヤでしっかりと周回を伸ばしてくれたからこそ、僕も引き続きいい走りができたと思います。タイム的にも速いペースが維持できたし、ポジションアップも果たせました。チームにはトップ3の争いができるだけの力があるので、最終戦も頑張りたいですね。
決勝では最初のスティントでここまでいい展開に持ち込めるとは思っていませんでした。チームとしては2回のピットインを行うということを十分に想定して準備をしていましたからね。ミニマムの周回数でのピットインではありましたが、残りのスティントを担当するクルム選手にはハードタイヤを装着してもらって走ってもらいました。作戦的にも成功したと思います。ようやく結果が出たという感じで、遅いと言われるかもしれませんが、この勢いで最終戦のもてぎに臨みたいと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | WH |
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1 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター | 1:55'03.613 | 65 | 34 |
2 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川 祐路/平手 晃平 | 2.622 | 65 | 43 |
3 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越 広大/金石 年弘 | 2.811 | 65 | 41 |
4 | 1 | REITO MOLA GT-R | 本山 哲/関口 雄飛 | 11.227 | 65 | 20 |
5 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴/F.マコヴィッキィ | 11.841 | 65 | 46 |
6 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 安田 裕信/ミハエル・クルム | 12.326 | 65 | 7 |
7 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪 寿一/石浦 宏明 | 12.735 | 65 | 37 |
8 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田 真孝/ロニー・クインタレッリ | 24.134 | 65 | 44 |
9 | 37 | KeePer TOM'S SC430 | 伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ | 24.474 | 65 | 40 |
10 | 32 | Epson HSV-010 | 道上 龍/中嶋 大祐 | 46.935 | 65 | 3 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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38 | ZENT CERUMO SC430 | 1'40.434 |
安田は予選でのポジションアップを狙いソフトをつけたのですが、それが想像以上に路面とのマッチングが合わず、タイムが早く落ちてしまうのがわかりました。結果的に最小周回数でピットインさせることになったのですが、順位も上げて戻ってきたし、レース展開としてはさほど悪くないものでした。
その後、クルムにはハード目のタイヤを装着してもらったのですが、この週末に装着したのは初めてでした。運悪く、クルムがドライブしている間、無線がまったく使えず、互いの意思疎通はボードのみになり、雨の心配もありましたが、トラブルやハプニングなどもなく、チームもできるだけの準備をしてレースを戦うことができました。
前回の富士は結果こそ10位でしたが調子が上がっているという手応えはあったので、それがオートポリスで結果になって良かったです。「ホップ・ステップ・ジャンプ!」の言葉どおり、最終戦のもてぎではしっかりと飛躍したいと思います。