Super GT:第二日決勝

変化する天候の中、厳しい戦いとなり12位フィニッシュ

日付 2014年4月6日
天候 曇・雨・晴
路面状況 ドライ・ウェット・ドライ

決勝レポート

決勝日を迎えた岡山国際サーキット。前日の予選では全セッションが終了後、夕方のキッズウォーク時に思わぬ雨となり、日曜は朝から季節が逆戻りしたかのような寒さに見舞われた。

また午前9時からのフリー走行直前に雨が落ちはじめ、ウェット宣言が出される。レインタイヤでの走行でまずNo.24 D'station ADVAN GT-Rのステアリングを握ったのは、ミハエル・クルム選手。ウェットコンディションでのマシンセッティング確認を進めて行った。

幸い、セッション途中で雨が止み、次第に路面も乾いて行く。これに合わせ、チームではピットインしたクルマにスリックタイヤを装着。すると、引き続きドライビングを担当したクルム選手が1分28秒638の全走行車中の総合トップタイムをマーク。その直後にチェッカーが出されたことから、24号車がトップのままセッションが終了した。一方、佐々木大樹選手はサーキットサファリのセッションに出走。決勝に向けて次第に士気を高めていった。

お昼を前に再び青空が戻り、穏やかな日差しの中、ピットウォークも賑やかに進められたが、スタート直前ともなると、冷たい風が強くなり、また灰色の雲があちらこちらに現れた。

スタート前グリッドのコックピットに収まったのは、クルム選手。10位からスタートを切り、まずはポジションキープのまま周回を重ねていった。スタートから3分の1を待たずして、またも天候が悪化。あっという間にウェットコンディションへと変貌した。だが上空はまた青空が顔をのぞかせており、通り雨の可能性が高い。このため、各車ペースを落として周回するという“ガマン比べ”の状態が続いた。実際、雨は10分も経たないうちに上がり、再び曇り空の中で戦いが繰り広げられていく。

一方、ステアリングを握るクルム選手は、天候の変化だけでなくクルマの変調にも注意を払いながらのドライビングを強いられていた。直接的な原因が明らかではないため、クルマを労わりつつ、無理のない範囲で懸命の走りを見せたクルム選手。ベテランらしい粘りの走りで35周を走破、ドライバー交代と給油のためにピットに戻ってきた。

事前に無線で情報を確認していた佐々木選手。しかし、実際にコースインするとブレーキングトラブルなどもあり、次第に思い描くような走りに持ち込むのが難しい状態になっていく。いわば手負いの状態ではあったが、ここで集中力を切らさないようにと心がけ、力走。残念ながらライバル車とのバトルを展開するチャンスは訪れなかったが、最後の最後まで諦めない走りを見せてフィニッシュラインをくぐった。これにより、No.24 D'station ADVAN GT-Rは12位で今シーズンの開幕戦を終えている。

近藤監督のコメント

近藤監督

レースが終わったばかりで、クルマを細かく調べないとわからないのですが、レースではクルマの振動やブレーキングでのおかしな挙動が終始出ていたようです。振動はスタート直後から症状が出ていたので、今回はとにかくクルマを最後まで走らせることに集中するしかありませんでした。路面のコンディションによってブレーキングのトラブルも出たり出なかったりしたようです。とにかく今回は本調子でないクルマでレースをしなければならず、本当に悔しいですね。レースができず、残念です。

ミハエル・クルム選手

ミハエル・クルム選手

レース序盤からクルマの振動が出ていました。ただ、最初はいいペースで走れることもできたので、どこに原因があるのかこれから詳しく調べないとわからないですね。クルマ、タイヤ、すべてが新しい状況でレースをしているので、状況把握にも時間がかかると思います。1戦を終えた時点で思うのは、今年は決してライバルから遅れを取っているわけではないので、いい戦いもできるし、チャンスもあると思います。今回は狙っていたポイントが取れず、残念でした。

佐々木大樹選手

佐々木大樹選手

自分としては走りはじめから、ブレーキも余り使えず普通に走れない状況だったので、まず完走することを目標にレースをしていました。クルマをうまくコントロールして完走しようという思いがあったので、それができて良かったのですが、原因がわからない分、これから確認してもらうことになります。富士ではこの悔しさをバネに頑張ります。

エンジニアのコメント

エンジニア

土曜日の予選後に変更したセットアップが良く、朝のフリー走行も手応えあるものでした。レースではいい感じでいけると思ったのですが、トラブルが重なりました。レース終了後、確認出来る範囲でわかったのは、ファーストスティントではタイヤのラバーのピックアップが見られたようです。雨によって一旦はその症状もリセットされたようですが、そのときはクルマとタイヤのバランスもよく、いいラップタイムで周回ができており、決して悪いものではありませんでした。ただ、セカンドスティントの症状はまだこれから原因を究明しなければならない状態です。

リザルト

決勝結果

GT500
Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAP WH
1 37 KeePer TOM'S RC F 伊藤 大輔/アンドレア・カルダレッリ 1:57'15.816 81  
2 6 ENEOS SUSTINA RC F 大嶋 和也/国本 雄資 5.026 81  
3 12 カルソニックIMPUL GT-R 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ 18.818 81  
4 39 DENSO KOBELCO SARD RC F 石浦 宏明/オリバー・ジャービス 21.475 81  
5 18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 山本 尚貴/ジャン・カール・ベルネ 23.259 81  
6 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大/金石 年弘 31.039 81  
7 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ 31.367 81  
8 8 ARTA NSX CONCEPT-GT V.リウッツィ/松浦 孝亮 1'07.608 81  
9 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 小暮 卓史/武藤 英紀 1Lap 80  
10 46 S Road MOLA GT-R 本山 哲/柳田 真孝 1Lap 80  
12 24 D'station ADVAN GT-R ミハエル・クルム/佐々木 大樹 1Lap 80  

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
6 ENEOS SUSTINA RC F 1'21.977